2008/11/19 23:58
「切れない糸」 坂木 司 活字もすっげえたまには読むぞ
子供の頃から、困った動物に寄り付かれる体質だった。時々困った人間も寄り添ってくる。そんな新井和也22歳大学4年生。父の急逝、継ぐ事になったクリーニング屋。そんなクリーニング屋に持ち込まれる謎。大学を卒業して喫茶店で「マスター不在」の中バイトを続ける友人沢田直之。「魔法の助言」を持つ男。和也はそんな謎たちを沢田に相談し・・・そんなお話。
良い話系日常ミステリィ。この人らしい作品。キャラの取り揃えもこの人っぽいが、それもなんとなく安心感だし、配分も妙。安心して面白く楽しめた感じでアリ。
2008/11/18 0:28
「イニシエーション・ラブ」 活字もすっげえたまには読むぞ
文庫裏表紙より抜粋
「甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説----と思いきや、最後から二行目で全く違った物語に変貌する。」
んな事書かれたら、オチ想像するちゅうねん。んで、作中に色々ヒントちゅうかトリックの伏線がちりばめられてる。で幾つか「ひょっとしたら・・・」と想像するオチの中に本当のオチは含まれてしまっていた訳で・・・・自分の想像を遥かに超えて欲しかったが、残念ながらそれは無かった。
80年代の後半の舞台は懐かしかったり、文章も読み易かったり、普通にまあちょっとブラックな青春小説としても読めたり。そんな感じで、前述の事前情報が無ければもっと良かったのかも。
2008/11/16 23:42
「退出ゲーム」 初野 晴 活字もすっげえたまには読むぞ
穂村チカと上条ハルタは幼馴染。とある高校の廃部寸前のブラバンで再会。んで同じ人に恋を・・・ってまあどっちかがアブノーマルと言うわけで・・・まあそんなブラバンでも是非目指したい普門館。文化祭の実行やら戦力集めのために謎を解いたり、演劇やったり、怪しいマシンを買ったり・・・と学園青春物ミステリィ短編集。
米澤穂信の古典部シリーズとか雰囲気は近い感じだが、もっとシンプルでさらにマンガチック。あの辺と比べるとコクも一瞬の爆発力も無い。その分さらにライトな仕上がり。テンポと登場人物キャラもマンガチックに分かり易く小気味良く。まあマンガ好きだし、結局結構楽しく読めたし、またこの登場人物達に会いたい気もする。これはこれで「間食」としては良い感じ。この人の他の作品も読んで見ても良いかなと。まあそのうち目に付けば。
2008/11/15 23:28
「僕の好きな人が、よく眠れますように」 中村航 活字もすっげえたまには読むぞ
短編1本位のスピードで読み終わった・・・
大学の研究室、北は北海道からやってきた小動物系研究員は人妻研究員だった・・・とまあそう言う話で・・・
ラブコメです。他になんも無い位ラブコメです。昔ジャンプでやってた「キックオフ」を思い出すくらい他に何も無いです。読み易かったけど読み応えは無し。読んでて不快じゃ無かったけど、面白かったかと言われるとちょっとしたセリフのやり取りくらいで他は何にも無かった気が・・・・木戸さんの登場で「おっ!!」とか思ったが、それもほんの一部で・・・・この人の作品、これまで結構好きだったんだけど・・・飽きたってのもあるかも知れないけど・・・他のはもう少しなんかあった気がする。どうも本作は微妙でした。
う〜む・・・次新作が出たらどうしようか・・・
2008/11/15 20:39
「チェーン・ポイズン」 本多孝好 活字もすっげえたまには読むぞ
どうしようも無いOL生活。同じ名前の「二十歳の原点」の作者が自殺したのは二十歳のこと。それより大分生き過ぎてしまった。
「でも、本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?」
公園での偶然の出会い。「死にたい」ともらした独り言を聞きつけてかけられた言葉。1年後、この日、この時間に頑張ったご褒美として「眠れるように楽に死ねる手段」をくれると言う。その日から「一年後」に向かって生きていく事に・・・アルカイド系毒物で自殺した3人=天才バイオリニスト、殺人事件の遺族、そしてOL。それだけならただの偶然。ただ、もう一つの共通点は「自殺のきっかけ」となりそうな事柄から1年以上経過での自殺である事。それに引っ掛かりを感じた雑誌記者がとらえどころの無いその「OL」の過去を追っていく・・・・そんなお話。
この人の作品は以前「I LOVE YOU」と言うアンソロジーで短編を1本読んでた。それは正直個人的にはいまいちだったので今まで手を出してなかった。でもなんとなく手が伸びた本作は・・・面白かったです。
ミステリィとは言え、物が自殺物だけにどうも自分の最近の群青度合いが加速しそうではあったが、最後にちゃんと納得できる結末ですっきりはする(そいうことですか・・・)。「おばちゃん」が徐々に男前になってく感じとか結構良いです。これなら他の作品も手を出してみようかと言う気にもなる。
2008/11/11 22:12
「シンデレラ・ティース」 坂木 司 活字もすっげえたまには読むぞ
以前読んだ「ホテルジューシー」↓
http://diary.jp.aol.com/mdpdvstdxp/1371.html
これの姉妹作らしい。
