2007/4/25  14:41

超低・ゼロ排気、高効率車 プラグイン・ハイブリッドその3  クルマ

プリウスを量産ニッケル水素電池を用いてプラグイン・ハイブリッドにするために必要なバッテリーの数(トヨタ)
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アメリカ人の大半の1日の自家用車走行距離は40マイル=64km程度という。だったら、フル充電で20〜40マイル=32〜64km電池だけで走行できるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)ができれば、理想的という。GMがデトロイト・ショーで発表したVolt のEV走行は60マイル=96kmを目標としているというので、まず理想的だ。

PHEVががぜんメデイアのスポットライトを浴びるようになったのは、ブッシュ大統領、そしてウーズレイ元CIA長官などがエネルギーと環境問題解決の可能性をほめ上げたからだ。

PHEVでは、バッテリーの電力(SOC)が一定値まで下がると、エンジンあるいは他の動力で充電する。GM Volt、同じくフォードが発表した燃料電池で充電するAirstreamはシリーズハイブリッドで、前者のエンジンは車両駆動はしない。
トヨタのコースター・ミニバス・ハイブリッドはシリーズであったが、頻繁にエンジンが回っていたような記憶がある。

さて現在のハイブリッドーといってもトヨタ、ホンダが大部分だがーは、ニッケル水素合金(Ni-MH)電池を用いている。市販開始以来10年が経過し、総数65万台に達したというプリウスのNi-MH電池は、3世代の進化をしており、耐久信頼性を実証している。次世代電池としてリチューム・イオン(Li-ion)電池が期待されている。しかしアメリカ筋の予測によると、ハイブリッド販売台数は2009年までに倍増するというが、その80%はNi-MH電池を採用するだろうともいう。

上の図は、プリウスを量産型NI-MH電池を使い、PHEV化すると、どのくらいの数の電池を積まねばならぬかという、トヨタの示したものだ。これでは荷物スペースが消滅し、またこの重量を最後尾に積んだのでは、操安性の劣化は避けられまい。

Li-ion電池は、Ni-MH比で倍以上の110〜130W・h/kg)の容積当たり電気エネルギーを貯蔵できる。下の写真は、2007年デトロイト・ショーでアメリカの電池大手、ジョンソン・コントロール社が別室展示したもので、量産フォード・エスケープ・ハイブリッドのNi-MH電池をLi-ion電池に置き換えると、これだけスペースが空くというデモンストレーションである。ただし、エスケープのサンヨー製Ni-MH電池は、第1世代のものでかなり大型だ。(つづく)

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フォード・エスケープ・ハイブリッドのバッテリーをリチューム・イオン電池に置き換えると空くスペース(ジョンソン・コントロール社)

2007/4/23  3:06

超低・セロ、高効率車 プラグイン・ハイブリッド2  クルマ

フォードの燃料電池プラグイン・ハイブリッド”Airstream"
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一週間、デトロイトで開催されたSAE自動車技術者協会大会に出ていたので、ごぶさたした。SAE大会は、これまで欧米大手メーカーが主催会社をつとめてきたが今年はトヨタがはじめてアジア系メーカーとしてホスト会社となった。

主催メーカーが選ぶ大会テーマは、『地球規模の持続可能なモービリテイ』である。トヨタの渡辺社長が、ユーモアのある出だしから、真摯な移動の自由を維持するためのエンジニアのさらなる努力をうながす基調演説を行った。

大会のテーマを反映し、いくつかのフォーラムがエネルギーと将来パワートレインを主題としたが、電力をバッテリーに蓄積し、通勤程度の距離は電気自動車として走るプラグイン・ハイブリッドがクローズアップされたのは、1月のデトロイト・ショーと共通する。

雨後のたけのこのように出てきたプラグイン・コンセプトは新しいものではない。フェルデナンド・ポルシェ博士の18XX年のローナー・ポルシェは、純EVであり、外の電源から充電式だった。これでは航続距離が短いので、後期型は内燃機関で発電機を回し、直接駆動輪に電力を供給するシリーズハイブリッドとなった。後者は各輪にインホイール・モーターを備えた4輪駆動方式だったのがスゴイ。

