2008/1/8 13:58
日本の研究者が出した再生医療関係のノーベル賞級の論文を読む お勧めの1冊
*専門外なので間違いもあるかもしれないがご容赦
Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors.
Cell 126, 663-67 (2006)
<背景>
ヒトES細胞は様々な病気(Parkinson’s D, 脊椎損傷)を治す再生医療に役立つ可能性もつが、倫理的理由から人の胎児由来のES細胞は使えないし、他人からの細胞では拒絶反応も起こる
→本人の体細胞からES細胞が造られれば最適。
<仮説>
体細胞はOocyteへの核移植や、ES細胞との細胞融合によって再プログラムが可能
→仮説:ES細胞の維持に働く因子は万能能獲得の誘導にも働くのか?
マウスES細胞のみで発現している24個の遺伝子に注目
含む 活性型β―catenin、c-Myc, Stat3、
Grb2のnegative効果→dominant neg. form : Grb2Δ―SH2
<要旨>
ES細胞のみで発現しているFbx15という遺伝子に着目。この遺伝子部位に相同組み換え技術を用いてネオマイシン耐性遺伝子を導入し、培地中にこの耐性遺伝子によって無毒化されるG418[2]を添加することによって、Fbx15を発現するES様細胞のみG418耐性を獲得して生き残り、Fbx15を通常発現していない体細胞は死滅するという実験系を構築した。図1A
これにより、ES様細胞(iPS細胞)を4つの遺伝子導入により樹立した。この細胞をnude miceに移植すると三胚葉に分化する腫瘍形成し、さらにblastocystsに注入すると胎児形成に寄与した。
<図1>
24 gene全ての導入でG418耐性株出現 図1B (1 geneでは駄目)
↓
8 x 10^5 cells → 22 (29)clone(29)G418耐性 → 12(6)clones → 5(4)ES like
( )は2回目の実験
この方法により最終的に4個のfactorsの胎児性繊維芽細胞ならびにAdultの繊維芽細胞への導入により、
1)形態(三胚葉分化)図1C
2)増殖性 図1D
3)ES細胞の遺伝子発現様式を示す図1E Nat1はcontrol
4)導入したcDNAのメチル化パターン 図1F Oct3/4はES細胞とiPS細胞で差あり
<図2>
24-1で必須な遺伝子同定 図2A --- 10daysでは耐性株が出てこないもの10 genes 抽出
↓
10-1でさらに絞り込む 図2B --- Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc (c-Myc wtでも可)
(24 geneによるより10gene導入の方が耐性株の数は多い)図2C
↓
4-1でさらに絞り込むが全て必要 図2C
− c-Myc や - Sox2では耐性株は出現しても形態やその後の分化が進まない 図2D
(− c-Mycでは38株全てflatな細胞でnon-ES細胞様、- Sox2では54株中6株を経代すると26代で形態が変わる)
nudeマウスに移植してテラトーマ形成を行うと、
5 iPS-MEF10 → 2個形成
3iPS-MEF4 → 2個形成
6iPS-MEF3(- Sox2) → 0個形成
↓
三胚葉形成(iPS細胞の全てが万能性もつわけではない)
遺伝子発現のパターンを株で比較 図3A (* iPS-MEF10-6, iPS-MEF4-7は万能性)
iPS-MEF3(- Sox2)では発現のないものあり 例)Esg1、Oct3/4, Sox2 etc.
○ChIPによるH3蛋白の解析 図3B
dimethylationパターン↓、Acethylationションパターン↑
○Bifulfite genomic seq.によるCpGのDNA methylation 図3C
○ 免疫染色によるES細胞マーカー抗原、ASとSSEA-1(胎児性抗原)の検出 図3D
DNAマイクロアレイ解析
iPS-MEF10-6とiPS-MEF4-7はES細胞に似る
Group I (ES: iPS-MEF10:iPS-MEF4:iPS-MEF3 > MEF etc.) = Myb, Kit, Gdf3, Zic3
Group II (ES: iPS-MEF10:iPS-MEF4 > iPS-MEF3) = Dppa3〜5, Nanog, Sox2
Group III (ES > iPS-MEFs) = Dnmt3a,b,l Utf, Tcl1, LIF
図5 テラトーマ(iPS-MEF4-7由来)の組織・免疫染色像
iPS-MEF3はnon-coat dishでは胎児様body形成するが、普通の培養細胞用dishにうつすと分化できない。iPS-MEF10もiPS-MEF4も共に平滑筋、α―fetoprotein, β-III tubulin(+)
図6 尻尾の繊維芽細胞(Adult 細胞)からもiPS細胞出現化
形態 図6A
遺伝子発現 図6B
免疫染色 図6C
株により胎児までいかないものもあり、4-7はE7.5まで、4-3はE13.5まで進み三胚葉に分化
図7 生化学的、遺伝子解析
図7A Western blot
図7B RNAと蛋白定量 RNAは過剰発現しても蛋白レベルは低い(調節機構の存在?)
