2007/10/30  8:39

男の中の男は愛妻家だった。  映画

ジョディ・フォスターの『ブレイブワン』の予告編を見て
これってブロンソンの『狼よさらば』じゃん。と思ったのは私だけか?

ストーリーの展開から、地下鉄の最初の銃撃のシーンまで、
何からなにまで<DEATH WISH>そのまま。(本篇はまだ見てないけど)
ちなみに公式HPには、ブロンソンのことも、マイケル・ウィナーのマの字も出てこない。

ということで今週は、70年代を代表するアクション・スターチャールズ・ブロンソンの特集。
第1弾は『狼の挽歌』 ね。

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罠にかけられた殺し屋ブロンソンのマカロニ復讐劇(監督は『血斗のジャンゴ』のセルジオ・ソリーマ)
華麗な殺しのテクニックと最後のエレベーターの狙撃シーンが有名。
ヒロインは愛妻のジル・アイアランド、このシーンで一世一代の名演技をみせる。

彼の多数の作品にジルは出演している。
ジルは女優としてはそんなに華がないが、ブロンソンは自分の主演映画には必ずといっていいほど、ブッキングしていた。(脇役とか、とってつけた様な役もある。)
当時、筆者が読んでた「ロードショー」の批評では、よくこのことを揶揄していた。
でも今になっては、彼の人柄が偲ばれるエピソード。
1990年、15歳年下の妻のほうが乳がんで先に逝ってしまう。
悲しんだ男の中の男は、『もう人殺しをするような映画にはでたくない』と引退を決意する。



オークションしたいひとは、こちらを見てね。 

ブロンソンの『ボーダー・ライン』のビデオはこちら。




2007/10/26  18:45

Rock and Rollの寓話  映画

昨日の続き。

先のチャンドラーが書いた一節は、元祖清水俊二の訳では
「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」となっている。うん。何となくわかるね。

また矢作俊彦は「複雑な彼女と単純な場所」の中で、この一節は
「ハードでなければ生きていけない、ジェントルでなければ生きていく気にもなれない」という意味であると述べている。
そのまんまやんって気もするが、同じ英語でも訳によって印象が変わるね。

さて、矢作俊彦は前々回紹介の『神様の〜』は、もひとつだったが
この後の『ザ・ギャンブラー』で本領を発揮する。
主演は松田ケイジだが、本当の主役は今は酔いどれてオチブレテいるが、
かつては伝説のギャンブラーにして凄腕の殺し屋エースのジョー

傭兵くずれの洞口依子に
「あたいのツラに色をつけたのは、お前で3人目だ。前の2人は墓の下で寝んねしてるがな。」
『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』での錠の名セリフでオマージュを捧げ、壮絶な銃撃戦でエースのジョー<最期>の闘いを描く。(ジョー死す。)
ラスト松田が洞口の車で去っていくのを観て… なんだあの映画のパクリじゃん。

ということで今日は、文句なしのウォルター・ヒル監督の最高傑作!
『ストリートオブファイヤー』 ね。

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松田ケイジ=マイケル・パレ 洞口依子=エイミー・マディガンね。
ちなみにピンク時代の片岡修二は、大杉漣=マイケル・パレで『SM刺青本番』『さらば友よ』(ホモ映画!)と2回もリメイクしている。
ストーリーは単純だけど、セリフまわしがイキで、各シーン(酒場でのパレとマディガンのやり取り、ダイアン・レインを助ける時のナイフさばき)もスタイリッシュなので監督がパクって見たくなる気持ちは解る。



でも、本編にだけあってパクリに、どうしても真似できないのは、全編に流れるロックンロールかな。


このオークションは終了しました。 

マイケル・パレの『ダイ・ハード』もどき、『コンクリート・ウォー』
エイミー・マディガンのB級アクション映画、『怒りの裁き』のビデオもあるよ。




2007/10/24  21:06

かたゆでたまごは、心意気の問題だ。  映画

ハードボイルドの続きね。

一般的に刑事や私立探偵、殺し屋なんかが登場したら、<ハードボイルド>かと言ったらそうじゃない。
<ハードボイルド>とは精神の問題である。
学生時代読んだ数多のアウトローたちの生きざまは、血となり肉となり、この体に染みついている。


フィリップ・マーロウの「プレイバック」での有名な台詞、
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
生島治郎は、「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」と訳した。
<gentle>が<優しさ>かというと、この世知辛い現代では疑問符がのこるが、
東京都知事が、かつて自分の戯曲で「狼は生きろ!豚は死ね!」といったように
<タフ>でなければ生きて行けないのは確かだ。(村川透『白昼の死角』のキャッチにも使われた。)

最近は、特に<タフ>に生きようと思ってる。
法律の外(outlaw)じゃなくても、学生にも、サラリーマンにも、私の様な中小企業の社長にも
そのひとの、(それなりの)<ハードボイルド>が存在するはずだ
(カウリスマキ映画なんか労働者のハードボイルドじゃない?)

