2008/3/31  20:23

SYUNKAN  分類なし



色んな建物がパリの街に建っている。
当然のように建っている建物を、今の瞬間だけで見ている
と何も感じないのだが、よ〜く見るとかなりの歴史経て今
日に至っているものが多い。パリのように戦火を浴びなか
った街はなおさらだ。
それはちょっとした壁の傷でも感じる。何度も塗り替えられ
た壁や木製の窓や雨戸にも感じる、そして使われなくなっ
た水道管など、今までの歴史で一杯だ。
日本と違って、こちらの建物にはいつ建ったかが書いてあ
ることが多い。例えば1628年。。。むむっ。確か日本では
1600年には関が原の戦いが、1637年には島原の乱が
起きていた頃だ。そんな時代から建っているのかー、なん
て思わず壁を触ってしまうときもある。
日本人が刀や槍を振り回している頃、こちらでは石で出来
た建物がどんどん建設されていたんだと知ると、闘っても
到底勝てないな〜、なんて思わずつぶやいてしまう。
この建物で、どれだけの人が人生を過ごしてきたのだろう。
何人ここで生まれたのかなー。何人ここで死んでいったの
だろうかー。
私もその長い歴史の中の一瞬として、ここに立っている。
外でカフェを飲みながら、目の前の建物をじっくりと見てし
まう土曜の朝であった。

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2008/3/21  21:51

SEIJYAKU NO NAKADE  分類なし



今日は朝から天気が荒れた。
気温が下がり雹が吹き舞う。風がうねりと共に吹き荒れて空が
雷で光る。空がもがいている。季節の変わり目は、本当に苦し
そうに空がもがいている。
こんな日は、ノートルダム寺院へ行ってじっと座ってみる。静か
に目を閉じて、正座するように座禅を組むようにじっとしている。
突然に鳴る鐘の音は、無になりかけた心を更に深い静寂へと
導く。夕方になれば人々の足音が増え、やがてパイプオルガン
と共に、ミサが始まる。
こんな風にずっと教会の中に座って過ごす一日は、疲れた心を
一杯に癒してくれる。
でも、時々思う。神様ってどこにいるのだろうか。じっと座って前
を向い色んなところを見てみる。十字架のところだろうか。それ
とも、その上あたりだろうか。。。そんなことを考えてしまう私は、
きっとクリスチャンの方々にとっては、無知な人間で迷惑な存在
に違いない。
でも私ながらに考えて出した結論は、天井だ。一番高い天井か
ら、きっと我々を見守っているに違いない。そう思うようになると、
私は天井ばかり眺めて一日を過ごすことが増えた。
教会の中は、観光客が一杯でざわめいている。大声で話すひと
も居れば、静かに息を抑えて話すひともいる。色んな想いと願い
と、そして愛がここに持ち込まれる。
天気がもがいて苦しんでいる日。私は何も言わず、じっと天井を
見上げてここで過ごしている。私の願いと愛を持ち込んで。

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2008/3/16  4:31

FUNBATTE  分類なし



誰かが言った言葉を思い出した。
人は生まれてくるときも、死んでいくときもひとりだって。
なぜそんな言葉を思い出してしまったんだろう。 きっと
父のことをふと思い出したからだ。
家族と離れ、16年もの間単身赴任で世界中を飛び
回った父。やっと帰ってきたと思ったら、名古屋に単
身で赴いていった。そして定年を迎え戻ってきた父は、
その後わずか6年間の時間しか家族と共に過ごせなか
った。でも既にその時は、我々子供たちは海外や国内
の別の街へと自立して飛び立っていった後だった。
なぜいつも父は一人で戦っていたのだろう。挑んでい
たのだろう。多くの人が普通に家庭の中で温かい時間
を過ごしているのに。。。
きっとその答えは、<悔しかったから精一杯頑張るん
だ>と、若い時のことを回想して言った父の言葉にあ
ると思う。その言葉を思い出すたびに、私の心の中に
ある踏ん張ろうとする精神に繋がっている。父の息子
で良かったなと思うのである。
そして気がつけば、私も父のようにここで踏ん張って
いる。遠く日本を離れて、あの時の父のように踏ん張
っている。でもまだまだ父には追いつけない。ただ、
父のあの時の気持ちをやっと実感できるようになった。

少しセンチメンタルになってしまった春の空の下にて。


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2008/3/8  19:43

BALLADS  分類なし



春が来たと思いきや、少し気温が低めになってしまった。
こんなときは、しまいかけた厚手のコートをもう一度取り
出して羽織る。でも、確実に日没の時間はゆったりと遅
れだし、夕刻のそぞろ歩きもまんざら悪くない。

