2008/7/7  1:43

『告発のとき』  映画
2004年、11月。元軍人警官のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に
イラクから帰還した息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が、
72時間の休暇中に行方不明になったと連絡が入る。
基地の町フォートラッドまで出向き、地元警察の担当者エミリー
(シャーリーズ・セロン)に捜索を依頼するが、管轄外のため協力を得られない。
やがてマイクは無惨な他殺体となって発見される。


ハンクが地元の星条旗を掲揚するヒスパニック系男性に説明する。
国旗を上下逆に掲げるのは国際的に緊急救助を要請する信号だと。
「俺たちはもうダメだ、助けてくれ」の印だと。
アメリカの国旗なら上下左右があるからはっきり分かるけど。
日の丸だったらどうすんの?上下左右裏表どこからみても一緒やん。
他にも上下ひっくり返しても同じデザインの国旗は多い。
インドネシアのなんか逆さにするとモナコの国旗になるねんで。
いかにもアメリカの考えそうなグローバルスタンダードだ。
他の国がどうなってても「気づかなかったのよ」で済まされそうだ。

原題は"IN THE VALLEY OF ELAH"。
その昔、イスラエルがペリシテ人に支配されていた頃。
イスラエルの民は武器の製造・所持が禁じられていた。
反乱軍が組織されたことを知ったペリシテ側は巨人兵ゴリアテを送り込む。
エラの谷に着いたゴリアテはイスラエルの神を大声で侮辱し挑発する。
大人たちは恐れをなし怖気づくが、一人の少年ダヴィデが戦わせて欲しいと王に申し出る。
彼は重い鎧や剣を断り、冷静に小石をゴリアテの額に命中させ倒すことに成功する。

この話をハンクがエミリーの幼い息子デイヴィッドに語ってあげるのだが。
ダヴィデはイラクに派遣されたか弱いアメリカ兵の比喩なのか。
失態を隠そうとする組織を挑むハンク本人の姿なのか。
でもね。国際的にゴリアテはどう見てもアメリカ軍でしょう。
気が付いてないようだけれど。

アメリカは病んでいる。
朝鮮戦争の時も。ベトナム戦争の時も。
いい加減止めればばいいのに。学習能力ないのか?
「国を守る」は「国土を守る」「国民を守る」であって、
「国益を守る=高額納税者を守る」ではないのに。
戦場では英雄だと鼓舞されても、国に帰れば非難される。
金は出さないが口と血はいくらでも出す国って野蛮過ぎないか?

トミー・リー・ジョーンズの年老いた顔の奥に、息子を失いながらも
真実を見つめようとする瞳がキラキラと輝いていた。
http://www.kokuhatsu.jp/

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2008/7/11  1:02

投稿者:かえる
>はなこさん
映画を見ている間はいろいろ考えることが多かったのですが、
いざ文章に起こそうとすると、なかなか上手くいきません。
フォートラッド警察の一見やる気のなさで、アメリカ本国でも
「基地の町」というものが特殊な立場なのだと分かったり。

次のことは新聞記事で紹介されていたのですが。
イラク戦の戦費を賄うために社会保障費が大幅に削減されたとか。
その代わりに、企業減税が行われたとか。
戦闘中に軍の備品を破損したら給料から弁償しなければならないとか。
イラクへの人材派遣を請け負っている会社が、日本支社開設を準備してるとか。
(ワーキングプアと呼ばれる階層の存在はアメリカと酷似しており、
年収800万ぐらいでどう?だそうです)

アメリカは自国に油田があるのに、中東の石油を先に使い果たそうとしていて。
サブプライムローンが破綻したために、アメリカの投資資金が
原油取引に流れ世界中の経済を混乱させていて。

頭の中がぐちゃぐちゃになってきました。ゴリアテめ・・・。
アメリカ国民にしてみれば、自国の兵士が4000人近く犠牲になっているのに、
それが全く無駄な戦闘だったとは認めたくないのでしょう。
マイクの友人の一人が「イラクなんて核兵器で潰してしまえばいいんだ」
と言うに至っては、こいつらホンマに何も分かってないんやと
暗澹たる気分にさせられました。

2008/7/10  21:09

投稿者:はなこ
かえるさん、こんにちは♪

先日、TBさせていただきました&TBエコーありがとうございます。

エラの谷の解説、丁寧で分かり易いですわ。さすが、かえるさん♪

この作品、本国では興行的には失敗に終わったらしいですよ。お金を払ってまでイラク関連の映画は見たくないらしい。自国の恥部には目を逸らしたいのかな?でも直視しないと、いつまでも愚を繰り返すと思うのだけれど。

私は極東の片隅で、イラク侵攻が噂された時点で、「イラクのことはイラクに任せるべきだ」と主張してきました。どんなに問題があったとしても、赤の他人に土足で踏み込まれるのは誰だって嫌でしょう。これは尊厳の問題。時間がかかってもイラク人自身で解決させるべきだったのです。

湾岸戦争以来、ブッシュ親子はイラクに執着していますね。やっぱり石油の利権などが絡んでいるのでしょうか?それでも実際に血を流すのは、米国の最下層に位置する若者が殆どなのです。悲しいですね。

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