2005/12/30  18:43

黄昏の冬の木々  分類なし

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ルーブル美術館の東側にある小さな公園。
ほんの僅かなスペースしかないこの公園は、知らずに通り
過ぎてしまう程のもので、行き交う車の喧騒の中にある。

建物の影になった薄暗い通りを、パリ・ロワイアルより歩い
てくると、ぱっと視界が広がり、太陽の光が急にあふれる。
まるで目が覚めるようだ。その向こうに、セーヌ川が流れて
いる。そこにこの小さな公園がある。
まだ日暮れは程遠く、夕暮れの太陽に間に合った。そんな
安堵感に、思わずほっとする。薄暗いビルの谷間から抜け
出したような、開放感を味わう。

この小さな公園のベンチに座って、通りを行く人々を眺めて
見る。目の前の木々が、差し込む黄昏の太陽を受けて、元
気に見える。冬枯れの葉を、枝にいっぱいに残し、じっと太
陽を受けている。灰色の世界の中で黄昏色にそまり、ひと
きわ輝きを増している。

それは、まるで冬の中の暖炉のような暖かい色で、そこか
ら生きるエネルギーを感じた。ぼーっとこの黄昏の冬の木々
を見つめていると、何故だか心を暖めて貰った気になる。

間もなく、冬の風がこの枯葉を吹き飛ばしてしまう。その前
にもう一度、温まりに来たい、そう思うのであった。

誰も知らない、小さな公園にてー。

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2005/12/29  8:03

あるパリジャンの生き方  分類なし

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寒さが緩んだ日、私はいつものように芸術橋へ
そぞろ歩いた。太陽は十分に顔をださないけど
も、今日の川を渡る風は、冬なのに少し優しい。
ここで終日、ずっとセーヌの流れを見てるのも良
い気がする。

ただ、気になるのが、私の向かい側に立ってる
花束を持っている男性。なかなか、日本人には
真似の出来ない伊達さだ。彼女でも待っている
のであろうか。私は、写真を撮ることを忘れ、思
わず彼を眺めてしまった。

30分の間、彼はキョロキョロ右へ左へ首を振り、
誰かが現れるのを待ち続けている。思わず彼と
目が合ってしまうと、私は下を見て知らん振りを
して、時間が流れた。どんな彼女が現れ、その
花束をどの様に渡すのだろうか。私の興味は高
まる。一つパリジャンに勉強させて貰おうという
魂胆だ。

しかし、期待は大いに裏切られた。遂に登場し
たのは。。。中年の男性。彼は笑顔でその男を
眺めて、そして二人は見つめ合い頬キスを始め
て暫し動かない。

ヤバイ。。そうだったのかぁ。私とは世界が違う。
唖然とした私は、花束がいつの間にか、相手の
男性に渡っている事に気付かなかった。

やや暖かい風が、セーヌの上を流れて行った。
それぞれの人生、色んなパリジャンがいて、そ
して、その反対側に私が居る。はぁ。

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2005/12/27  3:50

暖かなカフェ・ブレーク  分類なし

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寒い日のそぞろ歩きは、身体の芯まで冷え込む
ことがある。太陽の光が当たる場所を、少しでも
選んで歩いてしまう。まるで夏と逆の行動パター
ンだ。足が冷え込んで動きが鈍く感じたら、思わ
ずキョロキョロとカフェバーを探して飛び込む。

サンルイ島の東側、シテ島に渡る橋の袂に小さ
なカフェがある。セーヌの風に冷え切った身体を
暖めるために、飛び込んでしまった。
カフェの中は暖かく、真横にノートルダム寺院が
見える、なかなかのロケーションだ。

カフェを頼む。暖かいものを早く飲みたくて、待ち
きれない。
カフェが来る!早速、両手で包みホッと一息。暖
かいって安心することなんだっと久しぶりに実感
してしまう。自家製チョコレートが2つ付いてきた。
どうやらこのカフェの定番のサービスらしい。何だ
か日本的なサービスが嬉しくてパクついてしまう。
美味しい!明らかに手製で、その柔らかさと過ぎ
ない甘さを楽しんだ。

