2008/5/15  23:55

ミスト  映画

The Mist
2007年/アメリカ (監)フランク・ダラボン
(演)トーマス・ジェーン マーシャ・ゲイ・ハーデン ローリー・ホールデン アンドレ・ブラウアー トビー・ジョーンズ ウィリアム・サドラー
☆☆☆★★★

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皆さん、これは傑作です。劇場に見に行って本当に良かった・・。私自身それほどの期待はしていなかったのですが、、緊張感で座席に縛られた様な感じでした。後ろの席の人はショッキングシーンの度に、おおげさに反応するので、ちょっと迷惑でしたけど。(笑)

のどかな田舎町を襲った大嵐が去った後、不気味な深い霧がゆっくりと街を包み始めた。嵐による家屋のダメージのため多くの住民がスーパーマーケットに買出しに来ていた。やがてスーパーマーケットも霧に包まれる。霧の中にうごめく未知の生き物・・。住民達はスーパーマーケットに缶詰状態で取り残される事になるが・・・。

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原作はS・キングの中篇でもともとは、ホラーアンソロジーの「闇の展覧会」のためにかきおろされた作品ですが、キング短編集の「骸骨乗組員」にも収録されていて、私はそちらを読みました。原作は恐ろしい位の傑作で、キングの隠れた名作の一つです。昔読んだ時には、最高に映画向きだけど、映像化は不可能だな・・なんて思ってた作品なので、CGの時代になってようやく映画化されたのだな・・と、劇場へ足を運んでみたのでした。

思えば、監督のF・ダラボンはメジャーデビュー作「ショーシャンクの空に」と、続く「グリーンマイル」とキング原作の映画でアカデミー賞大量ノミネートされた監督なんですよね。恥ずかしながら「ショーシャンク」は未見なのですが、「グリーンマイル」は大好きな作品。キングの映画化作品としては、どんなにケチをつけられていようと、私はやっぱりキューブリックの「シャイニング」が最高傑作だと思ってますが、ダラボン監督が最もキング作品の世界観をそのままに映像化できる監督なんだなと思いました。

惜しむらくは、有名な俳優が全然出ていない事なんですよね〜・・。そのために妙に地味な公開スタイルになってるのが本当に残念です。是非、多くの方に見ていただきたいです。これはね、キングの描く現代の「クトゥルー神話」なんですよ〜。恐ろしいのだ。

余談ですが、主人公のトーマス・ジェーンの職業は、有名なイラストレーターという設定。最初のシーンで彼が取り組んでいる作品は、キングの「ガンスリンガー」のイラストでした。(笑)



2008/5/14  3:19

ダーウィン展  ネイチャー

2009年に迎えるチャールズ・ダーウィン生誕200年にさきがけ、2005年のアメリカ自然史博物館を皮切りに全世界を巡回中の「ダーウィン展」が日本にやってきました!2009年には故国のイギリスでの開催になるそうです。楽しみにしていたので、私も休みの日を使っていそいそと上野の国立科学博物館へ行って参りました。

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チャールズ・ダーウィン(1809年〜1882年)は、裕福な医者の息子としてシュルーズベリーで産まれる。(カドフェルの舞台じゃなかったっけ?)祖父は二人とも超有名人。母方の祖父は陶磁器で有名なウェッジウッドの創始者ジョサイア・ウェッジウッド。父方の祖父は、医師、発明家、哲学科、政治思想家、自然史科として国を代表する人物だったエラスマス・ダーウィン。

実はエラスマスは、チャールズにさきだって独自の「進化論」を提唱していた。なので、ダーウィンが進化論を発表するきっかけになったのは、この祖父の思想に感化された事が大きい様です。

今回の展示は、やはりかなりの部分、説明ボードを読み込まないといけない内容だったので、何だかんだでまわりきるのに2時間以上かかってしまいました。一番楽しかったゾーンは、「ビーグル号航海」に関する展示場所。ここは、やはり彼が進化論を確信するに至った道程を感じる事が出来る内容で、本物の大ガメやイグアナもいたりして楽しかった。(上野動物園から出張らしいです。笑)

「ビーグル号航海記」オリジナル The Voyage Of The Beagle (Penguin Classic)
読もうかなと思ったら、岩波文庫で版切れ中!何てこった!

