2006/12/1  13:15

「共感」と「肯定」と「時間」  最近の報道から思うこと

先月初め、広島県福山市で、母親が2人の子どもを殺めるという事件がありました。
この事件のことが、最近、いくつかの発達障害関連ブログで取り上げられています。
(うちのリンク先では、satosho先生のブログカイパパさんのブログが事件を
詳しく紹介し、コメントしておられます。どんな事件だったかなと思う方は
これらのブログでご確認下さい)。

なぜ、この事件が注目されているか…
報道では様々な配慮から必ずしも明らかにされていませんでしたが、どうやら、
犠牲となった2人の子どもには発達障害があり、母親はそのことで悩んでいた
ようです。
このような事件があとを絶たないのは何故でしょう。何故、母親は障害のある子に
手をかけるのでしょう。
我が子の障害を受け入れることができないせいか、我が子と自分の将来を悲観
するせいか、周囲が冷たいせいか、あるいは、我が子が可愛く思えないせいか…
どれも多少は当たっているでしょう。でも、どれも決定的ではない気がします。

はっきり言えることは、「疲れていた」のだろうということ、尋常でない「疲れ」は
判断力を鈍らせます。不安をかき立てます。気力を失わせます。
そして、そんなときに、「魔がさす」のではないか…
発達障害のある子、特に幼児との暮らしは、想像を絶するものだろうと思います。
朝、着替えから始まって、3度の食事、遊び、散歩、昼寝、排泄、入浴、就寝、
病気になれば、病院に連れて行き、薬を飲ませ…
どれにも、トラブルがつきまといます。何かがきっかけでパニックが起こるかも
しれません。ちょっと目を離したすきに、外へ飛び出してしまうかもしれません。
常に、神経を尖らせていなければなりません。地雷に囲まれているような生活です。
仮に1日トラブルがなかったとしても、それはたまたま地雷を踏まなかっただけ
です。そのストレスたるや…
その子の育児だけこなせばよいわけでもありません。買い物にも行かなければ
なりません。兄弟や姉妹がいれば、その子たちにも気を配らなければなりません。

ヘルパーなど、誰か手伝いを頼めばよいのでしょうが、使い慣れないうちは他人に
委ねることや他人を家に入れることに躊躇するでしょう。軽度発達障害児の場合、
そもそも、支援費制度の対象外であることが多く、利用したければ、費用は全て
自己負担になります。もっとも、支援費の支給対象になっていても、制度を利用
することに抵抗のある人もいるでしょうね。

終日、子どもに付き合うというのは、大変な仕事です。ほとんどの親がこなして
いることだからと、当然視されがちですが、大変なことに変わりありません。
寝ない、食べない、癇癪などの「育てにくさ」を持った子ではなおさらです。
私は、NANAが2ヶ月のときに職場復帰し、平日は時間限定の育児しかしません
でした。癇癪がひどくなった幼児期も、日中は仕事に専念することができました。
それでも、何か一つでも気に要らないことがあると「(元に)戻して〜」と泣き
喚かれた4才ごろ、ちょっとしたことで顔つきが変わって、自分の髪をむしり、
頭を叩いていた1年生のころ、私は、精神的にも肉体的にもヘトヘトでした。

「こうしたほうがいいよ」という助言も、「大丈夫だよ」という慰めも、時に、
疲れた親を追い詰めることがあります。
「大変だね」という共感、「あなたは間違っていないよ」という肯定、そして
冷静さを取り戻す時間を与えてくれる人がいれば…と悔やまれてなりません。
私が道を踏み外さなかったのは、私の周囲にそういう人がいたからにすぎません。



2006/12/2  14:29

投稿者:MOMO

そうですね。公的な「制度」にはやはり限界があるのだろうと思います。地域の友だちによる支援(私の場合のKAZUははさんのような)にだけ頼るわけにもいきません。その中間的な制度、ちょうど先生が障害者支援の方法として注目しておられる「コミュニティーフレンド」的な支援が出来たらよいのかもしれません。
障害児を育てている人だけでなく、子育て中の人は、そういうものを求めているのだろうと思います(育児サークルが盛んなのも、その現れですね)。最近は、保育所などが子育て支援の拠点になり、育児に悩む親の相談にのったり、一時預かりしたりしていますが、そういったものも、もっと身近で利用しやすいものになるといいな、と思います。

2006/12/2  12:14

投稿者:satosho

トラバありがとうございます。
母親に自分の時間を確保してもらうために、なにをどうすればいいのか。広島の事件では、ご主人もSOSを発信しておられたようです。いずれまた裁判の中でいろんな話がでてくるのかもしれません。見守りたいと思います。

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