2005/7/8  10:46

スポーツビジネスの根幹はチケットセールスにあり  スポーツ・ビジネス

 日本のプロ野球でも、ついに今年の5月6日から、約1ヶ月半に及ぶセ・リーグとパ・リーグによるインターリーグ(交流戦)が行われました。 私は、交流戦の実施は評価すべき試みであったと思っています。それは、今まであまり球場に足を運ばなかった人たちを、球場に野球観戦に行こうと思わせるきっかけとして、交流戦というイベントが少なからず機能したと考えられるからです。事実、対巨人、対阪神という人気カードを手に入れたパ・リーグ各球団は軒並み観客動員数を伸ばすことに成功しました。しかし、セ・リーグのほとんどの球団では観客動員数が減少し、プロ野球界全体としては、交流戦による観客動員数の伸びはわずか3%にしかなりませんでした。今回のコラムでは、この観客動員数に直接結びつく、チケットセールスについて取り上げようと思います。

 私は、チケットセールスこそ、野球に限らず全スポーツビジネスにおける根幹であると考えています。それはなぜでしょうか? スタジアムにお客さんが足を運んでくれることの恩恵は、スタジアム内でのグッズや飲食物の売上増加だけには留まりません。多くの人が見てくれるのならば、スタジアム内の看板広告など簡単に売れてしまいます。スタジアムに人が溢れる、魅力あるコンテンツならば、テレビ局の放映権購入意欲も高まりますし、時間やお金、あるいはスタジアム収容力の問題で試合を見にいけないファンやサポーター達はかわりにテレビ観戦しますから、視聴率もとれるわけです。そして、球場に来たファン自身も、何万という大勢の観衆の中で応援することで、非日常的な空間を共有する喜びを感じ、再びスタジアムへ足を運びたいという気持ちになることでしょう。チケットセールスがうまくいけば、スポーツ周辺にある全てのビジネスが連鎖的にうまくいく、好循環が起こるわけです。

 それではどのようにすればチケットセールスはうまくいくのでしょうか。当然、魅力あるコンテンツならば、そのチケットも売りやすくなることに間違いはありません。今回のケースでは、交流戦という今までの日本のプロ野球にはなかった新しい試みであり、これは観客を呼ぶために少なからず機能したはずです。しかし、それでも交流戦がプロ野球全体として盛り上がりきらなかった一因に、各球団の組織的な問題があると、私は考えます。

 アメリカで球団経営に携わるのは、皆スポーツビジネスのプロ達です。チケットセールスのプロ、スポーツマーケティングのプロ、ゲームオペレーションのプロ…。皆若いときからスポーツビジネスに携わり、身をもってスポーツビジネスを学んできた人たちで、スポーツ発展への情熱も、球団経営に関わる知識も豊富に持っています。当然、チケットセールスの重要性も心得ています。
 それに比べて、日本ではまだまだそういったプロ達が少ないのが現状です。特に各球団で要職についていらっしゃる方々の多くは、球団親会社からの出向である場合が少なくありません。そのため、チケットセールスこそがスポーツビジネスの根幹であり、自分の球団のチケットセールスの部署に、もっと人員や予算をさくべきであるという発想がなかなか生まれてこないのです。仮に生まれたとしても--本人は出向の間、大きな失態をおかさなければ、数年後には本社へ戻り、新しいポジションが用意されるわけですから--球団経営に必死になる必要がなく、わざわざリスクをおかしてまで、その発想を実施に移す可能性が小さいのです。

 プロ野球球団がその経営を改善していきたいならば、まずはチケットセールスの部署を強化することです。もちろん、人数を増やしたからといって、すぐに観客動員数が伸びるとは限りません。しかし、セールススタッフが営業活動の中で直接お客さんから聞かされる話の中には、お客さんにチケットを買ってもらうための様々なアイデア(チケットのパッケージプランや魅力的なプロモーションの種)がたくさん詰まっているものです。また、営業中に寄せられる苦情の中には、顧客満足度をあげるためのヒントが隠されています。そういったことを無駄なく吸収し、改善していくことで、徐々にチケットセールスは伸び、先述したように、周辺のいろいろなビジネスも次第に好転していくでしょう。
 一部の球団をのぞいて、大きな黒字が見込めないプロ野球球団の経営状態の中で、あえてチケットセールス部門にかけるお金を増やすことは、大きな賭けのように聞こえるかもしれません。しかし、それは球団経営に関わるビジネス全てを好転させるために、最も確実かつ基本的な方法なのです。


