2006/1/3 8:41
ハヴァ・ナイス・デイ 分類なし
写真:マサタカ・モーリ氏の妻「ウメ」。写真をクリックすると大きくなります。
若き女性だった「ウメ」はチューク州に進出してきた日本帝国海軍の病院で看護婦の職にあった。今は老齢となり歩くことが殆ど出来ない。体調も思わしくなく、ミクロネシアの暑い気候の中でも毛布を足腰に巻いている。写真を撮影した日は浦島が来るというのでわざわざ部屋から表に出てきてくれた。浦島の来訪を歓迎する意味合いであった。自分が産んだ三人の男の子は既にこの世を去り、晩年の「ウメ」は余り元気がなかった。
かつて日本軍の傷病兵のために働いたミクロネシアの女性に日本が手厚い保護の手を差し伸べたという話を浦島は聞いたことがない。チューク州のトラック・ラグーンは激戦地であった。陸上に造られた要塞とラグーンに停泊していた日本の艦隊は連合軍の攻撃を受けミクロネシア人も巻き添えとなり死んでいった。看護婦や医師たちの筆舌に尽くせない苦労は今更説明する必要もない。
浦島は「ウメ」に挨拶した。「ウメ」は優しい表情を湛え、澄んだ瞳で浦島をじっと見つめただけであった。 -続く-



