2008/7/25 3:16
旅行記1 旅行
昨日の日記で、弁護士のところで結婚の契約をした、と書いたが、
よく聞いてみたら、弁護士でなく公証人だった。
私もフィオルディリージみたいに署名して結婚したのだ。
まあ私が署名したのは、ホンモノの公証人の事務所だったし、
別に変装した妹の婚約者と結婚したわけでもない。
当時は、公証人のところで署名しているフィオルディリージな状況を把握していなかった。
公証人というのは、親とか祖父とか叔父が公証人だと、その事務所を引き継ぐのが簡単だが、
例えばうちの息子に公証人になって欲しくても、そう簡単になれるような職業ではないらしい。
公証人は、こうして結婚の契約とか、家の売買の契約、遺産相続なんかに必ず登場するらしく、
かなりのパーセンテージの手数料をがっぽり稼ぐので、是非息子なんかに将来なって欲しい、
と思ってしまうが、別に公証人の親戚がいるわけでもないので、アホな夢である。
と、まあ公証人の話はどうでも良いので、そろそろ旅行の話をしよう。
旅行は天気にも恵まれ、楽しかった。滞在したのは友人の休暇用アパートで、
12階建てで恐ろしく醜いアパートだ。それは持ち主にもあらかじめ聞いていたが、
実際醜かったし、調度品というかインテリアなども、1970年代前後のまま
ストップモーションがかかったような趣味だ。60年代とかのポップな感じというか、
そういうお洒落なものではなく、70年代の貧しい庶民の調度品が
そのまま使われている感じだ。
持ち主は、友人の母親でアルメニア人だ。
夫には、別に付き合うとかでない長年の女友達がいる。
別に長子とかではないので関係ないが、侯爵の娘だ。
私の夫はアルメニア系ハーフで、姑はアルメニア人だが、
その女友達の夫もたまたまアルメニア人で、
その夫の母親の所有するアパートに滞在したわけである。
その母親は、同じ村の中心地にもう一軒アパートを持っていて、毎夏そこに滞在する。
同じアルメニア人同士だし、姑はその中心地のアパートに友人の母親と、
私達の旅行と同時期居候していた。
姑は、こうしてこの中心地のアパートに遊びに来るのは、今年が3度目で、
私達にも、良いところだから行くと良い、と毎回言われており、
今年初めてそれが実現したわけだ。
まあとにかく、この持ち主の趣味で、かなり古風なインテリアなアパートではあった。
夫は、アルメニア人の祖父母のインテリアを思い出し、大変ノスタルジックな気分になる、
と、えらく気に入っていた。まあ私はもっとシンプルでニュートラルなインテリアなら、
さらに嬉しいが、まあ夫も気に入っているならダサいけど良いか、と思うことにした。
子供達は黙っていたが、旅行先から家に帰宅してかなり喜んでいた。
次男は、アパートが古臭いので、毎晩悪夢を見ていた、と彼なりの語彙で説明してくれた。
自分の家に帰ったら、もう悪い夢を見ないの、というようなことを言っていた。
まあアパートは良いのだ。とにかく、私達は8階に泊まっていたが、
居間からは海岸を一望でき、裏の台所の窓からは、川を一望できた。
海岸の地平線から朝日が昇り、川の向こうの丘に夕日が沈むのだ。
私達のアパートは、その一帯では最も背が高く、海を見るにも川を見るにも、
何も視界を邪魔するものはない。アパートの周りの家からみたら、
酷く邪魔で醜いアパートだろうが、中にいたら醜いものは一切見えないのだ。
まるで、昔建築中とか新築のエッフェル塔が醜い、と嘆くグノーなどのパリの文化人が、
エッフェル塔に登ってしまえば、何も醜いものが見えなくて良い、
と言っていたのと同じ状況だ。
古風なインテリアは私の趣味では全くないが、ちゃんとお湯も出るし、台所も使える。
別にマットレスの質が悪いとか言うこともないし、虫が出るわけでもなく清潔だし、
海岸には徒歩2分でいけるし、アパートの敷地内には大きな芝生とテニスコートが2つあり、
子供達はいつでも庭を駆け回っていた。
別にプライベートビーチでもないが、殆ど庭のような感覚で、
天気が良ければ海岸まで歩いていけるのは素晴らしい。
アパートの住民は、水着にTシャツやらパレオ、簡単なワンピースやらを引っ掛けて、
タオルやら敷物を持って、毎日気軽に海まで行く。
海岸は砂浜で、全長7キロくらいの湾で、波はあるがかなり静かだし、
水は透明で冷たすぎず、子供でも楽しく遊ぶことができる。
もちろん、監視はしっかりするが、うちの近所の海の波の強さに比べたら、ずっと安全だ。
うちの近所はサーファー天国だが、海水浴をするには、水が冷たすぎるし波が強すぎる。
子供達は、毎日波と砂で遊んでいた。