ということで今日は、北野武監督の
『3-4X10月』

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深作の代打だった『その男、凶暴につき』と違い、
初めから登板(脚本監督)が決まってるので、後の<Kitano Blue>の全ての要素が詰まっている。
(柳ユーレイの主人公は、今だったらビートたけし自身が演じただろう。)
北野監督の得意球は、内角スレスレのビーンボール級の暴力。それも牽制なしにイキナリ来るのが一番怖い。
バイクで2人乗りしてる主人公たちを冷やかす車のドライバーたちは、前方の車にいきなり衝突する。
沖縄に流れてきたヤクザ役のたけしは、カラオケの最中、相手の頭をビール瓶で殴る。(しかも、
トドメをいれて2度)
拳銃・自動小銃は、突然暴発!登場人物たちは、次のシーンでは言ってたことの反対をシテイル。
不条理の中に変なリアリティがあるが、根底に流れるのは、野球少年たちのハードボイルド精神だ。

北野武的狂気を端的に表現している台詞を、大学時代読んだ小説の中から紹介して、
この項を〆たいと思う。

「復讐の最大の快感は、相手が忘れた頃に完膚なきまでにやることだ。」
     マリオ・プーゾ 『ゴッドファーザー』より…

オークションしたいひとは、こちらを見てね。 

こちらも、狂気爆発!たけしが豊田商事事件の犯人に扮した滝田+裕也コンビの『コミック雑誌なんかいらない!』のパンフレットもあるよ。



2007/10/22  17:12

読まずに死ねるか!  映画

読書の秋だから、たまにはのことも書こう。

今は、「映画秘宝」のムックぐらいしか買わないが、学生時代はよく本を読んだ。
「怪盗ルパン」シリーズは6年生で読破し、中学高校と推理小説とハードボイルドが好きだった。
ハメット「マルタの鷹」、チャンドラー「長いお別れ」、ギャビン・ライアル「深夜+1」、ミッキー・スピレイン「俺が掟だ!」、生島治郎「追いつめる」、藤本義一「やさぐれ刑事」と、全て映画がらみだったが、バイブルとなったのは、やはり大藪春彦の「野獣死すべし」か。
もともと大藪を読もうと思ったのは梅川昭美の新聞記事を読んだのがきっかけ。
「西村寿行はエロすぎる。」『TATOO<刺青>あり』でもちゃんと、宇崎と原田芳雄で再現している。梅川のもうひとつのキーワード『ソドムの市』パゾリーニの遺作だ。)
リアルな拳銃の描写、強烈な暴力とsexが、当時の青臭い高校生を狂喜乱舞させ、角川や徳間の単行本を図書館で借りて(金がないので買えない)、「復讐の弾道」「野獣都市」「処刑の掟」「死はわが友」「ウィンチェスターM70」「傭兵たちの挽歌」「唇に微笑、心に拳銃」と猛烈な勢いで読みまくる。
松田優作主演の2本の角川映画化は、その直後になるが、前にも書いたが優作色>が強く大薮の原作とはかなり印象が違う。
むしろ角川春樹本人が監督した『汚れた英雄』が、最も原作の雰囲気に近い。

そんな中で読んだ1冊が、矢作俊彦の「マイク・ハマーへ伝言」。
矢作は、大友克洋の「気分はもう戦争」の原作者でもあり、もともと漫画家。
日活アクションの熱烈なファンで、初監督となったアンソロジー映画『AGAIN』は、<エースのジョー>と幻の男(裕次郎?)の対決を縦軸に、なつかしい映画の名シーンをおりまぜ、それをTV放映でしか観てない我々世代をも魅了した。<同系統の『ちゃんばらグラフィティー斬る!』(監督の浦谷年良は、後に『誰も知らない』のプロデューサー)より数倍オモシロイ!>

