2008/10/29  13:59

北京の焼肉店  寧夏
北京にはいくつかの焼肉屋があります。不思議なことに「韓式焼肉」と「日式焼肉」の2つにわかれます。日式焼肉は網で焼くことと、上質な牛肉を出すことに特長があります。
今日行ったのは日本人がたくさん会社を構える地区にあるSというお店。ここの店長は日本で修業をしていたそうで、タレの味なども日本と同じです。
今回は寧夏の仲間も3人一緒でした。彼らの反応が見たかったのですが、とにかく「美味しい」「美味しい」の連発でした。たしかに、この店で使っている大連の牛肉は、中国内で一般に売られているものとは飼育方法からして違います。いわゆる日本流です。その分、コストも高くなるのですが、日本からは牛肉を輸入できないこともあってプレミアムがつきます。
ここの一番高いものは一人前で880元(14000円)。ラーメン一杯が5元であることを考えれば、間違って丸が1つ多い??と思ってしまう値段です。
こういう牛肉を作れば中国内でも需要を増やせることは事実です。しかし、どうやってコストを下げるのか?という問題と、どうやって実際に食べてもらう機会を作るのか?という問題の解決が必要なようです。

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(880元也)

2008/10/27  23:58

揚食堂さん  寧夏
揚食堂さん、といっても飲食店ではありません。
基金会の表彰式があった翌日、江西省の農業庁にお願いして肉牛飼育の現場を見せてもらえるようにお願いしました。
紹介を受けたのは、江西省の省都である南昌からクルマで約1時間行ったところにある高安市にある肉牛飼育場でした。そこのオーナーが揚食堂さんです。
彼は昨日書いた基金の今年の表彰者の1人でもあります。
今49歳ですが、大変に貧しい家に生まれました。親が「食べものに困らない人生を送ってほしい」と願って「食堂」という名前をつけてくれたのだそうです。中国でも珍しい名前ですが、けっして笑える話ではありません。
若い頃は靴販売の仕事をしていたそうですが、苦労してお金を貯めて、約10年前に5頭の牛を購入しました。そこから始め2006年に会社化し、今は資産規模だけでも2億円、従業員50名を抱える農園のオーナーです。肉牛も500頭ほど飼育しています。
実際に農場をみせてもらって驚きました。とても素晴らしいのです。とにかく創意工夫が凝らされています。牛舎もけっして高価なものではありませんが、無駄がなく合理的な設計です。掃除も行き届いています。最近、中国では不動産など異業種からの肉牛飼育参入が続いていますが、そういった会社の牛舎とは一線を画するものがあります。資金を効率的に利用しようと真剣になると、それは牛小屋1つにも表れるということなのでしょう。
子どもたちは都市部の大学に行っているそうです。「ここには帰ってこなくていい」と言っていたのが印象的でした。「自分の人生を振り返って、もっと広い世界でたくさんの人からアドバイスをもらっていれば余分な回り道もしなかっただろう。私の人生は失敗の繰り返しだったから。」と話していましたが、そういう何かを求めようとする気持ちを持ち続けたからこそ、現在の彼があるのでしょう。
彼は利益の一部を利用して、故郷でもあるこの地に小さな道路を作ったり、小学校に寄附をしたりもしています。
肉牛飼育は決して自分だけでできるものではなく、地元の農家との連携も重要になってきますが、彼の姿勢は事業にもプラスに働いているようです。地域のリーダとは、そういうものかもしれません。
自分で作ったというコメの酒をたくさんご馳走になってフラフラになりましたが、彼と語り合い、とてもいい気分でした。
今の日本では、こういった人物になかなか出会えません。それだけ日本が成熟した証でもあります。
けれども、中国の農村には揚さんのような意欲的で熱心な人物がたくさんいます。本当に痛快です。


