2008/5/9 14:25
硫化水素−続― 中毒
硫化水素は噴火口や温泉に特有な臭いがありますが、濃度が高くなると鼻の粘膜が障害され臭覚が低下するため、実際の濃度が上昇しても、感覚上は低下しているように感じられます。このため、家族や救助に向かった人達が充分な換気をしないまま中毒で死亡するなどの二次災害が発生しています。都市部のマンションなどでは階下に広がるため、多くの人が避難を余儀なくされています。
治療での急性期は亜硝酸塩や亜硝酸アミルが使用されることもありますが、防護服を付けた上での呼吸管理が必要になり、助かった場合も気道、肺、低酸素血症で脳の広範な障害が起こります。硫化水素による自殺は自らの命ばかりでなく、周囲の多くの人々の生命も脅かすことになり、止めてもらいたいものです。
治療での急性期は亜硝酸塩や亜硝酸アミルが使用されることもありますが、防護服を付けた上での呼吸管理が必要になり、助かった場合も気道、肺、低酸素血症で脳の広範な障害が起こります。硫化水素による自殺は自らの命ばかりでなく、周囲の多くの人々の生命も脅かすことになり、止めてもらいたいものです。
2008/5/6 15:01
硫化水素 中毒
硫化水素(H2S)とは、化学式の様に硫黄と水素から成る化合物で無色の気体です。空気より重く水に溶けて酸性を示します。腐った卵のような独特の刺激臭があり、目や皮膚、粘膜を刺激する特定悪臭物質とされています。これまでは火山の噴火口などや石油化学工場、下水処理場、ごみ処理場などで発生し、時には中毒事故も発生していました。
工業的には有機硫黄化合物を合成したり、金属を精錬する際に使用されます。毒性が強く、シトクロームcオキシダーゼを阻害して低酸素血症に至り、昏睡状態に至ることもあります。また皮膚の粘膜刺激作用があります。
この硫化水素が家庭用の洗浄剤等でも発生させることが出来、危険なことは勿論ですが、最近この事を利用した自殺が増加していることが報道されています。毒性が強いため、救助者を巻込んだり、空気より重いためにマンションなどの階下の住民が被害にあう例もあり、決して許されることではありません。自殺幇助のサイトの影響があると言われますが困ったことです。
工業的には有機硫黄化合物を合成したり、金属を精錬する際に使用されます。毒性が強く、シトクロームcオキシダーゼを阻害して低酸素血症に至り、昏睡状態に至ることもあります。また皮膚の粘膜刺激作用があります。
この硫化水素が家庭用の洗浄剤等でも発生させることが出来、危険なことは勿論ですが、最近この事を利用した自殺が増加していることが報道されています。毒性が強いため、救助者を巻込んだり、空気より重いためにマンションなどの階下の住民が被害にあう例もあり、決して許されることではありません。自殺幇助のサイトの影響があると言われますが困ったことです。
2008/5/4 2:13
コミュニケーションと時間―続― コミュニケーション
こうした状況で診療時間を5分以上取らないと、一定の外来加算点数が取れないとの役所の通達が出てきました。大病院では3時間待ちの3分診療と揶揄されることもありますが、それも一面では少人数の医師で多数の患者を診てきたからです。医療崩壊で病院の医師は減る傾向にあり、少ない医師が詰め掛ける患者に対応しなければならない条件は更に悪化しています。そうした状況でも医師は説明が必要な場合は十分時間をかけて対応しています。また症状等が安定していれば、診察は短時間で十分な場合もあります。5分という時間を強要することが幾つかの意味で医療の現場を知らないことを逆に露呈してしまいました。
日本の医療現場ではこれまで比較的少数の医師が効率よく現場を支えてきた経緯があります。その状況では短時間診療と批判される事があったかも知れません。これは外来診療などで医師の数が十分でなかったために余裕がなかったためでしょう。また患者の診察以外に医師はカルテに診察内容などを記載し、検査結果を見たり、処方箋に記入捺印し、後発薬品について記載し、紹介状を書き、また紹介状の返事を記載したりしています。場合によっては病状や治療内容の説明に更に時間を要することも多くなりました。外来などで医師の多すぎる仕事量を医療秘書制度で減らすべきだと言う意見もある程です。
医療行為は医師と患者の共同行為という考えもあり、糖尿病など生活習慣病では患者の協力なしには治療は成り立ちません。しかし十年以上も通い続けているお馴染みさんは、短時間での診察や会話でもお互いの了解が十分な場合もあります。お互いが医療の場で理解しあうコミュニケーションは必ずしも時間に依存している訳ではありません。また言語以外の表情や態度などがコミュニケーション重要な役割を果たしていることも知られています。診察時の5分以上を強要する根拠は何処にも無い様に思われます。医療の現実も知らす、医療行為の本質も分からない机上の空論を強要されても現場が迷惑するだけでしかありません。
