昨日見てきましたが、もう少しほのぼのソフト系、という期待もあったのですが、女性製作アニメ、と言ってもさすがにイラン(舞台のフランス)作品、というのか、一筋縄ではいかない、という風味。
’70〜90年代イランの、王政→共和制への過渡期、イラン・イラク戦争の戦時下、という時代背景が、思ったより色濃くて、家での飲酒禁止、女性の装いの細かい規制等、かなり日常生活も抑圧されていた様子。そんな中でも、先日買ったのと同じ形のチャイ用グラスがあったり、ゴジラらしき映画を見ているシーンで「日本人は怪獣かハラキリかで、変な人々」というような旨の、当時のこの国の人の、日本(映画)への印象(偏見)の科白があったりも。
ヒロインの少女マルジも、そういう環境でも、ロック好きで、ビージーズやアバのレコードを持っていたり、アイアン・メイデンのテープを密かに買って盛り上がったり、ドライブしたり、現代っ子らしい面もありながら、周囲の人が共産主義者として捕らえられ、少女らしい悲しみ、正義感からの憤りや、ウィーンでの自由な留学生活、新たな価値観との出会い、もありつつ、祖国(の家族)の状況が頭から離れず、その生活に心底浸りきれない生真面目さも。
モノクロ映像は、恋や結婚に破れ、見守る両親や祖母もいつつ、多感さもあって、なかなか自分の価値観を確立出来ない、というジレンマの表現のようでもあって、それは何人女性、に関係なく、思春期・人生の波、の辛さの共感部分、はありましたが、加えて、生まれた国の混乱の影、という、個人ではどうしようもなさも。
冒頭、終盤のわずかなカラー部分は、再度旅立ったパリでのシーンで、その後イラストレーターとしての過程は描かれていませんでしたが、何か国の呪縛から、解き放たれた心情を、表わしているようでも。
同じイラン舞台でも「ハーフェズ・・」よりはこちらの方が、とも思って母と行きましたが、やはりこれもミスマッチで、「大人向きなのかもしれないけれど、アニメにしては話が暗い。絵は独特な感じがするけれど」等と、今一つ、の感想。
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