と、今回は海の旅行と思っていたが、私達が旅行した地方は山もあって、
天気がそれほどよくない日は、車で遠出もした。山も谷も素晴らしい景色だったし、
滝や洞窟、いろいろな旧市街の城壁や城、教会などもいくつか訪問できた。
動物園にも行った。夫は動物園は、本来自由に生きるべき動物が閉じ込められて
かわいそうだから嫌い、と公言しているが、旅行先だと何故か子供を動物園に連れて行く。
その動物園は、いろんな種類のサルと鳥がやたらといて、ライオンと虎が一頭ずつ、
後は虫と爬虫類と家畜がいる、というような動物園だったが、子供達は大喜びだった。
私は子供達に、孔雀が羽を広げているところを見せられたのが嬉しかった。
子供達は孔雀を見たことすらなかったが、はじめ孔雀コーナーを通ったとき、
孔雀は羽を閉じていて開く気配もなかった。
2度目近くを通ったら、1羽の孔雀が激しく羽を広げ、
ぶるぶると震わせてながら、雌孔雀を誘惑していた。
私も誘惑されそうになるほど美しかった。
もう一つその近辺に動物園があり、そこには上記のローカルな動物園より、
象やきりん、シマウマ、サイなど、次男が喜びそうな動物がいるようだったので、
行きたかったのだが、子供もひっくるめて、1人30ユーロ入園料を取られると聞き諦めた。
30ユーロと言うのは欧州的には考えられない高額な入場料だ。
日本的にはあまり驚かないが、それにしても子供料金さえないなんて驚きだ。
子供が喜ぶだろうとは思うが、30は高すぎる。
豊かな国では全然ないのに、一体誰が見に行くんだろうと思う。
とにかく、楽譜を一冊も持たないで行く仕事抜きの家族旅行は初めてだった。
まだ日本にいた頃、バブリーに実家の家族と海外旅行に行ったこともあるが、
1箇所に10日以上もゆっくり滞在したことはない。1泊か2泊、長くて3泊すると
別の滞在先に慌しく移動する、という旅行だった。
夏の音楽祭は、2ヶ月滞在したりするが、家族旅行はついでみたいな感じで、
私は毎日のように稽古やコレペティとのレッスンが入り、
ボケーッと家族であちこちにいく、なんていう感じではない。
私の空き時間に無理矢理買い物をしたり、どこかに観光に行くのだ。
この日は何もないと思っていても、突然呼び出されるようなこともあり、油断もできない。
今回は本当に時計すら持たず、今が何曜日で何時かもわからずだらしなく過ごした。
本当に楽しかった。続く。
よく聞いてみたら、弁護士でなく公証人だった。
私もフィオルディリージみたいに署名して結婚したのだ。
まあ私が署名したのは、ホンモノの公証人の事務所だったし、
別に変装した妹の婚約者と結婚したわけでもない。
当時は、公証人のところで署名しているフィオルディリージな状況を把握していなかった。
公証人というのは、親とか祖父とか叔父が公証人だと、その事務所を引き継ぐのが簡単だが、
例えばうちの息子に公証人になって欲しくても、そう簡単になれるような職業ではないらしい。
公証人は、こうして結婚の契約とか、家の売買の契約、遺産相続なんかに必ず登場するらしく、
かなりのパーセンテージの手数料をがっぽり稼ぐので、是非息子なんかに将来なって欲しい、
と思ってしまうが、別に公証人の親戚がいるわけでもないので、アホな夢である。
と、まあ公証人の話はどうでも良いので、そろそろ旅行の話をしよう。
旅行は天気にも恵まれ、楽しかった。滞在したのは友人の休暇用アパートで、
12階建てで恐ろしく醜いアパートだ。それは持ち主にもあらかじめ聞いていたが、
実際醜かったし、調度品というかインテリアなども、1970年代前後のまま
ストップモーションがかかったような趣味だ。60年代とかのポップな感じというか、
そういうお洒落なものではなく、70年代の貧しい庶民の調度品が
そのまま使われている感じだ。
持ち主は、友人の母親でアルメニア人だ。
夫には、別に付き合うとかでない長年の女友達がいる。
別に長子とかではないので関係ないが、侯爵の娘だ。
私の夫はアルメニア系ハーフで、姑はアルメニア人だが、
その女友達の夫もたまたまアルメニア人で、
その夫の母親の所有するアパートに滞在したわけである。
その母親は、同じ村の中心地にもう一軒アパートを持っていて、毎夏そこに滞在する。
同じアルメニア人同士だし、姑はその中心地のアパートに友人の母親と、
私達の旅行と同時期居候していた。
姑は、こうしてこの中心地のアパートに遊びに来るのは、今年が3度目で、
私達にも、良いところだから行くと良い、と毎回言われており、
今年初めてそれが実現したわけだ。
まあとにかく、この持ち主の趣味で、かなり古風なインテリアなアパートではあった。
