2008/7/29  22:37

白痴  映画

1951年/日本 (監)黒澤明
(演)森雅之 三船敏郎 原節子 久我美子 志村喬 千秋実 東山千栄子 千石規子 左ト全
☆☆☆★★★

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痛ましい戦争体験のショックを受け、「白痴」という病気になってしまった主人公。彼が復員して体験する人間の本性とは…。

ドストエフスキー原作「白痴」の映画化作品。当初、黒澤監督は前後篇の6時間近い作品で予定していたらしいが、結局4時間25分に仕上げたものの、会社の意向で2時間46分の短縮公開となった。黒澤監督は、「映画を半分もカットする位なら、いっそフィルムを縦にカットしろ!」と憤慨たらしいです。

その黒澤監督のこの作品に対する言葉。
「ドストエフスキーは若い頃から熱心に読んでいて、どうしても一度はやりたかった。〜 中略 〜 しかし、あの仕事をしている時は辛かったなあ。手に余ったなんてものじゃない。本当に死にたくなったね。たいへんな重さでドストエフスキーが上からのしかかってくる。」

という言葉通り、この作品は黒澤監督とこの作品との格闘のあとがまざまざと感じられる作品でした。設定の非日常性もあわさって、とても不思議な感じのする作品です。そもそもが、この原作の設定を、日本を舞台にして描こうとしたところに、かなりのムリが生じていて、およそ日本人ばなれしたセリフまわしが続くことになります。なので、見ていると舞台劇の様な印象を受けます。これが、この作品をとっても異色なムードに仕立て上げているのが、見方を変えればかなり面白いのです。

それに、いつもとは違った役柄を体当たりで演じる森雅之、ファムファタールの原節子の演技が素晴らしく、それだけでもこの作品を見た甲斐がありました。こんな原節子は黒澤作品じゃないと見れませんよ〜〜。(笑) 今回は脇にまわった三船敏郎、若く美しい久我美子も良い。それと久我美子の母親を演じた東原千栄子の演技は素晴らしかった!彼女だけが、日本人らしい凄いリアリティ。他が浮世離れしてるだけに、物凄く目立ちます。(笑)そして昭和20年代の札幌の風景なども興味深く、見て決して損はない作品だと思います。

ところで!亀田(森雅之)の親戚夫婦、東原千栄子・志村喬の住んでいたお屋敷は、森雅之の父である有島武郎邸を使って撮影したそうです。現在は、札幌市南区芸術の森に移築され、有島武郎資料館みたいになってるそうですよ!子供時代の森雅之の写真も展示されてるそうです。雅之様ファンは、札幌へ行ったら是非足を伸ばしてみましょう〜〜!イェ〜!(笑)

http://www.artpark.or.jp/map/arishima/index.html

追記
以前「醜聞」の記事で、黒澤監督唯一の松竹作品と書きましたが、この「白痴」も松竹作品でした。(汗)お詫びの上、訂正いたします。(「醜聞」の記事も訂正いたしました。)





2008/8/1  9:56

投稿者:ごみつ

RICA さん

今晩は!
ドストエフスキーは、私は一番最初に「地下室の手記」を読んで、これはなかなか面白かったのですが、次に読んだ「罪と罰」は半年位かかってしまいました!(笑)

ちょうど読んでる途中で、父親が亡くなったりしたもので、しばらく中断しちゃったりして。ホントに重たいんですよね。「何でこんなときにこの本を読んでるんだー。」みたいな。(笑)

それ以降読んでなかったのですが、この映画を機に「白痴」を買いました。また半年かかるのか?


2008/7/31  16:12

投稿者:RICA
http://diary.jp.aol.com/tazxuskdhgeg/

ごみつさん、

お邪魔します。

いつもの通り、この映画は見たこと無いのですが・・・
ドストエフスキーについて。
彼の本は読んでてきつい。
私には重すぎで、息が出来なくなってしまいます。
だから1冊も読破した事がありません(笑)
思い出したように、本棚から手に取るのですがやっぱり途中で挫折。

映画だったら終わりまで辿り着けるかも?

2008/7/30  11:39

投稿者:ごみつ

今日は。

早速のお返事&TB有り難うございます!
私も感想は大体、なつさんと同じです。「ちょっとな〜・・」なんて思いながらも、楽しめました。
「凡百の成功作より面白い壮大な失敗作」その通りですね!
雪祭りの仮装大会みたいな夜、原節子がとんがり帽子みたいなマント着てたでしょ。あれ、笑えた。(笑)見所満載ですよね。

そう言えば、有島武郎は、奥さんの死後、編集者の女性(だったかな)と心中自殺してますよね。子供を3人も残して!そんな体験が、森雅之のあらがいがたい、デカダンスな魅力を引き出しているのかもしれませんね。

雅之様、可愛そうね・・。(涙)

2008/7/29  23:52

投稿者:なつ

こんばんは。いつもどおりTB返しさせて頂いたので、よろしくお願い致します。

ごみつさんの感想と私の感想、かなり共通点がありましたね。
語弊があるかもしれないけれど、凡百の成功作より面白い壮大な失敗作、ということかもしれません。

東山千栄子は、原作では典型的なロシアの(三枚目的)上流婦人の役どころらしいのですが、見事に日本的に昇華させていましたね。彼女は若い頃、帝政ロシアの華やかな社交界を身を持って体験しているというので、余計リアリティがあるのかもしれません。

ところで、大野夫妻の邸宅、日本離れしてハイカラだなあと思っていましたが、あそこで森雅之様がお育ちになられたとは!行きたい〜

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