2007/1/31  20:04

那須田淳の物語世界 イベント  週刊青熊 (ラジオ番外)

3月21日に浜松のアクトシティ中ホールで、
青熊は、仲間たちと
「那須田淳の物語世界―音楽と朗読のひととき」というイベントを開催します。

ピアノは、ベルリン在住でドイツで活躍中の安原由衣さん、
ホルンとアルプホルンは、アンサンブル・フォレスト(森泰、進士千草、森里英、世川望)
のみなさん。

朗読は、「一億百万光年先に住むウサギ」(理論社)から、「星磨きウサギのお話」などと
2月末刊行予定の「夢のつづき」(ひくまの出版)から抜粋して。
音楽は、ピアノは、グリークのとても美しくてロマンティクな抒情小曲集から「その昔」「アルバムのページ」「エレジー」「夢想」など。
ホルン、アルプホルンは、青熊の好きなH・フンパーディンク 「ヘンゼルとグレーテル」から「夕べの祈り」と、華麗なチャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」(森泰編曲)などをお届けします。

入場は無料ですが、浜松市の文化政策課へ往復はがきでの応募が必要です。
あて先:〒430-0929 浜松市中央1-2-1 
       浜松市文化政策課「那須田淳」係
締め切り:平成19年2月28日(当日消印有効)

問い合わせ先: 053-457-2573(浜松市文化政策課)

グループや学校、諸団体でのお申し込みの場合は、団体名と入場をご希望される人数、代表者名、連絡先を書いて、往復ハガキで、浜松市文化政策課「那須田淳係」(〒430-0929 浜松市中央1-2-1)までお申し込みいただくか、E-mailでお申し込みください。
E-mail: aokuma@hotmail.co.jp


詳しくは「那須田淳の物語世界-音楽と朗読のひととき」のサイトを参照のこと。


クリックすると元のサイズで表示します©かるべめぐみ
クリックすると元のサイズで表示します©M・ゾーヴァ

青熊のひとこと:「夢のつづき」はまだ発売してません。

2007/1/15  1:13

日曜日の現実  青熊パラダイス

クリックすると元のサイズで表示します

「日曜日の現実」
 以前、日本の雑誌を読んでいたら、ある男性作家がインタヴューで、「子どもですか、仕事中に邪魔されたって別に気になりませんよ…」というようなことを語っていた。
 すごいと思う。だが、僕にはとうてい無理だ。部屋の長さが二百メートルぐらいあって、むこうの隅のほうで娘たちが静かにママゴトしているのなら文句はない。でも実際は、僕の背中のすぐうしろにドアがあり、廊下をはさんで子ども部屋になっている。日曜日ともなるともうお手上げである。朝から喧嘩で、泣き声がやんだなと思ったら、プリンセスに扮した娘たちがしずしずと入場してくる。「パーティが始まるからパパもどうぞ」などと誘ってくれるのだが、「原稿書いているからあとでね」と断る。それもつかのま、今度は「パパ、死なないで!」という娘のただならぬ叫び声が。なにごとかと見に行くと、恐竜になった次女に、ぬいぐるみ熊一家の父親が食われているところだったりするのだ。
 ためいきをついていると、奥さんに、カフェにいってきたらと言われた。
 作家のケストナーは、かつて、ベルリンのカフェを書斎代わりにし、女性秘書に口述筆記をさせながら小説を書いたという伝説がある。
 僕はひとりの世界に没頭できないとだめなタイプなので、仕事をしようとは思わなかったが、それでも資料を読んだりすることはできる。
 それで鞄に何冊か本を持って、外に出たのだ。近所の住宅街の中にいくつかあるカフェのひとつに入って、窓際の席につく。まわりはがらんとしていて静かに音楽が鳴っている。可愛らしいウエイトレスが注文をききにきて、コーヒーを頼むとにっこり微笑んで戻っていく。窓の向こうはのどかな陽だまりで、ガラスで遮断されているので、まるで無声映画を見ているよう。
 こんなことなら、もっと早く来ればよかった……と、思えたのは、でも、何分ぐらいのことだったろう。
 しばらくすると、五、六人の子どもたちと、その親がぞろぞろと店に入ってきて、僕の横のテーブルを占領し、「ハッピィバースディ、トゥー、ユー」と歌い始めたではないか。なんのことはない、テーブルがすいていたのは、子どもの誕生会の予約が入っていたからだ。
 ケーキがすむと、子どもたちは他のお客に気を使って外に出される。だが、なにかあれば、お母さんたちのところに戻ってくるのはしょうがない。主役の男の子が、三角の帽子をかぶり、僕のうしろを通り抜けようとして「ごめん、通してね」と叫んでいく。そのたびに僕は席を立ってやる。
 やれやれ、これが日曜日の現実というものだろう。そもそもみんなが休みの日に仕事をしようというほうが間違っているのだ。
 僕が本をしまい、席を変えてもらって、さっきの可愛らしいウエイトレスに告げたのは言うまでもない。
「さて、ビールを一杯」