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2008/10/26  21:57

基金会表彰式(江西省)  寧夏
中国農業部と協力して中国全国の農家や技術普及員を表彰する顕彰制度を創設して12年になります。
今年の会議は江西省(景徳鎮で有名です)で農家50名、普及員100名を対象として行いました。
受賞した農家には1人3万元(45万円)を支給します。
ここに毎回、基金会の事務局と我々との間で議論がおこります。
理事長の気持ちとしては「貧しいけれども創意工夫に励む優秀な農家」を応援したいわけです。貧しい農家であれば3万元は大金です。この資金を活用して仕事に役立てて欲しいと思っているわけです。
けれども・・実際に全国から推薦されて集まってくる農家は、ほとんどが農業関連の会社経営者なのです。
リンゴ果樹園と加工工場、養殖会社経営等々。
みんな元々は1人の農家でした。しかし、仕事がうまくいって1人、2人と従業員を雇い入れて会社化しているのです。
今の中国において、会社を経営する彼らにとって3万元は事業資金という規模ではありません。
しかし、相手側の事務局の意見としては「優秀な農家は成功しているのです。これは仕方のないことです。彼らが地域の目標となり他の農家を牽引していることは、中国にとって大きな力となっています。」と。
3万元の有効活用を希望する我々とは、どうしても見解が分かれるのですが、今の中国の現状を考えると基金会の考え方にも一理あります。
先日のブログにも書きましたが、今月上旬の中国政府の指針表明(第17期三中全会)には国内の格差問題に対する明確な方向性が示されています。それは、資本主義的な市場原理を活用して農村の活性化を図るというものです。
その意味でも個人が徐々に仕事を広げていって会社を立ち上げるという構図は理想的なわけです。
日本にいると農業のそういった姿がイメージしにくいのですが、中国にいる8億人の農村人口の問題を考えるためには斬新な視点も必要だということかもしれません。

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2008/10/25  13:56

上海蟹のシーズン  寧夏
寧夏をあとにして上海にきています。
今回の上海は事務局長と寧夏のスタッフも一緒です。
この季節、上海といえば・・・蟹です。
日本でもピンキリですが、それは上海も同じです。
高級店になると一匹で600元(9000円)というのもあります。
日本で食べる毛ガニなら、これくらいの値段ですが、ご存じのように上海蟹はとても小さいので食べられる部分は僅かしかありません。
これがまた贅沢感を増しているのかもしれません。
ホテルで「地元の人々が利用する蟹の店を教えてください」とお願いしてタクシーに乗り込みました。
外灘に近い地域ですが、道沿いに海鮮のお店ばかりがズラリと並ぶ地域です。
この時期は蟹のシーズン真っ盛りということで、どの店も呼び込みで大変です。
そのなかで小さいながらもお客さんで一杯の店を選んで入店しました。
上海蟹は一匹38元(約600円)。
この値段は、いわゆるブランド産地のものではないはずです。
でも、そんなの関係ないですね・・ただもう濃厚な味わいに感激です!
問題は1つ。この時期はメスの卵がおいしい季節で、オスはまだ早いわけです。
けれども、3人で最初に一匹ずつ注文したら、私のだけオスだったのです。
それで悔しいので、もう一匹ずつ頼もうと提案して万全を期したつもりが、また私のだけオスでした。
心やさしい同僚が甲羅の部分を交換してくれましたのですが、やはりシシャモ以上に上海蟹についてはメスかオスかが重要な問題です。
それでも、食べ慣れていない我々の下手な食べ方が相当に面白いらしく、そばの柱に寄りかかりながら店員の女の子がずっと見ていては、「ここはこうして食べたほうがいいよ」と教えてくれます。月島のもんじゃ焼きみたいです。日本も中国も大都会の下町は同じなのかもしれません。
この店、紹興酒で酔っ払っていて場所が定かではありませんが、「半島酒家」という名前だったと思います。オーナーの奥さんは日本人だそうで、味も我々になじみやすい美味しさ。お薦めです。
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2008/10/23  22:32

合作という概念  寧夏
日本人にとって理解しにくい概念に「合作」があります。
中国では頻繁に使う言葉です。
要は、「力を合わせて頑張りましょう。そして利益を分け合いましょう」という意味です。
しかし、利益の分配については非常に曖昧な部分があります。
駆け引きや人間関係で大きく変わります。
ここが外国人である私たちには「あうん」の呼吸がつかめない部分なのです。

