2007/12/3 8:04
あなたもウサギに星を磨いてもらいませんか? 新作案内
ウサギに磨いてもらって、星が輝いたらその恋は実ります…。
「星磨きウサギ」那須田淳・作 吉田稔美・絵 理論社
前作「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)に登場した星磨きウサギのことをもっと読みたいという声に押されて、星磨きウサギを主人公にした作品を刊行しました。吉田稔美さんが素敵な絵をたくさんつけてくれて挿画入り小説というより、もっと絵本に近いスタイルです。
宇宙からやってきた星磨きうさぎが、地球のさまざまな土地、時代を旅しながら、恋とは愛とはなにか確かめていく……。初恋から、歳を経てだれかを愛した記憶を振り返るまでを含めて「人を好きになること」の意味みたいなものを僕なりに考えた作品です。ロマンスは永遠だし、10歳からおとなの恋愛現役世代、あるいはそれこそリタイアされた方々まで読んでいただけるのではないかと…。

©J.NASUDA & T.YOSHIDA
この出版を記念した作品展を12月4日〜9日まで、御茶ノ水の美篶堂misuzudoで開催します。
お近くにいらしたら、ぜひおいでください。
星磨きウサギの原画はもちろん、関連グッズ、ここでしか読めない、星磨きウサギの物語誕生からの制作秘話などをまとめた「HOPPELZEITUNG(ぴょんぴょん新聞)」も配布します。
吉田さんは毎日、僕は初日と週末は必ず、あとは夕方以降はなるべくいるつもりでいます。
美篶堂misuzudoへのアクセスは

©美篶堂
美篶堂ギャラリー
〒101-0021
東京都千代田区外神田2-1-2
東進ビル本館1F
Tel : 03-3258-8181
Fax : 03-3258-8181
info@misuzudo-b.com
open
[平日] 11:00〜20:00
[土・日・祝日] 11:00〜18:00
*定休日*月曜日
●丸の内線御茶ノ水駅から徒歩3分
●JR御茶ノ水駅から徒歩5分
JR御茶ノ水駅をご利用の場合は、
聖橋口からのほうがかえって遠回りになりますので、御茶ノ水橋口からお越し下さいとのこと。
御茶ノ水駅御茶ノ水橋口を出て右手、東京医科歯科大学のほうへ
御茶ノ水橋を渡り、信号を渡らずにそのまま右折(丸の内線御茶ノ水駅があります)
神田川に沿って秋葉原方面に坂を下り、聖橋の高架下をくぐり、
最初の建物の1F。道路を挟んで向かいは湯島聖堂です。
「星磨きウサギ」那須田淳・作 吉田稔美・絵 理論社
前作「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)に登場した星磨きウサギのことをもっと読みたいという声に押されて、星磨きウサギを主人公にした作品を刊行しました。吉田稔美さんが素敵な絵をたくさんつけてくれて挿画入り小説というより、もっと絵本に近いスタイルです。
宇宙からやってきた星磨きうさぎが、地球のさまざまな土地、時代を旅しながら、恋とは愛とはなにか確かめていく……。初恋から、歳を経てだれかを愛した記憶を振り返るまでを含めて「人を好きになること」の意味みたいなものを僕なりに考えた作品です。ロマンスは永遠だし、10歳からおとなの恋愛現役世代、あるいはそれこそリタイアされた方々まで読んでいただけるのではないかと…。
©J.NASUDA & T.YOSHIDA
この出版を記念した作品展を12月4日〜9日まで、御茶ノ水の美篶堂misuzudoで開催します。
お近くにいらしたら、ぜひおいでください。
星磨きウサギの原画はもちろん、関連グッズ、ここでしか読めない、星磨きウサギの物語誕生からの制作秘話などをまとめた「HOPPELZEITUNG(ぴょんぴょん新聞)」も配布します。
吉田さんは毎日、僕は初日と週末は必ず、あとは夕方以降はなるべくいるつもりでいます。
美篶堂misuzudoへのアクセスは
©美篶堂
美篶堂ギャラリー
〒101-0021
東京都千代田区外神田2-1-2
東進ビル本館1F
Tel : 03-3258-8181
Fax : 03-3258-8181
info@misuzudo-b.com
open
[平日] 11:00〜20:00
[土・日・祝日] 11:00〜18:00
*定休日*月曜日
●丸の内線御茶ノ水駅から徒歩3分
●JR御茶ノ水駅から徒歩5分
JR御茶ノ水駅をご利用の場合は、
聖橋口からのほうがかえって遠回りになりますので、御茶ノ水橋口からお越し下さいとのこと。
御茶ノ水駅御茶ノ水橋口を出て右手、東京医科歯科大学のほうへ
御茶ノ水橋を渡り、信号を渡らずにそのまま右折(丸の内線御茶ノ水駅があります)
神田川に沿って秋葉原方面に坂を下り、聖橋の高架下をくぐり、
最初の建物の1F。道路を挟んで向かいは湯島聖堂です。
2007/11/30 20:52
パパにつける薬 新作案内
先週、大阪で日中児童文学シンポジウムがあり、シンポジストとして参加したので、ベルリンからパリ経由で帰国。東京の自宅に戻って、ようやくいつもの日常が始まった気がする。11月中はベルリンで久しぶりに娘たちとも遊んで、リフレッシュできたが、日本に戻ってくるとやはり忙しい。締め切りもあるし、忘年会やらパーティもあるし、自分の作品展もあったりして…。部屋にこもって運動不足の上、酒や食事会でカロリーオーバーになるのが目に見える。それで少しばかりダイエットもかねてと、コンニャクを買ってきて味噌おでんにして食べていたら、また太ってしまった。うまかったので食べすぎたのだろう。コンニャク食べて太る俺って…なにやってんだかね。
ところで、新刊です。今月は三冊出ました。
出ないときはなにもないくせに、刊行となるとバタバタ…と重なるのも不思議だ。
