2007/10/10  21:38

ポーランド  日記

家の近所に、一軒の総菜屋を見つけた。
いつからあったのかはわからない。
ある日、急に目に留まった。

一見、普通の総菜屋だったのだが、外見が可愛かったので、中を覗いてみた。
惣菜の他に、ケーキもある。ユダヤ人街である、マレ地区でよく見かける、四角く切って売っているタイプ。

更によく見ると、何か気になるものがあった。
棚に並べてあるリカー類の中に、見覚えのある瓶。
ポーランドで買った、蜂蜜の蒸留酒。
入り口に置いてある、無料配布の情報誌らしき印刷物。
ポーランド語の題名。
店のガラスをよく見れば、ポーランド食材店、と書いてあるではないか。

さてそれがどうしたのかと言えば、かつてポーランドに2週間ほど滞在したことがある、と言うだけなのだが、パリ以外の外国で、初めに長期(と言っても2週間)滞在をした国なのだ。

ワルシャワから電車で2時間の、映画の街と言われるウッチという小さな、それでもポーランドの中では大きな街で、労働力と引き換えに、宿泊所と食事を提供してもらうワークキャンプに参加した。公園と墓地の掃除と言う大したことのない奉仕活動と引き換えに、夏休み中の学生寮で、食堂でポーランドの美味しい家庭料理を毎食いただいた。
フランスに限らず、ヨーロッパの若者は怠け者に見える。しかし、仕事を依頼するほうも、たいした労働力を期待しているわけではなかったようで、いつも身の入らない掃除を予定より早く切り上げ、街なかのメインストリートでビールやウォッカを飲む日々だった。

そこで飲んだ地ビールが、どこを探しても見つからなかった。
それが、この店に売っていた。買わないわけはない。

パリに住んでいると、フランスやベルギー、ドイツ産の美味しいビールが飲めるので、わざわざポーランド産のビールを買う必要はないのだが、これを飲んだら、矢張り、滞在中の出来事が頭を過ぎる。

現地で、日本人留学生と会った。
「ポーランドに一度来た人は、再びこの地に戻ってくるんだよ。」
と彼女は言った。
私はあれきり一度もあの地を踏んではいないのだが、好きな国のひとつである。
いつか、再び、かの地に舞い戻ることが、あるだろうか。
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