気が付けば根が生えたように居座ってしまった。
気が付けばこのカフェがお気に入りのひとつとな
ってしまった。
そして、このカフェを出るたびに、口に付いたチョ
コに気付き拭き取る。子供に帰った気分である。

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2005/12/25  16:57

Fouquet'sに降る光の雪  分類なし

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シャンゼリゼの華やかさの中で、ひときわ目立つ
カフェレストラン<Fouquet's>。
クリスマスの賑わいが増すシャンゼリゼをそぞろ
歩いていると、とても気になる存在だ。

ここは昔から有名な歌手や俳優が立ち寄ったり、
そういったイベントが企画される所らしい。だから
だろうか、オーラを醸し出してるような気がする。

イルミネーションが輝くツリーの下で、遠い存在
の<Fouquet's>を眺めていた。<Fouquet's>
の名前が、ネオンでくっきりと浮かび上がる。

そんな私の目と、<Fouquet's>のネオンの間
を、多くの車が通り過ぎていく。車の窓を通して
ネオンが滲んだり、イルミネーションの光の反射
を受けて輝いたりする。特に光が交わった瞬間、
イルミネーションが<Fouquet's>の文字に、ま
るで雪が舞うかのように重なる。とても綺麗だ。

このFouquet'sに降る光の雪は、クリスマスの季
節にだけに見ることが出来る。また、誰にも見え
るというものではない。目を凝らして窓越しに見
つめれば、そっとそこに降っている。

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2005/12/23  19:45

枯葉と赤い壁の暖かい関係  分類なし

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街がジングルベルで賑わい、冬の風が枯葉をふるい
落とす頃、モンマルトルのサクレクール寺院の裏にあ
る街角は、静けさを増していた。

そんな街の喧騒とは無縁と言わんばかりに、誰もい
ない街路はただ風の通り道と化し、この華やかなパ
リにも、動と静が共存していることを気付かせる。

でも決っして無人ではない。アパルトマンやそれぞれ
の家からは、暖かい家庭の団らんの温もりが伝わっ
てくるような、そんな気がする。

そんな家のひとつの赤い壁がとても気になった。寒さ
に震える枯葉を、まるで温もりで包むかのように暖か
い赤さを保っていた。枯葉も、まるで壁からの温もりを
吸収するかのように、赤い壁に引っ付いて離れない。

彼らはもう何十年もこうやって離れないで共存してい
るに違いない。賑やかなパリの裏にある街角の、小
さな暖かい風景である。

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2005/12/20  1:34

パンテオンのメリークリスマス  分類なし

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凍りつくような寒い夜に、パンテオンまでそそろ歩いた。
パンテオンは、厳選された、フランスにかかわる過去の
偉大な人達の抜け殻を保管する、言わばお墓のような
ものだ。ルソーやヴィクトルユーゴなどが、此処で眠って
いる。此処を訪れる度に、現代の今の時点と、目の前に
ある過去の偉人の棺に、思わず時代の錯誤に陥る不思
議な空間でもある。
ただ、セーヌ川左岸の丘の上にあるからだろうか、そん
なに訪れる人は多くなく、他の観光地と趣を異にする。
そんなパンテオンのクリスマスのデコレーションは、とて
もシックだ。赤の色を使わず、やはり此処がお墓なのだ
と実感させる。
それでも明るめの照明に浮かび上がったパンテオンは、
どっしりと構えていて、偉人の永遠の眠りの場所にふさ
わしい。
月が私を追って来たかのように、パンテオンの上で輝き
だした。今までの雲を吹き払い、照明に打ち勝つかのよ
うに煌々と輝く。
さぁ、役者は揃った。歴史の偉人たちと共に、メリークリ
スマス。人影がまばらなパンテオンに、光の共演が始ま
った。

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2005/12/17  19:18

夕暮れの Institut de France  分類なし

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今日は久しぶりに晴れた。
しかし、目覚めたのは遅く、からだの動きが鈍く、気
が付けば、家を出たのは夕暮れだった。
もう既に、街は夜の支度で賑わっていて、何だか私
だけが取り残された気分だ。