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英国軍艦ビーグル号は、政府の命により、南北アメリカの海岸線を調査し、詳細な海図を作成するために、2年の世界周航の旅に出るが、結局は5年の月日を費やす事になる。ダーウィンは科学調査のための同行を許され、南米、オーストラリア、そして絶海の孤島であるガラパゴス島で様々な奇妙な動物達を目にし、種の多様性はどこからくるのかと疑問を抱く様になる。

アルゼンチンのアルマジロ。その奇妙な形に好奇心をそそられ、大好きな動物になるが、ひどい事に彼はアルマジロを丸焼きにして食べてしまう。すごく美味しいそうです。(汗)

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ガラパゴスでは、本来陸上生物であるイグアナは海に潜る。何故なのか?ウミイグアナ。

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帰国後ダーウィンは結婚をし、ロンドン郊外のダウンという村に邸宅をかまえ、研究と執筆作業に没頭する。その間、様々な研究にとりくみ、とりわけ人為的に改良される動物、犬、ハト等を対象にした研究で「進化論」発表のための準備を進めて行く。満を持して1858年に「種の起源」を発表。彼としては、教会を中心にした世間の反撥が相当怖かった様です。

今回知った事で嬉しかった事の一つはダーウィンが少年時代から無類の昆虫好きだった事。実は私も昆虫が大好き!当然「ファーブル昆虫記」は寝食も忘れる位に、夢中でよみふけったものです、惜しむらくはダーウィンの進化論をバカらしいと一蹴している事。ファーブルは観察者としては超一流ではあるけれど、科学の進歩のために必要なインスピーレーションが欠けている。

「ダーウィン展」は6月22日まで上野の国立科学博物館にて開催中!その後、7月19日〜9月21日まで大阪市立自然史博物館へ巡回します。ご興味のある方は是非!



2008/5/13  0:19

トゥー・ブラザーズ  映画

Two Brothers
2004年/イギリス・フランス (監)ジャン・ジャック・アノー
(演)ガイ・ピアース ジャン・クロード・ドレフュス フレディ・ハイモア
☆☆☆★★

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「薔薇の名前」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」「スターリングラード」と私好みの傑作を発表し続けているJ・J・アノー監督が、1988年の「小熊物語」以来、久しぶりの動物映画。公開当時劇場に行こうかと思っていながら見逃していた作品だったので楽しみに見ました。

1920年代のカンボジア。ジャングルの奥地の荒れ果てた寺院の跡地で2頭のかわいいトラが生まれた。兄のクマルは元気な暴れん坊、弟のサンガは対照的におとなしい性格。仲のいい2頭は一緒にすくすくと育ってゆく。そんなある日、イギリス人ハンターのガイ・ピアースが仏像を盗掘するためこの地にやって来る。そして、盗掘の最中に突然姿を現わした親トラを撃ち殺してしまう。このことが原因で、クマルはサーカスに売られ、サンガは行政官の息子フレディ・ハイモア(チャーリーとチョコレート工場のチャーリー役の男の子)の遊び相手として引き取られてゆくのだったが…。

実のところ、作品的にはどうもしっくり来ない感じで、アノー監督の作品としては失敗作だという感が否めませんでした。お話としてはトラをかなり擬人化した作品で、お伽噺の様な内容なのですが、今ひとつストーリーに引き込まれていけなかったのが残念です。ただ、それを補ってあまりあるのがトラたちのシーン。どうやって撮影したのかわからない様なところが随所にあり、時に恐ろしく、時にやっぱりネコだよね!って思わせる愛らしい仕草のシーンなど、動物好きならたまならい作品でもありました。それで★一個オマケって感じです。