ずっと日本を離れて一人で暮らしている。何年もの年月
が流れてきた。帰宅した一人の部屋が余りに寂しくて、
犬か猫でも飼おうかと思った。しかし、外を飛び歩く私に
は荷が重たくて止めた。そして初めて買った観葉植物。
これなら週に一回の水やりで大丈夫だし、部屋にはわず
かでも生命反応がある。一人でなくなる。
私は、小さな植木を買った。そしてサリーちゃんと名付け
た。この段階で知り合いから大いに馬鹿にされてしまっ
た。頭は大丈夫か?危険信号だ!とかヤバイとか。。。
そんなの百も承知で名付けたのだから大丈夫。私は至
って正常である。ただ、無言で過ごす夜の部屋で冗談
の一つぐらいは抱えておきたかったのだ。

そのサリーも大きく成長した。わずか20センチぐらいの
背丈しかなかったのに、今や150センチ程の大きさだ。
植木鉢もはちきれそうになり、今や3個目である。
少し大人になってグレたみたいだ。優しい葉は、今では
とんがりそして突き出し、まるでパンク系の髪型だ。ただ
色は染めなかったみたいで、緑色を守っている。気にな
るのは、いくらかの葉が枯れて、茶色を帯びてきたこと。

そのサリーは窓際に立って、ずっと外を見ているのだが
最近は凄くイキイキしている。差し込んでくる春の太陽が
嬉しいらしく、少しよれかかって来ていた葉が今は私の
横で総立ちしている。良かったね、春が来たんだね。

買ってきたOscar Peterson のピアノバラード。とても素
敵に部屋で鳴り響いている。今日はこのままOscarの
ピアノ三昧で過ごすのも悪くない。

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2008/3/1  19:17

HARU ICHIBAN  分類なし



今日は、強い風が街を吹き抜けていく。
きっと季節風だろう。時間とともに、また季節が動いた。

先日は、久しぶりに仕事で人を怒鳴ってしまった。人を殴ったよう
な鈍い感触が、心に残って消えない。勿論実際に人を殴ったこと
なんかないのだがー。何故怒鳴ってしまったんだろう。その理由
は、明らかだった。ただ失礼だったからだ。人の部屋に土足で入
ってきてかき回すように、私の事務所を乱したからだ。
仕事は指示系統が乱れたら混乱する。止まってしまう。なのに、
奴は初めて外部からやってきて、平気でそれをやってしまったの
だ。そして、それを制止する私に、当然のように自己弁明をした。
流れに逆らい、そこに居る人の心を無視した。失礼だった。
元来、私は感情を出さないように気をつけている。むしろ、感情を
出した方が負けで、相手の感情を上手く引き出すことが、仕事の
駆け引きだと思っている。
だから、私は彼を別の部屋に呼び出し、自分の前に立ちはだか
る大柄の筋肉質な男に向かって、ゆっくりと理由を明確にして言
動を慎むように求めた。しかし彼は自己主張を続け、いかに自分
が正しいかを言い張り、この事務所に居るスタッフを駄目扱いに
した。彼は自分しか見えない無頓着な失礼者だった。過去の経
緯を無視し、今の瞬間の現象だけで物を言う人間だった。
私の心の沸点は、失礼だと認識したときだ。彼は、いとも簡単に
その沸点に触れてしまった。初日だというのに。
私は大柄の男を見上げ、目を睨んで今すぐ出て行けと初めて怒
鳴り、彼を追い出した。スタッフたちはうなずいている。そして彼
は出て行った。本当に気分が悪かった。久しぶりに自分の感情
を抑えようと深呼吸をしながら、失礼な奴だけは絶対に許せない、
と心を新たにした。

高台から街を眺めている。アパルトマンの群集の中に窓がある。
その窓の数だけ、人が居て暮らしがある。きっと色んな人が生き
て居るのだろうなー。良い人も、頭に来る人も一杯居るはずだ。
そして、出来るものなら、多くの良い人にだけと出会いたいと思
った。人生の時間は限られているのだから。

季節風が、街をすり抜けるように強く吹いている。汚れも何もか
も吹き飛ばすかのように。この風に、この心のもやもやも一緒に
吹き飛ばして欲しくて、思わず両手を広げて全身を風に当てた。
間もなく、気持ち良い春がやって来る。今は、春を待ちたい。

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