2007/9/30  9:12

始末書がなければ解雇はできない  労使トラブル

「始末書」は、従業員に遅刻が続いたり、職務怠慢で不祥事をおこした場合に書かせるというケースが一般的でしょう。

始末書は社内文書であり、労働基準法その他法律上の根拠は全く存在しません。
ところが、その後の処分、例えば解雇などによって従業員から裁判を提起された場合など、始末書はとても重要な証拠となります。

始末書は一般的に「事実の報告」と「謝罪」、「今後同様の事態が起こった場合いかなる処分にも服する」、と言った「反省」の文面がつづられます。
ところが、「謝罪」や「反省」などは憲法が保障する「内心の自由」を侵害するため、法律上認められていません
つまり、反省や謝罪は従業員の任意なのです。

一方、不祥事についての「事実の報告」、つまり「顛末書」(てんまつしょ)を求めることならば業務命令として可能となります。事実報告を拒否した場合、新たな業務命令事務違反と捉えることができるわけです。

えてして不祥事の報告書を求めた場合、言い訳や弁解があれこれ書かれているケースが見られます。上司としては「書き直せ!」と突き返してしまいたくなるケースもおおいとおもいますが、争った場合、「上司に書き換えさせられた」という隙を与えてしまいます。
実は、こういった嘘の弁解や言い訳が並べ立てられている始末書ほど後々の証拠として重要になります。「反省の色無し」というわけです。
教育的配慮から書き直させるのはいいのですが、必ず原本をコピー取っておくことをお勧めいたします。

さらに、始末書は証拠としての意味合いから、できる限り直筆で書かせるようにすべきです。

また、会社側担当者が数人、目の前で寄って集って文章を書かせてはいけません。強制されたという言い訳をされる羽目になるからです。

また、不始末に対して始末書を提出させる程度も後々問題となることがあります。
あまりにも軽微なミスに対して、反省文を執拗に要求することはパワハラとして認定されたケースもあります。

とは言っても、解雇など後々もめるケースは、ほとんど重大な処分に至る書面を残していないケースが多いのではないでしょうか。
中小企業は、部下の失態を「バカヤロー!」の一言ですませてしまい、度重なると突然「クビ!」を宣告することも多いのではないでしょうか。
口頭ですませるだけでなく、報告書、始末書は適正に処理しておくことがトラブル防止上、重要なステップとなってきます。




→社会保険労務士濱事務所HP



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