2008/5/16  12:26

びっくり!!!!  演奏家の話

こんにちは。

明日は、カーネギーホールで、
同僚テノール、ガストン・リヴェーロ氏と共に、デュオリサイタルです。
3月下旬に、思いがけず、明日と同じカーネギーのヴァイルリサイタルにて
チャリティコンサートで歌う事になったので、(2008年3/25日分)
初めて、ではなくなりましたが、
それでも、とても美しく伝統のある落ち着いた、音響のとても良いホールで
又こちらでお客様を迎えて歌える事は、非常な喜びです。

さて、昨日はそれに先駆けて、
ドレスリハーサル(ゲネプロ)を行いました。

2時間と言う限られた中で、ほぼ本番どおりに行ったのですが、
実は、私にとって、結構緊張する時間でした。

というのも、
相手方のエージェントのスタッフ、私のエージェントのスタッフ、
のほかに、マエストロ、ユージーン・コーンや、
同僚と言うか先輩歌手として、ラモン・ヴァルガスさんと、
ナタリー・デッセイさんを呼んでいたからです。

とはいえ、現在ラモンはMETで「ティートの慈悲」に(今日も公演日です)
ナタリーは、連隊の娘を(明日が公演日です)
やっているので、とても来てくれるとは思っていませんでした。

案の定、ラモンは前の日になって
”急に寒くなったから風邪気味になった。木曜の公演の為に
家で休みたいから、残念だけどいけなくなった。でもがんばってね!”
ということでキャンセル。
そして、ナタリーはというと、、、


何とほんとに来てくれたのです!!!!

ひたすら感激、感動しました、
そして、すごい人だと思いました。

おすし屋さんであっただけの私たち(4月10日分)の
たまたま知ったコンサートに、いとも気軽に観に行くわ、といって
そして言葉通り、ちゃんと来てくれた彼女。

彼女の「連隊の娘」を、先日METで観て興奮していただけに、
その彼女の前で、彼女のもち役でもある
ルチアのアリアとデュエットを歌ったのか、、、と思うと、
ちょっとだけ恥ずかしくなりました。

また
有名なマエストロ、ユージーン・コーンまで来て下さって、
休憩中に「君の声を聞くのは喜びだったよ」とまで言ってくださって、
本当に、とっても嬉しくてありがたくて、光栄で
興奮した時間でした。

それでも、
一番現実的で耳の痛いアドヴァイスをしてくれたのは
他でもない我がマネージャー、そして歌手の友人です。
明日のコンサートの更なる良い仕上がりのために
これもまたありがたく、聞いておりました。

多くの人に支えられてのコンサート、
始まる前は雑用なども含め、何かと大変ですが、
やはり、こういう機会が持てて、ありがたいと思います。

それでは、
又本番のことは、明日以降報告いたしますね。
良い週末を!

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2008/5/13  13:14

安全はただじゃない  日々の事、雑記

ここのところ、雨が降ったり、冬のように寒くなったりして
私も、本番前だと言うのに、少し喉が痛くなってしまいました。。。
ので、
今日は、1日家で静かにしておりました。

という事で、今週金曜日は
いよいよ待望のカーネギーホールでのコンサートですが、
その前、水曜日には、ドレスリハーサルがあります。

こちらには、本番にどうしても都合のつかない方など
友人知人を、たくさん招いていたのですが、
今日になって、カーネギーから、主催者を通して、
10人までしか、入れない、と言われてしまいました。

いきなり、こんな間際になって、、、と思いましたが、
仕方がないので、
なくなく、何人かの知人には、来て頂く事をあきらめる羽目に。
ホール側の言い分としては、セキュリティと保険の都合で、、という事でしたが、
なんだか、釈然としません。

そういえば、これで思い出したのが、
3年前に、パリのシャルルドゴール空港にてトランジットした時。
確か、乗り換えの飛行機まで8時間程あったので、
これ幸いと、パリ市内まで出て観光しようと思ったのですが、
問題は、重いスーツケース2個でした。

かんたんに、どこかで預けられるだろうと、あちこち探しましたが、
その日が、土曜だったか日曜だったかで、
窓口が閉まっていたり、午前中だけしか預からないなど、
私の思うように、荷物を預かってくれるところはどこにもなく、
では、近くのホテルでデポジットを、、と思い、わざわざ出向いても、
宿泊客以外の荷物は預かる事ができませんとのこと。