トラ達の置かれた状況のみならず、西洋列強のアジア蔑視、又それに便乗して上前をはねようと企む現地人達、自然破壊の兆しが見えはじめているジャングルの開発計画、動物をねらうハンター達。この時代のそんなこんなが合わせて描かれ、人間はこの地上から消えていなくなって良いよ・・っていう位のいやらしいシーンがたくさんありながら、アノー監督のタッチはいつもながらとても穏やか。

他の作品からも感じるのですが、彼はそんな人間達をも含めて、大きな自然として見ている様な気がします。ありのままを描写して、決して糾弾する姿勢をとらない作風が、どこか仏教思想の様で私は好きなのかもしれない。

「小熊物語」
これは良い作品なんですよ!小熊が悪夢(カエルの夢。笑)を見るシーンなど涙が出るほど可愛らしいです。

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2008/5/10  1:35

お勧めのウィスキー  その他

何だか、あれやこれやと忙しくてなかなか映画が見れない、読書も遅々として進まない。フィットネスもあんまり行けないで、仕事して寝る日々が続いてます。

レビューが出来ないので、とりあえず最近お気に入りのお酒をご紹介します。

このところ寝酒にはウィスキーをよく飲んでるのですが、ウィスキーは値段と味が確実に比例しているお酒で、あんまり安いのはまずくてダメなんですが、お手ごろな価格でおいしいシングルモルト・ウィスキーを発見しました!

友人から「おいしいよ」と進められて、すっかりはまってしまったニッカのシングルモルト・ウィスキー「余市」

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ニッカの北海道余市蒸留所 石炭直火蒸留と謳われてます。お値段は500ml
で1500円位と安いのに、おいしいです!この値段でこの味わいは凄いと思いますよ。

ラベルに記載の味わいをご紹介。
「香り」果実香豊かな香り立ち。やわらかなモルトと甘い樽熟成の香りが爽やか。ほのかなスモーキーさと潮の香り。
「味わい」柔らかでクリーミーな口当たり。フルーツやバニラの甘さと香ばしさが味わいを豊かに。

で、同じくニッカのシングルモルト・ウィスキーをもう一つ発見。こちらもまずまずでした。値段は同じ位です。「宮城峡」もう飲んじゃったので空です。(笑)

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こちらの能書き。
「香り」花のような香り立ち。モルトとかすかなシェリー樽由来の甘い熟成感が調和。林檎の様なさ輪やカナ香り。
「味わい」まろやかでシルキーな口当たり。フローラルな甘さと軽快なフレッシュ感。穏やかな余韻。

しかし、こんなの夜飲むからすぐ眠くなっちゃうんだよね。(笑)

http://www.nikka.com

2008/5/7  1:26

野良犬  映画

1949年/日本 (監)黒澤明
(演)三船敏郎 志村喬 淡路恵子 木村功 河村黎吉 千石規子 千秋実 東野英治郎 伊藤雄之助
☆☆☆★★★

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終戦から4年たった1949年(昭和24年)製作、黒澤明の9作目の作品は、敗戦の傷跡を残しながらも、少しづつ復興しつつある東京を舞台にした刑事ドラマ。

ベルギーの推理小説家ジョルジュ・シムノン(メグレ警部シリーズね)のファンだった黒澤監督は、当時実際にあった「巡査がピストルを盗まれる」という事件をもとに、社会派の犯罪映画にとりかかる。

炎天下の夏の午後、新人刑事の三船敏郎は、バスの中でピストルを盗まれてしまう。スラれたピストルの行方を追って三船は行動を起すが、そのピストルによって障害事件、殺人事件がおきてしまう。ベテラン刑事の志村喬とともに二人は、犯人を追跡する・・。

