2008/7/16  23:59

新日石の新仕切り価格体系とEM  分類なし

暫く更新しないうちに、いくつか大きな出来事があった。
まず、このブログに多大の話題を提供してくれたエクソンモービルで、副社長の外人と中心的役割を担ってきた日本人役員の退職が決まった。
これによってEMは、システムのみならず精神的にもグローバルスタンダードに転換するだろう。6月にロイターが発信した米国での直営・社有GS売却のニュースが現実味を帯びてくる。(日本EMは記事を否定したが米国リテールセールスディレクターは“今回の措置はエクソンモービルにとって将来の成長と競争力強化の上で最高の選択The best way”と述べている)

退職する役員はGS業界の過去のしがらみの中に生きてきた。日本人役員は、エッソ・ゼネラル含めた「スタンダード三兄弟」にあって最も大らかなモービル石油で、一貫してリテール畑を歩んできた。外人役員も日本生活が10年近くに及ぶ。新設GSイベントでは自らフィールドに出て景品を配るような、90年代までの古き良き米国リテールを体現していた。
両役員の退陣で、従来の日本リテールは「店じまい」となる。国内販売に元売が主体的に関与する時代は終わり、GSなど販売施設や商権の売却・委託が行われるだろう。

新日石が「新価格体系」を明らかにした。
FPS(フォワード・プライス・システム)という名称で、TOCOMの先物かRIM陸上業転価格をベースにして、「週決め価格」となる。
新仕切体系は次のように合成される。
@ TOCOMかRIM陸上価格のいずれかを基準価格に選択する。RIMは千葉・川崎・中京・阪神の特定場所を指定することができる。もう1つ、TOCOMとRIM平均を50%ずつ合成することもできる。ようは4種類の基準価格設定方法がある。
A TOCOMは1週間の終値の平均で設定する。
B この@、Aの基準価格に対して、「フレート」とわざわざ横文字を使っているが、ようは物流費。油槽所までの転送コスト+油槽所固定費+販売運賃(ローリー運賃?)を上乗せする。これを市町村ごとに設定する。
C 次に、「ENEOSアドバリューネットワーク」とこれまたペテン広告代理店D通が考えそうなコストが乗る。一般社会では名義料・ブランド料と呼ばれるもの。
D 供給コストをさらにアドオン。
E そして「ENEOSパートナーズメリット」。ボリュームインセンティブ。白油3品取引数量で1000KL未満0.1円から最大は25000KL以上の1.0円まで。
以上、@〜Dのコスト積み上げからEのインセンティブを引いたものが、仕切価格となる。

そして、こういう前提条件が提示されている。
@ プライスバンド。いつからこの会社は外資になったのかと思うほど横文字を駆使するのだが(横文字を乱用する人間は日本語表現力に欠けるのでこの会社は国語教育をやり直したほうが良いと思う)、これは仕切の上限下限の枠を設定すること。TOCOMやRIMで異常な高値・安値となった場合に、これ以上高くも安くもならないという変動範囲をあらかじめ設定している。上限は石油情報センターの「都道府県別小売価格」であり、下限は「当該週の想定原油CIF価格+石油石炭税」としている。
A 取引数量の前決め。前年実績と新日石が想定する内需伸び率等をもとに先行き6ヶ月間の引取数量を決める。「基本数量」といって、これも上限は「+5%」、下限は「▲10%」を目安とする。ようは基本数量の5%増販まで、基本数量の10%減販分までは新仕切体系の枠内で対応する。
B Aで基本数量を超過した場合、「製油所稼働率向上による追加生産」と「国内マーケットからの調達」を理由としてガソリンで1円、中間3品で3円の「追加調達コスト」を上乗せする。
C 今後特約店単位に6か月ごとの数量と価格の詰めを行い、10月1日より新仕切体系をスタートさせる。

事実上の経産省天下り特殊法人のTOCOMや元売の会員制カジノであるRIMに対するいかがわしさはあるものの、公表データをベースにしたことで「公平性」を演出してはいる。
しかし、その後のコスト積み上げ分は現在のところ詳細は明らかではない。推定だが、物流費は製油所の距離によって0.6〜から2.5円/Lぐらいのレンジか。また、ブランド料(名義料)は2円/L前後であろう。
で、意味不明なのが「供給コスト」。安定供給のためのコストという。しかしですよ、元売の安定供給責任は「ブランド料」に組み込まれているのではないのか。特約店がENEOSブランドを掲げるのは、安定供給が第一にある。いくらドクターストップやカードシステムを喧伝しようが、供給できないGSは社会から否定される。元売ブランドの生存価値を突き詰めれば、安定供給にある。銀行は決済できてこそ銀行であり、吉野家は味を維持してこそ吉野家であるのと同じ理屈だ。安定供給できない元売は元売ではない。元売のブランド力とは、安定供給にある。
しかし、供給コストを別建てでアドオン。暴力バーかインチキFCチェーンに入ったようなものだ。結局、コストを上乗せしてすずめの涙のインセンティブを引いても、ようは「CIF+15円」といった石油連盟希望価格に収斂するのではないだろうか。