本来であれば、お互いの負担を計数化して、それに応じて利益を分けるべきです。
しかし、世の中には計数化できない部分がたくさんあります。
特に中国ではそうでしょう。

たとえば物を買います。
買い物上手な人と下手な人では買値がずいぶん違います。
買い物上手な人の経験をどう計数化しますか?こういう問題になるわけです。

このファジーな考え方の前に日本人は閉口してしまいます。

そして、利益配分の際には必ず合作の相手と難しい交渉が必要となります。
ここも、最初に明確な約束事がない分、その場の微妙な力学関係ですべてが決します。

世の中を、こういうものだと思えれば中国で力強くやっていけます。
でも、日本人にはなかなかそうは思えないものです。

2008/10/23  22:21

価格交渉・・大変です  寧夏
今回の出張の最大の任務があります。
これまで農家が牛を飼育していましたが、それをプロジェクトで回収します。
そのときの回収の値段(条件)を決めることです。
プロジェクトには、たくさんの決めごとがあります。
飼育記録を正確につけること。
飼料は基準にそって十分な栄養を与えること・・etc
これらは農家のためを思って決めたことです。
でも、やはりこういうことは農家にとっては「やらされている」という意識になります。
つまり、その分の対価を求めるわけです。
ただ、こういった取り組みをきちんとやれば、最終的な利益にもつながります。
ですから、一定の割合で農家の取り組みを価格で評価することにしています。

やや、まわりくどい説明になりましたが、要はプロジェクトは農家の将来の利益を目指していますが、現実を生きる農家にとっては今の利益が大切です。

ここに難しさがあります。

それで、実際にどういった値段を付けるのか?
これは本当に難しいことです。

今回、政府の仲間がメラミン事件で忙しいので私が農家との交渉をしました。
会場には約30名の農家が集まりました。
でも、こういうことは農家にとって完全に部外者である外国人にできることではないのですね・・

中国では物を買ったり売ったりするのに定価なんてありません。
交渉で決まります。
ですから、こちらで用意した値段について、農家との間で、それはもう激しい価格交渉が始まってしまいました。
農家も無理を承知で条件を付けてきます。

こんなとき、こちらとしても「みなさんを虐めるためにプロジェクトをしているわけではありません。回収価格が不満であれば、プロジェクトを脱退して他で売ってもらってもいいですよ」と回答せざるをえません。

最終的には何とかおさまりそうです。

しかし、中国で日本人ができる、あるいはするべき仕事とそうでない仕事があることを痛感しました。
日本人が外国で農業をする時代がくるというのが私の持論でもありますが、すべて日本人がするのではなく、地元の人間とどういう役割分担をするべきか研究が必要のようです。


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2008/10/23  21:52

沙燕  寧夏
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岩にたくさんの穴があいています。
これ何だかわかりますか?

燕の巣なんです。
正確には沙燕というそうで、日本の燕とは少し違うようです。
岩壁に穴をほって巣にします。

世の中には珍しいものがあるものです。

この穴ですが、ときに蛇も利用するそうで近づくには注意が必要です。

2008/10/21  23:35

ああ黄河  寧夏
寧夏は黄河の恵みを受けている地域です。
黄河文明というものは歴史で勉強しましたが、まさに雄大で母なる川です。
黄河の上にかかっている橋を渡ったことは何度もあります。
寧夏は黄河の上流にありますので、びっくりするほど川幅があるわけでもありません。
でも、何か違うオーラみないなものがあります。
何かを生み出すような・・
何かを与えてくれるような・・

昨日は黄河を舟に乗って体感しました。


何をこれ以上、人生に求めることがあろうか?と真剣に思ってしまいました。
それくらいすごい迫力です。
日本にも美しい川はたくさんあります。
でも、何かを語りかけてくるような・・・黄河にはそんな雰囲気があります。