コインロッカーなどがあるわけでなし、
考えられる限り、あらゆることを試したのですが、
どうした事か、その日に限って、
どうしても荷物を預ける事ができませんでした。

一体、どうなってるの!?
と、足を棒にして歩き回って、かれこれ2−3時間費やしていた私は、
段々探し回るのがいやになり、
それでも、どうしてもパリまで出たかった私は、
結局、重い荷物2個を抱えて、観光に行きました。

でも、あまりの重さと不便さに、途中で何度も後悔しましたけど。。。

この話を、後日何人かの、パリ在住の知人に話すと、
特に最近は、Securityが厳しくて、
ロンドンのテロ以来、
荷物をなかなか預からなくなってるんだよねーー
との事でした。(もう3年も前の話ですが)

よく分かります。
東京の地下鉄にだって、10数年まえのサリン事件以来
ゴミ箱がおいていないくらいですものね。
安全を手に入れるには、
やはり、楽じゃないという事ですね。

それにしても、カーネギー、、
あと少しの人数を認めてほしかったなーー。。。。

ではまた!

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2008/5/5  16:10

懲りずにまた感想集  観た舞台について

こんにちは。

NYは、すっかり春も到来!と思っていたのですが、
先週末には、何と12度まで下がり、
クリーニングに出そうと思っていた冬のコートを
あわてて引っ張り出す始末でした。。。

さて、先週も毎日のように、パフォーマンスに行きまくっていた私。
不思議と、人からチケットを頂けたり、誘って頂いたりして、
今はそういう時なのかなーーと思って、
ありがたく、鑑賞を楽しませていただきました。

思うに私の場合は、INPUT(勉強、充電、受け取ったりもらう方)と
OUTPUT(自分のパフォーマンス、人にShowする方)のバランスが非常に大事で、
OUTが続くと、何となく荒れたり、電池切れを感じ、自然にINを必要としますし、
逆にINが続くと、
今度はOUTしたくなってきて、実際そういう機会も増えていくのです。

と言うわけで、今はINの時!のようで、最近ずっと続いていますが、
今日も又コンサートの簡単な感想を、、
(最近は、こればかりで、すみません!!)


1.後宮からの誘拐 (Die Entfuehrung aus dem Serail) in MET

前々回に感想を書いた連隊の娘とはうって変わって、
かなり良くなかったです。もともと、
歌手を楽しみに言ったのですが、これは裏切られました。
演出は、よく言えば、簡素、シンプル、悪く言うとチープ、貧弱
オーケストラ(指揮)は、全くもって退屈。

モーツァルトの音楽と言うのは
シンプルで無駄のない深さと美しさのため、
それを損なうような演出や、解釈は
ご法度だと常々思っているので、
その意味では、今回は色々な意味で、とんちんかん、
全てのベクトルは、かみ合っておらず、
非常に残念な気がした夜でした。
ちなみに、主役のテノール、ベルモンテを歌ったのは
4年前に、イタリアで、ルチアとエドガルドを一緒に歌ったマシュー・ポレンザーニ
さんでしたが、一瞬誰か分からないような違う声になっていて
それもかなり驚きました。
歌手の声は、良くも悪くも、
驚くほどあっという間に変わるものです、、、。

いつもはネガティブな事は書きたくないといっている私ですが、
この日は、本当に落胆した日でしたので
珍しく、こんなに書いてしまいましたが、ネガティブはここまでに。

2.皇帝ティトスの慈悲(La Clemenza di Tito)

こちらは同じモーツァルトでも、
結構良かったです。何といっても、タイトルロールの
こちらも、以前ルチアで共演したことのある、ラモン・ヴァルガスさんが、
この役に、声と言い、キャラクターと言い、スタイルといい
意外なほどぴったりで、
この退屈にもなり得るオペラを非常に中身の濃いものにしておられました。
Bravo Ramon!!
それから、
この日初めてちゃんと聞いた、スーザン・グラハムさんは大変素晴らしく、
一気にファンになりました。