で、矢作俊彦が、日活が<東映Vシネマ>に対抗して作った<にっかつビデオフィーチャー>の監督で、本格デビューするのが
先週 Vパラダイスで放映されてた『神様のピンチヒッター』

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企画プロデューサーに『チ・ン・ピ・ラ』の川島透が入っている。
自身が監督してるので、原作に忠実、雰囲気は最高にいいんだが、いかんせん江口洋介以下の出演者があまりにTV的。
事故で大怪我したヒロイン(秋吉満ちる)に安らかな眠りを送る完全犯罪が、金持ちのボンボンの遊びにしか見えないのがつらい。
文章を読むのは想像力だけど、映画はそれを具象化してしまうのが難点か?
ハードボイルドの映像化って難しいね、内藤さん。

オークションしたいひとは、こちらを見てね。 

ちなみにパッケージにある<ハードボイルド・アクション作家シリーズ>の第2弾は石井隆『月下の蘭』(ラストロマンポルノ『天使のはらわた赤い眩暈』の次なので監督第2作、また同シリーズ第3弾以降があったかどうかは不明)ということで、石井監督『黒の天使 VOL.1』のパンフレットはこちら。






2007/10/20  10:58

線路はつづくよ どこまでも  映画

一週間にわたる<映画>と<列車>の旅もいよいよ終点にちかづく。

日本は国土が狭いせいか、<列車>をめぐる映画は少ない。
SLは、ノスタルジーの象徴(『父ちゃんのポーが聞える』を学校の集団鑑賞で観た記憶がある。)であっても、権力の象徴とはいえない。
むしろ高度経済成長時の<新幹線>がまさにそれだ。
増村保造『動脈列島』佐藤純彌『新幹線大爆破』と、権威と戦う男たちもいたが、
ジャンルとして邦画に列車が登場しなかったのは、庶民の交通手段という公共性のため、鉄道会社側が映画の撮影に協力しなかったことが大きな理由だ。
よってこのジャンルのパイオニアは、 『痴漢電車』 シリーズのピンク映画のパルチザンたち。
忘れ物市の片隅の不用備品販売で鉄ちゃんと争って購入したつり革を、セットに持ち込みリアリティーを追求し、奇蹟のごときSPEEDゲリラ撮影(当然無許可!)で実際に走行する列車の中でカラミを撮る。
75年の山本晋也を第1作として、果たして何本存在するのか?誰も知らない(寅さんよりは遥かに多い)このシリーズは、正しく日本の<リュミエールの子供たち>である。

ところで、日本を代表する映画監督黒澤明の<列車もの>というと、『天国と地獄』の身代金を<こだま>の窓から投げるシーンが有名。
(この場面も滝田洋二郎が『痴漢電車 聖子のお尻』でまるごと再現してる。『踊る大捜査線THE MOVIE』どころじゃないぜ。黒澤とPINKの関連でいうと『羅生門』製作の本木荘二郎は、晩年岸本恵一ネームでピンク映画を撮っていた。)
しかし、黒澤明には完成しなかった列車映画がある。

ということで、最後を飾るのは黒澤原案の『暴走機関車』

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製作は、ゴーラン&グローバスのCANNONフィルムズ、当時とち狂って『ゴダールのリア王』(黒沢の『乱』と同じ原作だったからという説あり。)なんて映画まで作っていたユダヤの角川映画
この映画を何故黒澤が撮れなかったのか?そしてどういう経緯でこの映画が撮られたか?は、あえて書かない。(有名だから他のネットで検索して下さい。)
しかしモシこの作品が当時、黒澤明の意図した通りの70_オールカラーのハリウッド映画として完成していたら、世界の映画史は間違いなく変わっていただろう。(『トラ・トラ・トラ!』をめぐる不幸な事件もありえない。)

この映画は、暴走しつづける列車の上で仁王立ちするジョン・ボイト(『真夜中のカーボーイ』)の姿で終る。
それは、ハリウッドに対する黒澤の絶望と怒りと『夢』の象徴か?
永遠に走りつづける<列車>のように、<映画>も走る(創る)ことをやめることはしない