かたや沖縄のホテルでのバイト、こっちは歯医者。しかも母親に半ば騙されて極度の「歯科医恐怖症」の女子大生が叔父さんの勤める歯医者の受付嬢にと言うお話。でまあ色んな経験して恋もしたりでお約束どおり歯医者が好きになって行くと言う約束されたストーリーが展開。あ、日常の謎系のミステリーもポイントポイントで。
判り易い成長型青春恋愛物。サラッと読み易く、予定調和ながらそれなりに良い話感もあり。こう書いてるとそんなには面白くなかったっぽいけど・・・・結構面白かったですよ。
2008/11/10 22:03
「庵堂三兄弟の聖職」 真藤順丈 活字もすっげえたまには読むぞ
「遺体」を切った貼ったで形見を作る職人=「遺工」。それを代々生業とする庵堂家、そこの三兄弟。長男は跡を継ぎ、次男は都会にやられ、三男はやさぐれる。そんな三兄弟がひさびさ顔をあわせる親父の七回忌、直前に舞い込んだ超難易度の「遺工」の依頼・・・そんな感じで。
設定はエキセントリック。登場人物もエキセントリック。抑え気味だが、テーマから言ってそりゃスプラッタでグロい部分もあり。でも結局自分探しとか誇りとか微妙な兄弟愛とか描かれる内容は極めて普通で・・外殻のみがエキセントリックだが結局定番?終盤多少乗れたけど、まあ普通では無いかと。テーマで奇をてらって見たけど、書きたい事は普通であると。普通なのでつまらなかった訳では無いし、普通なのでキモイ部分は多少あれど、放り出さずにサラッと読めた。でも「これ読んで良かった!!」感はここ最近読んだ色々の中ではチョイ低い。ちょっとだけキモイスパイスがと言うのが好きな人には良いのかも知れない。
2008/11/9 16:48
「イノセント・ゲリラの祝祭」 海堂 尊 活字もすっげえたまには読むぞ
「医療費は、傷ついた人を治療するという本来の趣旨に復古せよ 医療と言う花に、欲にまみれた愚鈍な手で触るな」
と言う事でしょうか・・・・
田口・白鳥シリーズ第4弾。今回のメインゲストはシステム・クラッシャーにしてスカラムーシュの元後輩=元雀友の彦根。舞台は厚労省主催の「医療事故調・創設検討会」。相変わらずはめられ結果"活躍するはめ"に陥る昼行灯・田口と裏で糸引くロジカルモンスター白鳥。でまあ冒頭の感じがメッセージか・・・と書いても良く判らんですね。
医療問題とそれを取り巻く体制へのメスと言うのはこれまでもそうだったけど、今回はその部分の純度が濃厚。出版のタイミングは非常にタイムリー。ただ事件系のストーリーが無く、地味と言えば地味なのか?シリーズが定着してきた今だからこそ出せる大人風味?ある意味シリーズの核心に徐々に迫り行くと言う事ですか?
個人的には「エンターテイメント」としても面白かったです。でもそれは「バチスタ・・」からの付き合い故と言う気がする。これ一つ抜き取ると楽しめる人、そうでない人は結構ずばっと分かれる様な気はちょっと。
うん、ともかく自分が面白かったので良いです。
それにしても次から次へは嬉しいが、本当にこの人凄いな。小説家はサイドワークなお医者さんだよね?誰か全作品の人物相関図を・・・と言うのはここの所ずっとの願い。
2008/11/4 22:59
「さよなら妖精」 米澤 穂信 活字もすっげえたまには読むぞ
今日読み始めて、そのまま一気に。これまでもこの人の作品外れてないけど・・・
1991年4月。守屋路行、高校三年生。春の長雨の中、同級生の太刀洗万智と学校からの帰宅中。ちょっと先に雨宿りをする白人の少女。「May I Help you?」・・・彼女は英語を解さなかった。でも日本語がそこそこ出来るらしい。何処から来て何処へ行くかをたずねてみれば、ユーゴスラビアから、日本の文化を学びに来たらしい。2ヶ月の滞在予定、しかし頼るべく知人が故人に。行くべき所が無いと。最初は傘を貸すだけのつもりだったが、せっかくなので力になりたい。同級生の白河いずるは旅館の娘→お手伝いしながら滞在可と言う事になりめでたしめでたし。そんな少女と高校生達の楽しい時間が始まる。そしてユーゴスラビアは・・・そんなお話。
パズルのようにちりばめられたちっちゃなミステリィ。楽しくて美しくて悲しいお話。出来ることとしたい事と無力感と運命と友情と親愛と・・・素直に素晴らしかったです。
2008/11/3 22:55
「カラット探偵事務所の事件簿@」 乾くるみ 活字もすっげえたまには読むぞ
こんな名前だけど♂らしいです、乾くるみさん。
「どうしてこいつはいつも、気の効いたセリフとオヤジギャグの区別がつかないのか・・・」
バリバリの新聞記者だったが、バリバリ過ぎて身体を壊した井上=30歳。高校時代のお坊ちゃんな同級生、古谷が始めた探偵事務所に雇われる。謎解き専門、あなたの頭を悩ます謎をカラット解決いたします!!その名も「カラット探偵事務所」。ゆる〜い感じで開業されたそんな探偵事務所にゆる〜いペースで持ち込まれる日常の謎・・・そんなお話。
基本的に平和な謎で軽くゆるく。ふんふんって感じで軽〜く最後まで・・・・で「そこかよ!?」みたいな感じです。そんなんでAは果たしてあるのか?無さそうだな・・・・@もある意味伏線?冒頭に書いた井上の心のぼやきも、そう思えば味わい深い。
まあそんな感じで、「そこかよ!?」が結構快感。読後感をキリっと引き締める切れの良いデザートと言うか・・・それがあったので、現在他の作品も手を伸ばそうかと言う気になっているのは事実。ゆる面白かったです。