日本の医療現場ではこれまで比較的少数の医師が効率よく現場を支えてきた経緯があります。その状況では短時間診療と批判される事があったかも知れません。これは外来診療などで医師の数が十分でなかったために余裕がなかったためでしょう。また患者の診察以外に医師はカルテに診察内容などを記載し、検査結果を見たり、処方箋に記入捺印し、後発薬品について記載し、紹介状を書き、また紹介状の返事を記載したりしています。場合によっては病状や治療内容の説明に更に時間を要することも多くなりました。外来などで医師の多すぎる仕事量を医療秘書制度で減らすべきだと言う意見もある程です。
医療行為は医師と患者の共同行為という考えもあり、糖尿病など生活習慣病では患者の協力なしには治療は成り立ちません。しかし十年以上も通い続けているお馴染みさんは、短時間での診察や会話でもお互いの了解が十分な場合もあります。お互いが医療の場で理解しあうコミュニケーションは必ずしも時間に依存している訳ではありません。また言語以外の表情や態度などがコミュニケーション重要な役割を果たしていることも知られています。診察時の5分以上を強要する根拠は何処にも無い様に思われます。医療の現実も知らす、医療行為の本質も分からない机上の空論を強要されても現場が迷惑するだけでしかありません。
2008/4/30 16:43
コミュニケーションと時間 コミュニケーション
コミュニケーションの目的はお互いに理解しあうこと、情報を共有することなどが目的です。医療の現場でもコミュニケーションは重視されています。確かにその時間は無いより在った方が良い筈です。しかし非言語コミュニケーションという言葉もあるように、その伝達は言葉だけではありません。表情や態度、仕草、衣服、位置でも分ることもあります。お互いによく理解していれば、相手の顔色を見たり、少し言葉を交わすだけで理解が可能な場合すらあることは経験上も分かる筈です。
医療の現場では大病院などで3時間待ちの3分間診療などと揶揄されることもありました。外来の診察時間は患者さんからは症状や薬の副作用などを伝える場であり、医師は治療その他の情報収集や病態、治療法の説明などで十分な長さが必要な事を医師は理解しています。
しかし大病院などでは詰め掛ける患者さんを前に医師は症状の安定しない人や初診を重点的に時間をかけているのが実情と思われます。患者さんも良く診てもらいたい、話を聞いてもらいたい気持ちもある反面、待ち時間を長くしないでほしいと思っているでしょう。患者さんの数に見合うだけの医師が充分いて、複数の医師が外来で対応できればこの問題は解決できるかも知れません。しかし今の日本では大病院でも医師の絶対数が不足しています。勤務医が減ると同じ患者さんを少ない医師で対応せざるを得なくなってしまいます。
医療の現場では大病院などで3時間待ちの3分間診療などと揶揄されることもありました。外来の診察時間は患者さんからは症状や薬の副作用などを伝える場であり、医師は治療その他の情報収集や病態、治療法の説明などで十分な長さが必要な事を医師は理解しています。
しかし大病院などでは詰め掛ける患者さんを前に医師は症状の安定しない人や初診を重点的に時間をかけているのが実情と思われます。患者さんも良く診てもらいたい、話を聞いてもらいたい気持ちもある反面、待ち時間を長くしないでほしいと思っているでしょう。患者さんの数に見合うだけの医師が充分いて、複数の医師が外来で対応できればこの問題は解決できるかも知れません。しかし今の日本では大病院でも医師の絶対数が不足しています。勤務医が減ると同じ患者さんを少ない医師で対応せざるを得なくなってしまいます。
2008/4/20 0:24
絵画と医療―続々― 芸術
英語のアート(art)には日本語で芸術、美術や芸能、技芸、熟練、わざ などの意味があります。野球選手の技でも敢えてホームランを狙わずにヒットを積み重ねるのもわざ、アートと言うことが出来るでしょう。技術、芸などもそれが熟練の頂点に立てば芸術のように人に感動を与えることが出来るのかもしれません。敢えて言えば、熟練した医療の技術もそれが、病気を治したり命を救うという目的はあるにしても、その行為はアートにもなり得るものです。
ホームランやヒットを打ち続ける選手も時に三振し、スランプに陥れば凡打の山を築くこともあります。ところが医療にはそれが許されません。行為の結果が完全でなければならないと裁判などで決めつけられると、医師は専門以外の患者を診ない事も在り得るようになりました。
