映画
1 混沌の地の希望
投稿者:- 投稿日時 2008/3/2 11:00:07
更新日時 2008/3/4 16:20:02
昨日見てきましたが、カブールでの子供時代の回想、再び当地へ、ある少年(自分の甥)を迎えに行ったまでの、サンフランシスコ在住の主人公アミールの半生、の構成。

背景の、ソ連の侵攻、タリバンの容赦ない圧制、久方に見た、その波に飲まれたカブールの地、の荒涼さ。やはり、キーとなる、主人公が友情を育んでいた召使の少年に起こった事件、それに対して自分の取った行動、その後ろめたさが生んだ「裏切り」、がずっと悔恨として残り、背景の、歴史含めた荒涼さ、がその心象風景、のようでも。

少年達の卑劣な行為、汚すべきでない、心の誠実・純粋さを持つ者が踏みにじられる、不条理。つくづく人の痛み、というものは、理解しがたいもの、で、その不正を摘発するのも、勇気を要し、この原作者は、時を経て小説、という形で、それをある部分、解き放つことが出来た、のはある意味幸福かと。

冒頭、アルファベットから連なっていくクレジットがユニーク、序盤、注目だったイグレシアスが手掛けた音楽が、ガブールの街にあった、イスラム色のエキゾチックな息吹に、似合っている感が。

全体に重い後味、ではありましたが、「君のためなら千回でも」というのは、いい邦題、と思い、凧揚げでのそのフレーズや、少年二人の絆であったある小道具が、世代を超えて受け継がれたシーンが印象的。

アフガン人スタッフによって製作された「アフガン零年」では、予定の希望を象徴する虹のシーンが、あえてカットされ、現実の重さだけが残って、この作品はアメリカ映画、という作り手の温度差や興行的な意識、はあるかもしれませんし、物語は9.11テロ、アメリカの攻撃の波乱以前の’00年までですが、どんな過酷な状況で起きた事にも、誠意・良心は、通じる所には通じて生きながらえる、という希望を残した、という後味。

遠い世界の話、と言えばそれまでで、色々些細な事で、心煩ったりする事もある日常ですが、この作品を見に行った事を、何らかの糧に、という所でした。
 
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