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投稿日時 2008/9/14 12:01:11
更新日時 2008/9/22 21:20:17
「レッド・バルーン」(←関連サイトです)は、リバイバル上映中の「赤い風船」('56)へのオマージュとしてホウ・シャオシェン監督が、オルセー美術館20周年記念の映画制作プロジェクト第1回作品として製作、

こちらはDVD化もされそうですが、公開時期が重なったし「赤い・・」とセットで、「赤い・・」の後で見ようかと思っていました。が、先日「赤い・・」を見損ない、こちらはいち早く近隣では渋谷ユーロスペースで来週金曜で終了、とのことで昨日都合もあいたので、先になってしまいましたが見てきました。

シャオシェン作品は、4年前小津安二郎の生誕100周年記念での「珈琲時光」('04)を、一青窈をヒロインに抜擢という興味もあって見たのが最新、かなりまったりとした時間の流れの作品でしたが、この「レッド・・」も、特に何が起こる、という訳でない日常の様子を淡々と追った作風。

パリの街舞台、人形劇師のシングルマザーのヒロインが、近所に住む友人との不和、仕事上のトラブルに対応しながら、7才のその息子、新たな映画学生の台湾人ベビーシッターと共に過ごす様子を描いた日常ドラマ。少年が冒頭、木の間に見つけた赤い風船が、意志を持っているかのように漂い、彼らの生活を見守るような動き。

出演は、ヒロインの母役ジュリエット・ビノシュ、友人役イポリット・ジラルド、留学生役シャオシェン監督が学長だった映画学校出身のソン・ファン、息子役が演技初体験のシモン・イテアニュ等。感想は後(日)に。

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2 >1 続き
投稿者:Autumn 投稿日時 2008/9/22 10:00:14
更新日時 2008/9/22 10:00:14
息子役のシモン・イデアニュは、「赤い・・」のパスカル少年より、ソフトでやや繊細な味、彼と、しっかり者の母、そして、「ダ・コール」(了解)を繰り返していたソン・ファン演じる、どこか中性的、おっとりした台湾人ベビーシッター、3人のバランスは良かったと。

広くはないセピア色調のアパートで、折に友人問題で波風立っても、彼女らが語り合ったり、少年がピアノのレッスンしたり、やはり日常のさり気ない時間の積み重ねを味わう趣、とも。

ソンは長身、ショートカットですがやや設楽りさ子系の柔和な面差し、演技は初体験らしいですが、自然体の受けのムード、彼女が、少年とクレープを作ったり、下町や公園をゆったり話しながら歩いたり、ビノシュと語ったりする姿が、パリ舞台ではあるけれど、どこかなだらかなアジア的ムード漂わせている感で、彼女を通訳にしてのビノシュと中国人人形遣い師との交流等、西洋+東洋の文化融合的な意味合いも、と。

「珈琲・・」よりは起伏、スパイスがあったと思いましたが、シャオシェン監督がパリ舞台に描いた自作品に、象徴的に”赤い風船”を絡ませた感で、本家のようなファンタジックなピュアさ、というより現代を生きる人々を距離を置いて見守る、大人版「赤い風船」、という余韻でした。(修正再投稿)
 
1 大人版「赤い風船」
投稿者:Autumn 投稿日時 2008/9/22 9:55:58
更新日時 2008/9/22 9:55:58
冒頭、少年が木の中に赤い風船を見つけ、気になりつつも、電車に乗って家路に着き、そのあとをフワフワと風船が追っていきますが、「赤い風船」のように密接さはなく、少年が風船を手にすることもなく、ただ彼とそのシングルマザーの住むアパートの部屋の外を、時折見守るように漂うだけ。

やはり「珈琲時光」のように、彼らと、新たなベビーシッター台湾人留学生達の、何か特別な事が起こるわけでない日常の暮らし、正直、特に風船がなくても支障なさそうな、という内容ではありましたが、

やはりオマージュとして、映画専攻の留学生が少年に「赤い風船」のことを語ったり、その舞台だった下町メニルモンタン辺りだったのかもしれませんが、外壁に赤い風船の絵が描いてあるビルがあったり、彼に赤い風船を持たせて撮影した映像をPCで見たり、

またラスト、この作品がオルセー美術館関連、ということもあってか、同美術館で、少年と子供達が、赤いボールを子供が追うフェリックス・ヴァロットンの「ボール」の説明を受けるシーンがあり、風船でなく通常のボール、とは思うのですが、科白で「バルーン」字幕でも「風船」、だったのですが、この絵は同美術展等
で何度か見て、大判カードをしばらく飾っていたこともあったので、劇中使われて一瞬感慨あったりもしました。

ストーリー的には、人形術師の仕事をするシングルマザースザンヌが、息子を愛し、仕事に取り組みながらも、階下に間貸しする友人との不和、トラブル等、苛立ちながら日常を生きる姿、をジュリエット・ビノシュが逞しく、情感込めて演じ、

ビノシュは「綴り字のシーズン」での母役以来でしたが、人形劇練習シーンで、色んな声色を使う声優の様子等、今回の方が感情表現がストレートで躍動的、終盤「大人って複雑ね」等と溜息まじりで呟くシーン等もありましたが、

折に赤い服姿もあって、彼女自身が、作り手がこの作品で描きたかった、少年との絆もあるけれど右往左往しながら孤独にパリを漂う赤い風船、というニュアンスも?と思ったりも。
 
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