2007/6/23  8:16

A PARIS  分類なし

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パリに住んで、何年もの月日が流れると、素敵だった
パリの景色が、知らぬ間に当たり前になってくる。
初めて見た凱旋門、シャンゼリゼ通り、セーヌ川。写
真でしか見たことが無かった景色が、目の前に現実
のものとして現れて感激していたのに、いつの間にか
日常の当たり前の風景に変わっていく。
初めてみたエッフェル塔にも、大いに感動した。見上
げればエッフェル塔。東京タワーのほうが、確か少し
高いと記憶しているが、見上げるエッフェル塔は、そ
の太い骨組みのせいだろうか、東京タワーの何倍も
の大きさに感じたものだ。することが無くなる寂しい夜
は、ひとりエッフェル塔の足元にすわって、ぼーっと上
を眺めていた。
初夏が来て、あんなに待ち遠しかった青い空がいつ
の間にか当然に思えた日に、エッフェル塔に会いに
行った。多くの人が今日も居て、エッフェル塔を見上
げている。何故だか懐かしい景色だ。あの頃を思い
出すように、初心に戻っていく。
そうだ、父や母を招いたときも、ここに来たんだっけ。
現役バリバリでいつも見上げていた父は、定年を迎
え、少し小さく見えた。エッフェル塔に一緒に登った
とき、電線技術者として常に高い鉄塔に登っていた
ことを自慢していたのに、この日は本当は高いところ
が苦手なんだと私に白状し、下を見て少し怯えてい
た。そんな父の姿を見て私は無性に<有難う>と言
う言葉がこみあげてきて抱きしめたかった。
そんな時間を思い出した。このエッフェル塔を一緒に
登ったのに、その半年後に、父は地球の反対側の日
本で、逝ってしまった。そうだ、このエッフェル塔には、
そんな父との時間が詰まっていた。
なんだか、無性に懐かしく、そして寂しく、切なく思え
てきた。このエッフェル塔を見ていると。。。
今日も多くの人が、此処に来て、エッフェル塔を見上
げている。人の数だけ時間が存在し、そして思い出が
出来ている。私は、少し目を空にそらして、流れた涙
を風で乾かした。出来るものなら、もう一度父に会い
たい。

パリにてー。

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2007/6/18  0:23

MATI NO IRO  分類なし

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テーブルクロスを買って来た。
木の肌を感じるダイニングテーブルだったので、
本当は透明のテーブルクロスを買うつもりだっ
たけど、売ってなかったので仕方が無い。黄色
いテーブルクロスを買った。

カーペットを買った。ダイニングテーブルが、どっ
しり重たく椅子もしっかりしていたので、いつか
床板が傷つくのが不安だったので、カーペットを
敷いていれば気が楽なのかなーと思ったのだ。
カーペットは濃い緑のものを買った。

本当言うと、テーブルクロスはテーブルの木の
地肌を出したかったので、何となく残念な気持
ちで黄色を買ったのだが、いざ装飾してみると、
意外に気持ちの良いコンビネーションなのだ。
特に部屋の電灯をつけると、黄色いテーブルク
ロスが、濃い緑のカーペットに上手く対照を描き、
なんだか目に優しいのだ。うーん、悪くない。少
し満足。でも、何かで見た感じだなー。

その日の夕方、優しい陽の光の中、街に出て
散歩した。アパルトマンが、夕方の陽を受けて、
優しく反射している。緑の木が、両手を広げるよ
うに太陽を受けている。

その時、やっと気が付いた。私が部屋で感じた
色は、この街の優しい夕方の色だったんだ、と。

部屋の中に街の色が出来た。それだけで、何
だか嬉しくなってきた日曜日の夕方です。

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2007/6/9  10:52

MIZU NO KUUKAN  分類なし

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不思議なくらい、水の傍に居たらほっとする。
何故だろう。
河の傍、池の傍、湖の傍、そして海の傍。い
つも心休めるときは、そんな場所を探している
気がする。
夏の暑い日、エアコンがあまり無いこの街に
いて、最高の場所は船の上でもある。天然の
川面を吹く涼しい風が健康的に全身をクール
ダウンしてくれるから大好きだ。でも、それも
やはり水の上。水、みず、ミズ。。。
人は、生まれる前に羊水のなかで命を育む。
人は、遡れば、魚だったかもしれない。海の
中から出てきた生物。やはり、心のよりどこ
ろは、水なのだろうか。このDNAの中にまだ
何かが生きているのだろうか。
今日も、橋の上に辿り着いた。水の流れを
じっと見つめて、深呼吸しているうちに後ろ
に行き交う観光客の雑踏が、知らぬ間に聞
こえなくなっていく。自分の空間が出来る。

疲れて寂しくなって肩の力を抜く瞬間。やは
り、私は水を追い求めてさ迷っていたんだ。

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2007/6/2  8:50

MIAGEREBA NIJI  分類なし

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突然の雨が通り過ぎていった。
街を洗うかのような雨は、すべてのものを流し
去っていった。
私は、9階のアパルトマンの窓から、外を眺
めていた。慌しく走り出す人々、屋根の下へ
と隠れる人々、そして揺れる木々。その一部
始終を見ていた。まるで、蟻をながめているよ
うに。。。
そして、その雨を払いのけるように差し込んだ
陽射しは、パリの街を2つの世界へと分けて
行った。上空の明るい空、ビルの谷間の暗い
世界。
そして、その陽射しは、パリの空に2本の虹
を描き出した。まるで地獄が天国にでもなっ
たような鮮やかな虹色。
再び、下界へと目をやると、まだ人々は雨の
余韻と格闘し、小走りで走り去っていく。蠢い
ている。車が、水溜りの水を跳ね、それをよけ
ようと人々がまた走り出す。蠢いている。
ほら、空を見上げてごらん。そんな谷間に隠
れていないで、広い世界へと飛び出して、上
を見上げてごらん。虹が二本も出ているんだ
よ、知ってますか?見えますか?
そんな私の心の言葉は、彼らには聞こえない。
まだ慌しく、走っていく、逃げていく。
なんだか、空しくなってきた。そして、もう一度
自分の生き様を考えてみた。
虹の出た、パリにてー。

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