2007/7/28  9:14

AKA DE HAJIMARU HI  分類なし

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朝、目覚めたら、私は決まってカフェを一杯飲む。
窓際に立ち、外を眺めてエスプレッソを飲むことか
ら、私の一日を始める。

それは、とても不思議な朝だった。空が一面に赤
く染まり、まるでこの世が終わるかのような、不思
議で重い、赤い朝だった。

テラスに一歩踏み出し、アパルトマンから街を覗い
て見た。6時を少し回った、週末の都会の朝。まだ
人影も無く、街は寝静まったままだった。

この大都会パリで、いったい何人のひとがこの赤
い空に気付いているのだろう。どれぐらいの人が
空を見上げ、この赤い世界を見ているのだろう。

時間が来れば、街は目覚め、喧騒を取り戻し、ま
たいつもの明るさが戻ってくる。
今日がこの特別な赤い空で始まったことを、どれ
だけの人が知っていて、覚えているだろう。
私もまた、その群集の中に、今日も入っていく。

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2007/7/21  11:20

FUKAKU YASASIKU  分類なし

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偶然に通り掛かった夜の公園で、ロックコンサートをやっていたので
立ち寄った。私はテーブルにもたれ、一人でビールを飲んで聞いてい
た。横には、年配の女性と、髪をポニーテールにくくった男性が居て、
その男性はリズムに合わせて踊りまくる。気になるな。。。そんな危
惧は命中した。テーブルの上に有った彼のビールを倒してしまい、私
はその飛沫を浴びた。被害はそんなに膨大ではないが、派手に踊り
まくっていた彼が、驚くほど丁重に謝り、机を自分のハンカチで懇切
丁寧に拭き取っていたのが印象的だった。そしてその女性の分と合
わせて、2杯のビールを買い直した。
しかし、その後も彼は踊りまくり、唄い終わったロッカーへと飛んで行
き、肩を組んで話しかけていた。かなり酔っているのだろうかー・・・。
そこに取り残されたのは、その年配の女性と私だけだった。すると、
その女性がニコニコと私に話しかけてきた。周りの喧騒のせいか、私
の腕に抱きつき、精一杯の大声で私の耳元に話しかけてくる。
<息子がね、ここに連れて来てくれたの。いま、ここで踊っていたの
が息子なんですよー>。よく見ると、その女性は小柄で、60歳を越
すぐらいだが、丸いめがねを掛けて、とても可愛らしいお婆ちゃんだ。
そして、<いつも息子がいろんなところへ連れて行ってくれるの>
と続けた。その瞬間、私は日本に居る母を想った。母もこんな感じの
年の取り方をしている。そして、帰国する度に、恥ずかしさを押さえて
母の手を握り、散歩したり食事に連れて行く自分を思い出した。あの
酔っ払いは、なんだか私とそっくりなことをしていたんだ。いい奴だっ
たんだ。そう思うと、この女性が、私の腕を掴み、耳元で大声で話す
ことが気にならなくなった。むしろ、自分の母を見ているようで、おか
あちゃん!っていう優しい気持ちがこみあげてきた。
すると、例の酔っ払い息子が戻ってきた。よく見ると、ただ場の雰囲
気ではしゃいでいただけで、顔はなかなかの好青年。今はしゃきっと
顔と行動を引き締めている。そして、彼女に時間だから帰ろう、と優し
く話しかけた。彼女は、うなずいてコップに残ったわずかなビールをぐ
いっと飲み干し、<この人、日本から来たんだって。一杯お話したん
だよ>と息子に話し、そして私に<またねー!>と手を振って歩き出
した。そのポニーテールの息子は、もう酔ってなんかいない。彼女の
背中に右手を回し、左手で周りの酔っ払いを追っ払いながら、母を大
事なものを扱うように守りながら、出口へと消えていった。
素敵な後姿だった。優しい、そしてとても暖かい姿を見せてもらった。
あの可愛いお婆ちゃんとポニーテールの息子に。そして、私はいった
い此処で、ひとりで、何をしているんだろう?という気持ちがこみあげ
てきて、思わずじっとしていられなくなった。
今、直ぐに日本へ帰って、母を守ってやりたくなった。色んな所へ手
を繋いで連れて行ってあげたくなった。
時間が過ぎていった。そして、今も時間が流れている。それが、とて
も深く、優しく、愛おしく感じるのである。