この新仕切体系を裏読みすれば、こういう考え方があるかもしれない。
コスト上積み分がいやなら倉取りしなさいということだ。運賃補助が何円出るか知らないが、物流合理化に寄与することは間違いない。
また、数量枠の超過価格を設けたことは、超過価格が嫌なら、増量分はTOCOMで買いなはれということではないか。どうせ新日石が出すのだから痛くも痒くもない。持ち届け組と倉取り組みで著しい差異が生じるかもしれない。
現時点で、販売店卸や取引条件(CODや済度)は不明だが、これを大手特約店が呑むかどうか。新日石特技の事後調整や業転シンジケートは存続するのか。存続すれば新価格体系は瓦解するだろうが、残念ながら、販売店卸まで持ち届け物流に甘んじてきた大手特約店はなすすべなく体系に取り込まれるだろう。

と、ここで思いついたのだが、この体系は明らかに倉取り有利ということから、冒頭のEMと点と線を感じてしまう。
EMは米国と同じく直営・社有を売却するだろう。新日石が受け皿になる可能性を否定できない。高く売れるなら新日石であろうがゴンタであろうが売るというのがEMのビジネススタイルだから、ありえない想像ではない。
さらにEM屈指の量販企業が新日石傘下入りする可能性もあろう。EM量販店は倉取り自己物流能力を持っているから、この価格体系は少なくともEMのフォーミュラより有利であろう。名うての超量販業者が、雪崩をうってENEOS傘下入りする可能性は相当高いであろう。
もしこの空想が現実化すれば、新日石特約店は入れ替え戦に突入することになる。

2008/6/19  14:19

EMクリーンナップ作戦で昭和シェルへの大型転籍  分類なし

関東圏でEMから昭和シェルへちょっとした規模の転籍。
1つは7ヶ所、もう1つは20ヶ所。
製油所から150km圏外へ供給しないという方針が明らかになって、該当するエリアのEM系列店が離脱を加速している。
ちなみにこの動きを称して「(系列)クリーンナップ作戦」と言うらしい。
最終的には、EMの「制空圏内」で物流機能を持って拠点生産性の高い流通業者に集約されて行くだろう。そして彼らが元売の国内流通機能を代替しうる状況になれば、EMはシンガポールに指揮系統を集約するのではないだろうか。

しかし、EMから昭和シェルはまるでエスカレーター方式の大学付属高校の如く規定路線化しつつある。EMがツモ切りすれば昭和シェルが即時にポン、チーのまるで乞食麻雀。ひょっとしたらEMは「よりどりGS特選カタログ」なんてものを昭和シェルに送っているかもしれない。
与太話はともかく、それだけGS業者の仕入先選択の自由が狭められている。まず民族系に全く信頼感がないこと。全時代的な発想で締め付けばかり、効果の出ない大言壮語のプログラムなど辟易しているからだ。
当面EM代理店の選択肢は、規模の大きい場合昭和シェル、その他は商社傘下でPBということになりそう。

2008/6/19  12:03

日経新聞ペトロブラス記事は誤報  分類なし

18日、さまざまな人から電話があった。
日経にペトロブラスが「元売系列以外のGS1万ヵ所にバイオ燃料販売」という記事が一面に大きく書かれた。こんなブログを書いているものだから、何か知っているだろうという共同幻想で問い合わせがきたようだ。
そりゃ記事を読めば色んな興味はわいてくる。

「ブラジル国営ペトロブラス、バイオ燃料を日本販売 (日経ネットより)

ブラジルの国営石油会社ペトロブラスは年内にも日本でバイオ燃料を販売する。ブラジルから輸入した低価格のバイオエタノールを混合した燃料を独立系ガソリンスタンドに供給する。二酸化炭素(CO2)を排出しないとみなされるバイオエタノールの環境性能を前面に出す。1リットルあたりの卸価格は通常のガソリンより1―2円安くなる見通しで、店頭価格の下げにつながる可能性もあり、バイオ燃料の普及に弾みがつきそうだ。
ペトロブラスは世界最大級のバイオ燃料生産会社。ブラジル国内のほか米国、中国、台湾に輸出しており、日本進出の機会をうかがっていた。」

日経は、時として大向こう受けの観測記事を書くことで有名?だが、これもその類。
他社が全く追っかけ記事を掲載しないから、ガセネタ。
沖縄の、現時点で設備も整備されていない製油所が、「元売系列以外のGS1万ヵ所にバイオ燃料販売」とは無謀もいいところ。精製能力を150万BDにでも拡張すれば話は別だが。
それに「元売系列以外」と言っても、ブランドを掲げないだけで、供給はどこかの元売に帰着する。元売の既得利権であり、これをいただこうとすればバーターなど物流協力は望めない。
流通段階では、伊藤忠、三菱商事、三愛、JAなど既存卸売業者の権益に抵触する。彼らとネットワークを作り上げるにしても「年内にも」販売開始はありえない。沖縄で売るという話ではないのか。
面倒な国内で売るよりも、沖縄というアジア市場で絶好の地勢をいかして、中間品や半製品を貿易したほうが手っ取り早く稼げるだろう。