優れた歌手とは、何を歌っても”はまり役”に出来る人の事だと
常々思っていますが、
ラモン、スーザン、どちらも、それを体現していらしていて、
こうでなくっちゃなあ、、!と思っておりました。

ちなみに、歌手が良いと、少々演出や、オケに難が有ったとしても
よい公演になると言う事を、これまで百も承知だったのですが
改めてこの日も思いました。

それにしても
モーツァルトをやるには、よほど
念入りに考えて上演しないと、
METは少々大きすぎると
今回2つの作品を観て、改めて感じました。
もともと、ヨーロッパの
1500席前後くらいの馬蹄形の歌劇場での公演を想定して
書かれた事でしょうに、
METだと、モーツァルトは、よほど慎重に行わないと、
薄ーいカルピスのようになってしまうものだなあ、、と
思いました。

3.ジェシー・ノーマンリサイタル in Carnegie Hall

彼女も又、舞台に表れるや否や、大きな歓声とスタンディングオヴェーション。

イヤー、一言で言って、とても楽しく良いコンサートでした。
歌声、テクニック、はもちろん大切なものであり、
ここがやはりしっかりしていないといけないのは当然ですが、
やはり、最後は人柄だと思います。
彼女の舞台に接して、
何という中身のある、上質の時間を過ごさせてもらったのかと、
この日多くの人がきっと思ったに違いない、、、そんなコンサートでした。
私も、そのような時間を提供できる事を引き続き目指して、、、!!

このほかにも、ボエーム(MET)、五島みどりさんのコンサート、、
など、書き足りませんが、いい加減長くなったので、
今日はこの辺りで、、、今週は、内田光子さんのコンサートがあるので、
とっても楽しみです!!それでは。。。

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2008/4/28  21:13

ウエストサイドストーリー 08  お知らせ

今日はお知らせです。

公に出来る仕事も増えてきたので
今年の予定欄をアップデートしました。と言っても、
大体のものなので、規模の小さなコンサートは載せておりません。

さて、
一番近い日本の本番はこちらです。
===================

ネスレスペシャル『佐渡裕ヤング・ピープルズ・コンサートVol.10』
バーンスタイン生誕90年記念

7月31日(木) 18:00 東京オペラシティコンサートホール(東京)
8月2日(土) 16:00 ザ・シンフォニーホール(大阪)
8月3日(日) 14:00 京都コンサートホール(京都)
8月5日(火) 18:00 兵庫県立芸術文化センター大ホール(兵庫)

指揮:佐渡裕(おはなし)演奏:兵庫芸術文化センター管弦楽団
独唱:田村麻子(ソプラノ)、渡辺玲美(メゾ・ソプラノ)、
   中鉢聡(テノール)、キュウ・ウォン・ハン(バリトン)、
   尾崎比佐子(ソプラノ)、花月真(バス)、萩原寛明(バリトン)

(演奏予定曲目)
バーンスタイン:『キャンディード』序曲
『オン・ザ・タウン』ラッキー・トゥー・ビー・ミ-
『ウェスト・サイド・ストーリー』トゥナイト,
『5つの子どもの歌』アイ・ヘイト・ミュージック」
モーツァルト :オペラ『フィガロの結婚』序曲/2幕のフィナーレなど他

東京公演 5月31日(土) 午前10時より一般発売開始
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
イープラスHP:http://eplus.jp/ypc/

関西公演 5月24日(土) 午前10時より一般発売開始
大阪アーティスト協会 06-6135-0503

キャンディードの中から有名なクネゴンデのアリアや、
ウェストサイドストーリーの中から、
トゥナイトなどデュエットを歌うのですが、
今から楽しみにしています。

実は、私は高校生時の文化祭にて、
ウェストサイドストーリーを演じ歌った事があります。

小さい頃から歌う事や演じる事が好きだった私は、
高校1年生の時にテレビで放映されたウエストサイドストーリーを観て、
すっかり夢中になり、それ以来
何とかして、どうしてもそのヒロインのマリアを舞台で
演じたくなってしまいました。

そこで、高校2年生になり、文化祭実行委員になったのをきっかけに、
クラスの出し物としてミュージカルのウエストサイドストーリーをやりましょう、と
みんなに提案し、上手い具合にみんなを丸め込んで(?)
普通の都立高校で、音楽も劇の素養も全くなかったクラスメイトたちを奮起させ、
上演するまでにこぎつけ、
ついでにマリア役は、当然私がやることにしたのでした。(笑)

