2008/4/30  14:12

大空のサムライ  

大空のサムライ
坂井三郎 著 講談社+α文庫
上巻 死闘の果てに悔いなし ISBN 4-06-256513-7 ¥880(本体)
下巻 還らざる零戦隊    ISBN 4-06-256514-5 ¥880(本体)
☆☆☆☆

クリックすると元のサイズで表示します

数年前、私がペーパーバックの担当をしていた時に入荷してきて、日本人、外国人を問わず結構売れているな・・と思った1冊の本。

"SAMURAI" Saburo Sakai

クリックすると元のサイズで表示します

さかいさぶろうって誰?と思って調べたのが私にとっては彼を知るきっかけでした。坂井三郎。零戦のエース。「へ〜、日本軍にこんな人がいたのか・・・。」と、たくさん仕入れてポップを
たてて展開してみたところ、売れる!第二次大戦関係の書籍も集めてコーナーをつくってみたのが懐かしい思い出です。残念ながらこの英語版は絶版。その他、世界各国語で出版され、血も涙もない冷徹な魔物の様に思っていた零戦パイロットの生身の姿が描かれた作品として好評をはくしているそうです。

で、ずっと気になっていたオリジナルを今回読んでみました。

彼は16歳で海軍に入隊。航空隊のテストに合格し、戦闘機の操縦士となる。飛行機操縦のための練習時代からはじまって、最後の硫黄島での戦いまで、あますところなく戦闘機乗りとしての彼の戦いと苦悩が描かれた作品で、この手のジャンルの書籍としては名著と言って良いと感じました。

反戦だとか、好戦だとか、かやの外から口にするのは容易い事だ。ガダルカナルの空戦で大ケガをして、一度内地に戻された時、血だらけの包帯のまま電車にのった彼を、まわりの人が遠巻きにして嫌な顔をするシーンがある。彼自身は「落ち武者の気分とはこういうものか・・。」と述懐しているのだけれども、自らが行動を起さず、現状を理解できていない一般人とはいつの時代でもこういうものなのだな・・と思い、自身のことも省みてイヤな気持ちになった。

米軍機との死闘のシーンも含め、(1機のロッキードの爆撃機に遭遇した時、珍しい!と零戦隊がアブの様にたかるシーンなど凄まじい。)、最も印象に残るのは、ガダルカナル上空で頭と目をやられながら、何とか生還してくるところ。彼は、自身の最期を感じ、いつも打ち落としているグラマン機に打ち落とさせてやろうと決意し、敵機を探すが、見つからない。そんなこんなのうちに無事に生還してしまう。

200回以上の出撃で、全て生還。彼は戦死する事なく終戦を迎え、2000年9月に84歳で逝去。「戦争を知らないこどもたち」が、こんなにしてしまった日本という国を彼はどの様に感じていたのだろう。やはり、こんな国にするために仲間は死んでいったのか・・という暗澹たる気持ちだったのだろうか。


この記事のトラックバック先
http://diary.jp.aol.com/zsf4wxzva7/435.html



2008/5/2  2:59

投稿者:ごみつ

ヌマンタ さん

遅い時間に今晩は。

こちらこそTB有り難うございます。
しかしどんな組織でも上層部がダメだと、下がどんなにがんばっても結局はダメになってしまうものですね。

戦争だと、多くの犠牲者が出てしまう。本当に恐ろしいです。

2008/5/1  10:01

投稿者:ヌマンタ

TBありがとうございます。私も別の記事でTBさせていただきました。CS放送での番組がきっかけで、この記事を書いたのですが、坂井氏は現場を知らぬエリートの無駄な改良が、ゼロ戦を駄目にしたと痛烈に非難しています。当時驚きと同時に、納得したものでした。

2008/4/30  23:13

投稿者:ごみつ

ヌマンタ さん

今晩は。
ヌマンタさんの記事も早速読ませていただきました。
で、勝手ながらトラックバックさせていただきました。

「朝まで生テレビ」に出演した事があったんですね!
うわ〜、見たかったな〜。
彼が語ったんじゃ、そりゃ〜、戦後生まれの人間は一言も反論できないと思います。

坂井氏が日本軍上層部を批判した内用の「零戦の運命」っていう本も読みたかったのですが、これは残念ながら版元ぎれ・・。残念!読みたい!です。

2008/4/30  17:28

投稿者:ヌマンタ

私のとこでも、一度取り上げました。単純な反戦主義者ではありませんが、廃刊になった雑誌BARTで痛烈な軍上層部批判をしていたのが印象的でした。この人の間では、口先だけの平和主義者が薄っぺらくみえたものです。

コメントを書く


名前
メールアドレス
URL
コメント本文(1000文字まで)


RSS1.0