ところで米国EMの直営売却が大きく報じられているが、米国シェルも直営2000カ所をジョバーに売却するという。
このトレンドは、必ず日本に波及するから、そういうタイミングでペトロブラスがネットワークを買収するなり、日本の流通業者と提携に入る可能性は考えられそうだ。

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神武天皇ゆかりの大阪生國魂神社界隈はラブホの巣窟だがこんなサービスを発見

2008/6/17  22:06

新日石中間品フォーミュラの謀略史観  分類なし

石油業界紙の中で意欲的なHPを継続する北海道石油新聞だが、こんなトピックスが掲載されている。
http://www.sekiyu.net/index.htm

新日本石油が新仕切体系を実施 
まずは中間留分製品のインタンク卸に新方式を導入
 
新日本石油は中間留分のインタンクについて6月から新しい仕切り価格体系を実施し、今秋にはガソリンについても同様の仕切り体系を実施することになりそうだ。「最近、新日本石油の支店長名で“中間留分仕切価格への陸上RIM採用について”と題する文書が届いた」と語るのは新日石系の特約店主。これによると「新日石では公正で透明な競争環境の確保および合理的な卸価格方式を構築するため、需給および市況を反映した陸上スポット価格(RIM)を中間留分のインタンク取引価格の指標として採用する」というもの。

6月―9月を対象期間に、灯油、軽油、一般A重油、LSA重油のインタンク部門について陸上スポット価格(RIM)+マージン+物流コストを適用仕切価格とするものだが「これを実施し、その後、今秋にはガソリンの卸価格方式も、同様な方式で実施するのではないか」との見方が急速に強まっている。こうした新日石の動きに対して「文書の表題はお願い―という副題がついており、これに対しては新日石と当事者の間で十分な協議が行われるのは当然のこと」として、全面的に受け入れない特約店も少なくない。

新日石といえば今秋に九州石油を吸収合併するが、九石のストークマークの行く末にも関心が集まっている。10月1日の合併以降、ストークマークについては順次、ENEOSマークへと切り替える―というのが基本方針。しかし、九州エリアの業者に限ってはストークマークが地域に馴染んでいることもあって「地域限定でストークマークの存続案」も浮上している。 (北海道石油新聞HPより)

中間留分のインタンクとは、運輸、建設、鉄鋼、セメント、製紙、漁業など事業所への直売だが、これを「陸上RIM+マージン+物流コスト」 のフォーミュラで販売する、ということだ。陸上RIMは、TOCOMに連動した動きを見せている。これにマージンと物流コストを1L5−6円上乗せした価格体系にするということになる。
先日書いたように、TOCOMの灯油は対原油スプレッド25−26円という超インフレ状態にある。従って、上記の記事は北海道の直売需要家に中間品を「CIH+30円以上」で販売することを意味する。灯油、軽油、A重油の需要構成比は、全国ベースでは37−38%。しかし、北海道では60%を占める。
ガソリン40KLのGSが冬場に400KLのA重油を販売する、という事例もままある。メリハリが極端な季節環境によるカーケア収益に加えて、中間品が北海道GSのビジネスモデルであり「生命維持装置」であった。

しかし、新日石のフォーミュラは北海道GS業界に事実上の引導を渡すことになる。
激しい勢いで燃料転換が起こることになる。北海道電力、北海道ガスから木質チップまでコスト競争力のある代替エネルギーが一気に台頭するだろう。(A重油高騰でススキノのソープランドが閉店すると困るのは新日石北海道支店ではないのか?)
そして、代替不可能な事業者が漁業だ。鮭鱒、鱈など日本の食生活を支える底引船舶がこのままでは壊滅してしまうだろう。共産党など支持するつもりはないが、「21世紀版蟹工船」はA重油によってもたらされる。夜な夜な高級料亭で魚を食い散らかす新日石役員は、北に向かって頭を垂れるべきであろう。

それはともかく、元売自らこのような明らかに需要を減速どころか墜落させるフォーミュラを出すのはどういう背景があるのだろうか。
1つは、福田総理が表明した2030年までにCo2の60-80%減少。首相が口にしたからには国家目標となる。奇しくも北海道洞爺湖サミットがあるから、同地で一発大きな花火を打ち上げるというきわめて政治的な狙いを感じる。
もう1つは、それに便乗しながら、実は元売自身の新燃料分野としてLNGや電気を販売して、エネルギーシフトの契機とする新日石の思惑も感じられる。特約店が絡んでいた中間品の世界を元売が破壊して、元売の持つ代替部門でちゃかり需要家をいただこう、という思惑だ。そのバックで演出しているのは、想像をたくましくすれば、経産省の次官だろう。
国際価格体系に名を借りて、販売業者の仕事を「公益事業化」する霞ヶ関と田村町(新日石本社)の謀略史観を思わざるを得ないほど、この価格フォーミュラに違和感を感じる。
北海道の石油販売業者は、このフォーミュラを受け入れることによって、長年築き上げた顧客との関係が、元売や電力、都市ガス業者など「経産省ポチ」に横取りされることをしっかり認識すべきである。
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全く関係ないけれど、アメリカとメキシコのボーダーライン(国境線)。アメリカからは簡単に出国できる。しかし再入国は非常に厳しい審査が待ち受ける