そんなわけで、私以上に上演意欲に燃える人のいなかった為、
脚本も、演出も、全部率先して請け負った私は、
毎日放課後に、リハーサルをする事が楽しくて楽しくて、
何をしに高校に行っていたのかと思うほど
授業そっちのけで、文化祭の準備にのめりこんだものでした。
あーー懐かしい。。。。。

さて文化祭当日は、その高校始まって以来のミュージカル上演という事で
話題が話題を呼び、本番は、体育館に立ち見が出るほどの満員、
私は、満員の観衆の中で、歌い演じる事の喜びを全身で味わい、
思えばあの時から、
将来は舞台で生きていけたらな、、、と漠然と思い始めたような気がします。

ちなみに、その文化祭は今思えば、風流な「桜樹祭」という名前が付いていましたが、
我がクラスは、
すべて展示、出し物の中でも最も印象的な事をしたクラスに与えられる
「桜樹賞」と言うものを受賞し、
卒業するまで、そのトロフィーはクラスにずっと飾ってあったものでした。
本当に、懐かしい、、、

それから、かれこれ何年もたち、私は曲がりなりにも、
本当に舞台で生きるオペラ歌手となって、
今年は、それ以来舞台で歌うのははじめてのマリア役です。
今からとても楽しみです。

という事で、
興味のある方は是非いらしてくださいね!

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2008/4/27  18:09

連隊の娘  観た舞台について

こんにちは。

毎年NYはこの時期、
”小春日和”といったうららかな日がなかなかないのですが、
先週1週間は比較的気持ちの良い、ぽかぽかした
良い天気が続いており、いい気分で過ごすことが多かったように思います。

最近、毎日充実した時間が過ぎていますが、
あまりにコマゴマと色々な事が起こるので
ネタには困らないものの、何を書いてよいのやら、
選ぶのに、迷ってしまいますが、
やはり、一番心に残った事が書きたいので、
オペラの感想を、、、
(ここの所立て続けに音楽ネタばかりですみません)

先週、METのナタリー・デセイの”La fille de regiment(連隊の娘)”
を観ましたが、最高の舞台でした。
何より、デセイのパワフルで自然で素晴らしいマリーは
文句のつけようがなく、
多くのことを、学ばせてもらいました。
彼女は、喜劇も悲劇もどちらにおいても素晴らしい女優さんであり、
その役の中で決して矛盾した事は一つも行いません。
役作りは、決して表面的ではなく、
彼女ならではのユニークなものであり、
それでも、非常に共感の出来る役に仕上がっています。
そして、歌の方はと言うと、実はこの役は、超絶技巧もたくさんあるのですが、
全てを軽々と、しかも説得力を持って、
楽しげに、歌われます。

常々、
難しい事でも、いかにも簡単なようにみせる事の出来るがプロである
と思っている私は、
本当に、彼女を見て、やっぱりこうでなければ、、、!!
と、勇気をもらいました。
ありがとう、ナタリーー、、、!!と
一体何度心の中で思った事でしょうか。。。
また、相手役のフアン・ディエゴ・フローレスも
得意の高音はもちろん、役作りも真摯で素晴らしく、
その他のキャストの解釈、演技もどれもが
全て同じベクトルに沿っていて(これがとても大事なのです)
舞台セット、衣裳もいずれも可愛らしく、
更に、すべてをまとめて牽引していく指揮者(マルコ・アルミリアート)
も冴えまくっていて、
久しぶりに、色々な意味で1から10まで堪能できるパフォーマンスでした。
NYにいる方は、是非是非観に行ってください。

ちなみに、公演終了後、その指揮者のマルコと
METの前でばったり会ったので、
実は彼と面識のある私は、
(イタリアで、とあるコンサートで伴奏して頂いた事があるのです)
”マエストロ、今日は本当に素晴らしかった”と一言いうと
満面の笑顔で、”ほんとに?それは嬉しいな、ありがとう!
METのオーケストラは立派過ぎて、ドニゼッティの音楽を
ついがんがん鳴らそうとするのを押さえるのが大変だったんだけどね、、、”
と、
正にイタリア人マエストロらしいお答え。