つまりもうちょっと仕事をしないとまずいということなのだろう。

というわけで、まずは翻訳です。
「パパにつける薬」講談社
A・ハッケ著、M・ゾーヴァ絵、那須田淳/木本栄共訳
定価1365円(税込)
「ちいさなちいさな王様」のアクセル・ハッケとミヒャエル・ゾーヴァのコンビによるパパの子育てエッセイです。
子育っての苦労も楽しみも、ばたばた感も、ドイツであろうと日本であろうと同じですね。どこからでも読める25章。相変わらずハッケは笑わせてくれました。それにゾーヴァの絵も、「へへ」となります。ハッケパパは、どちらかというと近頃トレンディな育児参加に積極的ながんばっちゃうパパではなくて、とりあえずパパとして、手抜きしながらもやることはやっているというタイプだろうか。その分、似たモノとして、訳していて共感できた。考えてみれば、ハッケもゾーヴァも僕も、育児中のパパだったりする。
ところで、このタイトルは原題からの直訳ではなく、共訳の木本栄(うちの奥さん)がつけました。うーむ。
ところで、新刊です。今月は三冊出ました。
出ないときはなにもないくせに、刊行となるとバタバタ…と重なるのも不思議だ。
つまりもうちょっと仕事をしないとまずいということなのだろう。
というわけで、まずは翻訳です。
「パパにつける薬」講談社
A・ハッケ著、M・ゾーヴァ絵、那須田淳/木本栄共訳
定価1365円(税込)
「ちいさなちいさな王様」のアクセル・ハッケとミヒャエル・ゾーヴァのコンビによるパパの子育てエッセイです。
子育っての苦労も楽しみも、ばたばた感も、ドイツであろうと日本であろうと同じですね。どこからでも読める25章。相変わらずハッケは笑わせてくれました。それにゾーヴァの絵も、「へへ」となります。ハッケパパは、どちらかというと近頃トレンディな育児参加に積極的ながんばっちゃうパパではなくて、とりあえずパパとして、手抜きしながらもやることはやっているというタイプだろうか。その分、似たモノとして、訳していて共感できた。考えてみれば、ハッケもゾーヴァも僕も、育児中のパパだったりする。
ところで、このタイトルは原題からの直訳ではなく、共訳の木本栄(うちの奥さん)がつけました。うーむ。
2007/11/6 1:35
絵日記の人生 青熊ラジオ
昨日、4日の日曜日には、家族でベルリン市内のユダヤ美術館へ行ってきました。
アウシュビッツ収容所で殺された画家シャルロッテ・ソロモンの特別展が25日までやっているので、見ておこうかと。
過酷な日々のできごとを鉛筆によるグアッシュ画でつづったソロモンの絵は、思わず引き込まれるほど生き生きとしていて、「人間」というものの本質みたいなものを強く感じました。
タイトルは「Charlotte Salomon-Leben? Oder Theater?」で、名詞的に訳すと「シャルロッテ・ソロモン-人生? それとも芝居?」となるが「生きるか? それとも演じるか?」といったほうが僕にはしっくりきました。
自分の人生を絵でつづってもそんなに激しいものにはならないと思うけれど、それはそれで幸せなことなのかもしれない。
さて、ホームページ青熊ラジオのほうを更新しました。
エッセイも2つ
essay-daysに「ただほど恥ずかしい」
essay-kidsに「きれいなおなら」
を掲載しました。
ひまなときに覗いてみてください。タイトルからして平穏な日々ですね、実際。
青熊
アウシュビッツ収容所で殺された画家シャルロッテ・ソロモンの特別展が25日までやっているので、見ておこうかと。
過酷な日々のできごとを鉛筆によるグアッシュ画でつづったソロモンの絵は、思わず引き込まれるほど生き生きとしていて、「人間」というものの本質みたいなものを強く感じました。
タイトルは「Charlotte Salomon-Leben? Oder Theater?」で、名詞的に訳すと「シャルロッテ・ソロモン-人生? それとも芝居?」となるが「生きるか? それとも演じるか?」といったほうが僕にはしっくりきました。
自分の人生を絵でつづってもそんなに激しいものにはならないと思うけれど、それはそれで幸せなことなのかもしれない。
さて、ホームページ青熊ラジオのほうを更新しました。
エッセイも2つ
essay-daysに「ただほど恥ずかしい」
essay-kidsに「きれいなおなら」
を掲載しました。
ひまなときに覗いてみてください。タイトルからして平穏な日々ですね、実際。
青熊
2007/11/3 17:51
久しぶりのわが家 青熊ラジオ
先週の土曜日に、東京からベルリンに戻ってきました。
今年から短大の講義(創作指導)を受け持ったので、学期中は日本という感じなのだけれど、11月は講義日に学園祭や創立記念日があり、ベルリンにも用事があり、ちょっと帰省(というのか?)。
夏休み前は、初めての単身赴任で、なんだかんだあわただしくしているうちに過ぎてしまったわけだが、この秋は少しばかりホームシックだった。娘たちのほうはパパのいない生活にもなれたようでさほどでもなかったらしい…。それでも食事中にゲップとかしていると、「あー、パパが帰ってきたなあ」とうれしそうにしている。いつまでこういう歓迎ムードが続くかはわからないけど(そのうちパパ、ブーとクレームがつくのは目に見えている)、まあ、ここが自分の居場所なんだなと思う。
仕事のほうは相変わらず。
小説の締め切りはずっと延ばしっぱなしで、そろそろラストスパートをかけないとまずい。うしろがずいぶんつかえてしまっているし、編集の人たちに会うたびに心苦しい日々だ。
とはいえ11月末には『一億百万光年先に住むウサギ』から生まれたラブストーリー『星磨きウサギ』が理論社から出ます。よろしく!