ブッシュ大統領がプラグイン・ハイブリッドを持ち出すと、これが話題の中心となる感があり、デトロイト・ショーではGM,フォードがコンセプトカーを発表した。GM VOLTは、ヨーロッパの3気筒1リッター・ガソリンエンジンで発電機を回し、リチュウムイオン電池に充電する。往復60マイル(96km)の一般的通勤距離だたら、バッテリー電力だけで走りきり、液体燃料の使用はゼロ。帰宅して低値の夜間電力で充電すればいい。ちょっと遠出の際、バッテリーの電力が下がると、エンジンから充電し航続距離を伸ばす。エンジンは車両駆動には用いない。

フォードのキャンパーからイメージをとったAirstreamの方は、さらに先進的で、バッテリー充電を燃料電池で行うというもの。
両メーカーとも最先端技術と胸を張り、いくつかのアメリカのメデイア、『すわ、画期的高ネエルギー効率、超クリーン車登場!?』とさわぎだした。

しかしGM VOLTの冊子をよく読むと、『充電能力の大きいLi-ionバッテリーの登場にかかる』との但し書きが見える。

2、3年前の日本自動車技術会大会フォーラムで、日産がプラグイン・コンセプトの小型コミューター構想を打ち出したのを記憶する。日産はNECと共同で長年Li-ion電池の研究開発をやっていて、EV、ハイブリッド、最新では燃料電池車に用いている。発表者は短い通勤距離だったら、EVモードですむ。遠くへ行く場合は、エンジンが電力を補足すると説明した。わが敬愛するGM副会長ボブ・ラッツのVOLT解説とまったく同じ。ただ、超小型車を意図しており、走行性能は日常充分程度と、よりエコ的だった。

そんなことで、私のデトロイト・ショー、SAE大会のプラグインの第一印象は『なんだEVとシリーズ・ハイブリッドのダブルハイブリッドじゃないか。電源が目新しい程度かな』だった。
しかし、家庭、オフィス、工場、公共、民間施設のどこにでもある電源に来ている電力を使用量の少ない夜間に利用するのは、非常に有効なエネルギー活用手段であり、また電力のみで走る自動車自体はゼロ排気、ゼロCO2放出の理想であることは事実だ。

下の写真の車は、デトロイト・ショー地下展示場の歴史部門に展示された1911-15年スタンダード電気自動車。フル充電で110マイル=176km走れると宣伝した!イギリスの恒例名レース,ロンドン・ブライトン・クラシックカー・レースにちなんだ『ニューロンドン・ニューブライトン・ラン』125マイルを完走した唯一の車とは史実にあるらしい(アメリカには、イギリスの地名をつけた州、市、町が沢山ある。たとえばニューヨーク)。レースではなく、ツアリングであったので、途中のんびり充電したのだろう。
当時の値段で$1885、現在の価値に直すと$35,000=約430万円くらいか。
いま170kmも走れれば、すごいプラグインができるだろうに・・・・
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2007/4/11  22:40

超低・ゼロ排気、高効率車考察 プラグイン・ハイブリッドって?  クルマ


GMが2007年デトロイト・ショーで発表したVOLTコンセプトカー
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プラグインの所以、このプラグを家庭用電源に差し込み夜間充電をするということ
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2007年デトロイト・ショーのGMとフォードの演し物中、もっとも興味があったのがプラグイン・ハイブリッド・コンセプト2台だった。GM・Volt、フォード・Airsteamだ。

前者の発表をしたのは、ボブ・ラッツ副会長。最初に会ったのは30数年前、以来何回かインタビュー、食事会に同席しているが、何時見ても格好のいい人だ。 生涯を通じてかっこうのいい人はそんなに大勢はいない。自動車業界では名うての"カーガイ”であり、クレディビリティが高い人物だ。GMは、すでに自動車メーカーから引退し、たしかバッテリー会社会長をやっていた彼を三顧の礼とおそらく巨額の報酬で副会長として迎え入れ、製品開発総指揮者の地位にすえた。

ボブ・ラッツに最初に会ったのは、彼がBMW役員時代だった1974年で、ミュンヘンのレンガ造りの旧本社だった。まだシリンダーを形どったビルは、建設中だった。まず彼、広報のマイケル・シンプケにご下問、「新型車に乗ってもらったのだろうね」「はい、2002ターボでひと走りしてもらいました」「3.0 CSLはどうした?」「まだです」「話が終わったら、すぐ手配しなさい」おかげで、巨大なウイングをつけ、プラスチック・ウインドウの3.0CSLに乗ることができた。あとでシンプケ、なかばぼやいていた「じつは1台、ジャーナリストが風にあおられクラッシュしたんだ。あわてたよ。でもラッツ役員の一声で、研究部門の車を引っぱりだせた」