そうなんですね、、、作曲家のドニゼッティの軽妙さは、
なかなか他国人に理解するのは難しく、
(たとえば、ウィーンのワルツのように特殊なもの)
更に、フランス語により、フランスの物語を書いたこの作品は、
独特の洒脱さがあるため、METのような立派なオケから
それを引き出すのは、マエストロとしては
腐心する点なのでしょう、それでも
私から見ると、生き生きとした素晴らしいドニゼッティの世界に
仕上がっていると思いましたが。

それにしても、
何回オペラを観ても、
良いパフォーマンスが計り知れないほどの影響を、
人に(特にアーティストに)与える事に
いつもすごいなあ、、と思います。
私は、もう1週間ほどたりますが、
未だにまだあのパフォーマンスのお陰で
心は明るく、強い希望が、胸の中にまだ続いているのです。。。!

それではまた!

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2008/4/19  14:41

最近のコンサート感想  観た舞台について

ここのところ、自分が歌うコンサート、友人のコンサートの他、
興味のあるオペラ、コンサートが目白押しで、
毎日パフォーマンス漬けです。
(もちろん嬉しい悲鳴)
昼夜とコンサートに行く事もしばしばで、
なかなか感想のアップが追いつきません。

どんなパフォーマンスも、それぞれ感じ学ぶ事は
あるのですが、全部をあげてはきりがないので、
とりあえず今日は、書き留めておきたい、以下のふたつ。

1.キャスリーン・バトルのコンサート
 
10年ほど前に、世界の大ニュースとなった
MET(メトロポリタンオペラ)からの強制解雇後、
実質、
世界中のオペラハウスでの舞台の仕事を
失ってしまった彼女。

その後、コンサートをして
今でも、世界を廻っているという事は何となく聞いたことがありましたが、
今回久しぶりに、カーネギーホールのメインホールで
コンサートを行うという事を知り、
(残念ながら、カーネギー主催ではなく彼女のマネージメントのCAMI主催)
何としても、都合をつけていくことを決意しました。
それに、私は、彼女のことをオペラででも、コンサートででも
生で聞いたことありませんでしたので。

舞台に彼女が現れるや否や、
ものすごい歓声とBravaの嵐。
このブログでも以前書いたキリテカナワのコンサートの時もすごかったですが、
今回はそれ以上で、
大げさでなく、いつまでたっても、観客拍手と歓声は止みません。
ここが、騒ぐのが好きなアメリカであり、
彼女は、長い間NYでリサイタルを行っていない事を差し引いても、
未だに、ものすごい人気である事に、内心舌を巻きました。

しかし、あまりの長さの歌う前の喝采を目の当たりにしている内、
ふと、METを解雇されてしまったと言う事実に対して
いくら正当な理由があったにせよ、
やはり多くの人が、彼女を気の毒に思っているのかもしれない、
と言う思いがよぎりました。
特に、当時の彼女の人気を思えば、
まだまだニューヨークの音楽ファンたちは、彼女の事を忘れていないのだな、、と
感慨深いものがありました。

さて、ようやく、Divaを称える最初の儀式も終わり、
いよいよ待望の演奏が始まりました。
ピアニストは、
その昔音楽院時代に毎週コーチングを受けていたTedTaylor氏です。
(今回の公演は彼からのお知らせで知りました)

さて、演奏の感想ですが、
これに関しては、割愛させていただきます。
ネガティブな事は言葉にしたくないし、
書きたくないと常々思っていますので
どうかご理解ください、と言う文でお察しください。

良かった事はといえば、
彼女のスイートな声のカラーはまだ健在であった事と、
歌っていない時の、
そのステージ上のマナー、プレゼンテーション、そして
アンコールの黒人霊歌、です。
チャーミングであり、思わず、みんなの目が集中してしまうような
舞台姿でした。
ただ、気難しく神経質そうな人であるのだろうという事が
歌や、ちょっとしたステージ上の態度で見え隠れしてしまい、
少し残念であると同時に、反面教師になりましたが、
それはそれで、やはり勉強になりました。

それでも、とにかくものすごい人気でした。。。。
さすがです!