詳しくは、HP青熊ラジオのほうで。
今年から短大の講義(創作指導)を受け持ったので、学期中は日本という感じなのだけれど、11月は講義日に学園祭や創立記念日があり、ベルリンにも用事があり、ちょっと帰省(というのか?)。
夏休み前は、初めての単身赴任で、なんだかんだあわただしくしているうちに過ぎてしまったわけだが、この秋は少しばかりホームシックだった。娘たちのほうはパパのいない生活にもなれたようでさほどでもなかったらしい…。それでも食事中にゲップとかしていると、「あー、パパが帰ってきたなあ」とうれしそうにしている。いつまでこういう歓迎ムードが続くかはわからないけど(そのうちパパ、ブーとクレームがつくのは目に見えている)、まあ、ここが自分の居場所なんだなと思う。
仕事のほうは相変わらず。
小説の締め切りはずっと延ばしっぱなしで、そろそろラストスパートをかけないとまずい。うしろがずいぶんつかえてしまっているし、編集の人たちに会うたびに心苦しい日々だ。
とはいえ11月末には『一億百万光年先に住むウサギ』から生まれたラブストーリー『星磨きウサギ』が理論社から出ます。よろしく!
詳しくは、HP青熊ラジオのほうで。
2007/6/5 10:56
ホームページができました。 青熊ラジオ
みなさん、お元気ですか?
ずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。
えーと…なにから書き始めようか迷うところですが、まずはイベントのお礼。
3月の浜松のアクトシティで行われた「那須田淳の物語世界・朗読と音楽のひととき」は、おかげさまで900人を越える方々においでいただきました。ほんとうにありがとうございました。企画や広報、会場の設営などをしてくださった浜松市の文化政策課のみなさん、文化財団のみなさん、どうもありがとうございました。
また共演してくれたピアニストの安原由衣さん、ホルン四重奏のアンサンブル・フォレストのみなさん、感謝! チャンスがあればまたやりたいですね。
さて、その後の青熊です。
今年から、青山学院女子短期大学の国文科で、創作指導「童話・児童文学」の講座を持つことになりました。授業のある期間は、ベルリンから単身赴任というわけで、一ヶ月が経過して、まあ、なんとか落ち着いたところです。
相変わらず遅筆で、編集のみなさんにはご迷惑をおかけしていますが、そろそろペースアップをせねば、と思っています。
エッセイや短編など小さな締め切りも重なり、しばらく休みなしで働いてましたが(…家の掃除とか、草むしりとかもあったし)。疲れ果てたので、先日はマックス・ラーベの東京公演、横浜でドイツ映画『善き人のためのソナタ』を見に行き、先週末はホームページをたちあげたりと、気分転換(しすぎという噂もある)をはかりました。一人暮らしはけっこう大変だけど、ベルリンで子ども二人を抱えている奥さんよりはずいぶん楽しているはずで、文句は言えない(言うつもりもないけど)。
ところでマックス・ラーベは、超満員でした。サービスで日本語の歌『野球小僧』とかもうたってくれたけど、さすが。こぶしも聴かせたりして思わず「おー」とうなってしまった。歌の本質っていうのはいうのは、言語、ジャンルをとわず変わらないんだなってあらためて感じた次第。ただし、同行した音楽評論家の兄にいわせると、会場のミキシングが今ひとつ悪く、ラーベの歌がバンドの音にかぶさってしまってときどきつぶれていたのが残念とのこと。たしかに音的には、ベルリンのキャバレーや劇場で聴いたときのほうが良かったかも。企画元のイッセー尾形さん、次回はそのあたり気にして欲しいです。
それから、映画「善き人のためのソナタ」。こちらはベルリンでも見逃していたドイツ映画ですが、関東でも上映が一区切りついたあとだったせいか、さがしてもみつからず、横浜の本牧でかかっているのをようやく発見して、でかけてきました。うちの奥さんにも絶対に見たほうがいい、超おすすめと言われてたから、それなりに期待していたけど、泣けました……。あんなに余韻のある映画は久しぶりだったですね。上映終了後も5分ぐらい席を立てず、そのまま浸ってた感じです。まだ全国各地でところどころかかるようですからチャンスがあればぜひ、ご覧ください。DVDは夏発売とのこと。でも、せっかくなら映画館でしょう、やっぱり。
それからHP。
公式というのも恥ずかしいかぎりですが、青熊こと那須田淳の看板としてあげておこうかと。
青熊ラジオ・那須田淳のofficial web page
www.aokumaradio.com
まだところどころサイト内を工事中ですが…。公開しましたので訪問してくださればうれしいです。
こちらのBLOGのほうも、ついでにリニューアルしました。
両方とも連動しながら今後とも継続していきたいと思いますで、よろしく。
あ、ひとつ大事なお知らせ。
『一億百万光年先に住むウサギ』が、2007年度第53回青少年読書感想文コンクールの課題図書(中学生の部)に選定されました。中学生のみなさんの感想、お待ちしています。
でもヤングアダルト小説ですから、大人の方も、もちろん引き続いて読んでくださいね。
ではでは 青熊
ずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。
えーと…なにから書き始めようか迷うところですが、まずはイベントのお礼。
3月の浜松のアクトシティで行われた「那須田淳の物語世界・朗読と音楽のひととき」は、おかげさまで900人を越える方々においでいただきました。ほんとうにありがとうございました。企画や広報、会場の設営などをしてくださった浜松市の文化政策課のみなさん、文化財団のみなさん、どうもありがとうございました。
また共演してくれたピアニストの安原由衣さん、ホルン四重奏のアンサンブル・フォレストのみなさん、感謝! チャンスがあればまたやりたいですね。
さて、その後の青熊です。
今年から、青山学院女子短期大学の国文科で、創作指導「童話・児童文学」の講座を持つことになりました。授業のある期間は、ベルリンから単身赴任というわけで、一ヶ月が経過して、まあ、なんとか落ち着いたところです。