ボブ・ラッツ、次はフォード・ヨーロッパの会長となったが、この時期は話す機会がなかった。たしか、アメリカ版エスコートの開発でマツダとガチンコやり、ファミリアにさらわれたので機嫌がよくなかったという説もあった。

そしてアイアコッカに乞われ、クライスラー社長となる。この時代は、上機嫌だった。ヴァイパー、プロウラーなどの発表、生産工場などで何回か会った。

GM副会長就任直前、カリフォルニアの名門ゴルフコース、ペブルビーチでのキャデラックCTSのお披露目イベントでは、「もちろん私は開発には関与していないが、乗るとすごくいい車だよ。コーヴェットC6、まだ乗っていない。まだ正式には副会長になっていないんだ」

GMのカリフォルニア砂漠の中のクラブ・サーキットでの先進パワートレイン実験車の試乗イベントは面白かった。GMは、デトロイト・ショーでたいへん興味ある燃料電池コンセプトカーを発表していた。Autonomyは、”スケートボード”と呼ぶ厚さが30cmもないプラットフォームにすべての駆動、シャシーを収め、上のボデイの運転操作系とは電気的につなげている。つまり燃料電池と駆動系はもとより、ステアリング、ブレーキも電動であり、機械的、油圧作動が一切ない。これだと上のボデイは着せ替え自由となる。Autonomyはスーパカー風であったが、のちにHy-Wireと呼ぶセダンを実走車として仕立てた。

さて気温40度を超し、パリパリに乾燥した試乗イベントに出てきた車の1台が、なんの変哲もない外観のオペル・セダン。スエーデンのベアリング・メーカーとして知られるSKFのオランダ研究所が持って来た車で、Hy-Wireのシャシー技術の実験車で、Drive, steer, brake by wire=電動ステアリング、ブレーキを搭載していた。
と、ボブ・ラッツが声をかけた。「次に何乗りに行く?」「SKFの実験車にしようと思っています」「付き合うよ」ところがSKFカー、機嫌がわるい。そこに副会長が来たので、エンジニアたち汗をかこうにもすぐ蒸発してしまう猛暑でおおあわて。やっと動いた。「副会長さん、お先にどうぞ」「ちょっと行ってくるよ」2ラップで戻って来た。「どうでした」「ウーン、自動車、バイク、固定翼機、ヘリとも違うコントロールだな」ラツツ、挙げたすべての乗り物を所有している。
次に上海モーターショーの夕食会では、ラッツ、「注文した東欧製のジェット機が間もなく出来上がるのが楽しみだよ。同乗させてくれという人の行列ができてるらしいよ」

そのSKF、面白い車だった。燃料電池車ではないが、2速だけを使うATは、F1風ステアリングホイールのボタンでシフトする。ステアリングホイールは、ロックトウロック1/4回転というクイック、バイクのスロットルのようにステアリングホイールのグリップで加速、制動をする。足は使わない。サーキット2周目になんとか走れるようになったという程度。

燃料電池車Hy-Wireも基本的に同じコントロール方式であった。たぶん日本広報担当者が広報価値が大きいと判断したのだろう、モナコ試乗ではノン自動車ジャーナリストに運転させ、クラッシュをしたとの噂を聞いた。Hy-Wireは日本にも来たが、やはり不調(軽度のクラッシュが原因か)で乗れなかった。

GM・シヴォレー・Voltもフォード・Airsteamもショーカーとしては、効果満点の出来栄え。
プラグインとは、文字通りプラグを電源に差し込んで電池を充電する。Voltは、シリーズ・ハイブリッドと充電型EVの融合型、すなわちハイブリッドだ。エンジンは、ヨーロッパ製のガソリン3気筒ターボ型で、発電機を回す。駆動はしない。この他、燃料電池で充電する可能性もあるという。
フォードAirstreamは、いきなり燃料電池+プラグインEVだ。

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GM副会長ボブ・ラッツに最初に会ったのは、彼がBMW役員時代のミュンヘン本社。右端がラッツ、中がモータースポーツ担当のヨッヘン・ニアパッシュ

