2008/2/24  12:17

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新エトワール、ドロテ・ジルベール。


久しぶりにガルニエを訪れたのは12月。
例年のごとく、この季節は各国からクリスマスイルミネーションに彩られたパリを訪れる観光客が殺到し、バスティーユでは「くるみ割り人形」、ガルニエでは「パキータ」と、二本立てでグラン・クラシックが上演されているにもかかわらず、非常に券の入手が難しい。
そんな中、さらにフランスのお家芸(?)ストライキなんぞもあったわけだが、バスティーユの「くるみ割り人形」(ヌレエフ版)では主役以外衣装なし、大道具なし、という異例な状況で(私はノイマイヤーの「シルビア」を数年前大道具なしで見たのでもはや異例というほどではないけれど)ドロテ・ジルベールがエトワールに任命された。

今回はその新エトワールとルグリ組、そしてアニエスとフロリアンという組み合わせの二回を鑑賞した。

お話についてはDVDも出ていること(アニエス&ジョゼ)、ご存知の方も多いだろう。
時は19世紀初頭、ナポレオン占領下のスペイン。
ジプシーに育てられた娘パキータがフランス人将校・リュシアンを暗殺事件から救う。二人は恋に落ち、そこでパキータは実は貴族の出であることが分かり二人は結婚する。

・・・という何ともまぁバレエ的(?)な単純明快なハナシなのであるが、この作品の楽しみドコロは何といってもスペイン風の踊り、衣装、という19世紀ロマンティックバレエが追い求めた”異国情緒”にあると思う。
初演は1846年、その後プティパなど有名な振付家の手を経ているだそうだが、ピエール・ラコットによるオペラ座の”復刻版”の元は1978年のキーロフバレエにあるらしい。(出典・オペラ座パンフレット)

今回一度目の鑑賞はドロテ・ジルベールとマニュエル・ルグリ。
ドロテは入団当時より数々の抜擢を受けてきたことから、オペラ座が大事に育てているのがよく分かったから、エトワールに任命されたのは驚くことではなかった。
くりくりとした大きな目をしたトゥールーズ出身の彼女にはパキータの役はとても似合っていて、かわいらしいことこの上ない。
これだけ魅力的なダンサーである彼女がエトワールであることに観客としてなんの異議もないが、例えば同じプルミエール・ダンスーズのミリアム(ウルドブラハム)の非常にオペラ座的なことこの上ない洗練された踊りと比べてしまうと、少し雑なところが気になるために、なぜでは彼女のほうが任命が先だったのか、と思ってしまう。今回のパキータの踊りも、その”粗”が気になって、なんとなく決め手に欠ける感じであった。まだ主役を踊るのに必死だからかもしれない。

お相手のルグリ。彼がバレエの神様(?)であることに異議を唱えるバレエファンはいないだろうし、私も彼の大ファンだが、そんなルグリ「様」もそろそろ引退というお年である。このお二人、年の差がありすぎてビジュアル的に釣り合いが悪い。
テクニック云々もうるさく言う割には、お話への感情移入を第一に鑑賞する私としては、なんだかオジサマが若い子をたぶらかしているように見えてしまって、イマイチな上演だった。

それにしてもイニーゴ(ジプシーのボス)のカール・パケットの素晴らしいこと。
このブログでしつこいほど書いているのだが、金髪・青い目の王子系容姿を持つにもかかわらず彼の踊りはあまり王子系ではなく、キャラクターを踊るときに断然その才能を発揮する。
これは彼の踊りの”性質”がキャラクター的なのか。悪く言えばノーブルな踊りが出来ないのかもしれないけれど、そこまで悪く言うほど王子を踊るときに悪いわけでもない。
いずれにせよ、彼は素晴らしいキャラクターダンサーだ、ということだ。

さて、二度目は麗しきアニエス(ルテスチュ)と、若きフロリアン(マニュネ)。
フロリアンは数年前にルグリの代役でシンデレラの王子に抜擢されて以来の大役ではないか?真っ白な肌が輝くばかり、立っているだけで王子になれるだけの容姿を持っている。
深みのある演技が出来るのかどうかまではまだ未知数(?)だけれど、リュシアン役にはそのたたずまい、踊りがぴったりだ。アニエスのお相手には少し物足りない気もするけれど(笑)。

それにしてもアニエスの丁寧な脚さばきを見るにつけ、これが「オペラ座の」エトワールとして必要なものでしょう、と考える。一つ一つのパが本当に丁寧で、気品がある。
こう同じものを数日あけてみて比べてしまうと、やはりドロテの踊りはかなり雑である。
役としてはドロテの若さと可愛らしさはアニエスを上回るのだろうが。


・・・・観客って口うるさいものである。


次はガルニエにお目見えしたボリショイの「スパルタクス」について書きます!







2008/3/9  10:59

投稿者:erin
早合点してしまったみたいですみませんでした。
友人達には‘あの日’条件付にかかわらず劇場に残った人と、
払い戻して帰宅してしまった人といました。
私だったら、衣装や大道具なしでは状況が全然わからなくて(初めて観る演目だったので)最後のサプライズは別にしても舞台そのものを楽しめたかどうか・・・

スパルタクスの記事、楽しみにしています。
チケット売り出しに出遅れてしまって
いろいろ駆けずり回りましたが
結局ボリショイは観る事が出来ませんでしたので。

2008/3/7  22:00

投稿者:Chihiro
erinさん、お久しぶりです!

エトワール任命には立ち会ってないのですヨ。
前にもストで大道具がないことなんてあったから驚きもしなかったといいたかったのですが、読み返してみたら私の日本語が変でしたね。

エトワール任命、観客の前に出てこなかった時代には、カーテン裏で「ブラボー!」という声が聞こえてきて、おお任命だ!という場面に何度も出くわしたのですけど、残念ながら出てくるようになってからはさっぱりです。こればっかりは運、でなければよほど通ってるか、あるいはたまに聞くのが、ヤマかけしてまで行ってるなんていう人もいるとか・・・。そこまではできないなぁ・・・。

2008/3/5  14:02

投稿者:erin
エトワール任命の時に立ち会われたのですねぇ。
うらやましいです。
私も滞在中にそんなチャンスがあるといいな。
ストライキの状況も含め
印象深い、思い出深い舞台になったのではないでしょうか?

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