この作品は何が良いと言って、私にとってはとにかく廃墟の残る東京の風俗描写がたまらない。私は、戦後の焼け跡、闇市、必至に生きのびようとする人々の様子がたまらなく好きで(というか物凄く心を動かされるのです。)、写真集も買ったりした位。GHQ占領下の東京の写真ならどれでも欲しい!何でこんなに惹かれるのかわからないんですが、とにかくその時代を背景に、戦争で自暴自棄になってしまった青年が犯す犯行と、それを追う刑事の姿をセミドキュメンタリータッチで描いた秀作なのです。

バラックの様な家が立ち並ぶ貧民街、復員兵の姿で犯人を探す三船の姿、レビューの踊り娘達の休憩時間の生々しい描写、かぼちゃをつまみに配給のビールを飲む刑事二人、巨人対南海の試合シーン、アプレゲールという言葉等々、今から見ると当時の様子を残す貴重なドキュメンタリーフィルムの様です。

またとにかくドラマも良いんです!素晴らしいんです。細かくあげつらっているとキリがありませんので、未見の方是非見てみて下さいね!尚、最後に絶対に言っておきたいのは、若き三船敏郎の美青年ぶり!もう、「ルードヴィッヒ」のヘルムート・バーガーも真っ青だよ!っていう位の美しい表情のシーンがあったんですが、さてどこでしょうね〜。(笑) 

2008/5/6  0:21

フィットネス日記 メタボ脱出への道 その3  ヘルス

ゴールデンウィークも最終日となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?

3日からの4連休は全て出社のため、フィットネスも小休止となっていますが、年明けにたてた目標の4月までに5Kg減量は既に達成しました!我ながら、よくがんばれたと思います。これも具体的な数字をもとに指導してくれたトレーナーさんのおかげです。

やっぱり嬉しいのは着れなくなって久しい洋服がまたはいる様になった事。窮乏生活の中で、これは非常に貴重です。夏に向けて、もうちょっと落としたいとも思ってるのですが、もうおばさんなのであまり無理しない様にボチボチがんばろうと思ってます。

どうしても下半身に比べて、上半身の落ちかたが大きくて、ちょっとしょぼい感じもあるので、これからは筋量アップに向けたプログラムに変えていこうと予定してます。6月は新薬の治験のための入院が何度かあるのでムリかな〜?体調に変化がなければ良いんですが・・。

5月から通っているスポーツクラブの名称が変わりました!

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ヴィラックス GINZA 
私も心機一転がんばります。

2008/5/4  22:38

椿三十郎  映画

1962年/日本 (監)黒澤明
(演)三船敏郎 仲代達矢 加山雄三 入江たか子 団玲子 小林桂樹 志村喬 藤原釜足 伊藤雄之助
☆☆☆☆

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日本映画の中で一番好きな作品は?と聞かれたら、私はこの作品をあげる事にしているのです。
そんなワケで何度も何度も見ている作品なのですが、今回またまた大いに楽しめました。一体、これほど面白い日本映画があるなんて、高校生の頃はじめてテレビでこの作品を見るまでは思いもよりませんでした。当時はアメリカかぶれ真っ最中で、見る映画といえばアメリカ映画ばっかりだった私に、逆カルチャーショックみたいな作品でもありました。(笑)

「用心棒」の大ヒットで、半年後に公開された姉妹篇。続編ではないのでこの作品から見ても全然OKです。桑畑三十郎から椿三十郎へ。「用心棒」は、殺伐とした雰囲気の中の緊張感にあふれた作品でしたが、こちらはシーズンも春で、うぐいすが鳴いてたりして前作よりはかなりほのぼのムード。緊張感よりも、ストーリーの面白さとコミカルな展開で見せていく作品です。とは言っても、仲代達矢とのかけあいなどはかなりの緊張感。

