2008/7/19 18:25
研究の「いろは」 NANAの研究活動
今日から、NANAは夏休みです。厳密には、今日は「夏休み」というより、「土曜日
だから休み」なのでしょうが、「休み」には違いありません。来月の25日まで、と
私たちのころと比べると、かなり短いですが、それでも長い夏休みの始まりです。
夏休みといえば・・・
「自由研究にかけるし!」とNANA。「その代わり、宿題はできないと思う」と
きっぱり言ってのけます。
さすがに6年生、6回目の夏休みともなると、潔いですね、ははは・・・
とはいえ、私は凡人なので、「まぁ、できる限り、他の宿題もやったほうがいい
と思うで」と助言。昨年は、「他の宿題」、つまり、ワークブック・プリントも
読書も、一通りこなせたのですから、なせばなるだろう、と。
今年も、NANAの自由研究のテーマは、大きくて、取り組みにくいものです。
「動物の手足の長さ」なんていうのですから・・・
「だって、人間が象のマネをするときは、膝をつくやろ?でも、象は、膝を
ついているわけじゃない。人間は足のほうが長いんや。それは二足歩行する
からやと、オレは思うんや」
「二足歩行するなら、体の重心が低いほうがいいから、足は短いほうがいいん
じゃない?」
「いや、二足歩行するためには、筋肉がたくさんいるから、長いほうがいい」
う〜ん、そうかなぁ・・・
「早く走る動物は、足が長いやろ。あれも、筋肉が・・・」
う〜ん、そうかなぁ・・・
「イルカの足は退化してなくなっているけど、骨は残っているやろ?
それに、胸びれのあるイルカもさぁ・・・」
「猿は、手のほうが長いものもあるよなぁ」
「草食動物の後ろ足の形は・・・」
う〜ん、まとまるのかなぁ・・・
「夏休み中には、まとまらへんかもしれん。その可能性が高い」
そ、そうだよねぇ・・・
発想は面白いと思うんですが、何から手をつければいいのか分かりません。
何せ、異常にスケールが大きいですから。
これはもう、専門家にアドバイスしてもらうしかありません。
NANAは明日から、大阪の自然史博物館へ泊りがけで行きますし、自由研究の
相談会にも参加しますから(まぁ、これほど「大きな」テーマを持ち込む
小学生も珍しいでしょうけれど)、そこで指導を受ければよいでしょうが、
今日は土曜日ですから、おなじみのK大博物館でも意見を聞いてみよう、
ということになりました。
炎天下、自転車に乗って、K大博物館へ。
今日はあいにく、動物学系の人がおられませんでした。NANAは、緊張した
面持ちで、おじいちゃん先生に自分の構想を打ち明けました。
先生は、NANAの話を面白そうに聞くと、「そりゃあ、話を単純化しすぎとる。
そんなに簡単な話なら、誰も苦労はせんわ」とNANAの仮説の矛盾を次々と
指摘されました。
そして・・・
「そんなにな、いきなり動物全体に広げて考えるんじゃなくてな、まずは、
身近な話からな、小さい話から取り組んだほうがいい。手足の長さもな、
たとえば、自分の手足と猿の手足、チンパンジーの手足を比べてみる、
生活の違いも比べてみる、二足歩行かそうでないかも比べてみる、これは
ええ。けどなぁ、一気に、草食動物も、肉食動物も、とかな、体のバランス
なんていうとな、これはちょっと、話が大きすぎる」と。
NANAは、ちょっと不満げで、あれこれ、「でも・・・」と反論していました
が、おじいちゃん先生は笑いながら、「そりゃあ、もうな、中学にいって、
高校にいって、K大に入って、大学院に来てな、それから、取り組まんと
いかんぞ。でも、今は小学生だからな、そんな難しいことを考えるのじゃ
なくてな、もっと身近なことをしっかり観察しなさい。犬の足を見たことは
あるか?猫の足、馬の足、鹿の足、どんなふうになっとる?爪は?立ち方は?
そんな、何でもないようなことだけれど、しっかり見て、違いを知る、
そういうことをやりなさい」
ありがたいアドバイスです。
と、NANAは、いかにもNANAらしい発言をしました。
「じゃあ、犬の足とかを図鑑で調べてみて・・・」
先生が「図鑑かぁ」と大笑い。「図鑑もええけどな、実際に見るのが一番いい。
実際に見て、触って、なめて、食べてな」。
あぁ、そういえば、昔、先生は岩塩をNANAになめさせて下さったっけ。
周りの院生さんたちも、いつの間にか集まってきて、口々に、「そうそう、
実物を見るのが一番いいよ。図鑑よりも、自分の目で見られるのなら、それが
一番いいんだ」。
その様子を、「分野は違っても、同じだなぁ」と思いながら、私は見ていました。
若い(といっても、NANAほど若くはありませんが)研究者は、とかく、大きな
問題に取り組もうとします。手に負えないような、大きなテーマをかかげて、
「何とか解決してやる」と・・・しかし、大抵は想いだけが空回りし、失敗に
終わります。
私の師匠が言いました。「あのな、その大きなテーマで一冊の分厚い本を書くと
考えるんや。それでな、その一章、一章に取り組む・・・そんな気持ちでな、
一つ一つの研究を積み重ねていくんや」
その時々、自分の実力、経験に見合った題材を丁寧に扱い、それをいくつも、
いくつも積み重ねて、いずれは大きなテーマに・・・
おじいちゃん先生は、何も、NANAのテーマがばかげている、とおっしゃった
わけではありません。でも、小学生のNANAの実力、経験には適合していない、
小学生でできることを丁寧にやってみなさい、それを積み重ねていけば、
いずれ、自分の思うテーマに取り組める日が来るだろう、と・・・
まさに、研究の「いろは」を教えて下さったわけです。
帰り道、NANAは呆然としていましたが、気を取り直し、「まずは、チョコを
観察してみようかな!」
そう、格好の観察対象が家にいるじゃない!!