医療を絵画(アート)やサービスとも考え難い理由がここにあります。野球選手で熟練した技の持ち主であっても打率10割は不可能であり、医療では産科などの科によっては予測を超えたリスクを伴うこともあります。医療がアートとして尊敬されるには技術を磨き、経験を重ねることが重要ですが、不可避的なリスクを必要以上に負わせないことも必要です。技術を磨いても尊敬されない職種からは有能な人材は去ってしまう筈です。
ホームランやヒットを打ち続ける選手も時に三振し、スランプに陥れば凡打の山を築くこともあります。ところが医療にはそれが許されません。行為の結果が完全でなければならないと裁判などで決めつけられると、医師は専門以外の患者を診ない事も在り得るようになりました。
医療を絵画(アート)やサービスとも考え難い理由がここにあります。野球選手で熟練した技の持ち主であっても打率10割は不可能であり、医療では産科などの科によっては予測を超えたリスクを伴うこともあります。医療がアートとして尊敬されるには技術を磨き、経験を重ねることが重要ですが、不可避的なリスクを必要以上に負わせないことも必要です。技術を磨いても尊敬されない職種からは有能な人材は去ってしまう筈です。
2008/4/3 23:41
絵画と医療−続― 芸術
物事を知り、行う立場としては大まかに言えば、分析的立場と統合的な立場があり、例えば物理学や化学では分析的な発想が必要ですが、美術など総合的な感覚で描き製作し、またそれを見る場合もそうした感覚を要求するようです。しかし抽象画などは分析的に図形を描いたようにしか見えないのに、見る側には統合的な感覚を要求するようで、しばしばこの落差に戸惑います。
医学の立場は更に難しくて、それが病気を相手に対応する場合は分析的な原因追及とそれに対応した治療方針が求められ、人間を相手にする場合は患者や家族の感情や人生観、宗教観さえも時には考慮しなければなりません。医学の世界に根拠に基づく医療という言葉 (EBM Evidence-Based-Medicine) という言葉もありますが、根拠に基づくだけでは充分ではないのです。絵画の見方はその見る人の経験や立場、感情でも変化しますが、医療というものはこの割り切れない人間を相手にしていると言う宿命があるからです。その意味では絵画と医療は似ているかもしれません。
医学の立場は更に難しくて、それが病気を相手に対応する場合は分析的な原因追及とそれに対応した治療方針が求められ、人間を相手にする場合は患者や家族の感情や人生観、宗教観さえも時には考慮しなければなりません。医学の世界に根拠に基づく医療という言葉 (EBM Evidence-Based-Medicine) という言葉もありますが、根拠に基づくだけでは充分ではないのです。絵画の見方はその見る人の経験や立場、感情でも変化しますが、医療というものはこの割り切れない人間を相手にしていると言う宿命があるからです。その意味では絵画と医療は似ているかもしれません。
2008/3/24 0:57
絵画と医療 芸術
長く寒い冬が終わり、関東でもようやく春めいてきたこの頃、美術館の絵を見に行くのも楽しいものです。特に郊外のゆったりとした敷地に建ち、周りの環境にも溶け込んでいる美術館はお勧めかもしれません。ところで絵画と医療には少なからぬ関係があります。特に精神科の領域では絵画療法というものがあります。絵は人の心の何かの表現です。だからこそ時代を超えた作者の生き方や考え方が伝わって来るのでしょうか。
絵画療法は言葉では表現できないメッセージを伝えたり、作者が自身を問い直す契機になり、治療者(医師)とのコミュニケーションの始まりにもなるからだと言われています。逆に医療と絵画との関係は、それが明確な目的をもっているから分かり易い面もあります。抽象画で、壁一面に塗られた朱色が何をメッセージとして伝えたいのか、悩まずともつい考えてしまいます。抽象画の悩ませるものが価値を持つ、不思議な世界です。
絵画療法は言葉では表現できないメッセージを伝えたり、作者が自身を問い直す契機になり、治療者(医師)とのコミュニケーションの始まりにもなるからだと言われています。逆に医療と絵画との関係は、それが明確な目的をもっているから分かり易い面もあります。抽象画で、壁一面に塗られた朱色が何をメッセージとして伝えたいのか、悩まずともつい考えてしまいます。抽象画の悩ませるものが価値を持つ、不思議な世界です。
2008/3/6 13:23
羊水が腐るー続々― 医学
