舞台は1915年のLAの小さな病院、ベッドで動けないスタントマンと、腕を怪我した少女との、狭い空間の交流ですが、それと対照的な、彼が話す物語の壮大な空間の広がり。
アフリカの広大な砂漠と空、フィジーの蝶のイメージの小さな島、象が泳ぐ青く澄んだ海、等の大自然、アンコールワットや万里の長城、視覚にインパクトあった、階段が幾何学模様になったインドの井戸の遺跡、彼らの衣装、特に悪役オウディアス総督の婚約者の、顔を隠す半透明の扇子状の覆い、優雅な赤いドレス、バリの独特のエスニックな群舞等、映像的に盛りだくさん。
婚礼シーンで、イスタンブールで撮影かと思いますが、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」で見た、トルコの伝統回転舞踊「セマ」や、ラストで少女が復活したスタントマンのイメージで見る、チャップリンやキートンのサイレント映画の断片等、多彩で壮大な映像の数々で、劇場で見た価値はあったかと。
ストーリー的には、総督にそれぞれ恨みを抱く5人の戦士達が、復讐に立ち向かう、やや血なまぐさい冒険劇、人生に絶望したスタントマンの心象でもあってか、折に触れ建物から人物が落下していくシーンが織り込まれたり、スタントマン(=黒山賊)、看護婦(=総督の婚約者)、少女達も物語の中に入り込んでいて、
元々アクション志向の作品かもしれないですが、個人的には、美しい風景の数々を背景に、もう少しソフトな寓話的(例えば「ハーフェズペルシャの詩」のような)物語の方が、好ましかったかと。
物語に熱心に耳を傾ける少女が、純真に登場人物達を気遣う様子も印象的、スタントマンがこの物語を話すことによって、カタルシスになり何か心が開放される感もあり、現実と空想がらせん状に進む、独特な味でした。(訂正再投稿)
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