2006/12/11  20:33

ピヨピヨ  芸能

3週間ほど前、家の玄関口付近の茂みの中に鳩の卵を2個見つけた。

親は真っ白な鳩とグレー色の鳩。どっちの親がオスでどっちがメスかは解らないけど、白いほうが母鳩だなと、なんとなくそんな気がした。卵を見つけてから3日くらいしてピヨピヨという鳴き声を聞いた。そう、雛が孵ったのだ。

毎日ほぼ決まった時間になると親鳩が何処からとも無くやってきて、少し上空の止まり木から雛を一旦確認し、その元へ降り立つ。その親鳩の姿を見つけたときの雛の鳴き声がピヨピヨうるさくて、部屋で書類整理をしているときは煩わしく感じる日が何日か続いた。

雛の鳴き声がすれば「あぁ、また親鳩が餌をやってるんだな」と頭の片隅で思い出すけど、鳴き声がしなければその存在すら忘れた。

そんなある日の夜、大雨が降った。

明けて朝、一向に止む気配を見せない大雨。そしてここ数日間決まった時間に当方を眠りから覚ましていた、親鳩から餌をもらう雛のピヨピヨという鳴き声がしないのに気づいた。

(ま、まさか…雨で…)

幸いにも嫌な予感は的中せずに済んだ。

しかし、芝という芝は全て水浸しで、場所によっては雛の体長よりも水が溜まっている場所もあった。(このまま降り続けたら危ないかも…)、巣のある草むらの上から覗き込むと、明らかに親鳩が来たときとは違う鳴き方を当方に向かってする。

(全く・・・しょうがないなぁ。。)

自分の部屋からTシャツを厚めに折って雛の下に敷いてやる。(なんでもっとマシな場所に巣を作らないんだろう…)、こういうのは親鳩が見ている時にやると雛を育てなくなる恐れもあったので、上から見えないように傘をさして行った。

それからも親鳩は餌を与え続けているのを見ると、どうやら当方が行った雛底上げ作戦は親鳩にはバレていない様だ。安心したのと同時に馬鹿な鳩だとも思った。ちゃんと俺のTシャツ、洗って返せよ。

それからというもの、朝、夕の休憩時間にその雛の近くにパンの切れッ端を置くことが当方の日課となった。全く関係の無い他の鳥にそのパンを盗られ、(あれ?さっきまでココにあった僕のパンが無い!)と鳩が豆鉄砲食らったような顔でキョロキョロとしているのを(馬鹿な鳩だ…)と思いながら、玄関のドアの隙間から星飛雄馬の姉貴張りに覗き見てる自分もきっと馬鹿なんだろうな、、と憂鬱になるも、そのパンを親が食べて、口移しで雛に餌をやっているのを見ると(今日も一日頑張るべ!)と気合が入った。

それから何日か経って、雛の産毛(黄色っぽい短い毛)も抜け落ちて、鳩っぽくなってきた。もうどっからどう見ても鳩だ。ただ一つ、まだ飛べないことを抜かしては。当方の家の玄関先に居たというひょんな縁から始まった当方と鳩の関係。

(もうそろそろ飛べるかもな)

なんて思っていたら、昨日いつの間にやら飛び立っていた。残念ながら飛び立つ瞬間は見てないけど、夕方近くにパンをあげに行ったら2匹とも居なかった。

後に残っていたのは鳩のウンコ塗れになった当方の赤いTシャツ。(まったくよぉ、礼の一つでも言っていけよな、あの馬鹿鳩が…)そんな風に思いながら少しだけ寂しい気持ちになった。

次の日の朝

(あの2匹、帰って来てないかな)

と、巣を見てみると、また卵が2個あった。

ふざけんなよ!と思う反面、何だか嬉しい気がした。

Tシャツはまた貸してやるけど、ちゃんと洗って返してくれよ。



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