2. Satyagraha in the MET(メトロポリタン歌劇場)

20世紀を代表するようなアメリカの現代作曲家
フィリップグラスによって1980年に初演された
ガンジーの前半生を描いたオペラ、サティアグラハ(どう発音してよいのか
今でも、定かではありませんが、、)
METでは、初めてのサンスクリット語によるオペラという事、
またミニマルミュージックと言う分野を確立しているフィリップグラスの作品である事に加え、METでは、相当前から、この作品に興味を持たせるように、
かなり宣伝をしていた事もあり、
私も楽しみに出かけました。
ところが、、、

何というか、
フィリップグラスの音楽を全く知らず、ミニマリズムの音楽を
聞いたことのなかった私は、かなり驚きました。
口で説明するのは難しいので、興味のある方はこちらをどうぞ。。。
こんな感じです、と言うのが分かっていただけるかと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=WmX_GgozpQs&feature=related

オペラの幕が空けた瞬間から、永遠に続くような音型の繰り返し。。。
そして、不思議な音の世界と、それにマッチしたセットと動きと
そして、ガンジーの残した言葉たち。

同じ音型の繰り返しだから退屈かと思いきや、
何故だか、不思議な緊張感もあり、
客席は、身じろぎ一つしません。もちろん私も、
ただ単に退屈とは少し違って、
なんというか、集団催眠にかかったかのような不思議な気持ち。

後日友人を通してこれが、「瞑想オペラ」と言われていると知りました(笑)
納得。

それにしても、
芸術の世界での新しいものの出現はいつの時代にあっても、
激しい賛否両論を引き起こすものですが、
間違いなく、このオペラは、新しい形、
私から見ると、オペラと言うものの定義の根底から覆すかのような
作品でした。

でも、もう一度観に行きたいとは思わないですけどね。


ということで、まだまだ
感想を書きたいパフォーマンスはいくつもありますが、
今日は取り急ぎ、この辺りで。


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2008/4/10  14:14

大型スター不在?  分類なし

先日とも少し関係のあるお話しを。。。

先週ヴァイオリニストの友人と話していた時に、
不思議だなあと思ったのは、
昔はわらわらといたハイフェッツ様クラスのヴァイオリニストのスターが
今は減って来ていて、なかなかいないと言う話。

実は、歌の世界でも、正に同じ事が起こっていて
たとえば3大テナーの事をとっても、
彼らを凌ぐような、
次世代の若手3大スターも
なかなか本家のものと名実共にかなうものが出てきておらず、
それは、一つに
今の時代のスターが、全体に小粒化してきていると言われています。
確かに、
声楽の黄金時代といわれたマリア・カラスやその少し前の世代に
ボコボコといたスターたちのような歌手は
今は、殆ど見当たりません。

色々理由はあると思うのですが、
私が思うに、一つには、素材としてそういう人は、
今も昔も変わらずいても、
そういう人が、実際歌をある程度の期間学んだ後、
キャリアを築いていく言う道を選ぶかどうか
と言うところが、鍵なのだと思います。

私が言うのも変ですが、
この道は、見返りを求めたとしても、本当に報われない分野ですし、
資本主義一辺倒の世の中にあって、
どれだけ、演奏家を目指して自己投資したお金が戻ってくるかと言うと、
かけた分だけ取り戻せる人の率は、限りなくゼロに近いと思います。

ですので、キャピタリズムの物差しで計ると
あまりにも馬鹿馬鹿しい仕事だと、私でも正直思っています。

でも。

この世で、もっとも美しいものに身をおく事ができ、
自分の成長や、自己実現の喜びを、わが身で思いっきり感じながら、
それを仕事にしてゆける道は、どんなに苦しくても
やはり幸せであり、魅力的だと、私は思っています。
だから、私は続けています。

それでも、
あまりの報われなさ、不毛さに、途中で道を変える人が多い事も
十分に頷けます。

続けるのも、続けないのもどちらもOKだと思います。

今日偶然友人と入ったマンハッタンのおすし屋さんで、
人気プリマドンナ、ナタリーデセイに会いました。
すぐ隣にいたので、思わず話しかけたら
拍子ぬけるほど気さくで、おまけに
5月にカーネギーでコンサートをするのだと言うと、
本番は用事があるけど、ドレスリハーサルは観に行くから(!?)
詳しい事が分かったら連絡頂戴と言って、電話番号を教えてくれました。