2008/6/16  1:24

元売直営GS売却へカウントダウン  分類なし

日経新聞にもEMが米国でGS売却記事。
ロイター電では明らかではなかったが、売却する2,200ヶ所は直営GSとのこと。独立系石油会社かジョバーに売却するのだろう。


米エクソン、米国内の直営給油所をすべて売却へ

【シカゴ=毛利靖子】米石油メジャー最大手、エクソンモービルは12日、米国内にある約2200カ所の直営給油所をすべて売却する方針を明らかにした。今後数年かけ、エクソンなどのブランド名を冠した給油所を運営する小売会社などに譲渡する。給油所の運営事業は利益率が低いため、主力の油田開発に経営資源を集中する。
エクソン、モービルなどの名を冠した給油所は2007年末時点で米国内に約1万900カ所。このうち2割にあたる2200カ所強が直営だ。これまでも売却しており、03年末に比べ28%減少した。(日経記事)

石油は、典型的なグローバルスタンダード産業。微妙に国情や特殊対応が絡む小売を別にすれば、米欧で発生した事象は必ず日本に波及している。セルフしかり、ハイパーしかり、コンビニ併設しかり、M&Aしかり・・・。そして次に待ち受けるは、直営GSネットワークの売却となる。
米国では、ウォルマートやCOSTCOなどハイパーの台頭によるマージンの激減、エンロン破綻にともなう会計基準の見直し(資産見あいの除却債務の積立義務)も相まって、2002年頃から石油会社が直営ネットワークを地域のジョバーに売却する動きが目立ってきた。
日本でも、ここ数年、元売の国内販売部門は在庫評価益を除けば赤字続き。販売業者に対する仕切り価格が通らないかのごとく喧伝しているが、直営GSを増やしすぎたことで自爆しているのが実情ではないか。
誰がどう考えても、元売の高給社員を並べて家賃の高い東京に本店を置き、重厚なシステムや車検工場なんかを併設して、実態は燃料油ボリューム依存であり、減販続く中で赤字幅を増幅させていることであろう。タンカーでドカンと万KL単位で売りさばくのが元売にふさわしい仕事であり、この先、明らかに市場規模が縮小する国内販売に投資することはコスト倒れであり投資家は認めてくれなくなるだろう。

元売の直営戦略を業態で整理してみると

@重量級カーケア業態の全国展開
 新日石(エネオスフロンティア) Jエナジー(ジャパネットもといJOMOネットジャパン)
A重量級カーケア業態の個別展開
 出光(地域アポロ会社)
B片手間カーケア業態の個別展開
 昭和シェル(中央シェルや地域ペトロスター会社)
C軽量級燃料特化型全国展開
 コスモ
D著名小売ブランド複合型非カーケア全国展開
 EM

さて、日本の元売が直営GSを売却する時に、@−Dのどれがもっとも高く売れるだろうか。
勝手に想像すれば、
■1位 EM 
理由;現状がうまくいっているかどうかはともかく、特殊なサービス分野は業界トップブランド(ドトール、セブン)に委ね、GS部分は全自動型システム化。運営が標準化されているうえに立地重視であり、価値の高い拠点を構築してきた。ただし売却価格は高く吹っかけようとするだろう。産油国ファンド向き。
■2位 コスモ
ピュアに関しては、事実上の無印。決して立地や設備に恵まれない、ただしコストの低い物件を単純化した業態でローコストオペレーション。EM以上に標準化されているしお買い得と言える。ただし、コスモは社有の相当数を証券化しているので、こういう場合売却は可能なのか、知識不足で分かりません。売り先は、商社あるいは独立系GS業者。
■3位 出光 昭和シェル
地域販社化しているので、地域でエリア戦略を志向する商社やジョバーが買いに入るかも。出光のほうはかなり重厚なタイプが多い。ただしこの会社は創業時から「大地域小売業」という理念で動いているので、直販にはこだわり続けるかもしれない。売り先は、商社。
■5位 新日石 JOMO
全国規模で重厚な業態。官僚支配的な本社が空想科学的・大本営発表的・自己満足自己完結型の”がたい”を作り上げたので、こんなのを買っても使い勝手の悪さに苦労するだろう。売り先は……JA、中国かロシアの石油会社