この映画の原作である山本周五郎の「日々平安」はもともと小林桂樹主演で映画化の予定だったらしいのですが、中止となり三十郎を主人公にそえた「椿三十郎」へと脚色されて映画化。小林桂樹は押入れ侍として出演。

有名なラストシーン。三十郎が使った技は「逆抜き不意打ち斬り」と言うそうです。斬られ役の仲代達矢をはじめ、見守る若侍役の俳優達もこんなしかけになっているとは知らず、呆然としてしまったそうですよ。後のインタビューで仲代達矢は、あまりの衝撃に気絶しそうになったみたいな事を言ってました。(笑)

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次回は「野良犬」だ〜!!What A Wonderful Life! (笑)




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2008/5/2  2:43

4月に見た映画  映画

今月もしょぼいです。(汗)


「暴行」
The Outrage
1963年/アメリカ (監)マーチン・リット (演)ポール・ニューマン ローレンス・ハーヴェィ クレア・ブルーム エドワード・G・ロビンソン ウィリアム・シャトナー
☆☆☆★

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この作品は記事にしようかとかなり迷ってやめましたので、ちょっとFeatureさせていただきます。黒澤明の「羅生門」のアメリカ版リメイクなのですが、オリジナルにかなり忠実な作品なので、見ると結構驚きますよ。アメリカ西部が舞台。

三船の役はポール・ニューマンで、メキシコ人の盗賊という設定。P・ニューマンは後のインタビューの中でもこの役がかなりのお気に入りの様な発言をしているのですが、まず最初はこれがP・ニューマンだとは誰も気がつかないと思いますよ。すっかり野卑なメキシコ人になりきっていて凄いです。彼は、本当はこういう異色な役がやりたかったに違いないんですよね。演技上手いから。ただ、いかんせんハンサムすぎてそれは許されないんですね。でも、それがスターっていうものの宿命です。

作品そのもはかなり辛い感じ。非常に忠実にマジメにつくってあるのが裏目に出ているというか、「羅生門」の中の人間の心情がアメリカが舞台だとムリなんですよ。皆がウソをつくからと言って、人間不信になんかならないって、西部のど真ん中でさ〜。志村喬の役はW・シャトナー演じる牧師さん。あ〜、どうしてもカーク船長にしか見えないのが辛い。(笑)その他語りたいことはいっぱいあるのですが、是非一見の価値ある作品だと思います。しかし、クロサワってやっぱ凄いのね。

「イレイザー」
Eraser
1996年/アメリカ (監)チャールズ・ラッセル (演)アーノルド・シュワルツネッガージェームズ・カーン ジェームズ・コバーン ヴァネッサ・ウィリアムス
☆☆☆★

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シュワルツネッガーは、証人保護プログラムのもと命を狙われる証人達の存在を抹消(Erase)して全くの別人としての生活を始めさせるプロフェッショナル。連邦保安官管轄下です。特殊兵器をロシアのマフィアへ売りさばこうとしている開発会社を告発したヴァネッサを救うために、シュワは超人的活躍を見せるのであった。マヌケでずるいFBI、仲間内の裏切りなど定番スタイルでお話は進みます。まあヒマつぶしには楽しめます。

「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」
In America
2002年/アイルランド・イギリス (監)ジム・シェリダン (演)サマンサ・モートン パディ・コシダイン ジャイモン・フンスー
☆☆☆★★

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D・D・ルイスとのコンビで「マイ・レフトフット」「父の祈りを」と発表したジム・シェリダン監督の自伝的要素の強い作品。病気で幼い息子を亡くした一家が、新天地を求めてアメリカへやってくる。夫婦と娘二人は、貧しいながらも互いを支えあいながら、お互いの傷を癒して行く。エイズで死にかけている黒人ジャイモンとの交流のシーンも良い。命と家族の大切さを描いた作品で、目立つ映画ではないが心に残る佳作だと思う。

