2008/7/24  10:35

しゃぼん玉  読書

 乃南アサ著 朝日新聞社刊 北名古屋市西図書館

著者の作品を連続して読んでいる。初めて読んだ「凍える牙」が気に入ったからである。これもサスペンスものである。

 通り魔や傷害事件を繰り返す主人公が、宮崎の途方もない山村に放り出される。此村で生活していくうちに、心を次第に開いていく。そして刑期を終え、宮崎の山村に戻る。

山村での生活で、主人公の心の変化がとてもリアルである。心理描写が気に入った。設定が、現代では考えられない情報が遮断しているような山村であることが面白い。もっぱら、犯罪を犯した人間を、警察はどんなところでも捜査するはずではある。それは、気にせず読んでいくところに、この本の面白さがあるかも知れない。

 現代の若者が遭遇する「孤独」、「疎外感」をテーマにしている。最後に、おばあちゃんに会えるかどうかは、読者の想像に任せるという設定である。サスペンスというよりも僕は人情ものと捉えた。次の作品も読んでみたい気がする。

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