2008/6/13  15:48

EMが米国でGS系列販売から撤退  分類なし

日本では長野に供給を止めるとかで大騒ぎだが、米国では縮小してきた小売分野をついに完全撤退。ロイター発で公表された。

エクソンモービル、米ガソリン小売事業から撤退

[ニューヨーク 12日 ロイター] 米エクソンモービルは12日エクソンは、米国のガソリン小売事業から撤退する、と発表した。ガソリンスタンドの経営環境が「極めて困難」としている。保有する全米およそ2220のガソリンスタンドを売却するとしている。そのうち820カ所はエクソンが運営している。
広報担当者はエクソンとモービルのブランドは維持すると述べた。
米国にはエクソンモービルブランドのガソリンスタンドがおよそ1万2000カ所あるが、そのうちの約75%は他社が保有している。
ガソリンスタンドは、急騰する原油価格を消費者に十分転嫁できず、経営が困難さを増している。統計によると原油価格は過去1年で倍近くになったが、ガソリン価格は31%の上昇にとどまっている。


たしか7−8年前で1万ほどのGSの6割位をジョバー経由で販売していたが、まだ2200のディーラーや直営が残っていた訳だ。
欧州では10年前のプライスウォッチでハイパーに敵わないと理解すると、ちゃっかりハイパーの供給者になっている。アメリカでは、ウォルマートはマーフィーオイルという独立系石油精製販売会社が丸のり戦略をやっているが、EMもこの世界に参戦するのか。
米国では2003年頃からメジャーが直営GSを盛んにジョバーに売却している。収益性に加えて、会計基準の変更もあったのだが、メジャーや大手石油会社の小売市場撤退は顕著だった。

では日本は?いまだに直営GSの新設投資をやっているわけだから、価格体系は国際化しても国内は鎖国というか、周回遅れというか、無駄な投資とコストを使っている。
店頭でやってることも、給油で値引き、クーポンで値引き、カードで値引き、カーケアはプレゼント攻勢で笛吹けど客は踊らず・・・。心のある投資家がいたら、元売の株主総会で直営GSの投資利回りについて質問を浴びせてもらいたい。
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米国で明らかに元ESSOのGS。ブランド名は”ENCON”エンロンと米国往年のスタンダードブランドENCOを掛け合わせたような。

2008/6/13  14:50

ウルトラ減販と価格体系国際化でガソリン業転安へ  分類なし


近郊の町から東京都内に車で行く時は、時間がまったく読めない。
水曜日、朝9時に都心の新橋で荷物を受け取り、その足で正午までに北関東の外れまで行くことになった。
平日朝の首都高速は、「車の壁」と化す。しかも、高速ICまでの下道には有名な交通のボトルネックとなる場所があり、慎重を期して早朝6時前に家を出た。うまくいって1時間30分、渋滞に引っかかれば2時間以上を覚悟していた。
そして・・・。30数分で新橋に到着してしまった。車が、異様に少ないのだ。渋滞情報を示す路上のパネルには、どこにも赤い線がない。渋滞が存在していない。

北関東からの帰り、東北自動車道で、宇都宮ICや鹿沼ICから入ってくる車の数が少ないことにも驚いた。
そして埼玉の浦和料金所。時間は夕方5時近い。数km前からノロノロ状態が常なのだが、すんなり高速走行で料金所を通過。
再び首都高速に入り銀座方面に向かう。足立区加平IC付近で常磐高速と合流する渋滞ポイントは楽々通過。この先に首都高速最大のメインエベント、屈指の渋滞ポイントがある。箱崎の手前で車線が1車線に減少するため、数kmの区間を下手をすれば40分以上かけなければならない。
ところが、この時間帯にこのポイントを大した減速もなしに通過してしまった。
高速を降りて、都心の道を少し迷いながら走ったのだが、交通量が少ないので右往左往しても時間を食わないのだ。工事でもやっていても、せいぜいノロノロが数百m程度。平日にこんな経験は初めてだった。
地域格差に苦しむ地方都市を尻目に、東京圏には人も物も集中している。その東京においてすら、交通は異常事態を起こしている。
「170円ガソリン」は、消費者心理を冷却どころか、凍結させてしまったようだ。
国内の減販は元売販売計画の想定を上回っているだろう。赤字続きの販売部門の戦略は、一層の流通合理化に向けて拍車をかけていくことになるだろう。

TOCOMの6月12日 7月限終値

原油     8万5890円
ガソリン   9万1400円
灯油    11万1450円

対原油スプレッド
ガソリン      5510円
灯油      2万5560円

最近、日経の商品市況欄に「ナフサ」がさかんに取り上げられている。国際価格が原油価格を下回る状況となっている。
日経には、中東など石化プラントが新規稼動・増産で東アジア市場の需給が大幅に緩和されるという「石化2008年問題」というコラムが書かれている。
「・・・「2008年問題」。今春その兆しが表れた。石化原料エチレンの価格が暴落したのだ。 ・・・中東の石化会社は油田から出るエタンガスでエチレンを造る。エタンガスは東アジアの石化各社が使うナフサ(粗製ガソリン)より大幅に安い。このためポリエチレンなど製品の価格競争力が格段に高まる。
イランやサウジアラビアではエチレン増産に続き、ポリエチレンやエチレングリコールなども「今秋には大増産が始まる」(商社)。 」