相変わらず遅筆で、編集のみなさんにはご迷惑をおかけしていますが、そろそろペースアップをせねば、と思っています。
エッセイや短編など小さな締め切りも重なり、しばらく休みなしで働いてましたが(…家の掃除とか、草むしりとかもあったし)。疲れ果てたので、先日はマックス・ラーベの東京公演、横浜でドイツ映画『善き人のためのソナタ』を見に行き、先週末はホームページをたちあげたりと、気分転換(しすぎという噂もある)をはかりました。一人暮らしはけっこう大変だけど、ベルリンで子ども二人を抱えている奥さんよりはずいぶん楽しているはずで、文句は言えない(言うつもりもないけど)。
ところでマックス・ラーベは、超満員でした。サービスで日本語の歌『野球小僧』とかもうたってくれたけど、さすが。こぶしも聴かせたりして思わず「おー」とうなってしまった。歌の本質っていうのはいうのは、言語、ジャンルをとわず変わらないんだなってあらためて感じた次第。ただし、同行した音楽評論家の兄にいわせると、会場のミキシングが今ひとつ悪く、ラーベの歌がバンドの音にかぶさってしまってときどきつぶれていたのが残念とのこと。たしかに音的には、ベルリンのキャバレーや劇場で聴いたときのほうが良かったかも。企画元のイッセー尾形さん、次回はそのあたり気にして欲しいです。
それから、映画「善き人のためのソナタ」。こちらはベルリンでも見逃していたドイツ映画ですが、関東でも上映が一区切りついたあとだったせいか、さがしてもみつからず、横浜の本牧でかかっているのをようやく発見して、でかけてきました。うちの奥さんにも絶対に見たほうがいい、超おすすめと言われてたから、それなりに期待していたけど、泣けました……。あんなに余韻のある映画は久しぶりだったですね。上映終了後も5分ぐらい席を立てず、そのまま浸ってた感じです。まだ全国各地でところどころかかるようですからチャンスがあればぜひ、ご覧ください。DVDは夏発売とのこと。でも、せっかくなら映画館でしょう、やっぱり。
それからHP。
公式というのも恥ずかしいかぎりですが、青熊こと那須田淳の看板としてあげておこうかと。
青熊ラジオ・那須田淳のofficial web page
www.aokumaradio.com
まだところどころサイト内を工事中ですが…。公開しましたので訪問してくださればうれしいです。
こちらのBLOGのほうも、ついでにリニューアルしました。
両方とも連動しながら今後とも継続していきたいと思いますで、よろしく。
あ、ひとつ大事なお知らせ。
『一億百万光年先に住むウサギ』が、2007年度第53回青少年読書感想文コンクールの課題図書(中学生の部)に選定されました。中学生のみなさんの感想、お待ちしています。
でもヤングアダルト小説ですから、大人の方も、もちろん引き続いて読んでくださいね。
ではでは 青熊
2007/3/15 7:16
風邪のち晴れ 青熊ラジオ
一月末ぐらいから、青熊一家は順番につぎつぎと風邪をひき、治ったかと思うと別種のウイルスに見舞われという感じで、三巡目ぐらいでようやく収まったところです。
みんな40度以上の高熱になったところをみると、インフルエンザだったのだろう。青熊家でただひとり元気で、最後の砦と思われていた三歳のAKIも、二月末にはついに倒れ、みんなで仲良くダウンしてからは、冷凍庫の非常食で(とはいえ、冷凍保存してあるとっておきの日本食で、けっこう豪華版だったりする)食いつなぐ日々だった。
もっとも、AKIだけなんともないというのも、つらいものがあり、彼女が病気になってかえってみんなひそかにほっとしたりして…(ひどい親)。幼稚園の送り迎えすらけっこうしんどかったので。
とはいえ、前日まで、黄色いマントを翻して、「わたしは魔女だから、病気になんてならないもん」と、みんなが寝ているベッドや居間を元気にかけまわっていたのに…….子どもというのは、まったく油断できない。夕方、幼稚園に迎えに行ったとき、園のソファにぐったり横たわっているのをみつけたときは、かなりあせってしまった。
青熊の顔をみるなり、AKIは、
「わーん、悪いことしてばちがあたったあ。ダイアナ(先生)にしかられてから、頭も手も痛くなって…取れちゃたら、どうしよう」
と真っ赤な顔で、泣きながらざんげ。
「えっ、それは熱による関節痛だろう、どう見ても…」
と、抱き上げると、
「なーんだ風邪かあ」
と、にっとほほえむ。
それでやっと安心したのか、高熱にうとうとし始めた娘をみながら、
「でも、いったいどんないたずらをしたんだ?」
気になったが、まあ、きかないでおいてやろう、今回ぐらいはね…、と思ったのだった。
さて、ようやく春めいてきたベルリンをあとにして、明日から、元気を回復したそのAKIとふたりで日本です。青熊は仕事だし、長女のMIOはまだ学校があるので、父ひとり子ひとりで一足お先に春の一時帰国ということに。
さて、飛行機での旅の道中は、どうなることやら。
お礼…
3月21日に浜松で開かれるイベント「那須田淳の物語世界」―朗読と音楽のひとときは、おかげさまで満員となり、受付を終了させていただきました。どうもありがとうございます。
応募をしてくださった皆さま、
浜松でお会いできるのを楽しみにしてます。
みんな40度以上の高熱になったところをみると、インフルエンザだったのだろう。青熊家でただひとり元気で、最後の砦と思われていた三歳のAKIも、二月末にはついに倒れ、みんなで仲良くダウンしてからは、冷凍庫の非常食で(とはいえ、冷凍保存してあるとっておきの日本食で、けっこう豪華版だったりする)食いつなぐ日々だった。
もっとも、AKIだけなんともないというのも、つらいものがあり、彼女が病気になってかえってみんなひそかにほっとしたりして…(ひどい親)。幼稚園の送り迎えすらけっこうしんどかったので。
とはいえ、前日まで、黄色いマントを翻して、「わたしは魔女だから、病気になんてならないもん」と、みんなが寝ているベッドや居間を元気にかけまわっていたのに…….子どもというのは、まったく油断できない。夕方、幼稚園に迎えに行ったとき、園のソファにぐったり横たわっているのをみつけたときは、かなりあせってしまった。
青熊の顔をみるなり、AKIは、