2005/6/24  10:34

セミナーと懇親会(東京ドームホテルスウィートにて)を終えて  セミナー・懇親会

 6月19日日曜日、東京ドームホテルのエグゼクティブ会議室とスウィートルームにて、第21回「東京オカモト塾」(通算28回)とオカモト塾懇親会を開催しました。1次セミナーは11人が受講。続いて行った懇親会には、過去のセミナー参加者23名の他、プロ野球・Jリーグ・bjリーグ(日本初のプロバスケットボールリーグ)・IMG(世界最大のスポーツマネジメント会社)の各現場で活躍されている社員の方々、テレビ局スポーツ番組制作の担当者等がゲストとして多数出席してくださいました。はじめは緊張しがちだった参加者も、徐々にアメリカンスタイルのホームパーティに慣れ、各自歓談、ネットワーキングに時を経つのも忘れ、午後3時半から6時半の予定だった懇親会が、結局終了したのはそれを超える午後7時過ぎとなりました。このように盛り上がった懇親会は、参加者の皆さんにとって非常に有意義だったはずと自負しております。

 ネットワーク、人脈というのは、とても大切なことです。ビジネスにおいても、ビジネス以外においても重要です。私の著書『メジャーリーグに就職する方法』を読んでいただければ分かるとおり、私は運に頼るのではなく、「縁」や「邂逅」を大切に努力することによって運も引き寄せ、ビジネスに関わる様々なチャンスを得ることができました。また、命を救われたこともありました。これからスポーツビジネスの世界で、世界的に活躍していこうと思うなら、当然英語は必要ですし、コンピュータを扱える技術も大切ですが、時としてネットワークというのは、それらよりも遥かに大きな役割を果たすものです。

 今回の参加者の皆さんには、縦横のつながりを大事にして、今後ともお互いに情報交換したり、お互い刺激しあったりして高いモチベーションを保ち、夢に向かって邁進していってほしいと思います。またゲストの方々に対して失礼にならないように気をつけつつ、お会いできた「縁」を大切にしてもらえればと思います。

最後に、セミナー・懇親会参加者から送られてきた感想文の一部を紹介します。


●今回は実際にスポーツビジネスの世界で御活躍されている人々との出会いがあり、楽しさと厳しさを少しながら垣間見た思いも致しました。
(M.Tさん、40歳、懇親会参加者)

●お話できたみなさん一人 一人のお話がどれも僕にとっていいアドバイス、情報、刺激、そして励みになりました。こういった機会は滅多にあるものではないので、岡本さんが常々おっしゃっている「横のつながり」をできるだけ多く作れるように致しました。
(K.Nさん、19歳、懇親会参加者)

●「英語、パソコンを使えることが当たり前になっていて、なおかつプラスアルファでもう1つ何か持っていないと、このスポーツビジネスの世界だけでなく、これからの社会の中でone of themになってしまう」という岡本さんのお言葉がすごく印象に残っていて、これまでの私の自分に対しての甘さを痛感させられました。(中略)ですから今後は「今日は単語を必ず10個覚える」などの目標を毎日たててやっていきます。今後のスポーツビジネス界を発展させる1人になるべく日々精進していきます。岡本塾に参加できてとてもよかったです。
(R.Mさん、21歳、セミナー・懇親会参加者)

●「チャンスをつかめる人間になること。その為に日々準備しておくこと。」「行動しても失敗や悪い結果に終わることが多い。そこで何かを学ぶか。あきらめるのか、あきらめないのか。」実際にスポーツビジネスの世界で働かれている岡本さんやオカモト塾の先輩方からこのような言葉を聞いたおかげで、自分に何がもっとも欠けていたかを自覚できました。「本当にやりたいなら、もっと深く考えろ!」今日岡本さんから受けたこのアドバイスを忘れないように、明日から行動していきます。
(J.Yさん、28歳、セミナー・懇親会参加者)