未分化から分化型に変わるとパターンも変わる
図7C Southern blot 平均20個のintegrationを示す
○最初は高い遺伝子発現が必要だが、それが済むと発現は抑制される?
○ Klf4やc-Mycは発生の後期では不要。またc-Mycはoocyteでは発現されていない(そのかわりL-Mycが発現)これからこれらは何か別の遺伝子の代用ではないか?
○ Nanogが不要であったことは予想外
<その後の経過>
この方法で作り出した細胞から作り出したマウスは37匹中6匹が腫瘍により死んでしまった。
c-Mycを除く3種類の遺伝子を導入したところ、従来の方法よりも1週間ほど時間が長くかかるが同様のiPS細胞が出来ることが分かった。この方法で作り出したiPS細胞から作り出したマウスは26匹すべてで腫瘍が出来なかった。c-Mycは癌遺伝子でありこの意味は大きい。
ヒトES細胞で特異的に発現している14遺伝子をリストアップ。この中から、OCT-4・SOX2・NANOG・LIN28の4遺伝子を胎児肺由来の線維芽細胞や新生児包皮由来の線維芽細胞へ導入することで、ヒトiPS細胞の樹立に成功した。
<技術的側面>
RT-PCRでcDNA増幅→ pDONR201に導入(Gateway system)→ pERTR→(LR) pMXs plasmid
Plat-E cell← retro vector DNA + Fugene6
↓ 24hrs
Condition medium
↓
Take sup. (virus) + polybrene
↓
Infection
8 x 10^5 MEF cells (or TTF) on feeder(MCC処理細胞)
↓
3days
+ G418
↓
2〜3週間培養してcolony形成
Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors.
Cell 126, 663-67 (2006)
<背景>
ヒトES細胞は様々な病気(Parkinson’s D, 脊椎損傷)を治す再生医療に役立つ可能性もつが、倫理的理由から人の胎児由来のES細胞は使えないし、他人からの細胞では拒絶反応も起こる
→本人の体細胞からES細胞が造られれば最適。
<仮説>
体細胞はOocyteへの核移植や、ES細胞との細胞融合によって再プログラムが可能
→仮説:ES細胞の維持に働く因子は万能能獲得の誘導にも働くのか?
マウスES細胞のみで発現している24個の遺伝子に注目
含む 活性型β―catenin、c-Myc, Stat3、
Grb2のnegative効果→dominant neg. form : Grb2Δ―SH2
<要旨>
ES細胞のみで発現しているFbx15という遺伝子に着目。この遺伝子部位に相同組み換え技術を用いてネオマイシン耐性遺伝子を導入し、培地中にこの耐性遺伝子によって無毒化されるG418[2]を添加することによって、Fbx15を発現するES様細胞のみG418耐性を獲得して生き残り、Fbx15を通常発現していない体細胞は死滅するという実験系を構築した。図1A
これにより、ES様細胞(iPS細胞)を4つの遺伝子導入により樹立した。この細胞をnude miceに移植すると三胚葉に分化する腫瘍形成し、さらにblastocystsに注入すると胎児形成に寄与した。
<図1>
24 gene全ての導入でG418耐性株出現 図1B (1 geneでは駄目)
↓
8 x 10^5 cells → 22 (29)clone(29)G418耐性 → 12(6)clones → 5(4)ES like
( )は2回目の実験
この方法により最終的に4個のfactorsの胎児性繊維芽細胞ならびにAdultの繊維芽細胞への導入により、
1)形態(三胚葉分化)図1C
2)増殖性 図1D
3)ES細胞の遺伝子発現様式を示す図1E Nat1はcontrol
4)導入したcDNAのメチル化パターン 図1F Oct3/4はES細胞とiPS細胞で差あり
<図2>
24-1で必須な遺伝子同定 図2A --- 10daysでは耐性株が出てこないもの10 genes 抽出
↓
10-1でさらに絞り込む 図2B --- Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc (c-Myc wtでも可)
(24 geneによるより10gene導入の方が耐性株の数は多い)図2C
↓
4-1でさらに絞り込むが全て必要 図2C
− c-Myc や - Sox2では耐性株は出現しても形態やその後の分化が進まない 図2D
(− c-Mycでは38株全てflatな細胞でnon-ES細胞様、- Sox2では54株中6株を経代すると26代で形態が変わる)
nudeマウスに移植してテラトーマ形成を行うと、
5 iPS-MEF10 → 2個形成
3iPS-MEF4 → 2個形成
6iPS-MEF3(- Sox2) → 0個形成
↓
三胚葉形成(iPS細胞の全てが万能性もつわけではない)
遺伝子発現のパターンを株で比較 図3A (* iPS-MEF10-6, iPS-MEF4-7は万能性)
iPS-MEF3(- Sox2)では発現のないものあり 例)Esg1、Oct3/4, Sox2 etc.
