2008/6/13  14:50

ウルトラ減販と価格体系国際化でガソリン業転安へ  分類なし


近郊の町から東京都内に車で行く時は、時間がまったく読めない。
水曜日、朝9時に都心の新橋で荷物を受け取り、その足で正午までに北関東の外れまで行くことになった。
平日朝の首都高速は、「車の壁」と化す。しかも、高速ICまでの下道には有名な交通のボトルネックとなる場所があり、慎重を期して早朝6時前に家を出た。うまくいって1時間30分、渋滞に引っかかれば2時間以上を覚悟していた。
そして・・・。30数分で新橋に到着してしまった。車が、異様に少ないのだ。渋滞情報を示す路上のパネルには、どこにも赤い線がない。渋滞が存在していない。

北関東からの帰り、東北自動車道で、宇都宮ICや鹿沼ICから入ってくる車の数が少ないことにも驚いた。
そして埼玉の浦和料金所。時間は夕方5時近い。数km前からノロノロ状態が常なのだが、すんなり高速走行で料金所を通過。
再び首都高速に入り銀座方面に向かう。足立区加平IC付近で常磐高速と合流する渋滞ポイントは楽々通過。この先に首都高速最大のメインエベント、屈指の渋滞ポイントがある。箱崎の手前で車線が1車線に減少するため、数kmの区間を下手をすれば40分以上かけなければならない。
ところが、この時間帯にこのポイントを大した減速もなしに通過してしまった。
高速を降りて、都心の道を少し迷いながら走ったのだが、交通量が少ないので右往左往しても時間を食わないのだ。工事でもやっていても、せいぜいノロノロが数百m程度。平日にこんな経験は初めてだった。
地域格差に苦しむ地方都市を尻目に、東京圏には人も物も集中している。その東京においてすら、交通は異常事態を起こしている。
「170円ガソリン」は、消費者心理を冷却どころか、凍結させてしまったようだ。
国内の減販は元売販売計画の想定を上回っているだろう。赤字続きの販売部門の戦略は、一層の流通合理化に向けて拍車をかけていくことになるだろう。

TOCOMの6月12日 7月限終値

原油     8万5890円
ガソリン   9万1400円
灯油    11万1450円

対原油スプレッド
ガソリン      5510円
灯油      2万5560円

最近、日経の商品市況欄に「ナフサ」がさかんに取り上げられている。国際価格が原油価格を下回る状況となっている。
日経には、中東など石化プラントが新規稼動・増産で東アジア市場の需給が大幅に緩和されるという「石化2008年問題」というコラムが書かれている。
「・・・「2008年問題」。今春その兆しが表れた。石化原料エチレンの価格が暴落したのだ。 ・・・中東の石化会社は油田から出るエタンガスでエチレンを造る。エタンガスは東アジアの石化各社が使うナフサ(粗製ガソリン)より大幅に安い。このためポリエチレンなど製品の価格競争力が格段に高まる。
イランやサウジアラビアではエチレン増産に続き、ポリエチレンやエチレングリコールなども「今秋には大増産が始まる」(商社)。 」

この需給要因はもちろんナフサの価格を緩めるのだが、原油高によって、もっと構造的な価格問題が発生している。(独立系SS事業組合COCの研修会では明快に説明された)
それは、原油に対する天然ガスの優位性が高まったことだ。天然ガス(NG)、LNG(液化天然ガス)、DME(ジメチルエーテル)、GTL(常温液体のLNG)、コンセンデート(NG随伴原油)など、原油を材料としない製品群がナフサを代替している。
つまり、ナフサにおいては、原油系とNG系の2系統間で競合が発生している。このため、原油価格プラスコストという市況論が通用しなくなっているのだ。
ナフサはガソリンに他ならない。国内販売においては、国際競争とは別次元の系列政策が行われているが、原油系ナフサが競争力を後退させると、思い切って国内ガソリン部門のコスト構造を転換させて国際ナフサ価格にリンクさせていくことも考えられる。
上記のスプレッドは、業転市場における種の兆候ではないだろうか。実際、先物筋によると、元売からチョロチョロながら継続してとガソリンの売りが出ているという。7,8月市場は、業転が相当安い水準になると考える。

で、一方の灯油というか中間三品。スプレッドはL25円強もある。
これはナフサと違って競合原料が強くないからだ。とくに需要旺盛なジェット燃料に代替がない。また環境問題からディーゼルシフトが進むと考えられるので、軽油も引きが強い。原油と系統を異にする原料競合がないから、この中間高は国際的にまだまだ続く。
国内では、中間流分安を前提としたビジネスモデルであった商社、フリートが、今後再編の渦中に入るだろう。また、今冬の灯油商戦は電力やガス会社に本格攻勢を受けて、相当厳しいものとなろう。

製品輸出が活発化し、元売の基本戦略となった。また先物市場は元売の油槽所機能を発揮する。系列の差別化はなく、同品質規格のコモディティ化させたことにより、日本の国内市場も国際価格体系に入り込んでいる。それが、ガソリン安・中間高だ。



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