 次回の懇親会は、秋ごろを予定しています。今回、予定があわず参加できなかった方も、次回は是非参加し、ネットワークを広げる機会を作ってください。

2005/6/13  20:58

秋の吉報を信じて No.3  その他

 去る6月7日、中京大学の野球場で、愛知大学野球連盟1部と2部の入替戦が行われました。中部大学と名古屋商科大学、両チーム1勝1敗で迎えた最終戦、接戦の末、残念なことに涙を呑んだのは名古屋商科大学でした。
 かつてPL学園高校を率い、甲子園最多勝を誇るあの中村順司監督が現在率いる名古屋商科大学と私との邂逅はだいぶ前になりますが、今年の2月には特に大きな出来事がありました。名商大野球部のために、私がアリゾナ州ピオリア市でのトレーニングキャンプをコーディネートしたのです。約2週間のキャンプの間、私もずっとチームと同行していました。

 ピオリア市は、メジャーリーグ球団であるシアトルマリナーズ、サンディエゴパドレスのキャンプ地として有名な街で、実は名商大のキャンプのためにコーディネートした施設は、その両チームがキャンプで毎年使用している施設でした。立派なクラブハウス、青々と手入れの行き届いた芝生のグラウンド……。キャンプ地に到着したとき、選手達の顔は驚きと感動に満ちていました。そしてそれを見て私もこのキャンプを実現できたことを非常にうれしく感じました。キャンプの終盤では、メジャーリーグ選手たちもスプリングトレーニングのために徐々にピオリア入りしたため、長谷川滋利や木田優夫をはじめ、憧れのメジャーリーガー達がすぐ近くを歩いている姿を見て、選手達はますます感動を深めていたようでした。
 またこのようなこともありました。私は夕食については、選手達を数グループに分け、あえて彼らだけで外食に行かせました。ネイティブのアメリカ人と通訳なしで会話を交わし、質問し、自分達の意思を伝えなければならない状況を彼らに与えたわけです。当然、うまくオーダーできなかったり、ウエイター・ウエイトレスの言葉を理解できなかったりと苦労はあったでしょうが、グローバル化が進む今の社会で必須となっている英語力を鍛える良い機会になったはずです。

 人には、外の世界との触れ合いによって、大きく変わる可能性があります。今回のキャンプを通じて、名商大の学生達が得た、今までにない出会いや感動、言葉・文化の違いから体験した様々な苦労や戸惑い、発見は、野球に対する新たな情熱を生み出したでしょうし、野球以外の面においても、人間として成長する上での大きな糧になったであろうと思います。

 名商大は、今季の2部リーグ戦では圧倒的な力をみせ、7連勝を含む10勝1敗で全ての大学に勝ち越して優勝を成し遂げました。その原動力の一部に、今年2月のピオリアでのキャンプの経験があったと私は信じておりますし、そうであればとても誇らしく思います。
 入替戦こそ惜しくも敗れてしまいましたが、名商大の皆さんから1部復帰の吉報が届くのも、そう遠くないと私は確信しています。皆さん、ぜひこの秋には1部昇格を勝ち取ってください。そして、1部優勝、全日本大学選手権優勝と、新たな高い目標を立て、その達成に向けて頑張ってください。
 私は今後もこのようなキャンプを続けるつもりです。そして、名商大に限らず多くの若者達に、野球を通して新鮮な感動と見聞を広める機会を提供できればと考えています。

 最後に、一言。昔から野球部といえば、1年中毎日、家と学校とグラウンドばかりを行き来するのが普通でした。しかし、スポーツ科学の進化で、短時間で同等以上に効果があげられるトレーニングも開発されている昨今では、1年中練習に打ち込むのが最良の練習方法なのかどうかはわかりません。時代は国際化、IT化と大きく動いています。トレーニングに打ち込むことは当然大切ですが、そればかりでなく、海外へ出るなどして見聞を広める機会を持つことは、若い大学生が今後、社会生活を送るうえでとても重要なことと考えられます。少し話しは飛躍するかもしれませんが、こういった経験の必要性は何も若い学生に限ったことだけではありません。スポーツビジネスの世界にいる人間全てにとっても同じことです。例えばアメリカのスポーツ界で活躍している方々は、スポーツビジネスの世界に「就職」した、スポーツビジネスのプロ達であり、世界中からトップアスリートが集う国で、若い頃から野球に限らずいろいろなスポーツの世界を経験し、見識を広め、スポーツビジネスのセンスを磨いてきた人たちです。では、現在の日本にこのような人材は果たしてどれだけいるでしょうか?例えば、日本にあるスポーツ組織の連盟や協会で幹部を務める方々は、名誉職という立場で、他の仕事の片手間として組織の運営を行っている場合も少なくありません。このような状態が続けば、日本のスポーツは発展どころか、むしろ衰退へと向かってしまうでしょう。通信技術の発達で、海外のスポーツが簡単に見られる時代となり、スポーツに対するファンの目は肥えてきています。このようなファンを満足させ、スポーツを盛り上げていくためには、スポーツを愛し発展を願うばかりでなく、鋭いビジネスセンスとグローバル化に対応できる国際感覚をもったスポーツビジネスのプロが必要なのです。そして、若い人たちの中から一人でも多く、このような人材が出てきてほしい。これは私の切なる願いです。