「わーん、悪いことしてばちがあたったあ。ダイアナ(先生)にしかられてから、頭も手も痛くなって…取れちゃたら、どうしよう」
と真っ赤な顔で、泣きながらざんげ。
「えっ、それは熱による関節痛だろう、どう見ても…」
と、抱き上げると、
「なーんだ風邪かあ」
と、にっとほほえむ。
それでやっと安心したのか、高熱にうとうとし始めた娘をみながら、
「でも、いったいどんないたずらをしたんだ?」
気になったが、まあ、きかないでおいてやろう、今回ぐらいはね…、と思ったのだった。
さて、ようやく春めいてきたベルリンをあとにして、明日から、元気を回復したそのAKIとふたりで日本です。青熊は仕事だし、長女のMIOはまだ学校があるので、父ひとり子ひとりで一足お先に春の一時帰国ということに。
さて、飛行機での旅の道中は、どうなることやら。
お礼…
3月21日に浜松で開かれるイベント「那須田淳の物語世界」―朗読と音楽のひとときは、おかげさまで満員となり、受付を終了させていただきました。どうもありがとうございます。
応募をしてくださった皆さま、
浜松でお会いできるのを楽しみにしてます。
2007/2/28 20:45
ロイヤルバナナスペシャル 青熊パラダイス
サローヤンのことを雑誌「飛ぶ教室」に書こうとぼんやり考えていて、そういえば、と以前、彼についてタウン誌「浜松百撰」にも掲載したのを思い出した。調べてみたらちょうど一年前のことである。
考えてみれば、やっていることも子どものころからちっとも変わっていない。進歩していないというか、まあこれからもずっとこのままなのかも。やれやれ…。
青熊のイベント お知らせ
浜松ゆかりの芸術家顕彰記念
「那須田淳の物語世界―音楽と朗読のひととき―」
2007年3月21日(水・祝日)午後2時より
アクトシティ浜松 中ホール
入場無料 全席自由席(定員1000人)

イベントで朗読する「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)より ©sowa
☆二次募集はメールか電話で☆
入場は申し込み制です。電話とメールによる二次募集が始まりました。詳しくは下記、二次募集のお知らせか、イベント情報のサイト『那須田淳の物語世界・イベント情報』をご参照ください。締め切りは3月15日とさせていただきます。なお今のところまだいくらか余裕があるようですが、定員になりしだい締め切りになりますのでご了承ください。

「ロイヤル・バナナスペシャル」
最近、読者から「子どもの頃はどんな風だったのですか?」みたいな質問をよく受ける。少年時代をテーマにもっぱら小説を描いているせいかもしれないが、じっさいのところどうだったのか気になるらしい。そのたびに首をひねり「うーん……」と、答えをひねり出しているのだけれど、正直なところ僕自身よくわからない。成績だってまあ並だったし、スポーツもさほど得意ではなかった。少し前に当時の同級生の女の子に会ったとき、「まじめそうな顔をして、よいことも悪いこともやっていたよね」と言われた。たぶんきっとそんなふうな、さして目立ったところのない子どもだったのだろうと思う。
ただ、なにかにつけ影響されやすく、そのあたりは今日まで続いているので僕の性癖なのかもしれない。『巨人の星』をテレビで見れば日がな一日、家の壁にむかって大リーグボール何号かを研究していたし、マンガもしかり。本からも多大な影響を受けた。
僕の好きな小説のひとつに、ウイリアム・サローヤンの短編集『わが名はアラム』があるが、その中に『機関車三十八号という名のオジブウェイ族のインディアン』という作品が含まれている。ある日のこと、アラムが図書館からの帰り道、ドラッグストアの喫茶室でアイスクリームの「つぶした胡桃をかけたロイヤル・バナナスペシャル」を食べていると、むこうからロバに乗ってやってきたインディアンに「よおっ」と声をかけられる。物語は、貧相に見えるがじつは石油王で大金持ちのインディアンと貧しいアルメニア系移民のアラム少年の日々を描いたものだが、少しセンチメンタルでこれからの季節、昼下がりに読むのによいだろう。僕は、十二歳のときにこの短編に出会ってしっかりはまってしまったのである。
その頃、鎌倉の新興住宅地に住んでいたのだけれど、もちろんまだドラッグストアなんてものはまわりになかった。二つ上の兄に「ドラッグストアってなに?」ときいて「薬局だよ、ばあか」とぶっきらぼうな口調で教えてもらったのだが、薬局に喫茶室があるというのがどうにも思い浮かばなくて、悩んだものである。しょうがないので近所のスーパーマーケットにいき、そこのカフェテラスでソフトクリーム(残念ながら「つぶした胡桃をかけたロイヤル・バナナスペシャル」なんてものもなかったから)を食べながら、何日も過ごしていた。もちろんそんなことをしてもインディアンなんて通りかかるはずもないのはわかっていたけれど、もしかしたら……とかすかに期待しながら。
もっとも、たいていはスーパーに買い物にきた近所の知り合いのおばさんに「ひとりで買い食いなんていけませんよ」と叱られるか、同級生に「そんなところでぼんやりしてないで、野球でもしようぜ」と誘われるのがせいぜいであった。
でも、あんなふうに、なにをするでもなく、なにかを待っているっていうのはよかったなあ。
追記 ドイツはアイスクリーム天国でいろんなアイスが食べられるが、まだロイヤル・バナナスペシャルには出会っていない。
写真は、ベルリン紋章熊の住む「熊砦」。せっかく会いに行ったのに、撮影したときは、熊は昼寝中だった…
(青熊が連載中の浜松百撰2006年4月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらいました。一部加筆改変しました)
©Jun NASUDA・2006
考えてみれば、やっていることも子どものころからちっとも変わっていない。進歩していないというか、まあこれからもずっとこのままなのかも。やれやれ…。
青熊のイベント お知らせ
浜松ゆかりの芸術家顕彰記念
「那須田淳の物語世界―音楽と朗読のひととき―」
2007年3月21日(水・祝日)午後2時より
アクトシティ浜松 中ホール
