2008/10/6  21:52

2008年ノーベル生理学・医学賞にギャロ博士を思う  ニュース

つい先ほど、今年のノーベル生理学・医学賞を元パスツール研究所のモンタニエ博士(Dr. Montagnier)を初めとする3人が受賞したとのニュースが流れました。

授賞理由の1つは「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の発見」です。このニュースを耳にして、私は忘れかけていた米国国立がん研究所のギャロ博士(Dr. Gallo)との出会いを思い出しました。

1980年代初め、正体不明の病として世界中を恐怖に陥れたエイズ。その原因ウイルスを、1984年、ギャロ博士が発見したというニュースは、「世紀の大発見」として世界を駆けめぐり賞賛されました。

ところが、翌1985年、パスツール研のモンタニエ所長からギャロ博士が発見したウィルスの盗用疑惑が浮上。数年後にレーガン米大統領とシラク仏首相の間で政治決着が図られましたが、その後、ギャロ博士は発見者の名前から葬り去られました。

私は、ちょうどそのころギャロ博士と一緒に仕事をする機会がありました。私に向かって彼は、自分こそが第一発見者の一人であることを滔々と延べ、いずれ真実を述べた本を出すと語っていました。彼のオフィスの棚には、将来ノーベル賞受賞した時のための高級シャンパンが飾られていたのを思い出します。

当然のことながら、先ほど発表された受賞者名簿には、モンタニエ博士の名こそあれ、ギャロ博士の名前はどこにもありませんでした。

先ほど世界を駆け巡ったニュースは、私にそんなことを思い出させてくれました。その後、ギャロ博士のシャンパンはどうなったのでしょうか。



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