(青熊が連載中の浜松百撰2006年2月号より・浜松百撰のご好意により転載させてもらっています)
©Jun NASUDA・2006

写真は、近所のカフェ

お知らせ:
現在、浜松市の浜松文芸館にて、「シッタカブッタ」シリーズで人気の漫画家で小説家でもある小泉吉宏さんと、青熊こと那須田淳の二人展「小泉吉宏と那須田淳の世界」展を開催中です。2007年3月25日までやってますので、お近くの方、または浜松へうなぎを食べにいらした方など、お時間があればどうぞお立ち寄りください。
(吉宏さんの吉の字は士ではなく土ですが、印字できませんでした。すみません)

浜松文芸館
開館時間 9:00〜17:00
休館日 月曜日・祝日の翌日
住所 〒432-8014 浜松市鹿谷町11-2
TEL・FAX 053-471-5211
詳細についてはHPを参照のこと。

2007/1/3  5:26

年末の災難  青熊ラジオ

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、このところ日本に一時帰国する機会も増え、娘たちもAKIが三歳、MIOが六歳になり手が少しかからなくなったこともあって、昨年は四度、のべ三ヶ月ほど長期出張(自由業でもそういうのかしらん?) をしました。
最初は不在をさびしがってくれた子どもたちも、なれっこになったせいか「ふーん、また日本? お土産はドラエモンとアンパンマンのDVDね」などとあっさりしてきて、パパ青熊としてはちょっぴり複雑な気分。
ところがこの年末だったのだけれど、帰国中に事件が…。前夜から友人宅にお邪魔し痛飲して、そのまま泊めてもらった早朝のこと、ママ青熊から電話が入り、なにごとかと思ったら「AKIがね、幼稚園の遊戯施設から落下して、手首を骨折したのよ、もう大変で、私も泣きたかったぐらいよ」「えっ」思わず絶句。「そ、それで怪我の具合は…」「あっ、そっちはたいしたことはなかったんだけど、わたし、夕べは忘年会の約束しててさあ…」ベビーシッターも頼み、久しぶりに子ども抜きでのんびりしようと思って出かけようとした矢先に、呼び出されたとのこと。当然ながら、夕食会はキャンセルし、病院へ。レントゲンで骨折が判明し、全治三週間との診断で、ギブスをしてもらったそうなのだが、ママ青熊は、子どものことより「何週間前から予約しておいた北京ダッグなのよ、のがしたのはー」と食べ損なったご馳走のぐちばかりこぼすのだった。「で、おれ、帰ろうか?」ときくと、「どうしてよ」「だいじょうぶか?」「うーん、だめかも。予約していたからね、北京ダッグの。私の分はださなきゃいけないよね、たぶん」「じゃなくて、AKIの具合」「あ、あっちはだいじょうぶ。そんなにひどくなさそうだし、ギブスしておけば自然治癒するみたいね。MIOがうらやましがったせいか、AKIの機嫌もいいし。それより昨日は、さすがにあせって、スピード違反でセンサーが光ったからね、ははは、そっちのほうが心配」「ふーむ」
まだ打ち合わせが半分ほど残っている段階だったが、これは帰りの飛行機を変更して帰らなければと一瞬のうちにあれこれ算段したものの、ママ青熊の笑い声をきいているうちに、気が動転はしているのはおれだけかと気がつき、まあいいかと。
そのまま滞在を続けることにしたが、その後、5日後ぐらいして、今度はMIOから電話がかかってきたのである。「パパ、はやく帰ってきてよ」「どうした?」「頭いたいの」「なに、AKIが怪我したの手じゃないのか?」「じゃなくて痛いのはわたし」「えっ?」「AKIがね…がちゃん」わーんと遠くで号泣。電話口でさまざまな状況を考え、さっと青ざめたものだが、すぐに変わったママ青熊の「あっ、ごめん、受話器落としたのよ。でさ、AKIがね、みんなをギブスの手でたたくのよ。ほら、あれ硬いでしょ、いい武器になるって気がついたらしいのね。言うことをきかないと、ぶつよーって、私たちずっと脅されているのよ」「脅されてるの?」「もう大変よ、いばっちゃって」「……」AKIは、もともとわがまま系なのだが、みんなの同情と、固いギブスを手に入れて、もう怖いものなしなんだとか。MIOはぶたれて頭にこぶができたとおいおい泣いているのである。
なぐさめてやりたいものの、時差八時間、移動時間15時間(乗り換え+待ち時間含む)という実距離はいかんしがたいものがあって、やれやれというか、大変だよな子育てって、と電話を持ったまま、あらためて実感したのだった。

写真は、ギブスをはめた無敵のAKI。「ねえ、AKIのギブスいつとれるの?」とMIOはクリスマス休暇中ずっときいていたが、いよいよ木曜日(4日)にはなんとかなりそうである。よかった!

RSS1.0