「イーオンフラックス」
Aeon Flux
2005年/アメリカ (監)カリン・クサマ (演)シャリーズ・セロン マートン・ソーカス ソフィー・オコネドー フランセス・マクドーマン 
☆☆☆★★

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品種改良によって発生したウィルスにより、人類の99%が死滅した2415年の世界。生き残った500万人の人類は、汚染された外界とは壁で隔てられた都市ブレーニャで圧制されながら暮らしていた。そんな政府に抵抗する反政府組織“モニカン”。そんな“モニカン”のひとり、イーオン・フラックスはブレーニャの支配階級の暗殺を命じられる…。なかなかまじめな作品で浮ついていない。シャリーズも美しいしがんばってます。

4月は以上なのです。(汗) 4月はポランスキーの初期作品が見れたのが一番の収獲でした。
それでは又来月〜。


2008/4/30  14:12

大空のサムライ  

大空のサムライ
坂井三郎 著 講談社+α文庫
上巻 死闘の果てに悔いなし ISBN 4-06-256513-7 ¥880(本体)
下巻 還らざる零戦隊    ISBN 4-06-256514-5 ¥880(本体)
☆☆☆☆

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数年前、私がペーパーバックの担当をしていた時に入荷してきて、日本人、外国人を問わず結構売れているな・・と思った1冊の本。

"SAMURAI" Saburo Sakai

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さかいさぶろうって誰?と思って調べたのが私にとっては彼を知るきっかけでした。坂井三郎。零戦のエース。「へ〜、日本軍にこんな人がいたのか・・・。」と、たくさん仕入れてポップを
たてて展開してみたところ、売れる!第二次大戦関係の書籍も集めてコーナーをつくってみたのが懐かしい思い出です。残念ながらこの英語版は絶版。その他、世界各国語で出版され、血も涙もない冷徹な魔物の様に思っていた零戦パイロットの生身の姿が描かれた作品として好評をはくしているそうです。

で、ずっと気になっていたオリジナルを今回読んでみました。

彼は16歳で海軍に入隊。航空隊のテストに合格し、戦闘機の操縦士となる。飛行機操縦のための練習時代からはじまって、最後の硫黄島での戦いまで、あますところなく戦闘機乗りとしての彼の戦いと苦悩が描かれた作品で、この手のジャンルの書籍としては名著と言って良いと感じました。

反戦だとか、好戦だとか、かやの外から口にするのは容易い事だ。ガダルカナルの空戦で大ケガをして、一度内地に戻された時、血だらけの包帯のまま電車にのった彼を、まわりの人が遠巻きにして嫌な顔をするシーンがある。彼自身は「落ち武者の気分とはこういうものか・・。」と述懐しているのだけれども、自らが行動を起さず、現状を理解できていない一般人とはいつの時代でもこういうものなのだな・・と思い、自身のことも省みてイヤな気持ちになった。

米軍機との死闘のシーンも含め、(1機のロッキードの爆撃機に遭遇した時、珍しい!と零戦隊がアブの様にたかるシーンなど凄まじい。)、最も印象に残るのは、ガダルカナル上空で頭と目をやられながら、何とか生還してくるところ。彼は、自身の最期を感じ、いつも打ち落としているグラマン機に打ち落とさせてやろうと決意し、敵機を探すが、見つからない。そんなこんなのうちに無事に生還してしまう。

200回以上の出撃で、全て生還。彼は戦死する事なく終戦を迎え、2000年9月に84歳で逝去。「戦争を知らないこどもたち」が、こんなにしてしまった日本という国を彼はどの様に感じていたのだろう。やはり、こんな国にするために仲間は死んでいったのか・・という暗澹たる気持ちだったのだろうか。


