この作品は、人物が3D、背景が2Dで描かれ、目元などやや少女漫画タッチを思わす部分もあったりしつつ、リアルな人物描写、シックながら鮮やかな色遣いの展開。オスロ作が初めてでも味わえると思いますが、折に「プリンス・・」でのような影絵、人々の群での「キリク・・」のような平面的、素朴な描写も交え、進化したオスロ作品、という感慨も。
風景の花々や樹木の精密さ、特に、イスラム世界のアラベスク模様の壁や小道具、ジンの妖精の広間のブルーの美しさが印象的。思えばイスラム舞台のアニメ作品、というのはこれまで見た覚えなく、実写作品だと、映像美的には概して渋め、鮮やかさというと「カンダハール」という作品での女性のまとう色とりどりのブルガという衣装が浮かぶ位ですが、
サイトで見た監督談では、貧富、西洋VS東洋・中東等身の回りの問題がテーマ、とのことで、青い目と白い肌のアズールVS黒い目・肌のアスマールの2人の主人公も象徴的、舞台の中世イスラムのモデルが北アフリカ、というのも、監督自身アフリカ出身でもあり、フランスの移民の大半が北アフリカ出身、という背景もあるようで、特にアズールと旅する一癖ある男(クラブー)の芝居がかった科白の端々に、西洋人のイスラム圏への偏見、醒めたシニカルな視線も。
やや綺麗に都合良くまとまり過ぎな感もしましたが、対立の融合、という願いも込められているような、お伽話らしいハッピーエンド。
最も視覚的インパクトがあったのは、公式サイト表紙等にもある、黄金色の砂漠を背景に、鮮やかな色彩の大きな鳥が飛んでいるシーン。吹き替え版もそのようですが、折に入るアラビア語の部分は字幕もなくそのまま流れたり、題材、色彩、音楽等独自のエキゾチックな味わいのフレンチアニメでした。
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