2007/4/5  15:55

超低・ゼロ排気、高効率車の歴史的考察その6 VWハイブリッド  クルマ

フォルクスワーゲンのトウーラン・ミニヴァン・ベースのハイブリッド実験車
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ある欧米大メーカーの技術総帥であるエンジニアに、「貴方の究極の車はどういうものですか」と質問した。即答が返ってきた。「停止から100km/hに1秒で到達する車」彼は、笑って付け加えた。「実現性云々ではなく、究極というからそう答えた。それがエンジニアの夢で目標だろう。もちろん排気は規制をきっちりクリアする。燃費は現行車レベル維持か、さらに向上する努力をする。その上での性能だ」彼のいわんとするのは、車が遅くなり、楽しくなくなったら誰も買ってくれない。そして彼自身、走りをこよなく愛する、ということだ。
人が駆る乗り物、自動車が続く限り、そのような超高性能車への夢はつづき、また日本を含め出現する。

一方で地球は確実にヒートアップしていると感じる。その対策も急を要する。ヨーロッパの130g/km以下、日本の2015年燃費、アメリカのEPA燃費などだ。CO2発生を低減し、究極的にはCO2発生差し引きゼロのカーボンニュートラルを目指す大義だ。

ハイブリッドは、エンジンのダウンサイジング、高効率化のもっとも有効な手段だ。一時、欧米大手がハイブリッド・バッシングをやっていたが、このところ下火となった。彼らもハイブリッドの方向に動きつつあるというのが感触だ。

フォルクスワーゲンの優れものがTSIと呼称するガソリン小排気量、気筒内直接噴射、4気筒+ツインチャージャー、つまりスーパーチャージャーとターボチャージャーで過給をかけるエンジンだ。すでに日本でもゴルフGTとトウーラン・ミニヴァンに搭載発売され、売れ行きは上々という。燃費を大幅に向上し、かつ走る楽しみももたらす。

TSIについては、フランクフルト・モーターショーでコンセプト・エンジン単体発表以来、現地、日本の試乗、エンジニアとの話し、そして生産過程を見るなど、追って来た。これは別途、報告することにする。

昨年暮、フォルクスワーゲン研究部門は、スペイン・ヴァレンシアで生産車、実験車を集め、技術プレゼンテーションと試乗イベントを開催した。TSIの今後の発展可能性を示唆する数台の実験車が登場したが、そのひとつがハイブリッドだ。エンジンはターボ直噴(TFSI)1.4リッター型で、TSIからベルト駆動・電磁クラッチ作動のスーパーチャージャーを外したものと考えればいい。スーパーチャージャーの低速トルク増幅の役は、電気モーターが務める。低速からトルクの立上がるモーターは最適だ。

駆動系は、フォルクスワーゲンがDSGと呼ぶツインクラッチを用いたマニュアル・トランスミッションであるが、ハイブリッド実験車は、近い将来同社がより多くの車種に展開すべく開発している新世代型を装備していた。現行DSGは、油圧作動湿式多板クラッチを2組用いている。コストは安くなく、また大量のオイルを必要とする。新世代型では、乾式単板クラッチ方式を採用し、しかも前進ギアは現行の6速に対し7速だ。オイル量を減らせ、また多板クラッチ作動よりエネルギーが小さくてすむ。目的とするのは、コスト/売価を低減した上で、伝達効率を向上する自動変速MTであり、ゴルフ以下の小型車に採用が可能となるだろう。

ヴァレンシアで試乗に供されたトウーランのセンターコンソールのハイブリッド・ディスプレイ(下)が示すように、モジュール型ハイブリッド・システムである。実験車は1.4リッター・ガソリンエンジンであったが、ディーゼルに乗せ替えるのは容易とは、同社先進パワートレイン研究部ディレクターのシュタイガー博士の説明だ。またモーターのみの走行EVモード、120km/hまでの巡航中エンジン/モーターを停止切り離し、惰力走行もする。もちろん駆動力が必要な場合には瞬時につなぐので、加速、操安性、危機回避にはわるい影響を及ぼさない。

試乗してまず印象づけられたのは、乾式単板ツインクラッチ7速ギアボックスの自動シフトの滑らかさだ。ディスプレイはシフトするギア位置を示す。もちろん回生ブレーキを活用している。2次電池は「パナソニック型のニッケル水素電池で、プリウスとほぼ同性能」とは、エンジニアの説明。