夫は、アルメニア人の祖父母のインテリアを思い出し、大変ノスタルジックな気分になる、
と、えらく気に入っていた。まあ私はもっとシンプルでニュートラルなインテリアなら、
さらに嬉しいが、まあ夫も気に入っているならダサいけど良いか、と思うことにした。
子供達は黙っていたが、旅行先から家に帰宅してかなり喜んでいた。
次男は、アパートが古臭いので、毎晩悪夢を見ていた、と彼なりの語彙で説明してくれた。
自分の家に帰ったら、もう悪い夢を見ないの、というようなことを言っていた。
まあアパートは良いのだ。とにかく、私達は8階に泊まっていたが、
居間からは海岸を一望でき、裏の台所の窓からは、川を一望できた。
海岸の地平線から朝日が昇り、川の向こうの丘に夕日が沈むのだ。
私達のアパートは、その一帯では最も背が高く、海を見るにも川を見るにも、
何も視界を邪魔するものはない。アパートの周りの家からみたら、
酷く邪魔で醜いアパートだろうが、中にいたら醜いものは一切見えないのだ。
まるで、昔建築中とか新築のエッフェル塔が醜い、と嘆くグノーなどのパリの文化人が、
エッフェル塔に登ってしまえば、何も醜いものが見えなくて良い、
と言っていたのと同じ状況だ。
古風なインテリアは私の趣味では全くないが、ちゃんとお湯も出るし、台所も使える。
別にマットレスの質が悪いとか言うこともないし、虫が出るわけでもなく清潔だし、
海岸には徒歩2分でいけるし、アパートの敷地内には大きな芝生とテニスコートが2つあり、
子供達はいつでも庭を駆け回っていた。
別にプライベートビーチでもないが、殆ど庭のような感覚で、
天気が良ければ海岸まで歩いていけるのは素晴らしい。
アパートの住民は、水着にTシャツやらパレオ、簡単なワンピースやらを引っ掛けて、
タオルやら敷物を持って、毎日気軽に海まで行く。
海岸は砂浜で、全長7キロくらいの湾で、波はあるがかなり静かだし、
水は透明で冷たすぎず、子供でも楽しく遊ぶことができる。
もちろん、監視はしっかりするが、うちの近所の海の波の強さに比べたら、ずっと安全だ。
うちの近所はサーファー天国だが、海水浴をするには、水が冷たすぎるし波が強すぎる。
子供達は、毎日波と砂で遊んでいた。
と、今回は海の旅行と思っていたが、私達が旅行した地方は山もあって、
天気がそれほどよくない日は、車で遠出もした。山も谷も素晴らしい景色だったし、
滝や洞窟、いろいろな旧市街の城壁や城、教会などもいくつか訪問できた。
動物園にも行った。夫は動物園は、本来自由に生きるべき動物が閉じ込められて
かわいそうだから嫌い、と公言しているが、旅行先だと何故か子供を動物園に連れて行く。
その動物園は、いろんな種類のサルと鳥がやたらといて、ライオンと虎が一頭ずつ、
後は虫と爬虫類と家畜がいる、というような動物園だったが、子供達は大喜びだった。
私は子供達に、孔雀が羽を広げているところを見せられたのが嬉しかった。
子供達は孔雀を見たことすらなかったが、はじめ孔雀コーナーを通ったとき、
孔雀は羽を閉じていて開く気配もなかった。
2度目近くを通ったら、1羽の孔雀が激しく羽を広げ、
ぶるぶると震わせてながら、雌孔雀を誘惑していた。
私も誘惑されそうになるほど美しかった。
もう一つその近辺に動物園があり、そこには上記のローカルな動物園より、
象やきりん、シマウマ、サイなど、次男が喜びそうな動物がいるようだったので、
行きたかったのだが、子供もひっくるめて、1人30ユーロ入園料を取られると聞き諦めた。
30ユーロと言うのは欧州的には考えられない高額な入場料だ。
日本的にはあまり驚かないが、それにしても子供料金さえないなんて驚きだ。
子供が喜ぶだろうとは思うが、30は高すぎる。
豊かな国では全然ないのに、一体誰が見に行くんだろうと思う。
とにかく、楽譜を一冊も持たないで行く仕事抜きの家族旅行は初めてだった。
まだ日本にいた頃、バブリーに実家の家族と海外旅行に行ったこともあるが、
1箇所に10日以上もゆっくり滞在したことはない。1泊か2泊、長くて3泊すると
別の滞在先に慌しく移動する、という旅行だった。
夏の音楽祭は、2ヶ月滞在したりするが、家族旅行はついでみたいな感じで、
私は毎日のように稽古やコレペティとのレッスンが入り、
ボケーッと家族であちこちにいく、なんていう感じではない。
私の空き時間に無理矢理買い物をしたり、どこかに観光に行くのだ。
この日は何もないと思っていても、突然呼び出されるようなこともあり、油断もできない。
今回は本当に時計すら持たず、今が何曜日で何時かもわからずだらしなく過ごした。
本当に楽しかった。続く。