テーマを再考し、小学生のNANAらしい(できれば、夏休み中に決着のつく)
研究に取り組めればいいなぁと思います。
だから休み」なのでしょうが、「休み」には違いありません。来月の25日まで、と
私たちのころと比べると、かなり短いですが、それでも長い夏休みの始まりです。
夏休みといえば・・・
「自由研究にかけるし!」とNANA。「その代わり、宿題はできないと思う」と
きっぱり言ってのけます。
さすがに6年生、6回目の夏休みともなると、潔いですね、ははは・・・
とはいえ、私は凡人なので、「まぁ、できる限り、他の宿題もやったほうがいい
と思うで」と助言。昨年は、「他の宿題」、つまり、ワークブック・プリントも
読書も、一通りこなせたのですから、なせばなるだろう、と。
今年も、NANAの自由研究のテーマは、大きくて、取り組みにくいものです。
「動物の手足の長さ」なんていうのですから・・・
「だって、人間が象のマネをするときは、膝をつくやろ?でも、象は、膝を
ついているわけじゃない。人間は足のほうが長いんや。それは二足歩行する
からやと、オレは思うんや」
「二足歩行するなら、体の重心が低いほうがいいから、足は短いほうがいいん
じゃない?」
「いや、二足歩行するためには、筋肉がたくさんいるから、長いほうがいい」
う〜ん、そうかなぁ・・・
「早く走る動物は、足が長いやろ。あれも、筋肉が・・・」
う〜ん、そうかなぁ・・・
「イルカの足は退化してなくなっているけど、骨は残っているやろ?
それに、胸びれのあるイルカもさぁ・・・」
「猿は、手のほうが長いものもあるよなぁ」
「草食動物の後ろ足の形は・・・」
う〜ん、まとまるのかなぁ・・・
「夏休み中には、まとまらへんかもしれん。その可能性が高い」
そ、そうだよねぇ・・・
発想は面白いと思うんですが、何から手をつければいいのか分かりません。
何せ、異常にスケールが大きいですから。
これはもう、専門家にアドバイスしてもらうしかありません。
NANAは明日から、大阪の自然史博物館へ泊りがけで行きますし、自由研究の
相談会にも参加しますから(まぁ、これほど「大きな」テーマを持ち込む
小学生も珍しいでしょうけれど)、そこで指導を受ければよいでしょうが、
今日は土曜日ですから、おなじみのK大博物館でも意見を聞いてみよう、
ということになりました。
炎天下、自転車に乗って、K大博物館へ。
今日はあいにく、動物学系の人がおられませんでした。NANAは、緊張した
面持ちで、おじいちゃん先生に自分の構想を打ち明けました。
先生は、NANAの話を面白そうに聞くと、「そりゃあ、話を単純化しすぎとる。
そんなに簡単な話なら、誰も苦労はせんわ」とNANAの仮説の矛盾を次々と
指摘されました。
そして・・・
「そんなにな、いきなり動物全体に広げて考えるんじゃなくてな、まずは、
身近な話からな、小さい話から取り組んだほうがいい。手足の長さもな、
たとえば、自分の手足と猿の手足、チンパンジーの手足を比べてみる、
生活の違いも比べてみる、二足歩行かそうでないかも比べてみる、これは
ええ。けどなぁ、一気に、草食動物も、肉食動物も、とかな、体のバランス
なんていうとな、これはちょっと、話が大きすぎる」と。
NANAは、ちょっと不満げで、あれこれ、「でも・・・」と反論していました
が、おじいちゃん先生は笑いながら、「そりゃあ、もうな、中学にいって、
高校にいって、K大に入って、大学院に来てな、それから、取り組まんと
いかんぞ。でも、今は小学生だからな、そんな難しいことを考えるのじゃ
なくてな、もっと身近なことをしっかり観察しなさい。犬の足を見たことは
あるか?猫の足、馬の足、鹿の足、どんなふうになっとる?爪は?立ち方は?