2005/5/31  22:44

ニューヨークで星野仙一さんと夢を語り合った No.2  スポーツ・ビジネス

 5月22日の夜、星野仙一さんが宿泊するニューヨーク・マンハッタンのフォーシーズンズ・ホテル44階の星野さんの部屋で、たくさんの夢を語り合いました(ここでは紹介できない夢、というか計画もいっぱい!)。
 星野さんは、アメリカの野球文化を紹介するNHKの番組取材で滞米中。
日本では私が帰国するたびにお会いしていますが、アメリカでは星野さんがメジャーのキャンプ取材にいらした今年3月以来のことです。
会うたびに、私は夢を語り、星野さんも夢を語り、そしてそれに対する意見やアドバイスをいろいろ求められます。
今回は野球を中心にした、話題豊富な最近のスポーツ界の動きが話題となりました。先ごろ開催概要が発表された野球のワールドカップ「ワールドベースボール・クラシック」、現在開催中のプロ野球のセ・パ交流戦、さらに独立リーグの四国アイランドリーグや萩本欽一さん、青島健太さんのアマチュアチームのこと。また、本格的な準備活動に入った日本初のプロバスケットボール・リーグ「bjリーグ」のことも話題にのぼりました。
 今、スポーツ界では時代の変化を実感させる、興味深い動きが次々と起こっています。
 そのひとつひとつを、星野さんは冷静に分析。歓迎すべき点、留意すべき点、そして批判すべき点を話してくれました。
 といっても、星野さんは評論家ではありません。
表面的には現場の第一線から退いていますが、引退したわけではありません。外野からの批評ではなく、また自分が戻る世界だからこその、熱い思いをお聞きすることができました。
 そのなかで、私と同じく星野さんも危惧したのは、新しく始まった試みに、果たして継続可能なビジネスモデルがあるかという点でした。初年度から2〜3年は、目新しさもあってスポンサーが付くでしょう。しかし、それが10年〜20年と継続し、発展するビジネスモデルになっていなければ、やがて尻つぼみになってしまいます。
スポーツ界の競争が激しいアメリカでは、カレッジスポーツでさえ、ビジネスとして成り立つオペレーションになっていなければすぐさま淘汰され、消滅してしまいます。どんなに小さなリーグでも、そこにはシビアなビジネスの世界を勝ち抜くオペレーションが働いているのです。
 その世界を身近に見ている私の目からすれば、日本のプロスポーツ界にはまだまだ不完全な点が多いといえます。星野さんは、そういった私の意見を大変興味深そうに聞いてくれました。

 星野さんとは、こうしたことを長時間話ました。
 そして、思いました。星野さんのような、改革の良き理解者であり、推進者がいる限り、日本のスポーツ界は必ず変わる。そして、私たちの夢は必ず実現できると……。

2005/1/30  23:09

2004年11月 TV朝日系「報道ステーション」のスポーツコーナー出演 No.1  スポーツ・ビジネス

 今回私がテレビに出演したのは、評論家としてではなく、日米でのスポーツマーケティングの現役実務者としての出演を「報道ステーション」が承諾してくれたからです。この場を借りてお礼を申し上げます。

 ありがたいことに、日本プロ野球再編問題以来、多くのマスコミ関係からテレビ番組等への出演依頼を頂きました。
しかし、それらはすべてが評論家として、日本の野球界やスポーツ界に対して評論や意見を述べるという内容の依頼でした。

 私は、アメリカに渡ってから一貫してスポーツマーケターとして活動してきたという自負があります。そして、実務者の立場を今後も継続していくことを強く希望していますので、こうした出演依頼をお断りしてきました。