入場無料 全席自由席(定員1000人)
イベントで朗読する「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)より ©sowa
☆二次募集はメールか電話で☆
入場は申し込み制です。電話とメールによる二次募集が始まりました。詳しくは下記、二次募集のお知らせか、イベント情報のサイト『那須田淳の物語世界・イベント情報』をご参照ください。締め切りは3月15日とさせていただきます。なお今のところまだいくらか余裕があるようですが、定員になりしだい締め切りになりますのでご了承ください。
「ロイヤル・バナナスペシャル」
最近、読者から「子どもの頃はどんな風だったのですか?」みたいな質問をよく受ける。少年時代をテーマにもっぱら小説を描いているせいかもしれないが、じっさいのところどうだったのか気になるらしい。そのたびに首をひねり「うーん……」と、答えをひねり出しているのだけれど、正直なところ僕自身よくわからない。成績だってまあ並だったし、スポーツもさほど得意ではなかった。少し前に当時の同級生の女の子に会ったとき、「まじめそうな顔をして、よいことも悪いこともやっていたよね」と言われた。たぶんきっとそんなふうな、さして目立ったところのない子どもだったのだろうと思う。
ただ、なにかにつけ影響されやすく、そのあたりは今日まで続いているので僕の性癖なのかもしれない。『巨人の星』をテレビで見れば日がな一日、家の壁にむかって大リーグボール何号かを研究していたし、マンガもしかり。本からも多大な影響を受けた。
僕の好きな小説のひとつに、ウイリアム・サローヤンの短編集『わが名はアラム』があるが、その中に『機関車三十八号という名のオジブウェイ族のインディアン』という作品が含まれている。ある日のこと、アラムが図書館からの帰り道、ドラッグストアの喫茶室でアイスクリームの「つぶした胡桃をかけたロイヤル・バナナスペシャル」を食べていると、むこうからロバに乗ってやってきたインディアンに「よおっ」と声をかけられる。物語は、貧相に見えるがじつは石油王で大金持ちのインディアンと貧しいアルメニア系移民のアラム少年の日々を描いたものだが、少しセンチメンタルでこれからの季節、昼下がりに読むのによいだろう。僕は、十二歳のときにこの短編に出会ってしっかりはまってしまったのである。
その頃、鎌倉の新興住宅地に住んでいたのだけれど、もちろんまだドラッグストアなんてものはまわりになかった。二つ上の兄に「ドラッグストアってなに?」ときいて「薬局だよ、ばあか」とぶっきらぼうな口調で教えてもらったのだが、薬局に喫茶室があるというのがどうにも思い浮かばなくて、悩んだものである。しょうがないので近所のスーパーマーケットにいき、そこのカフェテラスでソフトクリーム(残念ながら「つぶした胡桃をかけたロイヤル・バナナスペシャル」なんてものもなかったから)を食べながら、何日も過ごしていた。もちろんそんなことをしてもインディアンなんて通りかかるはずもないのはわかっていたけれど、もしかしたら……とかすかに期待しながら。
もっとも、たいていはスーパーに買い物にきた近所の知り合いのおばさんに「ひとりで買い食いなんていけませんよ」と叱られるか、同級生に「そんなところでぼんやりしてないで、野球でもしようぜ」と誘われるのがせいぜいであった。
でも、あんなふうに、なにをするでもなく、なにかを待っているっていうのはよかったなあ。
追記 ドイツはアイスクリーム天国でいろんなアイスが食べられるが、まだロイヤル・バナナスペシャルには出会っていない。
写真は、ベルリン紋章熊の住む「熊砦」。せっかく会いに行ったのに、撮影したときは、熊は昼寝中だった…
(青熊が連載中の浜松百撰2006年4月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらいました。一部加筆改変しました)
©Jun NASUDA・2006
2007/2/25 13:25
リニューアル 青熊パラダイス
昨日、このブログをいじっていたら突然にページデザインがおかしくなり、どうにも修正がきかなくなったので、仕方なくリニューアルしました…。前のデザインはシンプルで気に入っていたのですが、まあこういうこともあるでしょう。
というわけで気分もあらたに、ときどき更新していきたいと思います。これからも、よろしく。
「リニューアル」
もうすぐ三月、そろそろ卒業式の季節である。
年度の終わりというと、僕の住むドイツでは六月末から七月にかけになる。
もっとも社会人は、日本のように各社が横並びで一斉に新卒者を採用するということはなくて、それぞれが随時に欠員募集という形で求人しているそうなので、そのあたりはだいぶ違うのだけれど。
それでも、その年度の切り替わるころになると、これから新しい日々がスタートするんだなという気配が、街全体に濃厚に満ちはじめる。
わが家でも長女のミオが、昨夏に、小学校にあがったので、その時期は入学準備やらなにやらで、なんとなくあわただしい思いをしたのを覚えている。
印象的だったのは、ぴかびかのランドセルや新しい文房具などを眺めつつ、うきうきしている姉のそばで、そういう気持は伝染するのか、三歳になる妹のアキのほうも何事か感じるものがあったらしいことだ。
実際、卒業式、入学式みたいなビッグイベントがなくても、年度始めというのは、あらためて仕切りなおしができるタイミングではある。
ドイツの公立幼稚園は、施設ごとに夏休みの時期がずれていて、通っているところが休みに入っても、親の仕事の状況次第で別の幼稚園が臨時に預かってくれる。その制度を利用して、アキは別の幼稚園に通っていたのだが、そこではかなり「よい子」をやっていたのである。
誰に似たんだか、アキは要領がよくて、ちょっとばかり「ずるい」ところがあり、叱られそうになるとすぐに泣きまねをする。
でも、そのあたり、いつもの幼稚園では、もうすっかり見通されていて、アキが号泣していても、先生たちには「ふふふ、役者じゃのお」と相手にしてもらえない。
それが、一時預かりをしてもらった幼稚園では、人代わりしたみたいに率先して手伝いもするし、返事からして「へーい」「ふふん」だった子が、「はい」「いいえ」などと優等生になっていた。