○ChIPによるH3蛋白の解析 図3B
dimethylationパターン↓、Acethylationションパターン↑
○Bifulfite genomic seq.によるCpGのDNA methylation 図3C
○ 免疫染色によるES細胞マーカー抗原、ASとSSEA-1(胎児性抗原)の検出 図3D
DNAマイクロアレイ解析
iPS-MEF10-6とiPS-MEF4-7はES細胞に似る
Group I (ES: iPS-MEF10:iPS-MEF4:iPS-MEF3 > MEF etc.) = Myb, Kit, Gdf3, Zic3
Group II (ES: iPS-MEF10:iPS-MEF4 > iPS-MEF3) = Dppa3〜5, Nanog, Sox2
Group III (ES > iPS-MEFs) = Dnmt3a,b,l Utf, Tcl1, LIF
図5 テラトーマ(iPS-MEF4-7由来)の組織・免疫染色像
iPS-MEF3はnon-coat dishでは胎児様body形成するが、普通の培養細胞用dishにうつすと分化できない。iPS-MEF10もiPS-MEF4も共に平滑筋、α―fetoprotein, β-III tubulin(+)
図6 尻尾の繊維芽細胞(Adult 細胞)からもiPS細胞出現化
形態 図6A
遺伝子発現 図6B
免疫染色 図6C
株により胎児までいかないものもあり、4-7はE7.5まで、4-3はE13.5まで進み三胚葉に分化
図7 生化学的、遺伝子解析
図7A Western blot
図7B RNAと蛋白定量 RNAは過剰発現しても蛋白レベルは低い(調節機構の存在?)
未分化から分化型に変わるとパターンも変わる
図7C Southern blot 平均20個のintegrationを示す
○最初は高い遺伝子発現が必要だが、それが済むと発現は抑制される?
○ Klf4やc-Mycは発生の後期では不要。またc-Mycはoocyteでは発現されていない(そのかわりL-Mycが発現)これからこれらは何か別の遺伝子の代用ではないか?
○ Nanogが不要であったことは予想外
<その後の経過>
この方法で作り出した細胞から作り出したマウスは37匹中6匹が腫瘍により死んでしまった。
c-Mycを除く3種類の遺伝子を導入したところ、従来の方法よりも1週間ほど時間が長くかかるが同様のiPS細胞が出来ることが分かった。この方法で作り出したiPS細胞から作り出したマウスは26匹すべてで腫瘍が出来なかった。c-Mycは癌遺伝子でありこの意味は大きい。
ヒトES細胞で特異的に発現している14遺伝子をリストアップ。この中から、OCT-4・SOX2・NANOG・LIN28の4遺伝子を胎児肺由来の線維芽細胞や新生児包皮由来の線維芽細胞へ導入することで、ヒトiPS細胞の樹立に成功した。
<技術的側面>
RT-PCRでcDNA増幅→ pDONR201に導入(Gateway system)→ pERTR→(LR) pMXs plasmid
Plat-E cell← retro vector DNA + Fugene6
↓ 24hrs
Condition medium
↓
Take sup. (virus) + polybrene
↓
Infection
8 x 10^5 MEF cells (or TTF) on feeder(MCC処理細胞)
↓
3days
+ G418
↓
2〜3週間培養してcolony形成
