2008/10/9  13:50

竹の箸 memior - 素晴らしいエンジニア・堀内浩太郎さんとの再会  竹の箸Memoir

ヤマハ社内先進開発”ホリケン”プロジェクトのひとつOU68は、軽より小型な4人乗り乗用車。FRPプラットフォーム/ボデイ、リア単気筒エンジン・プロトタイプで、実走、衝突実験までいった。
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もう1台の究極効率車がフルボデイ、ジャイロ安定システムによる二輪車。
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『おやじブログ』と『竹の箸』と使い分けている理由は、前者は最近の話題と感じたこと、後者は私にとって、大いなる意義を持つ体験、教訓、そして素晴らしい人たちとの出会いの回想だ。

日本カー・オブ・ザ・イヤーのイベントでアサマ・レース時期のヤングライダー、以来ホンダGPライダー、レーシングドライバーとして活躍し、いまチームオーナーの高橋国光さんと話すことがある。クニさんいわく、「山口さん、50年の付き合いだなア」そう、わがBMW/BSAチームが当時18歳の彼をスカウトしたのが1958アサマだった。エキサイテングな時代だった。

58年アサマ直後、レース、モーターサイクル以外のプロジェクトへのBMWエンジン供給エピソードもプログで紹介した(2006/10竹の箸)。当時、横浜ヨットというボート製作会社のエンジニアであった堀内浩太郎さんが訪ねてこられ、プロペラ艇のエンジンとして高性能R69の2気筒エンジンを供給してくれないかという申し込みがあった。このボートは、新潟県の発電所ダム建設現場の冬期緊急輸送が用途であった。川が凍結し、船は使えない。山中の悪天候ではヘリコプターも飛べない。万一、怪我人が出た場合などの輸送に支障をきたす。軽量4席(実際は2+2)のプロペラ艇であれば、水からシャーベット状、雪、凍結面まで走れる。当時は、日本の自動車産業保護政策の一環として、四輪、二輪を問わずコンプリートエンジンの輸入は禁止されていたが、第1号は完成車から外し、その後は特別措置でエンジンを供給した。

以後、ヤマハ発動機マリン部門に移られ、研究開発役員となられた堀内さんの業績を記録されたご著書『あるートデザイナーの軌跡』(舵社)は、私の愛読書であった。このブログでもプロペラ艇を紹介させていただいが、堀内さんから『あるボートデザイナー2』を頂いた。その内容に驚嘆した。Part 2には、20のプロジェクトが掲載されているが、その大部分は1980年代半ばから90年代半ばにかけての10年間、ヤマハ発動機社内の堀内研究室が生み出したものだ。通称ホリケン
は、製品研究開発部門からは独立した「自由な開発組織」であり、当時の江口社長の承認でできたという。

ホリケン・プロジェクトは、マリン部門の水に加え、空、そして陸にわたる。その中からはマリンジェット、ラジオコントロール・ヘリコプターR-50/RMAXのようなヒット商品も生まれた。世に出なかったプロジェクトには、FRPボデイのサブ軽4人乗り乗用車、究極の効率と風雨防備性を備えたジャイロ安定の二輪車、軽飛行機が含まれる。また人力ボートは、ソーラー&人力ボートレースで常勝している。この2冊は、エンジニアリングの叡智を知る最高の書だ。最寄りの書店が出版社
(株)舵社から取り寄せてくれるので、ぜひぜひ!

今年の夏、堀内さんを鎌倉のご自宅(そして研究、設計室)にお訪ねした。50年ぶりの再会であったが、ローイングマシーンでお身体を鍛えておられる。9月にリトアニアで開催されたワールドマスターズローイング大会のシングルスカルでは80歳+クラスで2位に入賞された。なんとメダルはゴールドであったとのこと。おめでとうございます。堀内邸の広い庭の大木では、堀内さんの最新プロジェクト、『木登り機』のデモを拝見した。1/5HP(ヒューマンパワー)の腕力でスルスルと登り、途中ホールド時のパワーは1/50人力。お孫さんのためにヨットのロープ、滑車を使い開発製作された。

その際、いただいたDVDで50年前のプロペラ艇の走る姿をはじめて見た。モノクロ写真でしか見たことがなかったが、氷雪を背景で目立つ赤と黒ツートーンのプロペラ艇が水からシャーベット
状、そして雪に覆われた凍結面にスルスルッと上がり、疾走する姿は感動的であった。そうそう、びっくりしたのが鎌倉で寄ったうなぎ屋。店頭に50年前のBMW R69が置いてあるではないか。先代が有り金すべてをかきあつめ買い、うな重配達に使ったそうだ。手放す気は毛頭ないとのこと。


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BMW R69エンジンを動力とした水氷雪面走行プロペラ艇。
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リトアニアのボートレースで80歳+スカルクラス入賞の堀内さん
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堀内さんの最近作、木登り機。

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