2008/5/17  19:52

『神様のパズル』試写会  映画
昔々。
私がまだぴちぴち(←ウソ)の高校生の頃、天体観測のサークルに入っていた。
天文学や宇宙物理学が専攻できる大学は旧帝大系しかなく、
その上、数UBでけつまずいたために理系を諦め文系三流大に進むことになった。
おバカな文系大学にも一般教養で理科の講義はあり、先生方は苦労されていた。
その時々のトピックを取り上げたり、エセ科学を理論的に否定したり。
高校の物理の授業は計算問題ばかりで赤点すれすれだったが、
大学の物理の講義はいろいろな理論を文系学生にも理解できるよう
ダイジェストに要約されていた。光は粒子か、波か、とかね。
おかげで私の成績も随分と上向きに修正されたのだった。

寿司屋でバイトをするミュージシャン志望の基一(市原隼人)。
優秀な双子の弟・喜一(市原二役)が海外旅行中、代返を引き受ける。
大学に出てみると、素粒子物理学のゼミ担当・鳩村教授(石田ゆり子)から
欠席続きのホズミサラカ(谷村美月)をゼミに参加させるように頼まれる。
サラカは人工授精で天才として産み出され、飛び級で入学していた。
基一が苦し紛れに発した命題「人間は宇宙を作れるのか?」に
彼女は興味を示し、2人でそれを立証しなけらばならなくなる。
サラカの研究に基づいて建設された、超巨大加速器を使って。


何で地学が高校の必修科目から外されたんだろう。
地震や台風が多く、周りを海に囲まれた日本には必要な知識なのに。
子供の理科嫌いを促進するようなもんやないか。
生化学や天文の分野は進化が早く、ぽ〜っとしてると昔の知識は
どんどん陳腐化してしまう。
超ひも理論(超弦理論)は聞いたことがあるぞ。でもM理論ってなんだっけ。
御存知ない方は調べてから見に行ってね。でないと笑えませんから。

基本的にはラブ・コメディなのだが。最新科学に基づいており、おおっと唸らされる。
「むげん」と呼ばれる加速器は兵庫県にあるSPring-8にうり二つ、じゃなくて、
あっちは○が1つでこっちは○が2つだから、うり2個分だな、とか。
各地の電力会社で電力不足時に融通し合うシステムがあったな、とか。
悪名高き2ちゃんねらーが宇宙電磁波をスーパーコンピューターの代わりに
みんなで解析して、あっと言う間に終わらせちゃった事があったな、とか。
小柴昌俊博士がカミオカンデを建設する時には
「こんなでかいモン作って見つけられんかったらどないしょ〜」とびびってた、とか。

アインシュタインは宇宙の創世の謎を「神様のパズル」と呼んだそうな。
物理の知識が全くない主人公の基一が語るその様子は
「ぷッ」やら「があ〜っ」やら、とっても分かりやすい。
再び学生になった気分。やっぱり理系の学校の方が楽しそうだな。
娘には頑張って理系に進学してもらおう。

基一の奮闘ぶりがエネルギッシュで、あんまり細かい事は気にせずに純粋に楽しめた。
途中までは宇宙の神秘に迫るSFで。後半は血気盛んな若者特有の大暴走。
「オレの歌を聞け〜!」は超時空要塞マクロス。「握ってやる!」はスシ王子。
今でも宇宙がどうやってできたかなんて分からんのだから、ま、いいか。
谷村美月は胸がでかすぎて、一人称が「ボク」の孤独な物理少女に見えんな〜。
相理(アイリ・黄田川将也)の最期は気に入らんぞ。

前に座ってた中学生ぐらいの女の子たちはさっぱり理解できなかったみたい。
みんな、しっかり勉強しようね。きっと10年後にはこの映画も
「当時はこんな事が信じられてたんだ」と笑い話になるだろう。
青年よ、宇宙を目指せ。宇宙の果てには君の背中が待ってるぞ。
http://www.kami-puzzle.com/

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