 「報道ステーション」でも申し上げましたが、アメリカ・ベースボールのマイナー球団からメジャー球団、NHL、NBAでの実体験を通して学んだことは、プロスポーツ経営において一番大切なのは、きちんとしたビジネス感覚を持って経営に携わることで、片手間の経営者ではダメだということです。親会社からの出向で、2,3年でまた全く違う仕事に就いたり、全く違うフィールドから球団経営にこられては健全な発展は望めません。スポーツ経営のプロが必要ということです。そして、経営の立場の人は、ファンをもっと重要と考え、経営を行っていくということです。
また、ファンはグラウンド上でのすばらしいパフォーマンスを見に来てくれるわけですから、そのすばらしいパフォーマンスをしてくれる選手もファンと同じように、ケアーしていくことも重要になっていくのです。

最重要であるファンに、一人でも多く球場に足を運んで貰う努力、つまりチケット販売が経営の根幹です。

もしも、球場から溢れんばかりのファンに来ていただければ、放っておいても企業は看板を出したい、TV放送のスポンサーになりましょう、ラジオ放送のスポンサーになりましょう、って必ずやってきます。

 アメリカ・プロスポーツ球団経営は、競技者サイドのスポーツオペレーションと経営サイドのビジネスオペレーションのふたつから成り立っています。
スポーツオペレーションに所属する監督やコーチ、選手とその周囲のスタッフは、その種目を十分に理解できている、またプレーが出来た人たちのほうが、いいでしょう。
しかし、ビジネスオペレーションのチケット販売、スポンサー集め、プロモーションやイベント演出といった仕事は、野球であろうとフットボール、バスケットボール、アイスホッケーであろうとまったくといっていいほど同じです。最終的には、いかにして球団の売り上げを伸ばし、経営を黒字化させるかということです。ということは、必ずしもそのスポーツがうまくプレーできたり、十分に理解できていないとしても、可能ということです。

日本ではついつい1億円のTV放映料といった大きな金額が動く業務ばかりが注目されますが、スポーツ経営で一番大切なのは、ファンの獲得=チケットセールスだということを僕らはずっと肌で感じてきました。

 日本のスポーツ界でもようやくファンを大切にする事や地域密着の重要性が認識されるようになりました。しかし、言うのは簡単ですが、行うのは大変難しいことです。

 私はマイナーリーグ時代に、球団のバッグを持って地元の街にチケットセールスに行ったことがあります。すると、沢山の方が次々と声を掛けて来てくれるのです。「ヘイ!お前は球団関係者なのか?」って。そして、「チケットセールスをしているのです」と応えると、多くの方が購入してくれそうな周囲の人を紹介してくれました。

「地域密着(型経営)」によるブランディングのなせる業です。

そのブランドが構築されるのに、日本では果たしてどれくらいの時間がかかるでしょう? それが、アメリカのマイナー球団と同等の裾野にまで構築されるには・・・。

 それには、沢山の方の力が必要です。プロスポーツ経営に関わる、特にビジネスオペレーションに関わる全ての人が共通認識を持つ事が大事です。片手間ではなくて、プロ意識を持って。
「就社」した会社からの業務命令で球団経営をするのでなく、「就職」するというプロ意識を持ってスポーツビジネスに携わっていただきたいです。
これからのスポーツの発展は、きちんとしたビジネス感覚を持った方々が、組織のトップになって運営、経営を行っていかなければ、そのスポーツは発展するどころか、衰退をしていくということなります。

 国際化がますます進み、選択の幅が広がる時代。
スポーツの世界でも国際化、多様化が進化していきます。そうしたなか、ひとつのスポーツ組織が進んだ経営で繁栄し、多数のファンを獲得することにより、別のスポーツ組織が衰退する可能性もあります。

 微力ながら私は、将来スポーツ界のビジネスオペレーションに携わろうと願う若者たちをサポートする「オカモト塾」を運営しています。2002年5月に出版以降、延べ合計で400名以上の方が受講されています。そして、日本、アメリカのスポーツ界で活躍できるようにサポートを行っています。

 一日にも早く日本のスポーツ界が、アメリカのプロスポーツ経営を追いつき、いつかは追い越せる日が来る事を切に願うものです。


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