今日都合も合ってシネカノン有楽町2丁目で見てきましたが、観客層は若〜高年層様々、6話のオムニバス的な、という予想は外れて、ボブ・ディランのある時期、側面を、実在、架空の人物になぞらえてのストーリーが交錯しながら進む、入り組んだ構成で。
余り、曲名でもあるタイトルの通り、正面から実像を追う、という感ではなかったですが、こういう取上げ方をされる多面性、があり、それぞれの面が強烈な伝説化、という人物題材ならでは、で、やはりこの人に馴染みの上で見れば、全体に、また科白の一言一言につき、より味わい深いものがあるかと。
60年代の時代の波に揺れるアメリカの背景、その中、自身葛藤しながら変動していった1個人+アーティストぶりが、映像的にもモノクロとカラー、ドキュメンタリー的+寓話的な部分が織り交ぜられながら、の異色作、という後味。
ロックスター部分を演じた注目のケイト・ブランシェットは、ややくだけた男装の麗人風、彼女のパートはモノクロでしたが、それがシャープさに合っていた感触、表情や話し振り等この人の芸域の広さ、も改めて。このパート中の、”この世界では夢だけが真実”と、身体が風船のように宙に浮いたシーンが印象的。
また、マーカス・カール・フランクリンという黒人の子役の、若くして放浪の哀愁漂わし、ギター+歌含め芸達者ぶり、その成長後、のような、DVDでの「綴り字のシーズン」以来だったリチャード・ギアの達観したようなアウトローぶり、も頭に。
全編にディランの曲が流れ、私の知っていたのはギアのパートでの「コーヒーもう一杯」、エンドロールでの「天国への扉」でしたが、久方に「天国・・」を聞いて、ややしみじみ余韻、でも私にとっては、元々最近のエディット・ピアフやマリア・カラスのように、シンガー伝記での興味、という一筋縄ではいかない作品、でした。
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