2007/1/27  11:32

UE WO MUITE ARUKOU YO  分類なし

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知らぬ間に、いつものことが当たり前になって
くる。朝起きて、夜に寝て。息を吸って、そして
吐いて。無意識なことは、全て当たり前のよう
に、毎日の時間の中で過ぎ去ってしまい記憶
の彼方へ消えていく。

前を向いて歩く。いつも自分の背丈から見える
高さで、何もかもが目に入っては消える。
辛いときやしんどい時は、その自分の背丈から
下を向いて、足元ばかり見てしまう。当たり前
のように見える下の景色ばかりが目に入る。
知らぬ間に前が見えなくなっていることさえも
気付いていない。

でも、ふと見上げると広がって見えることに驚
いた。扇状に視界が広がって、そして明るい
空がそこに広がっていく。気持ちが大きくなる
錯覚さえ出てきて、思わず違う世界を見る思い
だ。こんなことも、何度もなんども味わってきた
当たり前のような新鮮な感覚なのだけど、暫く
は忘れていた気がする。
座り込んでふと見上げたとき、パンテオンは
そんな新鮮な驚きを再び思い出させてくれた。

上を向いて歩こうよ〜。あの唄は子供心に覚
えているが、なんだか歌いたくなった。きっと
そんなことを分かってる人が、作ったんだろう
な。

深呼吸するように、私はパンテオンの周りを
上を向いて歩くことにした。

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2007/1/16  8:04

TASOGARE TE  分類なし

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最近、ちょっと嬉しいことがあった。父の形見の腕時計
を左手にはめたからだ。父が逝ったのは10年前のこと。
毎朝、写真に話しかける日々が続いている。会いたく
ても会えないというのは、この世で一番辛いことだと痛
感している。そんな時、ふと思い出した父が使っていた
腕時計。子供心に、無理して高価なRolexの時計を買
って、自慢していた顔を覚えてる。一生ものだと言って、
いつかお前に譲るとも言っていたことも覚えてる。でも、
金色が混じった派手な時計が何故そんなに良いのか
分からないでいた。
年末年始に帰国して、私もちょっと背伸びをしてRolex
を買った。父と同じようにずっと使い続ける時計が欲し
いと思ったから不思議だ。そんな世代なのだろうか。
しかし、実家で眠っていた父の20年以上使い古された
その時計を発見したときに、迷わず新しい時計を投げ
出し、それを腕にはめた。少し振れば、自動巻時計は静
かに時を刻みだしたのだ。それも正確に、確実に。父の
思い出が甦って来る。それ以来、買ったばかりの時計
は使っていない。必要だとも思っていない。父の形見の
腕時計が、ずっと私の腕に巻かれている。
夕方の黄昏が静かに街を包むころ、私は静かに座って
時計を眺めていた。街の喧騒にかき消されないように、
時を刻む針の音を耳元で聞いたりする。
凄く穏やかだ。何故だろう。きっと、父が一緒に居るよう
な気がするからだ。子供に戻って、何だか父に励まされ
るように、自信が沸いてくる。黄昏は、明日の始まりだと
見えてきた。

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2007/1/9  7:57

DEAI TO WAKARE  分類なし

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静かな橋の上。たたずむ街灯たち。
この橋を、いったい何人の人たちが通り過ぎて
いったのだろうか。
どんな物語が繰り広げられたのだろうか。きっと
この橋の上で、多くの出会いと別れがあったに
違いない。それでも、この橋の上では、全てを洗
い流しリセットするように、セーヌを吹く風がいつ
も通り過ぎていく。
そしてそんな人々の出会いと別れを、この街灯
たちはじっと見つめてきた。

今日も、このパリには、多くの人が訪れそして
去っていくことも、彼らは知っている。

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2007/1/2  8:13

ITSUMO  分類なし

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冬のカフェ。寒さをこらえ思い切って外に座ってみた。
両手で抱きかかえるようにカプチーノが入ったカップ
を包み込む。手を温めながらそっと飲み込み、身体
もゆっくり温める。サンルイ島のいつものカフェの、い
つもの席に今日も舞い戻ってきた。

いつもの木が、相変わらず覆いかぶさるように、私
の前に立ち、わずかに残った葉を揺らしている。
そう言えばお前、いつもそこに立っていたんだよね。
夏は緑の葉を溢れんばかりに抱え込み、秋は紅く
なった葉を、雪のように地に舞い落とす。そして冬、
ほとんど裸になって、セーヌの風に吹かれてここに
立っている。それを繰り返している。本当にタフだよ
ね。微動だにしないその姿を見上げていると、カプ
チーノを飲むのを暫し忘れてしまっていた。

いつも同じだ。例え街の景色が変わっても、天候
や気候が変わっても、そして人が入れ替わっても、
いつも、この木はしっかりとそこに立っている。ここ
に戻ってくるたびに、この木がそこにある。

いつもそこにあるというのは、大きな安心感だ。そ
して、私はまたここに舞い戻ってくる。このいつもの
安心感を、心の安堵感にするために。

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