なんとまあ、、、と驚くと同時にやっぱりな、、と思いました。
私は、一流の方たちほど、気さくでナチュラルだという事を
これまで何度も、見て来ました。

それはもともと性根がいいからという事も勿論あるのでしょうが、
私は、
そこに行くまでの辛酸や、数々の経験を経て、
とがった石も、まるく、
まるい石は、もともと角がないから比較的スムーズながらも
やはり、一層まるくなっていくのだと思います。

つまり、、、
それほど、一流を目指し歩いていく道は厳しい事を
私は知っています。

でも今の世の中、
それほど苦労や、辛い思いをしなくても
ある程度の事ができたり、手に入ったりするので、
仮に、ものすごくいい持ち物(声)や、
いわゆる「才能」を持ったの人がいたとしても、
そこまで、苦労して歌手や、演奏家になろうと言う人が
減ってきているような気がするのです。

ですので、最初に戻りますが
未だに戦争がなくならないまでも、世の中が比較的平和で
物質的には恵まれているように見える今、
50年前と比べ、世界的に音楽家の数が2−30倍に増えたと言われながらも、
少し昔は沢山いたような大型スター不在の時代、
になってきているのではないでしょうか。。。?

無論、他にもたくさん理由があると思いますが。

今日もまた熱く語ってしまいました。
では又次回に!

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2008/4/6  12:08

ヤッシャ・ハイフェッツ  演奏家の話

こんにちはーー。今日は気の向くままに、、

いきなりですが皆様は、
自分ひとりの自由な時間に何をして過ごされますか??

私にも、大好きな時間の過ごし方が色々とありますが、
その中の一つは、ゆっくりと集中して
大好きなヴァイオリニスト、ハイフェッツ様の音楽を聴く事です。

よく、どの歌手が一番好きですか、と聴かれると
ものすごく回答に困るのですが、
他の分野の演奏家はすぐに言えるのは、面白いものです。

Jascha Heifezt (ヤッシャ・ハイフェッツ)様との出会いは、
その昔
何気なくCD屋さんで思いついて、彼のCDを買ってみた事に始まります。
家に着いてから早速聴いてみると
その魂のこもったあまりの音の美しさ、その表現力、そして
自由自在に歌われるフレーズと、あまりの完璧さに
ただひたすら仰天して、
改めてハイフェッツ様を調べてみると
20世紀を代表する天才ヴァイオリニストと言われている方でした。

思うに世間では、天才と言う言葉が割と安易に使われ、
天の才とは選ばれた人のみに与えられるもので
一般の人には、あまり縁がない、、といった
表現をされがちな印象を受けますが、
私は、その考え方に何となく違和感を感じます。

現にハイフェッツ様にしても、
彼が大変すばらしいヴァイオリニストだという事は、
疑問の余地は全くありませんが、
私には、彼の演奏は、やはり並みでない努力と情熱と、
そして、神が彼を通して演奏させているものの他に、
やはり彼自身の確固たる意志、主張を感じるのです。
ああ、、、ここで、これを表現したいが為のこのテクニックの習得に
一体、何万時間費やしたのだろう、、、と思うと
やっぱり、みんな同じなのだ、と思って元気が湧いてくるのです。

まあ、ハイフェッツ様を語りだしたら止まらないので、
このあたりにしておいて、
今日一番話したかった事は、、

今日私は珍しく頭痛がしていたのですが、
チキンスープを飲んで、
やはり大好きな、MaxBruchという作曲家のコンチェルト(協奏曲)を
ハイフェッツ様の演奏で聴いていたら
頭痛がしなくなりました。本当に、不思議、、、という話でした。
音楽のもつ力は本当に素晴らしい。
ちなみに私は元々バイオリンやチェロなど弦楽器が大好きなのですが、
バイオリンは何といっても、コンチェルトが大好きです。

