2008/5/16  12:10

インドネシアから看護師・介護福祉士を受け入れ  仕事

日本とインドネシアの経済連携協定に基づき、インドネシア人看護師・介護福祉士の日本への受入が準備されている。
しかし、この準備に係わるものの一人として、円滑な実施に向けては前途多難といわざるを得ない。

日本では、看護師も介護士も典型的な3K職場とされ、なり手が不足している。だから相対的に安価に雇える(と期待される)外国人を、というのが現場の切なる声である。それは分かる。一方、日本では3Kと言えどもインドネシア人から見れば、かなりの高額報酬が期待できそうだ。しかも、日本の看護医療技術を学ぶ機会にもなる。ということでインドネシアからの期待も高い。

厚生労働省は、この制度で入国したインドネシア人看護師が期限内に日本の看護師国家試験に合格しなければ帰国することを前提にしている。

しかし、看護師国家試験は日本人でも容易に合格しない。フルタイムで専門の教育を受けても高いハードルであるものを、日本語を一から学ぶインドネシア人に課すことが現実的だろうか。結果として、ほとんど合格せずに、大部分が数年後に帰国することが容易に予想される。しかも、その間は正式な看護師ではなく、所詮は看護助手だから看護師としての給与を支払う必要もない。インドネシア人側からすれば、期待していた収入すら得られない可能性がある。

彼ら彼女らは母国ではれっきとした資格を持つ看護師である。日本の資格がないといっても、一定の看護行為をできる能力を事実上持っている。とすれば、現場では看護助手ではなく、看護師として闇就労させる可能性も出てくる。逆に、看護業務をさせなければ不満も出るだろう。

さらに宗教的背景も文化も違う。間違いなく前途多難な制度である。

本質的には、看護師協会が主張しているように、日本での看護師等の処遇の抜本的改善、3Kからの脱却を進めるべきなのだ。

一方で多国の看護師を有能な技能として活用しようというのであれば、嫌がらせのように日本語の国家試験を義務づけるのではなく、どうしたらきちんと活用できるかを前向きに考えるべきではないのだろうか。

今回の経済連携協定に基づく受け入れはいかにも中途半端、場当たりなもので、さらに問題を歪めるように思えてならない。



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