2008/4/8  19:16

E´tude de la langue  Mumbling

昨日の一日中の雨は、桜を洗い落としてしまった。
花弁の絨毯の木屋町通を通り抜けると、一昨日まで見事で美しかった枝葉は、
寂しげになっていて、だから桜って儚いから好きになれないのだ、
と残念な気分になりながら仕事へ。

今週日曜日からパリオペラ座の元校長先生とお仕事をしている。
もう先生とのお仕事は昨年経験済みなので、幾分か緊張もほぐれ、
それでも毎日3時間は一緒にお仕事するので、注意深く先生の話されることを聞きながら、
自分がバレエのレッスンを受けるかの如く、パの順番や雰囲気を読み取ることに集中する。
このレッスンは次の日曜日までほぼ毎日ある。

とても濃厚な3時間なのでいつも終わった後はぐったり疲れる。
精神的な緊張と集中力が体力を奪うなんて凄いと思う。(まあ、年のせいもあるが)
とは言え、一緒にお仕事している先生こそ70歳を過ぎておられるのに、
よく動かれるし、熱心に教えて下さるし、お疲れにならないのかと気遣う。

今日はレッスンとレッスンの間に先生とお話しする貴重な機会があった。
コーヒーを飲んであまおうを摘みながら先生が言うには、
『どうしてみんなこう、表現に乏しいのかしら。
そして語学を習得するという熱意が無いのかしら。』と。
そ、それは、、、日本人は言われると頭が痛いところかも。
先生が疑問を持つのも当然だと分かりながらも、ちょっと返答に困った。

確かに先生はフランス人だけど、勿論英語も当たり前のように話される。
私が今までご一緒させて頂いたパリオペラ座バレエ学校の先生やダンサーで
英語を話せない人は皆無だった。
世界の第一線に立つ人はきちんとした教育を受けている、又は自分で努力する、
それは当然のことだと、思われている。

私は高校から音楽高校に進んだが英会話の授業は無かった。
勿論英語の授業はあったが、勉強嫌いの私は成績不良だった。
学校の先生から西洋の芸術を学んでいるのだから、
将来海外に出たり、海外のアーティストと交流することもあろうから
コミニュケーションを取れるように語学を熱心に学びなさい、と言われたことも無かった。
そして、自分の周りにも留学の経験のある先生が少なかったせいか、
外国の話を全然聞く機会がなく、ただただ知識でだけバッハが、ベートーベンが、
とベタな日本語読みの作曲家の名前と歴史とを耳から聞いて頭に入れても、
感覚とひらめきが勝負!実生活も即興屋の私にはピンと来ないのであった。
(というのも後からそのピンと来る感覚が何か分かったものだから。。。)

そんな環境にいた高校時代の私だったから、
高校生の時はそれこそ外国人に話しかけられると逃げ出しそうだった。
まだ自分が西洋芸術を学ぶ手段が何か分かっていなかったと思う。
稚拙で、実にコワいもの知らずだったということだ。

そんな私と生徒を照らし合わせてみると、私は何も言えない。
私だってもしもっと早くいろいろなことに気づいておれば、
もっと違う人生を送っていたのに違いない。
私も高校生の頃は女史の様な凄い先生にお会いしても
何も話せずおろおろしただけだろう。

大学に入って私の作曲の教授(原 嘉壽子氏)、和声学の先生、
第一副科ピアノの先生、第二副科声楽の先生、全員留学経験のある先生に当たった。
イタリア、フランス、ドイツと留学先は様々だったけど、先生方が語る留学して初めて悟った
西洋音楽についての話が凄く興味深く、私も是非ヨーロッパに行ってみたいと思うようになった。
そして大学の海外研修に参加して帰って来てすぐに、語学を学びたいと初めて思ったのだ。

それからは語学は勿論、宗教が音楽、医学、哲学、総ての芸術に至って影響を
与えるものだと知り、行っていた大学がキリスト教系だったのもあり、
全く興味のなかった分野にまで興味を持つことになる。

という話をおこがましいながらも女史にすると、成る程、と頷いて聞いて下さった。
(この話は私のフランス語力では難しいので英語でした。)
確かに英語なんか話せなくても日本で暮らせるし、何の不自由もない。
でも、芸術家たるもの、外国人と接する機会があると分かっているなら、
語学を学ぶことに全然損は無いと思う。
学ぶことで何かを発見する驚きこそが、むしろ芸術家として必要なことかも。

この仕事をしてるからこそ、語学を学ばなければならないと思う。
それは、ピアニストとしても、店のオーナーとしても。
店でアルバイトをしてくれている学生達もみんな英語が上手だ。
勿論英語が出来るという条件で雇ってはいるが、
私は自分が大学生のとき、英語も使えて外国人と接することが出来て楽しそうだから
この仕事をしようと思うことは無かっただろうから恐れ入るし、
そうやってきちんと英会話を習得しているスタッフは私が大学生のときより
うんと賢く、大人びて見えて羨ましくさえ思う。


バレエのレッスンが終わってからバレエ学校の
高等課程の生徒の一人とドイツ語を勉強した。
彼女は今週末からドイツに短期留学するので、レッスンするというよりも、
私もドイツ語忘れない為に、一緒に勉強するって感じでね、と始めたものだ。
今日は最後のレッスンだったので、本当に気をつけて行って来てね、と言うと、
彼女は「あの、先生、とっても楽しかったので、また留学終えて帰って来ても、
先生がお時間あれば一緒に勉強して下さいますか?』と言ってくれて、凄く嬉しかった。
忙しいけど時間を割いてやって良かった、と本当に思った。

そう、語学は楽しんで学ばなければ。
うちの主人も遂に日本語で寝言を言うようになった。
昨日の寝言は何だか江戸川乱歩めいている。
『アヤシイクロネコデスネ。。。。。。』
わけ分からんが、大爆笑してしまった私であった。









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