2008/8/3  10:55

WHAT'S プログレ(プログレってなんだ?)B  音楽

デビューアルバムの時点で
大きな成功をおさめたキング・クリムゾンですが、
ロバート・フリップ以外のメンバーは、
より大きな成功を手に入れるべく、
別のプロジェクトの構想を練っていました。

それは、
イアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルス、
そしてもう一人、グレッグ・レイクでした。

グレッグ・レイクは、
クリムゾンのアメリカツアーに同行した際に、
どうしたらこの国で成功することができるか、
具体的な案を考えついたと言われています。

それが、
『クリムゾンキングの宮殿』で構築した、
クラシック・ミュージックとロックの融合を、
よりポップな音で進化させること。
さらに、
そのサウンドをステージにおいて、
強烈なパフォーマンスで表現することでした。

グレッグ・レイクは、
前者はもとより後者にも相当なコダワリを持っていたようで、
ロバート・フリップがステージで椅子に座って演奏し始めたことについて、
かなり強く異を唱えたと言われています。

そして、
彼の構想に従ってメンバーが集められました。
当初はジミ・ヘンドリックスをギタリストとする計画があったようですが、
最終的にはキース・エマーソンとカール・パーマーによる、
ギターレスのトリオに落ち着きました。

エマーソン・レイク&パーマー、EL&Pの誕生です。

EL&Pは1970年に、
『エマーソン・レイク&パーマー/EMERSON LAKE & PALMER』でデビュー、
その後も『タルカス/TARKUS』、
『展覧会の絵/PICTURES AT AN EXHIBITION』(ともに1971年)と、
たてつづけに傑作を発表。
日本では少女マンガに登場するほどになった、
キース・エマーソンの派手なパフォーマンスもあいまって、
グレッグ・レイクの予測通り、
あっという間に不動の地位を確立したのでした。

私は初めて彼らの存在を知ったとき、
「ケンカ売ってんのかぁ?」っと…。
つまり、
ギターがロックのホームラン王だと思っていた少年にとって、
EL&Pの編成はたいへん衝撃的であったというわけです。

そして、
いろいろとアルバムを聴くようになったのですが、
『タルカス』を初めて聴いたときに、
「これって、キーボードのハードロックじゃん」と思い、
彼らに対する認識を改めた記憶があります。

少し後になって、
ジョン・ロードやケン・ヘンズレー、
リック・ウェイクマンなどが、
自身のバンドに、
大々的にクラシック・ミュージックの要素を持ち込みますが、
どうやら、
その先駆的存在が、
EL&Pだったようです。

つまり、
彼らは後のプログレサウンドを決定づける、
キーボードの役割を具体的に示したといえます。
そして、
それはハードロックの分野へも浸透していったのです。

余談ですが、
このようなクラシック・ミュージックの導入は、
イギリス以外の、
ヨーロッパ各国でもかなりの衝撃だったようで、
ユーロロックの世界を見ると、
イタリアから東ヨーロッパにかけて、
EL&Pのクローンのようなバンドを多く見かけます。
とくに、
共産体制下の東ヨーロッパでは、
唯一認められていたロックが、
“プログレッシブ・ロック”だったということですから、
彼らの功績は非常に大きかったと言えるでしょう。

さて、
EL&Pは、
クラシック・ミュージックとロックの融合による、
ひとつの様式を確立することに成功しましたが、
そのようなバンドの宿命か、
マンネリ状態に陥るのも早く、
また新しい方向性の模索も思ったように行かず、
結果的にバンドの寿命を短くしてしまいました。

しかし、
そのサウンドは確実に、
その後のロックシーンへと受け継がれていったのです。

「じみへんが きーすのよこで おとをだす
        そうぞうすると いとおそろしや」

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