オークションしたいひとは、こちらを見てね。 


黒沢明、『椿三十郎』の三船の十人斬りがコマ撮りで載っている
『大殺陣 日本映画80周年記念号チャンバラ映画特集』もあるよ。








2007/10/19  14:51

そんなことないよ。オレは、いつでもHAPPYだよ。  映画

<映画>と<列車>の関係について、別の視点から見てみよう。

通勤列車の車窓を、なにげなく見てみる。
その四角の窓をスクリーンとするならば、通り過ぎてゆく風景は、まさに映画じゃないか!(家の窓では、風景が動かないので絵画であってもMOVIEじゃない。)

ということで、メンフィスの流れる風景をバックに、遥か遠いYOKOHAMAから、エルビスを訪ねて列車(?)でやって来た工藤夕貴と永瀬正敏からはじまる、『ミステリー・トレイン』 のビデオが今日の1本。

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前も書いたけど、ジャームッシュ版の<グランド・ホテル>ね。(ELVISも幽霊で出演。)
舞台は<列車>ではなく、本当に線路脇の<HOTEL>。
構成がかなり変わっていて、3話のオムニバスが、(映画の)時間的にはバラバラだけど物語的にはひと晩の同時進行。
3組の主人公たちは、同じHOTELで、同じ列車をながめ、同じ時間を過ごし、
明け方に同じ銃声を聞く。(ベニーニの嫁が「38口径だわ」と平然と言うのが、実はマフィア関係者だったんじゃないか?と思わせて面白い。)
翌朝、何事もなかったように3組そろって去っていく時、はじめて映画(流れ)はひとつにまとまる。(列車にのって)

キャストで一番光ってるのが、ZIPOOの点け方もきまってる永瀬クン。(66年生まれで年下だから、この呼び方でいいっしょ。)
当時は、相米慎二『ションベン・ライダー』でデビューしたてのガキだったが、初の海外作品で工藤夕貴とHまでする大抜擢!
以降、山川直人『バカヤロー3 クリスマスなんか大嫌い』天願大介『アジアンビート アイ・ラブ・ニッポン』林海象『我が人生最悪の時』利重剛『BeRLin』手塚眞『実験映画』石井聰亙『五条霊戦記』行定勲『贅沢な骨』ら同世代の監督から、ハル・ハートリー『フラート』、フリドリック・トール・フリドリクソン『コールド・フィーバー』ら海外勢まで、しなやかに、ワールドワイドなインディーズの星<star>となっていく。
(TVシリーズでも『私立探偵濱マイク』で、ショーケン『傷だらけの天使』優作『探偵物語』の正統な後継者。)

そのうえで、石井隆『死んでもいい』山田洋次『息子』黒木和雄『紙屋悦子の青春』鈴木清順『ピストルオペラ』と鬼才・巨匠らの作品にもなにげに顔を出し、一時期<なんてったってアイドル>を嫁にし、妹(濱マイク)の『NANA』ともオツキアイするしたたかさも兼ねそなえる。

永瀬クンには、これからも若手監督のインディーズ映画に、軽いフットワークで出演していって欲しい。
かつてデビュー監督の映画には必ず出ていた原田芳雄のように…。

オークションしたいひとは、こちらを見てね。 

永瀬クン出演の、石井聰互監督の『DEAD END RUN』のビデオはこちら。



2007/10/18  13:12

アラン・レネとジェス・フランコの共通項  映画

昨日は殺人事件だったが、<列車>の中で大量殺戮するヤカラも出てくる。

大晦日の夜、大学最後のパーティが観光SL列車を借り切って行われていた。
仮装パーティや余興のマジックで盛り上がる学生たちが、ひとり、またひとりと殺されていく。
というのが、今日紹介の『テラートレイン』

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監督のロジャー・スポッティスウッドは、ペキンパー一家(『ゲッタウェイ』『ビリー・ザ・キッド21才の生涯』)の編集マン出身。
以後、トム・ハンクス『ターナー&フーチすてきな相棒』、メル・ギブソン『エア・アメリカ』、シュワちゃん『シックス・デイズ』、スタローン『刑事ジョー ママにお手上げ』、007の『トゥモロー・ネバー・ダイ』までこなすB級映画の職人。
本作のデビューを祝いに、オジキのベン・ジョンソンが車掌役で馳せさんじる。
<スク-ミング・クイーン>にして、FINAL GIRLになるのが、『ハロウィン』以降のジェイミー・リー・カーチス。キャスリン・ビグローの『ブルー・スチール』以前は、この手の役の専門
そして、この映画には、マジシャン役であのDavid Copperfieldが出てる。(特別出演でなく重要な役。)
<映画>と<手品>の関係についても、諸説あるのだか(メリエスはジャグラーだった。)今回は割愛。