羊水の生物学的な意義については、胎児に一定の空間を与えてその運動を自由にすること、胎児と羊膜の癒着を防ぐ、母親の腹部などからの外力が直接加わるのを防ぐ、胎児の運動の母体に及ぼす影響を緩和する、体温を一定に保つ働きをする など胎児が成長していく過程で重要な働きをしていると言われます。羊水の浸透圧は妊娠初期では母体血液成分と同じですが、次第に低下し、電解質、ブドウ糖、アミノ酸、尿素、尿酸など胎児から排泄される成分も増えてきす。
これは羊水が汚れる(腐る)というよりも、その一部は母体循環に吸収され、一部は胎児内を循環して、その生理活性物質や物理刺激が消化管や起動など全身臓器の発達と成熟に大きな役割を果たしていると考えられています。この空間のお陰で胎児は様々な刺激を受けながら、成長を続け産まれる時を待っているのでしょう。こうした巧妙な仕組みについても知っておいたほうが良いかもしれません。
これは羊水が汚れる(腐る)というよりも、その一部は母体循環に吸収され、一部は胎児内を循環して、その生理活性物質や物理刺激が消化管や起動など全身臓器の発達と成熟に大きな役割を果たしていると考えられています。この空間のお陰で胎児は様々な刺激を受けながら、成長を続け産まれる時を待っているのでしょう。こうした巧妙な仕組みについても知っておいたほうが良いかもしれません。
2008/2/22 17:02
羊水が腐る?―続― 医学
哺乳類などの胚の場合は漿膜や羊膜と言った胚膜が形成され、その中に羊水が満たされます。胚はこの羊水腔に保持され、pHや浸透圧などが一定に保たれた安定した空間を作り出します。このお陰で胎児は安定な状態で成長することが可能になります。また羊水を飲む行為もみられ、これは羊水が無菌状態に保たれているからです。従って通常は羊水が腐るような事はありません。
羊水の異常としては、羊水量が800ml以上に増える羊水過多があり、糖尿病や心不全、胎児の奇形が原因になることがあります。一方、羊水が100ml 以下になる羊水過少症があり、胎児の泌尿器系の異常や、妊娠高血圧などが原因になる場合があります。羊水は子宮の中の胎児を包む母なる海のような役割を持っていると考えられます。羊水がなければ、胎児は育つことが出来ません。冒涜するのは無知を証明するようなものではないでしょうか。
羊水の異常としては、羊水量が800ml以上に増える羊水過多があり、糖尿病や心不全、胎児の奇形が原因になることがあります。一方、羊水が100ml 以下になる羊水過少症があり、胎児の泌尿器系の異常や、妊娠高血圧などが原因になる場合があります。羊水は子宮の中の胎児を包む母なる海のような役割を持っていると考えられます。羊水がなければ、胎児は育つことが出来ません。冒涜するのは無知を証明するようなものではないでしょうか。
2008/2/15 13:48
羊水が腐る? 医学
ある歌手の35歳を過ぎると羊水が腐る?と言う発言が波紋を投げかけています。勿論こうした事は無く、単なる思い込みや思い付きの発言でしょうが、現代は女性も晩婚化し、子供を産む年齢も上がっていることが騒ぎを大きくしている感もあります。3人に1人は第一子出産が35歳以上と報告されています。こうした時代、大事な事は高年齢出産への偏見を無くして、正しい知識を持っていることが必要でしょう。発言はそれに逆行するような印象を受けます。
特に40歳以上で妊娠、出産する女性の問題点として、胎児の染色体異常が多い事が挙げられます。男性の精子と異なり、卵子は女性が生まれた後、卵巣で歳を取りながら排卵まで待機しています。40歳で受胎した場合、その卵子は既に40年間、環境に晒されていた訳で、その遺伝子に影響が出ている場合もあります。また高年齢の初産の場合、妊娠、分娩中の合併症が増加すると言われ、妊娠中毒症などが増加します。こうしたリスクを充分に把握していることが重要です。子供を産み育てることは女性にとっては大変な事であり、ストレスも加わる筈です。年齢が高くなると更に心配事も加わってきます。女性を産む機会と言った大臣もいましたが、失言には気を付けてもらいたいものです。
特に40歳以上で妊娠、出産する女性の問題点として、胎児の染色体異常が多い事が挙げられます。男性の精子と異なり、卵子は女性が生まれた後、卵巣で歳を取りながら排卵まで待機しています。40歳で受胎した場合、その卵子は既に40年間、環境に晒されていた訳で、その遺伝子に影響が出ている場合もあります。また高年齢の初産の場合、妊娠、分娩中の合併症が増加すると言われ、妊娠中毒症などが増加します。こうしたリスクを充分に把握していることが重要です。子供を産み育てることは女性にとっては大変な事であり、ストレスも加わる筈です。年齢が高くなると更に心配事も加わってきます。女性を産む機会と言った大臣もいましたが、失言には気を付けてもらいたいものです。