小排気量TFSI+モーター+DSG・ハイブリッド・システム、実現はおおいに期待できるし、TDIディーゼルとの組み合わせは、非常に高効率で優れた性能をもたらせるだろう。こいつは目が離せない。

このワークショップに出現したパワートレイン実験車3台はトウーラン・ミニヴァンであった。1台がハイブリッド、他は燃料電池車と新バイオマス燃料を用いた新燃焼方式CCS車であった。トウーランは、ゴルフと比べると200kgは重い。先進パワートレインは、いずれも通常型エンジンよりは重いはずだ。なぜ、あえて高い負荷なる条件を課するのかとシュタイガー博士に質問した。「軽量車両だったら、目標がより容易に達成できることは自明。それでは先進研究の目標に不足だ。難題に挑戦するのが研究部門の意義だ。それでなければ面白くない」

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ターボ直噴1.4リッター・エンジン+モーター+ツインドライクラッチ7速DSG
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ハイブリッド・システムと作動ディスプレイ。7速DSGのどのギアに入っているか表示する

2007/4/3  16:50

超低・ゼロ排気、高効率車の歴史的考察 その5インサイト-2  クルマ


未来的な計器盤。ただし時計がない!機能に徹して忘れていたという
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アメリカ・エネルギー省DoEのテストを紹介する。
2001年8月、イリノイ州ジョリエットの"ルート66レースウエイ”でのアルゴン研究所員による計測テストの公表データである。
スラーロム平均速度km/h換算 ........  5MT=46.9 CVT=46.4
スキッドパッド横G ......... 5MT=0.693 CVT=0.685
0-96km/h加速、秒 ........ 5MT=11.2 CVT=スポーツ11.2 ノーマル13.1
制動距離96-0 km/h、m換算 ........ 5MT=43.6 CVT=46.2
公道燃費km/L換算 ......... 5MT=33 CVT=29.2
米国環境局燃費
市街/ハイウエイ, km/L換算........ 5MT=25.8/28.7 CVT=24.1/23.7

対米仕様では、5MTがリーンバーン・エンジンでULEV適合、CVTはリーンバーンではなく排気基準が上ランクSULEVに認証された。ロゴを使っての開発初期では直噴エンジンであったが、生産型では排気基準対応でポート噴射方式になった。

ホンダの国内環境仕様によると、10/15モード燃費が5MTが36 km/L、CVT 32 km/L、CO2排出量 5MT 64.5 g/km、CVT 72.6 g/km。平成17年度排出ガス規制合格、平成22年度燃費基準+20%達成となっている。

インサイトは、ホンダの採算度外視(?)目的追求型の権化のような車だ。もっとも高価なのはボデイであろう。まったく新しい骨格は、アルミの押し出し成形材、ダイキャストおよびチクソ・ダイキャスト成形材とプレス板で構成される。押し出し材の断面は、多種多様で、たいへん興味ある部分。外板はアルミ5000と6000系プレス製だ。バンパー、フロントピラー/ルーフサイド外トリム、スカート部などは樹脂材を用いている。フロントサスペンションのアーム、ナックルは鍛造アルミ製、フロント・ブレーキのキャリパーボデイもアルミと計量化を計っている。
車両重量は5MTが820 kg、CVTが850 kgと軽自動車並み。
空力抵抗係数は0.25である。

エンジンは専用995ccSOHC12バルブ直列3気筒で、低回転時に吸入バルブの1本を停止するVTEC機構を備える。これでスワールを強化し、燃焼を安定させる。空燃比はストイキからリーンバーン26:1の領域。圧縮比は10.8:1でレギュラーガソリン指定だ。鍛造クランクシャフト、鍛造コンロッドなど、エンジン内部も重量とフリクション低減している。最高出力は51 kW/5700 rpm、最大トルク92Nm/4800 rpmだ。

交流同期型IMAモーターは、エンジンとトランスミッション中間に位置する。最高出力10 kW/3000 rpm (CVTは9.2 kW/2000rpm)、最大トルク49 Nm/1000rpm。
初代シビック・ハイブリッドが出た時、IMAを生産しているホンダ・エンジニアリングの工場を見学した。やはりインサイトに比べ、シビックのモーター、コントロールユニットが小型化、高効率化していたのにおどろいた。インサイトは、終世オリジナル・システムで通したと聞いた。

久しぶりに5MTインサイトに乗ってみると、3気筒+IMAの低回転のねばりに印象づけられる。3気筒独特の振動を伝えながら、まったく苦情の音など発せずに引っ張る。5MTの節度は、いささか頼りないのは時の経過に取り残されたか。

インサイトで最大の不満は乗り心地だ。直接的に路面の不整を伝える。低燃費、高圧タイアに帰するのだろうが、これでしっとり感がでれば!