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2008/4/29  1:17

若きポランスキーの憂鬱  映画

NHK・BSでロマン・ポランスキー監督の初期の作品3本が放映された。長編処女作の「水の中のナイフ」から3夜連続放映。

その後に続く彼の作品群の原点が見る事が出来て、また映画作家としてのその特異な才能も堪能できた3作品でした。

「水の中のナイフ」
Noz W Wodzie
1962年/ポーランド (演)レオン・ニェムチック ヨランダ・ウメッカ
☆☆☆★★

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倦怠期を迎えている夫婦が、ヨット遊びに湖へ向かう途中でヒッチハイクの青年を拾う。夫婦は彼はヨットへ誘うが、ふとした事が原因で夫ともみあいになり青年は湖に落ちてしまう。死んだと思った彼は実は生きていて、先に泳いで帰った夫のいないヨットの上で妻と青年は肉体交渉を持ってしまうが・・。

彼の処女作であり故国のポーランド作品。ヨットの上での3人の密室劇で、人間関係の危うさを描いた作品だと私は解釈した。若者の存在は、夫の若き頃の姿であり、青年も又疲弊した中年へと変貌するであろう事を予感させて映画は終わる。

「反撥」
Repulsion
1964年/イギリス(演)カトリーヌ・ドヌーブ イアン・ヘンドリー ジョン・フレイザー
☆☆☆★★★

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精神衰弱気味のドヌーブは、同居している姉が愛人とともに旅行へ行ってしまい家に一人取り残される。男性恐怖症の彼女は、やがて精神に異常をきたし、殺人を犯した上、ついには発狂してしまう。

ポランスキー渡英後第1作目。この作品は凄かった。ドヌーブの熱演も凄い。エステティシャンとして働く美しいドヌーブが、やがて妄想にとりつかれ、どんどん狂気の世界へと落ち込んで行く過程の描写が見事です。誰かがレビューで、ポランスキーはデビッド・リンチに大きな影響を与えた様な事が書いてありましたが、よく理解できます。リンチ作品の中で見た様な描写がたくさん出てきます。このサスペンス感はやがて「ローズマリーの赤ちゃん」に引き継がれて行くのです。

「袋小路」
Cul-De-Sac
1966年/イギリス(演)ドナルド・プレザンス フランソワーズ・ドルレアック ライオネル・スタンダー
☆☆☆★★★

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全財産を投げ打ってウォルター・スコットが住んでいたという11世紀の古城を入手し、若い妻と新婚生活を過しているD・プレザンスのもとに、負傷した二人のギャングが入り込んでくる。まったく意気地のないプレザンスは、ギャングの言いなりだが、妻は反抗的態度をとり続ける。そしてやがて破綻の時を迎えるが・・。

途中で訪ねてくる友人一家の描写も含めて、登場人物達の中で、最も人間性が豊かなのはギャング達だというところに、この作品の一つのテーマがあると私は感じた。この作品もサスペンス性豊かでありながら、決してアメリカ映画の様な通俗サスペンスではない。

3本の作品を通して伝わってくるのは、ポランスキー監督の絶対的な人間不信の感覚だ。登場人物達は、非常に利己的で、悪魔的でもあり、人間がいかにうわべの顔だけで、お互いがつながっているかという事をこれでもかという位に描写してくる。

「戦場のピアニスト」の公開で、多くの人に周知される事となりましたが、ポランスキー監督はユダヤ系のポーランド人で、戦時中ナチスによって強制収容所に入れられた。両親はアウシュビッツで死亡。何とか脱走して逃げおおせた彼は、父方の親戚に育てられる。この経験が彼の諸作品に影響しているのは間違いないと思う。

1969年には妻のシャロン・テートをマンソン・ファミリーに虐殺されている。70年代には13歳の少女と性的関係を持った罪でアメリカを追われてしまった。

彼にはどこまで暗い事件がつきまとうのだろう・・。しかし、その度に秀作を発表する彼の芸術性は本物だ。「戦場のピアニスト」で初のアカデミー監督賞受賞。これからのポランスキーはどういう作品を発表していくのだろう?とふと気になりました。



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