いつまで続くのだか……、と思っていたのだが、結局、そのまま「優等生のアキ」というイメージは壊さなかったようだ。
その後は元の幼稚園に復帰してもそれなりにふるまい「大人になったねえ」といわれるようになったから、
「昨日までのだめな私にサヨナラするチャンスだわ」と、そのタイミングをとりあえずモノにしてくれたのだろう。
以前に、僕は短編小説で、海辺の波打ち際に線をひいて、それを飛び越えることで、自分なりに過去に区切りをつけようとした青年の話を書いたことがある。
実際のところ、自分を変えるというのは、つまりは自己暗示なのだから、なにかしらきっかけがあればいいのかもしれない。
部屋の模様変えだとか、大掃除とか、新しい靴を買うとか、そんなことでもオーケーなような気がする。
そのとき実際に、なにかが変わるわけではないにしろ、自分の中で変化を求める気持ちは、そんなところから始まり、やがてどこかで活きてくるのではないだろうか。
春――、
自分の中のなにかをリニューアルするにはよい季節かもしれない。
(青熊が連載中の浜松百撰2006年9月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらいました。一部加筆改変しました)
©Jun NASUDA・2006
写真は、公園の小屋の上でなにやら反省中のAKI
というわけで気分もあらたに、ときどき更新していきたいと思います。これからも、よろしく。
「リニューアル」
もうすぐ三月、そろそろ卒業式の季節である。
年度の終わりというと、僕の住むドイツでは六月末から七月にかけになる。
もっとも社会人は、日本のように各社が横並びで一斉に新卒者を採用するということはなくて、それぞれが随時に欠員募集という形で求人しているそうなので、そのあたりはだいぶ違うのだけれど。
それでも、その年度の切り替わるころになると、これから新しい日々がスタートするんだなという気配が、街全体に濃厚に満ちはじめる。
わが家でも長女のミオが、昨夏に、小学校にあがったので、その時期は入学準備やらなにやらで、なんとなくあわただしい思いをしたのを覚えている。
印象的だったのは、ぴかびかのランドセルや新しい文房具などを眺めつつ、うきうきしている姉のそばで、そういう気持は伝染するのか、三歳になる妹のアキのほうも何事か感じるものがあったらしいことだ。
実際、卒業式、入学式みたいなビッグイベントがなくても、年度始めというのは、あらためて仕切りなおしができるタイミングではある。
ドイツの公立幼稚園は、施設ごとに夏休みの時期がずれていて、通っているところが休みに入っても、親の仕事の状況次第で別の幼稚園が臨時に預かってくれる。その制度を利用して、アキは別の幼稚園に通っていたのだが、そこではかなり「よい子」をやっていたのである。
誰に似たんだか、アキは要領がよくて、ちょっとばかり「ずるい」ところがあり、叱られそうになるとすぐに泣きまねをする。
でも、そのあたり、いつもの幼稚園では、もうすっかり見通されていて、アキが号泣していても、先生たちには「ふふふ、役者じゃのお」と相手にしてもらえない。
それが、一時預かりをしてもらった幼稚園では、人代わりしたみたいに率先して手伝いもするし、返事からして「へーい」「ふふん」だった子が、「はい」「いいえ」などと優等生になっていた。
いつまで続くのだか……、と思っていたのだが、結局、そのまま「優等生のアキ」というイメージは壊さなかったようだ。
その後は元の幼稚園に復帰してもそれなりにふるまい「大人になったねえ」といわれるようになったから、
「昨日までのだめな私にサヨナラするチャンスだわ」と、そのタイミングをとりあえずモノにしてくれたのだろう。
以前に、僕は短編小説で、海辺の波打ち際に線をひいて、それを飛び越えることで、自分なりに過去に区切りをつけようとした青年の話を書いたことがある。
実際のところ、自分を変えるというのは、つまりは自己暗示なのだから、なにかしらきっかけがあればいいのかもしれない。
部屋の模様変えだとか、大掃除とか、新しい靴を買うとか、そんなことでもオーケーなような気がする。
そのとき実際に、なにかが変わるわけではないにしろ、自分の中で変化を求める気持ちは、そんなところから始まり、やがてどこかで活きてくるのではないだろうか。
春――、
自分の中のなにかをリニューアルするにはよい季節かもしれない。
(青熊が連載中の浜松百撰2006年9月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらいました。一部加筆改変しました)
©Jun NASUDA・2006
写真は、公園の小屋の上でなにやら反省中のAKI
2007/1/31 20:04
那須田淳の物語世界 イベント 週刊青熊 (ラジオ番外)
3月21日に浜松のアクトシティ中ホールで、
青熊は、仲間たちと
「那須田淳の物語世界―音楽と朗読のひととき」というイベントを開催します。
ピアノは、ベルリン在住でドイツで活躍中の安原由衣さん、
ホルンとアルプホルンは、アンサンブル・フォレスト(森泰、進士千草、森里英、世川望)
のみなさん。
朗読は、「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)から、「星磨きウサギのお話」などと
2月末刊行予定の「夢のつづき」(ひくまの出版)から抜粋して。
音楽は、ピアノは、グリークのとても美しくてロマンティクな抒情小曲集から「その昔」「アルバムのページ」「エレジー」「夢想」など。
ホルン、アルプホルンは、青熊の好きなH・フンパーディンク 「ヘンゼルとグレーテル」から「夕べの祈り」と、華麗なチャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」(森泰編曲)などをお届けします。
入場は無料ですが、浜松市の文化政策課へ往復はがきでの応募が必要です。
あて先:〒430-0929 浜松市中央1-2-1
浜松市文化政策課「那須田淳」係
締め切り:平成19年2月28日(当日消印有効)