この需給要因はもちろんナフサの価格を緩めるのだが、原油高によって、もっと構造的な価格問題が発生している。(独立系SS事業組合COCの研修会では明快に説明された)
それは、原油に対する天然ガスの優位性が高まったことだ。天然ガス(NG)、LNG(液化天然ガス)、DME(ジメチルエーテル)、GTL(常温液体のLNG)、コンセンデート(NG随伴原油)など、原油を材料としない製品群がナフサを代替している。
つまり、ナフサにおいては、原油系とNG系の2系統間で競合が発生している。このため、原油価格プラスコストという市況論が通用しなくなっているのだ。
ナフサはガソリンに他ならない。国内販売においては、国際競争とは別次元の系列政策が行われているが、原油系ナフサが競争力を後退させると、思い切って国内ガソリン部門のコスト構造を転換させて国際ナフサ価格にリンクさせていくことも考えられる。
上記のスプレッドは、業転市場における種の兆候ではないだろうか。実際、先物筋によると、元売からチョロチョロながら継続してとガソリンの売りが出ているという。7,8月市場は、業転が相当安い水準になると考える。

で、一方の灯油というか中間三品。スプレッドはL25円強もある。
これはナフサと違って競合原料が強くないからだ。とくに需要旺盛なジェット燃料に代替がない。また環境問題からディーゼルシフトが進むと考えられるので、軽油も引きが強い。原油と系統を異にする原料競合がないから、この中間高は国際的にまだまだ続く。
国内では、中間流分安を前提としたビジネスモデルであった商社、フリートが、今後再編の渦中に入るだろう。また、今冬の灯油商戦は電力やガス会社に本格攻勢を受けて、相当厳しいものとなろう。

製品輸出が活発化し、元売の基本戦略となった。また先物市場は元売の油槽所機能を発揮する。系列の差別化はなく、同品質規格のコモディティ化させたことにより、日本の国内市場も国際価格体系に入り込んでいる。それが、ガソリン安・中間高だ。

2008/6/3  16:03

GS経営危機  分類なし

こういうタイトルは、何十年も前からGS業界で石商の会議の枕詞として使われてきた。
しかし、5月末、6月末の決済が非常に厳しい状況になっている。元売の支店は、今や銀行の審査部のような雰囲気で特約店の資金繰りを見守っている。

油外で有名だった関東の外資系GS業者が破産手続きに入った。ネットワークを持ち、系列内で注目の存在だったと記憶する。
仄聞するに、一昨年の売上げが昨年は大幅にダウンしている。昨年は大幅に価格が上がった年のなので、売上げも連動して上がるところだが、激減。つまり、燃料油が相当規模で減販したことを意味する。
いくらコストを切り詰め、油外収益をあげても、ガソリン客数の減販は付加価値を吹き飛ばしてしまう。
別の地域では、「競合する業者がほぼ同時に2社倒産」と独立系GS業者から連絡が入った。その独立系GS業者も、競合店がなくなっても昔のように増販期待できないという。6月の状況が悪すぎるのだ。

1996年の特石法撤廃以降の市場環境と金融情勢の変化は、GS業者の「不倒伝説」を打ち砕き、毎年多くの廃業店を出し続けてきた。
それでも、業転玉を買うなりしながら何とか状況を維持してきた業者が少なくない。
しかし、今回の暫定税率問題の価格乱高下は、”やり繰り”のレベルではあがなえない状況をもたらしている。何のことはない、業界内の競争ではなく国家に殺されようとしている。全石連が長年政治ごっこを楽しんできた結果が、今の姿である。

元売はどこもかしこも海外の業転商売に躍起となり、国内販売業界に関心を失っている。もはや事後調整という「セーフティネット」はかからない。もはや特約店を維持するよりも、もっと効率的な流通システム作りに関心が行っているかもしれない。
経営蹉跌に直面した会社は、国家賠償を請求するしかないのである。

2008/5/29  1:47

三愛石油の国際油化買収  分類なし

国際油化が三愛石油に買収された。7月からキグナス石油と同じく三愛石油のグループ企業として存続する。
かつてはエッソの需給調整機能として業転市場を席巻し、同時にエッソブランドを主体に直営ネットワークも拡充してきた。想像だが、エッソは国際油化で数量(余剰処理)を確定することによって、代理店政策を合理的に推進できたのではないだろうか。その結果、東燃に対してバイイングパワーを発揮して、仕切りも配当も厚遇させる物言う株主として君臨した。
しかし、この1年間で、国際油化の収益状況は激変している。もともと2000億円を越す売上高に比して利益は低かったのだが、今年3月期の売上高営業利益率はなんと0.025%。主力取引先であるエクソンモービルとの関係変化があったと想像される。
株主資本比率は09年度に7.5%。相当額の有利子負債を抱えているのであろう。

