2008/8/19 6:53
三分一湧水 分類なし
今夏の登山者が20万人を突破し、近年にないにぎわいを見せる富士山で登山者の急死が相次いでいる。県警によると、7月1日の山開き以降、山梨側ですでに4人が死亡、1人が一時、重体に陥った。8合目から山頂にかけての狭い登山道では途中でリタイアして座りこむ人が続出し“大渋滞”も起きている。登山経験のない人がピクニック気分で訪れることが原因とみられ、県警は「富士登山は一歩間違えれば死と隣り合わせ。体調や装備を万全にしてほしい」と呼びかけている。
県警によると、死亡した登山者はいずれも病死。本格的な登山経験はなかったという。このうち、2日に8合目付近で急性心不全で死亡した横浜市の男性会社員(55)と、13日に5合目付近で意識を失い、2日後にくも膜下出血で亡くなった高知市の女性高校教諭(42)は、体調や体力をあまり考慮しなかった登山計画も影響したとみられる。男性は東京都内からバスツアーで参加し、5合目に到着後すぐに夜行登山を敢行。女性は岡山県から半日以上かかる夜行バスツアーを利用していた。
5合目の総合管理センターによると、今年の登山者は「一生に一度は登りたい」という40〜50歳代の中高年層や20〜30歳代の女性など初心者が目立つという。大半の登山者は5合目(2305メートル)までは車で移動するが、急激な標高の変化に体が適応できず、登り始める前に断念する人も少なくない。ご来光を山頂で見ようと未明に山小屋を出発したが、途中であきらめて登山道脇にぐったり座る姿もよく見られる。このため8合目以上の登山道は例年にないほど進みづらく、混雑しているという。
富士吉田市富士山課によると、丸2日間かけるのが最適な登山方法という。朝5合目に到着、体を慣らすために2〜3時間仮眠し、7〜8合目で1泊してご来光を見た後、昼に頂上に到達し、夕方に下山するという行程を勧める。同課の担当者は「日本一の山だけに簡単に登ることはできない。無謀な登山計画をやめ、自分のペースでゆっくりと登ってほしい」と話している。
(2008年8月19日 読売新聞)
