2008/5/7  7:19

薔薇窓  読書

 帚木蓬生著 新潮社刊 北名古屋市西図書館蔵
 
 時代は1900年、場所はパリ。パリ万博にて女性の疾走事件が発生する。警察に勤務する精神科医が活躍するサスペンス物語。

 この物語で登場する日本人音奴は、日本人で唯一ロダンのモデルになった岐阜出身の花子を想起した。ロダンは花子をモデルに60点近くの作品を残している花子の写真も残されており、この物語の展開に資されていたのではないかと想像した。

 時代もほぼ合うから面白い。ジャポニズムがパリでは華やかにもてはやされた時代であり、物語としてはイメージしやすい。

 ただ、ストーカー役を演じる貴婦人が何とも尻切れになってしまったのは残念。犯人の家の隣であったことだけではなかろうか。警察医が一般人と私的関係を持つことにも疑問を感じた。でも、音奴を立ち直らせようとする下町の人情は日本的であり、興味を持って読めた。

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