インサイト、ホンダのエポックメーキング・カーの1台だ。このような執念、徹底型こそホンダらしい。なにより素晴らしいスタイルだ。形状は機能についてくるという好例である。

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背の低いインサイトでは、ハイブリッド制御ユニットは、荷物スペース下に置かれている。エンジン、補機類、アルミ補強メンバーがむき出しになっているところなど、むしろ先進テクノロジー先駆車らしい
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最後の革新車?オールアルミ・ボデイ、Cd=0.25、ホンダ・デザインの傑作

2007/4/2  23:58

超低・ゼロ排気、高効率車の歴史的考察  その4インサイト  クルマ

なぜ生産中止したインサイトにスポットライトを当てるか?GMインパクトとともに、90年代のもっとも意義ある、そして美しく、機能的な自動車だと思うからだ。

日本市場に登場した最初の生産型ハイブリッドは1997年のトヨタ・プリウスであった。初代プリウスの功績は認める。そして最初の5万台を買った日本人の進取性は賞賛され、メーカーは感謝すべきだと思う。日本国内の経験があったからこそ、中間チェンジで大きく改良されたプリウスがアメリカで成功したのだ。初期のままで持って行ったら、あのステアリングとブレーキはたちまち不評を招き、車自体が受け入れらたか疑問だ。

インサイトに戻ろう。インサイトのIMA方式は、プリウスのTHSに比べ、シンプルであり、EVモード走行も出来ない。しかし、日米同時に発売しても、即座に長所が明らかになり、少数であるが着実にハイブリッド・ユーザーベースを築いた。

なぜホンダがインサイトを構想、開発したのか?ホンダというメーカーは、燃費チャンピオンシップに執念に近い情熱を燃やしていた。2回の石油危機を経たアメリカでは、”マイレージ・チャンピオン"を競った。小型軽量で強かったのがスズキであったが、ホンダはシビックの低燃費仕様で挑戦した。このマイレージ・チャンプ・シビックにはロスアンジェルス北方の山道で試乗したが、低転がり抵抗タイアのグリップはドライでもいまいち、リアスタビなしのサスもどアンダーで、正直ちょっと怖かった。

1983年、ホンダが本格的低燃費車として日米で発売したのがHonda CR-V、日本名バラードCR-Vであった。これはスタイリッシュで小気味よい走りの車で、スポーツ・クーペとして認識され人気を博した。やがて石油危機後遺症が薄れ、2代目CR-Xは本格的スポーツ・クーペに育った。その手頃な値段と高性能、スタイリングが裏目に出た。若者が容易に買えるので、台数はでたが、事故も増えた。保険料の急騰が、売れ行きにブレーキをかけた。スポーツカーはとかく批判の対象になりがち。ホンダとしても売りづらくなったのだろう。中止の止むなしに至る。もともと超低燃費車としての使命からして皮肉な運命となってしまった。

インサイトを見て、まずCR-Xを思い出したのは、その空力デザイン、機能と形状の見事な融合。新材料の採用など共通点を見たからだ。CR-Xがスポーツカーに変身したのに対し、インサイトは、生涯ハイブリッドによる高エネルギー効果を特長とする燃費チャンピオンに徹した。

日米につづき、インサイトはヨーロッパでも発売された。世界のジャーナリストが投票するインターナショナル・エンジン・オヴ・ザ・イヤー選び2000年においては、インサイトのHonda 1-liter IMAは、グランプリ、最良燃費と1リッター以下クラスの3賞をさらった。さらに2006年まで連続して1リッター以下クラスを制覇したのは、他に例がない。
(つづく)

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Honda CR-X、日本名バラードCR-Xは、もともとアメリカの燃費チャンピオンとして企画開発されたが、活発なスポーツカーに育った
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Last Champion - アメリカのベスト燃費車インサイト

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