ところで、<列車><大量殺人>のイメージというと、ユダヤ人を乗せたアウシュビッツ行の列車が思いだされる。
細菌兵器に汚染されたテロリストが逃げ込んだ列車を封鎖し、乗客もろとも抹殺してしまおうとする『カサンドラ・クロス』(監督は、コノ手が多いジョージ・P・コスマトス)でも、リー・ストラスバーグ(アクター・スタジオの重鎮、『ゴッドファーザーPARTU』のハイマン・ロス役が有名)が、ナチの幻影に怖れおののく場面があった。
家畜の移送を思わす、この蛮行はたびたび映画でも取り上げられる。

ゆえに『夜と霧』『ナチ第3帝国・悪魔の拷問列車』は、映画的には正しく等しい。

このオークションは終了しました。


ロジャー・スポッティスウッド監督の動乱もの『アンダー・ファイア』のパンフレットはこちら。


2007/10/17  9:10

探偵の後ろ姿は、いつも寂しい。  映画

昨日、<列車>は映画と違って、駅でとまることができると書いた。
(リュミエールが撮ったのも、駅への到着だ。)
たしかに、そこに停車する(人の乗り降り、出会いと別れ)ことによって、新たなドラマが生まれる。(駅ホームの名シーンも『ひまわり』『旅情』『祭りの準備』と色々あるが、ここではふれない。)
では、何だかのアクシデントにより駅以外のところで停車した場合はどうか?
人はそこから降りることも乗ることもできない。<列車>は一瞬にして巨大な密室と化す。

で、今日は豪雪で立往生した豪華列車で起きる密室殺人(Mike 水野のサーガ『シベリア超特急』にも影響を与えた)
『オリエント急行殺人事件』ね。

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原作は、言うまでもなくA・クリスティーの<名探偵ポワロ>シリーズ。
大富豪の乗客リチャード・ウィドマークが何者かに殺された?犯人は乗客の中にいる!果たしてその動機は?巨匠シドニー・ルメットは、探偵の謎ときサスペンスを、イングリット・バーグマン、ローレン・バコール、ジャクリーン・ビセット、アンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、バネッサ・レッドグレープ、ジョン・キールガット、マイケル・ヨーク etc.と文字通りオールスターで描く<グランド・ホテル>形式。

犯人は誰か?を問題とすると、これはかなりの反則技!(ヒントは『そして誰もいなくなった』の反対)
ポワロ役は、 『トム・ジョーンズの華麗な冒険』のアルバート・フィニー。
『ナイル殺人事件』『地中海殺人事件』のピーター・ユスチノフも映画では有名だが、彼のほうが丸顔でツケ鬚して、原作に忠実で好きだな。

事件は<灰色の脳細胞>が無事解決するんだけどラストシーンの彼の後姿は、すごく寂しい。
探偵は、警察と違って<犯人を捕まえる>じゃなく<事件を解決する>のが仕事。
被害者にも加害者にも、人間的には永遠にかかわることが出来ない。
<事件を解決する>=<真実を知る>ことでもある。
知らないほうがよい事も無理に知ってしまうこともあるのだ。
基本的に、 誰かが殺されないと、探偵の存在意義はないのだ。


オークションしたいひとは、こちらを見てね。 

ルメットの監督作品は多岐にわたる。
核戦争の恐怖。『未知への飛行 FALE SAFE 』
メラニー・グリフィスがユダヤ教を追う。『刑事エデン追跡者』
マイケル・ケインとスーパーマンの対決。『デストラップ死の罠』と各種パンフレットそろっているよ。


2007/10/16  9:08

映画と地下鉄の相関関係。  映画

現代になり、庶民の交通機関となったこの時代に、さすがに<列車強盗>するバカはいなくなった。(ウェスリー・スナイプスの『マネートレイン』なんてのはあったけど)

しかし犯罪は日進月歩。常に人が考えないアイデアを考えていく。(映画も同じネ。)