平成18年3月期     平成19年3月期
売上高   230,620百万円   239,100百万円
営業利益    1,305百万円        58百万円
経常利益    1,983百万円       755百万円
当期純利益     428百万円       269百万円
総資産    24,607百万円    26,657百万円
株主資本    1,720百万円     1,988百万円

同社を丸抱えしてきた三井物産も、連結子会社として維持できない内実があったと考えられる。
今後、50%の極東石油や100%の三井石油に関しても、資本の形が変化する可能性が高まってきた。
                   ◆
国際油化売却の噂は前からあって、昨年中には伊藤忠エネクスで決まりという情報がささやかれていた。
情報通によると、伊藤忠にとってネックとなったのは、売却価格とジェット燃料だった。伊藤忠は、ジェット燃料は他社それこそ三愛に売却して、油化の石油流通機能を買収する方針だったようだ。
一方、三愛石油は旧運輸官僚を創業社長に戴いて、航空燃料を原動力として石油、ガスに業容を拡大してきた。
同社の08年3月期決算を見ると、航空燃料部門は売上げ構成では25%。石油が過半数を占めるのだが、一方、売上高営業利益率で見ると、@石油0.7%、ALPG2.5%、B航空燃料16.2%と一目瞭然、航空分野の利益貢献度は高い。
現状においては、「羽田空港においては、昨年10月からの発着枠拡大により航空機の発着回数は増加したものの、航空機の小型化や低燃費化が進んだことにより、燃料搭載数量は前年を下回りました。」とあるように、航空燃料市場に懸念も明らかにしている。
しかし、羽田空港拡張で需要の増加も見込めることもあり、成熟する国内市場を相手とする石油、LPGに比べれば、空から来客する分、中期的には非常に優位な事業と言える。
国際油化は、国際航空給油による航空燃料事業で40年近い実績を持つ。おそらく、ここに三愛が魅力を感じたのであろう。
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ところで、この買収話に先立って、三愛石油は自社に対する「買収防衛策」を明らかにしている。簡単に言えば、議決権20%超を狙う大規模買収に際して、買い手は社外有識者による独立委員会に趣旨を説明するルール。いきなりTOBをかけられたり、ファンドに利益だけ流出させられるのを回避する企業防衛策は05年に経済産業省が指針を出して以来、上場企業が熱心に導入を進めている。
ひょっとすると買収提案があったのかも知れない。(同社は否定しているが)
株価低迷の中で、日本企業の割安感が出ており、原油に向かうマネーがちょっと方向を変えれば簡単に買収できる企業が少なくない。
三愛も、株価が1株あたり純利益の何倍かを見る「株価収益率(PER)」が10倍で、これは利益の割りに現状の株価が低く見積もられている。つまり、買い得感が出る水準だ。逆に、出光興産は87倍、東燃も80倍とこれらは期待が大きすぎて、
一方、1株あたり純資産に対する株価を示す「株価純資産倍率(PBR)」は、0.65。つまり、投資した資本が0.65倍にしかなっていない=投資した金が目減りしているという状態。投資家の金を経営陣が生かせていない、と見られかねない。
さらに株主資本でどれだけ当期利益を稼ぎ出すかを見る「自己資本利益率(ROE)」は、配当原資を判断できるだけに投資家が注目する指標だが、これが6.5。この数字自体は、同業態の伊藤忠エネクス、ミツウロコ、シナネンなどに比べれば高いレベルにある。しかし、業態が全く異なるとはいえ、元売の新日石11.8、昭和シェル13.5には及ばない。また欧米では17-18%が当たり前。
欧米が非常識なのか日本がそうなのか分からないが、明らかなことは世界の金は日本企業に向かわないことだ。三愛石油は、着実に利益を上げて、有利子負債も適度でかつ漸減させており、キャッシュフローも08年3月期は特殊要因でマイナスになったが投資しながら返済を継続しており、手堅く安定したイメージを与える。航空燃料によって石油、ガス、化成品等との事業構成も堅実に見える。
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しかし、投資家目線で見た場合は別の光景が見えるかもしれない。
三愛には虎の子の「空港利権」が存在する。国内石油製品が急速に減販する中で、航空需要はここ何年かは微増と考えられる。悪しき国交省官僚の天下り利権を無視して離発着料が国際標準以下になれば、世界でもっとも平和ボケもとい安全で善良なる日本への便数は拡大する。
また、三菱重工にトヨタがそれこそ便乗したYS11以来の純国産機が開発されれば、小型機ならではの気軽な空路市場が誕生する。
その給油利権をほぼ独占する三愛石油の将来像は、現状の株価、財務指標からすれば「良い会社を安く買う」という投資家最高のターゲットであるかもしれない。

国際航空給油を含む国際油化の買収は、三愛石油にとって「始まりの始まり」となるかもしれない。

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久しぶりの「懐かしエッソシリーズ・昭和38年東京世田谷真中GSオープニングイベントト」。GS店頭でツイスト大会。これって今やったら当たるんじゃないかな。NHK朝ドラのヒップホップやったりして