ちょうど昨夜、バイオリニストの友人が新しい弓を求めて
東奔西走している話を、面白く聞いていたばかりなので、
今日はヴァイオリンの事を書きたくなりました。

又いつか、ハイフェッツ様のことは
ゆっくり書いてみたいと思います。


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2008/4/2  14:41

最近の写真集  ご報告

今日は報告写真集です。

まずは遅まきながら1,2月の日本でのコンサートツアーの写真から。。。

こちらは舞台裏でモーツァルトに扮したピアニスト江澤隆行さんと、
マリーアントワネットに扮した私。
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こちらは、聴きにいらして下さった田丸みすずさんと。
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こちらは、
先日カーネギー、ヴァイルリサイタルホールでのチャリティコンサートより。

TADASHIで作ったばかりの新しいドレスを着てみました。
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これは、コンサート最後のプログラムにルチアの2重唱を歌っているところ。
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そしてこちらは、最近リンカーンセンター前に出来た
おしゃれなBARの誕生日ランチにて、嬉しそうにしている私です。
クリックすると元のサイズで表示します


あんまり普段は、写真をのせない不精者ですが、
今後ともよろしくお願いいたします。

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2008/3/31  19:51

飽きの来ない町  世界各地の色々な町

先週、書こうと思っていて忘れていた事がありました。

それは、クレジットカードを紛失したのですが
驚く事に、翌日には出てきたと言うありがたい話。

NYでは、クレジットカードを紛失したら、1時間以内にその機能を
止めないと、大変な事になる、、、と言われているものの、
何と私は、カードを紛失した事すら気がついていませんでした。
前日に、日本にもあるKinko'sにてコピーをした時に、
うっかりとカードを機械から取り出すのを忘れていたらしく、
その事に気がついたのは、
翌日サブウェイに乗る前に、パスを取り出した時。

財布に何かが足りない気がする、、、と思い、よく考えてみたら
一番大事なクレジットカード。
今頃、大金が引き出されているかもしれない!!と青くなりながらも
妙に落ち着いていて、きっと無くしたのはKinko'sでだろうから
戻ったら、きっとある筈だと、妙な確信を持って
そのままその日の変更を少し変更して、直行。

大丈夫だろうと言う予感を持ちつつも、
多少どきどきしながら、
Kinko'sにて事情を説明してIDを見せると、
「ちょっと待ってて」と言われたのち、
あっけないくらい簡単に、
私のクレジットカードが差し出されました。
出てくるなんて珍しいわよ、ラッキーだったわね、と言う笑顔と共に。

良かったーー!
NYも捨てたもんじゃないわ、ブログに書かなきゃ!
と思っていたのが、誕生日前、つまりもう1週間以上も前ですが。。。
でも、
ほんとニューヨークも満更でもないと思いませんか??
私にとっては、誕生日直前の、最後の厄落とし(?)
同時に、バースデイギフトとなりました。

それから、、、おとといとても印象的な映画を観たので、
こちらにご紹介します。

ミリキタニの猫、という題名で
ミリキタニさんが主人公のこの映画は、
色々な事を示唆してくれるものでした。
私が一番、印象に残った事は、
自分は実際ホームレス生活をしながら絵を描きつつも、
自分の作品に対して、
「これらは商業アートではなく、れっきとした芸術作品だ。
値段をつけたら、どれも3万ドル(約300万円)以上はするぞ。
すべて後世に残る傑作だ。」
と言っているところでした。
実際に、彼の作品には、非常な力があり、もっと
観ていたいな、、、という気になります。
1日絵を描いている事だけに楽しみを見出す彼。
広島で育ち、戦前にアメリカに渡って来たものの、
戦中は、強制的に収容キャンプに入れられます。
そんな彼をフィーチャーしたこの映画、
多くの方、とくにアメリカにいる日本の方には、
感慨深いものなのではないでしょうか。
こちらで少しだけ見られます。

http://www.youtube.com/watch?v=ax9K9a0FS5U

NYは色々な意味で本当に映画の町で
今映画を作って(撮って)いる人が私の周りだけでも
3人もいます。
去年、日本でのプレミエの前の激励会にて
私が歌わせて頂いた「TOKKO(特攻)」
と言う映画も、やっぱりNYの
知り合いの方が作ったものでした。。。

紛失したクレジットカードが出てきた事も嬉しいですし、
色々な人に映画を作らせるパワー、それを世界中に広めるパワーをもつ
NYと言う町、飽きが来るのは、少し難しそうですね。。。
それでは。。!

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