| 結婚 |
|
|||||||
仕掛けは6号だ。 サメならひとたまりもない。 そう思うと、そんなにゆっくりもしていられない。 50mまでそろそろと、あとは一気に上げる。 そのころは、仲間が私の周りに集まり、 そわそわと固唾を呑みながら見守っている。 今日一のサイズであることは分かっている。 もちろん、竿のしなりで、アジ、サバではないことも。 ついに魚体が見えた。 みんな一斉に「メダイだあ」と叫ぶ。 やりとりしながら、手で引いてくる。 最後の仕上げは船長の仕事。 私が引いてくる大ものを玉網ですくう。 でかい、頭がはみ出している。 船長のうれしそうな顔。 「おおお」 驚きと羨望のどよめきがあがる。 みんな自分が釣ったかのような 上気した嬉しそうな顔。 この一瞬、心はひとつになる。 (ふたつかな?) これだから、釣りはやめられない。 まもなく、「この流しで本日終了です」と船長がアナウンス。 大ものが出て、船長もほっとしている。 今日は親戚に送るほどの漁獲はなかったが、 また我が家の備蓄が増えた。 月曜は、メダイの刺身と潮汁、 火曜は、メバルの煮付けと、アカイサキの塩焼き、 水曜は、メダイのカルパッチョ・サラダとカンコ汁、 木曜は、ヒラメの煮付けとタチウオのバター焼き。 木曜の材料は、冷凍の備蓄である。 この目の光りが、新鮮さのあかし。 メダイは目が大きいからこの名前があるという。 ときどき、鯛の雌だと思っている人もいる。 見ての通り、鯛の係累ではないが、 不思議と、当たりの引き味は似ている。 食味は、何にしても美味い。
|
|