2008/5/12  12:10

需給引締めの中で伊藤忠は希望の星たりうるのか  分類なし

想像以上に国内需給がタイトになり、GSの淘汰が加速されそうな状況だ。
先行き厳しい噂から。

新日石は、秋の九石経営統合を機に、九州地区での他社とのバーターを縮小するという情報。
九石大分製油所は、原油タンカーが直接着桟できるうえに、新日石麻里布に比べて高度化されている。これを輸出に傾斜させるという。
そうなれば、麻里布の稼働率が上がり、中四国・九州の需給が締まる上に、他社とのバーターも切り捨てという状況が予想される。
もう1つは、これに関連しているのかどうか分からないがエクソンモービルの噂。
年内に東燃ゼネラル、極東から150km圏外へは供給しないことになるらしい。その先鋒として長野松本基地への供給を止めるという。
代理店を遠心分離機にかけてきたEMだが、儲かる地域、儲かる代理店に特化した戦略を加速する。内航船による横持ちもせず、どころかローリー持ち届けすら止めてしまうかもしれない。製油所だけの商売に集約するということか。
真偽はともかく、日本で改質装置にかけて20KLずつ陸送するよりも、外航タンカーで半製品(ナフサ)をアジアにぶちまけた方が手間がかからず、しかもマージンを高く取れるのだから、もはや元売は国内への安定供給を第二義に置き始めている。
暫定税率問題を機に、国内販売は一層減退が加速しそうな状況が追い討ちをかける。
供給量に合わせてGSの数を適正化すると公言しているようである。
            ◆
さて、このような市場の中で、今もっともきついのが商社系販社、フリート、大手卸の流通大手だろう。
住商石油の出光への売却、コーナンの(石油事業)伊藤忠エネクスへの売却、伊藤忠グループ石油事業の伊藤忠エネクスへの集約(エネクスを伊藤忠商事の子会社化)など流通大手の事業再編が始まっている。
フリートは金城湯池だった軽油の激しい減販と元売との力学の転換によってGS小売へ傾斜しているが、何分巨体だけに軽油のキャッシュフロー減退は厳しい。長距離トラックの中継地点という立地戦略は、各社とも共通している結果、同一地点にフリートが集中する傾向もあった。軽油減販の中で、立地が逆目に出ている。ガソリンの比重を高める戦略を強めているが、既存店との差別化は容易ではない。
卸は、余剰玉が輸出に出されるため量による特価引出しが困難になり、大手商社や上場企業の名前が通用しなくなっている。さらに収益源であったLPGの収益が悪化している。
したがって、LPG分野が先行しているように、流通大手の再編が活発なものとなる。どこかの元売との関係が強いという以外は、やっている業務は同様であり、扱っている商品にもちろん差別性がない。
一度、会社というベールをはずして、出荷基地、充填所、GS拠点だけを洗い出して、重複するものを統合し、システムも統合し、人員を整理し、その上に新会社を乗せるというぐらいの激しい再編を求められるだろう。

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ところで伊藤忠は製油所を持たないのだろうか。
今回のエネクスへの事業統合によって、国内販売特化から石油貿易も含んだ体制となっている。商事は原油を購入する力を持っているし、アジア地域への販売は元売よりも得意であろう(商社だから、あらねばならない)。国内は石油・LPGともに元売並みの販売網を築き上げてきた。
旧共石・昭石・大協といった民族系元売の精販ギャップを最大活用して成長したエネクスは、特石法撤廃以前の商社系成功モデルであった。しかし2000年に100億円近かった営業利益は漸減し08年3月期はなんとか50億円に。売上高営業利益率は1.7%前後だったが、ここ3年は1%を割り08年3月期は0.7%に低迷。また、株価低迷の影響もあろうが、純資産比率は2000年頃は36-37%あったものが32%台となり、競争への投資が思うようにリターンしない状況がうかがえる。
ただし、同社は商社系でもっともアグレッシブに販売網を拡大してきた迫力を持ち(カーケア関連のFC斡旋はいかがなものかと思うが)、実際、これだけのGS・LPG拠点と直売顧客を抱えているのだから、後戻りはないと信じたい。
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伊藤忠商事がエネクスを子会社化したのだが、今後どういう動きになるのだろうか。
商事が(第三者割当等)投資家を組織化するか外資を持ち込むかして、エネクスに新たな機能を強化する戦略なのか。あるいは元売や同業他社と統合する布石なのか。
エネクスの原価を下げて利益を高め、元売に左右されない供給体制のためには製油所を持ってほしいのだが。元売が横一線で国内をタイト化させるなら、国内供給強化という逆張りニッチ戦略もある。系列が流動化しているだけに、小売業者は大いに支持すると確信する。(ただし元売間でのバーターなど難しいかも)
もっとも、伊藤忠はかつて東亜石油で大ヤケドをしたトラウマがある。期待に反して、商事はエネクス売却なんてことを考えているかもしれないのだが。

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伊藤忠商事グループ石油事業統合の戦略イメージ(同社資料)

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