これまでに、仕事でたくさんの外国に行きました。
たくさんの観光地にも訪れました。

でも、昨日の黄河は最高でした。
何が最高なのか?うまく言葉にできません。
胸がいっぱいになりました。

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2008/10/20  0:14

メラミン事件と寧夏  寧夏
中国へ来ていますので、日本でも問題になっているこちらのメラミン事件について触れたいと思います。
牛乳の回収の際に、水で薄めたことを隠すためにタンパク質の含有量を増やす目的でメラミンを混入していたために人体に害を及ぼすことが大問題になっています。
日本でも中国製の粉ミルクを用いたお菓子などからメラミンが検出されました。

こちらのパニックぶりは日本の比ではありません。
寧夏にも牛乳の会社がいくつかあります。
しかし、中国のスターバックスがラテのミルクを豆乳に変えたことからも分かるように、人々は乳製品に対して非常に懐疑的です。

需要の減少を見越して大手の企業は続々と農家からの回収を中止しています。
当地の政府としては、できるだけ農家の影響を少なくするために大手が回収を中止した分を地元の企業に負担させようと必死です。
それでも、すでに乳価は農家にとっての原価割れのところまで下がっているそうです。

地方政府の皆さんとしては、そういった対応のほかに、中央政府の安全検査や照会に追われて休日返上の毎日です。
(おかげで私の仕事も捗らなくて大変ですが)

今日は夕食の後、街中の喫茶店に行きました。
僕はまったく気にしていなかったのですが、コーヒーについてくるミルクについて中国の友人が「ちょっと、これは大丈夫なの?!」とお店に質問しました。

驚きました・・
その答えは「日本製ですので。」

たしかにパッケージを見ると日本のものでした。
今の日本は例の意事故米などもあって決して中国に対して安全性を誇れる立場にありません。
けれども、こういった日本のブランド性は大切にしたいですよね。


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(池にうつった夕日がきれいでした)

2008/10/19  23:18

中国の法改正より  寧夏
ニュースの転用です。

【北京19日共同】
中国共産党は19日、第17期中央委員会第3回総会で採択された「農村改革推進のための若干の重大な問題についての決定」の全文を発表した。農民が土地請負経営権を財産として売買することを認めており、農村でも市場経済化が一段と加速することになる。決定は「農民に譲渡、貸し出し、交換などの形で土地の移転を認め、さまざまな形式の適度な大規模経営を発展させる」と明記した。


これはすごいことです。

中国では日本と違い農業に経営的なメカニズムを導入することに積極的です。
株式会社が農業を経営することは前から認められていますが、これまではまとまった農地を手に入れるのが難しい一面がありました。
しかし、この法律によって細分化された土地を企業が買収して集約する動きが加速します。

貧富の差が問題になっていますが、国民の大多数をしめる農民の底上げをするのは、やはり資本主義的なメカニズムしかないという政府の決意が伺えます。

他方、日本は資本主義の国でありながら、農業には戦後の財閥解体を目指した古い「農地法」のしがらみがあって旧態然としたままです。
世界の動きから、どんどん取り残されています。

たしかに農業の世界に資本主義を導入すると「弱肉強食」が進むことがあります。
今回の中国の法律改正も、農地に価値がつくということは畑を担保にした金融メカニズムもすすむはずで、借金で首がまわらない農民もでてくるでしょう。

それでも、大きな時代の流れを取り入れていこうという中国政府の英断はすごいと思います。
今の日本は小泉改革の負の遺産である格差社会の是正のために、どんどん社会主義化していこうとしています。
民主党は農業への補助金を数段引き上げると言っています。

果たして、それでいいのでしょうか。
最近の日本の政治はキャッチフレーズ的(ニュース的)なわかりやすさを求めるあまり、極端な方向にばかり振れる傾向があります。
日本は資本主義の国なのですから、まず第一にはマーケットの原理を尊重すべきです。
同時に、予測される負の面を補ってやるというのが正論です。
あっちに行ったり、こっちに行ったりするのではなく、同時にやるべきです。

少なくとも、農業の世界では日本が中国に政策的なメカニズムを勉強しなくてはならない時が来ることを実感します。

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(秋が深まっています)
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