黄昏のフランス学士院にたどり着いたころは、もう太
陽は西の空に沈みかけていた。
空は、雲に混じって鈍く赤く染まり、学士院の向こう
から今日の終わりを告げている。

私は大きく背伸びをして、今日の始まりと今日の終
わりの深呼吸をしてみた。

時には、こんな日も良いものだ。昨日までの仕事の
疲れを、冬の夕日が包んで、そっと癒してくれる。

慌てず、焦らず。時間は音もなく過ぎていくのだから。
時に冬の夕暮れに、静かに身をそっと置いてみよう。
冷たい風さえ、心地よくなる気がする。

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2005/12/15  7:05

ミラボー橋から見えるパリ  分類なし

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私は、パリの西側に住んでいる。
ちょうど15区とブローニュが接する辺りだ。セーヌ川
の近所で、そのまま川沿いにそぞろ歩きをすれば、
パリの何処へでも行けそうな気がする。
特に晴れた日の昼下がりは、セーヌを東に向かい、
自由の女神に挨拶をして、中洲を通ってエッフェル
塔の下の芝生でごろんと寝転んで帰ってくる、そん
な短いコースも定番になっている。

まず最初に渡るのがミラボー橋。ここは、有名な詩
に登場することから、文学的に有名になった橋らし
い。この緑の橋から眺める東側の景色は、格別だ。
右手を上げた小さな自由の女神、そしてエッフェル
塔をまとめて一望できるからだ。

青い空、川をのんびりと進んで行く遊覧船、音もせ
ず静かに流れるセーヌ川。時間がゆっくり流れてい
く、そんな気がする場所だ。

思わず背伸びをして深呼吸する。シャッターの音が
軽快だ。では、エッフェル塔に向かって歩き出そう。

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2005/12/13  14:14

バンドーム広場から、メリークリスマス  分類なし

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今年もクリスマスがやってきて、パリが華やかに飾ら
れていく。
毎年同じ装飾を施すところもあれば、年々趣向を変え
て、私たちをわっと驚かせてくれる所もある。バンドー
ム広場はその後者で、今年も新しいクリスマスデコレ
ーションで、私のそぞろ歩きの足を止めた。
確か昨年のバンドームは、とっても滑稽(失礼)なア
イデアを繰り広げた。丸い水滴のような透明のバルー
ンを並べ何かをアピールしているようだったが、何だ
か意味が分からなかった。挙句の果て突風に煽られ
て、空気を詰めたそのバルーン達はクリスマス前に、
無残にもその姿を消してしまった。
だからだろうか、今年のバンドームはクリスマスツリ
ーの林と化した。非常にシンプルな発想だが、原点に
戻ったようで、分かりやすく、心を和ませてくれる。
塔の色も、シンプルな青基調から、黄色と赤、すなわ
ちオレンジ基調なものに照明されて温もりさえ感じる。
時には、そぞろ歩きでなく、車でやってきてこの広場
を見渡せる片隅に駐める。そして窓を閉め切ってや
や大き目の音量で、大好きなJAZZを聴く。それは正
に劇場の世界で、異次元の空間と化す。

バンドーム広場から、メリークリスマス!そう呟いて
シャッターを切った。今年は、クリスマスツリーの林
の中で、JAZZを聴けそうだ。

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2005/12/11  14:05

落ち葉の舞う夕暮れの帰れない二人  分類なし

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夕暮れのチュイルリー公園。
華やかなシャンゼリゼやコンコルド広場とルーブル
美術館の隣なのに、此処はなんと静かな世界なの
だろう。
寒さに震えながら、そぞろ歩きの足が、次第にゆっ
くりになる。
日が暮れ掛かり、人の姿も減っていく頃、抱きあう
二人の姿があった。
時おり吹く風に、落ち葉が舞い、冬の深い暗闇が
忍び寄ってくるのに、抱き合って動かない二人。
風が少しでも暖かくあったら良いのに。夕暮れが
もう少しゆっくりやってくれば良いのに。落ち葉が
緑に戻れば良いのに。
そんなことを考えながら、私は、抱き合う帰れない
二人を暖かく見つめて、シャッターを切った。

そういえば、ひとりのそぞろ歩きもなかなか寂しい
ものが。。。

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