問い合わせ先: 053-457-2573(浜松市文化政策課)
グループや学校、諸団体でのお申し込みの場合は、団体名と入場をご希望される人数、代表者名、連絡先を書いて、往復ハガキで、浜松市文化政策課「那須田淳係」(〒430-0929 浜松市中央1-2-1)までお申し込みいただくか、E-mailでお申し込みください。
E-mail: aokuma@hotmail.co.jp
詳しくは「那須田淳の物語世界-音楽と朗読のひととき」のサイトを参照のこと。
©かるべめぐみ
©M・ゾーヴァ
青熊のひとこと:「夢のつづき」はまだ発売してません。
青熊は、仲間たちと
「那須田淳の物語世界―音楽と朗読のひととき」というイベントを開催します。
ピアノは、ベルリン在住でドイツで活躍中の安原由衣さん、
ホルンとアルプホルンは、アンサンブル・フォレスト(森泰、進士千草、森里英、世川望)
のみなさん。
朗読は、「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)から、「星磨きウサギのお話」などと
2月末刊行予定の「夢のつづき」(ひくまの出版)から抜粋して。
音楽は、ピアノは、グリークのとても美しくてロマンティクな抒情小曲集から「その昔」「アルバムのページ」「エレジー」「夢想」など。
ホルン、アルプホルンは、青熊の好きなH・フンパーディンク 「ヘンゼルとグレーテル」から「夕べの祈り」と、華麗なチャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」(森泰編曲)などをお届けします。
入場は無料ですが、浜松市の文化政策課へ往復はがきでの応募が必要です。
あて先:〒430-0929 浜松市中央1-2-1
浜松市文化政策課「那須田淳」係
締め切り:平成19年2月28日(当日消印有効)
問い合わせ先: 053-457-2573(浜松市文化政策課)
グループや学校、諸団体でのお申し込みの場合は、団体名と入場をご希望される人数、代表者名、連絡先を書いて、往復ハガキで、浜松市文化政策課「那須田淳係」(〒430-0929 浜松市中央1-2-1)までお申し込みいただくか、E-mailでお申し込みください。
E-mail: aokuma@hotmail.co.jp
詳しくは「那須田淳の物語世界-音楽と朗読のひととき」のサイトを参照のこと。
青熊のひとこと:「夢のつづき」はまだ発売してません。
2007/1/15 1:13
日曜日の現実 青熊パラダイス
「日曜日の現実」
以前、日本の雑誌を読んでいたら、ある男性作家がインタヴューで、「子どもですか、仕事中に邪魔されたって別に気になりませんよ…」というようなことを語っていた。
すごいと思う。だが、僕にはとうてい無理だ。部屋の長さが二百メートルぐらいあって、むこうの隅のほうで娘たちが静かにママゴトしているのなら文句はない。でも実際は、僕の背中のすぐうしろにドアがあり、廊下をはさんで子ども部屋になっている。日曜日ともなるともうお手上げである。朝から喧嘩で、泣き声がやんだなと思ったら、プリンセスに扮した娘たちがしずしずと入場してくる。「パーティが始まるからパパもどうぞ」などと誘ってくれるのだが、「原稿書いているからあとでね」と断る。それもつかのま、今度は「パパ、死なないで!」という娘のただならぬ叫び声が。なにごとかと見に行くと、恐竜になった次女に、ぬいぐるみ熊一家の父親が食われているところだったりするのだ。
ためいきをついていると、奥さんに、カフェにいってきたらと言われた。
作家のケストナーは、かつて、ベルリンのカフェを書斎代わりにし、女性秘書に口述筆記をさせながら小説を書いたという伝説がある。
僕はひとりの世界に没頭できないとだめなタイプなので、仕事をしようとは思わなかったが、それでも資料を読んだりすることはできる。
それで鞄に何冊か本を持って、外に出たのだ。近所の住宅街の中にいくつかあるカフェのひとつに入って、窓際の席につく。まわりはがらんとしていて静かに音楽が鳴っている。可愛らしいウエイトレスが注文をききにきて、コーヒーを頼むとにっこり微笑んで戻っていく。窓の向こうはのどかな陽だまりで、ガラスで遮断されているので、まるで無声映画を見ているよう。
こんなことなら、もっと早く来ればよかった……と、思えたのは、でも、何分ぐらいのことだったろう。
しばらくすると、五、六人の子どもたちと、その親がぞろぞろと店に入ってきて、僕の横のテーブルを占領し、「ハッピィバースディ、トゥー、ユー」と歌い始めたではないか。なんのことはない、テーブルがすいていたのは、子どもの誕生会の予約が入っていたからだ。
ケーキがすむと、子どもたちは他のお客に気を使って外に出される。だが、なにかあれば、お母さんたちのところに戻ってくるのはしょうがない。主役の男の子が、三角の帽子をかぶり、僕のうしろを通り抜けようとして「ごめん、通してね」と叫んでいく。そのたびに僕は席を立ってやる。
やれやれ、これが日曜日の現実というものだろう。そもそもみんなが休みの日に仕事をしようというほうが間違っているのだ。
僕が本をしまい、席を変えてもらって、さっきの可愛らしいウエイトレスに告げたのは言うまでもない。
「さて、ビールを一杯」
(青熊が連載中の浜松百撰2006年2月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらっています)
©Jun NASUDA・2006
写真は、近所のカフェ
お知らせ:
現在、浜松市の浜松文芸館にて、「シッタカブッタ」シリーズで人気の漫画家で小説家でもある小泉吉宏さんと、青熊こと那須田淳の二人展「小泉吉宏と那須田淳の世界」展を開催中です。2007年3月25日までやってますので、お近くの方、または浜松へうなぎを食べにいらした方など、お時間があればどうぞお立ち寄りください。
(吉宏さんの吉の字は士ではなく土ですが、印字できませんでした。すみません)
浜松文芸館
開館時間 9:00〜17:00
休館日 月曜日・祝日の翌日
住所 〒432-8014 浜松市鹿谷町11-2
TEL・FAX 053-471-5211
詳細についてはHPを参照のこと。