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2007/7/14  9:38

KASUKA NI YURETE  分類なし

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私は、耳にヘッドホンを付けて、音楽を聴きながら歩くのが苦手
だった。むしろ、嫌いだったと言ってしまおう。
他人の姿を見ても、外界から自分を閉ざしているようで、やはり
好感をもてなかった。
しかし、今までの固定概念を払拭しようと思うことが、時々ある。
右にあったものを左に置いたり、下にあったものを上に置いたり。
つまり、何かに行き詰ったり流れを変えたい時には、私はそんな
行動をする。
そしてある日、私はBOSEのヘッドホンを買い込み、MP3プレ
イヤーを持って家を出た。中に入っている曲は、最近買ったERIK
SATIEの<THE ROYALPHILHARMONIC COLLECTION >だ。
クラシックでもJAZZでもないシンプルなピアノソロだが、とても
落ち着く曲ばかりで、歩くことの阻害にならないと思ったからだ。
お勧めのCDだ。彼は、1925年に他界している。
しかし驚いた。街の景色が、音楽と共に融合し違った顔を見せ
るのだ。街の小さな片隅のシーンが、優しい陽射しが、涼しげ
な日陰が、木々が、そして人々の顔が、身体に当たる風が、ま
るでスライドショーの如く静かにピアノに合わせて変わっていく。
きっと、私は他人から見れば、外界から自分を閉ざした男なん
だろう。そう思ったりもしたが、多分それは私の古い固定概念。
自由で他人を気にしないこのパリでは、私は一人の我が世界
を生きる人間に過ぎないはずだ。

ぼーっと見ていたセーヌ川。そして船。川面のイルミネーション
がとても優しかった。なんだか静かにゆっくりと、波が船を揺らし
た気がした。そして私の心も、静かにゆっくりと揺れた気がする。

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2007/7/9  5:44

MU NO SEKAI  分類なし

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キリスト教徒でもないのに、何故こんなに落ち着く
のだろう。
真っ暗な教会で、人影もまばらなのに、何故こん
なにほっとするのだろう。

ふと立ち寄ったマドレーヌ寺院に佇んで、深呼吸
をしていると、座禅でも組んでいるように心が無に
変わっていく。

昨日のことは、もう忘れた感じがする。今日のこ
とも、何も考えられない。明日のことは、もうどう
だって良い。

無になっていく。

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2007/7/1  9:41

SIZUKA NA YORU HE  分類なし

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少し動きすぎた日々。
知らぬ間に疲れが溜まっていた。アクセル全開
も必要だけど、いつもレッドゾーンに入れていたら、
エンジンでさえ壊れちゃうよ、と親分のようにいつ
も気にしてくださる方から言われた言葉をふと思
い出した。レッドゾーンがわざわざ描いてある意
味を考えなさい、とも言われたっけ。
まったくだぁ。そう思ったら、少し力を抜こうという
気になってくる。夕暮れの空に向かって大きく背
伸びをすれば、体に少し違った空気が入り込ん
でくる。空だって、疲れたんだろうか。どーんと落
ち着いた色に染まっている。
休もう。今夜は、だらーとソファーに身体を横たえ
て、赤ワインでも飲んで力を抜くことにする。
そして、そんな夜はテナーサックスが低く心に響
く、静かなJAZZでも聴こうと思う。
そう考えると、既に心はどんなワインを飲もうかと
瞑想を始める。ボルドーかな。。ブルゴーニュかな
って。でもそれでいいんだ。きっといいんだ。自分
の時間を考えること、それを忘れていたんだから。

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