で、大都市の地下を這うようにはしる地下鉄が航空機のように乗っ取られたらどうなるか?てのが今日紹介する『サブウェイ・パニック』 のビデオ。

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原題は「ペラム駅1時23分発」、日本題がこうなったのは、公開当時『大地震』『エアポート´75』パニック映画ブームだったから。でもこれはPanicというより、れっきとしたクライム<犯罪>アクション。
監督はジョセフ・サージェント、後に『マッカーサー』『ジョーズ`87/復讐篇』などを撮るが、文句なしの最高傑作!
乗っ取り犯人ロバート・ショーと地下鉄公安部部長ウォルター・マッソーの無線機だけによる(現場と司令室が離れていてお互い声だけで対峙しない)虚々実々の駆け引きは、後の「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」的捜査ものに大きな影響をあたえた。(『交渉人真下正義』なんて、まるっきりこれのパクリ。)

ところで、映画と地下鉄(てか列車)には大きな共通点がある。
filmはそれ自体はリール状のもの、映写機を通ってはじめてレンズで拡大投影される。(映画になる)
その映写機は、パーホレーション(filmの穴)に沿って1秒間に24コマの正確な動きでfilmを送っていく。
これって線路に沿って走る列車とまったく同じ構造じゃないか!
列車は駅でとまるが、映画はそうはいかない。
はじまったが最後、終点(エンドロール)までNON STOPで走り続けるしかない

それゆえ、映画の中の列車は、暴走しなければ話がはじまらない。
終わらない映画がないように、線路もいつかは終点にたどりつく。
脱線か?衝突か?そこで、はじめてスリルとサスペンスが生まれる。
コマとび、パーホレーションの欠如で映画が止まることは、死を意味するのだ。(filmが熱で燃える。)

オークションしたいひとは、こちらを見てね。


ジョセフ・サージェント監督の『白熱』のパンフレットもあるよ。

2007/10/15  16:57

ブッチとサンダンスが見た映画とは?  映画

昨日、リュミエール兄弟の『列車の到着』について書いた けど、アメリカで、いちばんはじめに作られた劇映画(それまでの映画は「摩訶不思議な動く写真」)も<列車>が関係する。
1903年にエドウィン・S・ポーターが監督した『大列車強盗』(The Great Train Robbery)がその映画。
もちろん、史上初の西部劇でもある。もっとも当時は西部開拓時代だから<実録>犯罪物であったわけネ。
『明日に向って撃て!』のブッチ・キャシディとサンダンス・キッド(レッドフォードはこの名前を自分の映画祭につけた。)ら本物の列車強盗たちも、この映画を見た。と日本ヘラルド映画の『シネ・ブラボー!』で言っていたと記憶する。

同じ題名の映画があと2本存在する。1本は1972年のジョン・ウエイン晩年の西部劇『大列車強盗』(The Train Robbers)
監督がジェームズ・ガーナーとのコンビの『地平線から来た男』『夕陽に立つ保安官』バート・ケネディだから、一筋縄ではいかない。本編に列車強盗のシーンはなく、アン・マーグレットに騙されたデュークたちが、これから列車強盗に行くぞってところで映画が終わる。

で今日紹介するのが最後の1本、マイケル・クライトン原作・監督の『大列車強盗』 (The first Great Train Robbery)ネ。

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こちらはウェスタンではなく、英国ビクトリア王朝時代(1855年)の「最初の列車強盗」の話。
主演は、初代007とジャック・バウアーのオヤジ(ドナルド)。
監督のマイケル・クライトンは、最近は『ジュラシック・パーク』の原作者として有名。自作を監督したものも何本かある。作家と二足わらじとしては器用な監督だ。(村上龍や椎名桜子にくらべ)

で、彼らはナゼ列車を襲うのか?と考えてみる。
もちろん、お宝が公共交通機関の輸送手段として運ばれる、最も狙いやすい<油断している>走行時を襲うわけだが、近代文明発展期の当時、列車とは<富>の象徴であり<権力・体制側>の走る要塞でもあったわけだ。
それゆえ、その時代に逆らう(ついていけない)男たちは、危険をおかしてでもそれに立ち向かう。

それにしても、ショーン・コネリーは息の長い俳優だ。出てるだけで画面が締まる。(日本でいえば、原田芳雄?緒方拳?)
ボンドの頃から見事に性格俳優に脱皮できたのは、文字通りカツラを取ったからだ。

オークションしたいひとは、こちらを見てね。


マイケル・クライトン監督の『未来警察』のパンフレットもあるよ。

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