そんな、何でもないようなことだけれど、しっかり見て、違いを知る、
そういうことをやりなさい」
ありがたいアドバイスです。
と、NANAは、いかにもNANAらしい発言をしました。
「じゃあ、犬の足とかを図鑑で調べてみて・・・」
先生が「図鑑かぁ」と大笑い。「図鑑もええけどな、実際に見るのが一番いい。
実際に見て、触って、なめて、食べてな」。
あぁ、そういえば、昔、先生は岩塩をNANAになめさせて下さったっけ。
周りの院生さんたちも、いつの間にか集まってきて、口々に、「そうそう、
実物を見るのが一番いいよ。図鑑よりも、自分の目で見られるのなら、それが
一番いいんだ」。
その様子を、「分野は違っても、同じだなぁ」と思いながら、私は見ていました。
若い(といっても、NANAほど若くはありませんが)研究者は、とかく、大きな
問題に取り組もうとします。手に負えないような、大きなテーマをかかげて、
「何とか解決してやる」と・・・しかし、大抵は想いだけが空回りし、失敗に
終わります。
私の師匠が言いました。「あのな、その大きなテーマで一冊の分厚い本を書くと
考えるんや。それでな、その一章、一章に取り組む・・・そんな気持ちでな、
一つ一つの研究を積み重ねていくんや」
その時々、自分の実力、経験に見合った題材を丁寧に扱い、それをいくつも、
いくつも積み重ねて、いずれは大きなテーマに・・・
おじいちゃん先生は、何も、NANAのテーマがばかげている、とおっしゃった
わけではありません。でも、小学生のNANAの実力、経験には適合していない、
小学生でできることを丁寧にやってみなさい、それを積み重ねていけば、
いずれ、自分の思うテーマに取り組める日が来るだろう、と・・・
まさに、研究の「いろは」を教えて下さったわけです。
帰り道、NANAは呆然としていましたが、気を取り直し、「まずは、チョコを
観察してみようかな!」
そう、格好の観察対象が家にいるじゃない!!
テーマを再考し、小学生のNANAらしい(できれば、夏休み中に決着のつく)
研究に取り組めればいいなぁと思います。
2008/7/19 23:52
投稿者:MOMO
2008/7/19 22:37
投稿者:pega
今日から夏休み! びっくり!!!! うちの小学校は、木曜日からです。来月は26日まで。隣なのに違うなんて^^;
おじいちゃん先生、すごくいいですね。なんだか、自分にも、できもしないことに取り組もうとして、取り組むことさえできずに終わった記憶がいくつも思い出されます。
うちの子は今年は何をするのかなあ。○研の付録のありの巣の観察を楽しみにはしてますけどね。青虫を飼ったとき、ながめたり世話をしたりしたのは親ばかりでしたからね^^;
おじいちゃん先生、すごくいいですね。なんだか、自分にも、できもしないことに取り組もうとして、取り組むことさえできずに終わった記憶がいくつも思い出されます。
うちの子は今年は何をするのかなあ。○研の付録のありの巣の観察を楽しみにはしてますけどね。青虫を飼ったとき、ながめたり世話をしたりしたのは親ばかりでしたからね^^;
2008/7/19 20:53
投稿者:MOMO
ホントにね、とてもいいアドバイスだと思います。帰り道、ちょっぴり落ち込んでいる様子のNANAに、「野球でたとえれば、王監督にバッティングの基礎を教えてもらったり、元メジャーリーガーに何かアドバイスをもらったようなもんだよ」と話したら、「そうやな!すごいな!」って。
おじいちゃん先生はね、実は、NANAに、ものすごく貴重なチャンスを与えてくれるところだったんですけど、これはNANAのほうが自信がなくて辞退・・・「せっかくのチャンスなのに!」と私など、横でヤキモキしましたが、この「変に大胆で、妙に謙虚な」ところがNANAなんですね。
おじいちゃん先生はね、実は、NANAに、ものすごく貴重なチャンスを与えてくれるところだったんですけど、これはNANAのほうが自信がなくて辞退・・・「せっかくのチャンスなのに!」と私など、横でヤキモキしましたが、この「変に大胆で、妙に謙虚な」ところがNANAなんですね。
2008/7/19 20:36
投稿者:KAZUはは
さすが、おじいちゃん先生、適格なアドバイスですね。
おじいちゃん先生に、夏休み初日に会えたのはよかったですね。
KAZUは、今日明日と田舎に父と帰省して、法事に参加してます。夏休み、自主的に預かってきたクラスのミドリガメの世話は、いきなり私です。
おじいちゃん先生に、夏休み初日に会えたのはよかったですね。
KAZUは、今日明日と田舎に父と帰省して、法事に参加してます。夏休み、自主的に預かってきたクラスのミドリガメの世話は、いきなり私です。

おじいちゃん先生、いいでしょう?博識でね。NANAが一目置いている、数少ない大人の1人です?!
明日は明日で、NANA待望の博物館へのお泊まりです。寝袋2つ担いで大阪までいくのは、さすがにツライので、寝袋は1つだけにして広げてマットにし、タオルを上からかけて寝ることにしました。床に寝るのは平気ですが、骨に囲まれるのは憂鬱です。