2008/5/11  22:56

萩往還250キロ完踏記6-おばちゃんランナーに学ぶ  マラニック

俵島を往復し、川尻食堂への道を行ったとき、クニさんが食堂からの復路を来るのに出会った。追い越したり追い越されたりで、もうお互いに顔見知りになっているので、手を上げて挨拶をする。なに、食事をしてすぐ出れば、夕方にはクニさんたちには追いつくわよ。我々が川尻食堂について食券をだして食事を待っていると、今朝ほど大坊ダム付近で追いついたおばちゃんランナーがやってきた。「あー、やっとここまできた」とおばちゃんは言って、なごやんの顔を見ると、にっこりした。「よう来たわあ。自分でも思いますねん。怪我して治ったばかりで、全然走ってないんですよ」「萩往還は初めてですか?」「いえ。3回目です」「以前は完踏しはったんですか」「ええ、無理さえしなければね、完踏できますよ、誰でも」ほらね。このおばちゃんはゆっくりランナーだから強いのよ。なまじ早く行こうと焦る人は途中でへたばる。「でも今年は走れるかどうかわからないから、いくとこまで行きますねん」とよとよさんも自分が故障している話をして、「僕らもいくとこまで行こうと思ってます」…って、なぜゴールまで行こうと思ってますっていわない!?なごやんはどんじりになっても絶対収容車には乗らないと決めている。
川尻食堂のうどんも用心して二すじ、三すじしか口にしなかったが、出汁がきいて最高においしいおつゆをぜんぶ飲み干して、それでは体力は持たないかも知れぬとアイスクリームを買って、食べながら食堂を出た。千畳敷の関門は5時、今は11時である。あれ?と地図を見ながらとよとよさんが言う。「川尻食堂の関門は1時半だったのに、なんでここで2時間もゆとりができるんだろう」きっとより多くのランナーさんに、素晴らしい景色を見せるために関門までの時間を長く取ったのね。それでなくても、地図に表記してあるペースが遅くなったのに対して、昨夜から比べると今日の私たちのペースはむしろ上がっているもの。
千畳敷までどれくらいあります?と受付のお姉さんにきくと、「17キロくらいです、でも体感的には20キロ以上ある感じですね」と答えた。それをあと3時間で行くわけね。「行けるように設計してあるんですよ」というお姉さんのことばに励まされて出発する。これから先は暑くなりますよー、日陰がないですからね、とおばちゃんランナー。何回も完踏しているようだし、この人と一緒に行こう、ととよとよさんと話したが、「私は遅いですから気にせずに先に行ってください」と促されて、歩いたり走ったりして先に進んだ。ここから先は左手に日本海を眺めながら走る。最高のランスポットではある。だが、暑い!それでもなんとか先にいくクニさんに追いつこうと、のぼりまで走ろうとするとよとよさんに「今体力を使ってしまうと、今晩宗頭以降に響きますよ」と呼びかけた。宗頭以降が本当の勝負となろうから。全体を見通して走りましょう。温度が下がってから距離を稼げばいいんですよ。それでも行き急ぐとよとよさんに、俊足ランナーの癖を見た。走れる間には走って距離を稼ごうと、遮二無二になるタイプである。ひょっとして瑠璃光寺でなく宗頭を目指して「最後の走り」を覚悟しているのかもしれない、とちらと思ったりもした。宗頭以降のためにセーブしましょう、と言ったのは、なごやんがグロッキーだった50キロ地点で、「虎ヶ崎(207キロ地点)のカレーを食べよう」と励ますと同じくらいの効果があると踏んだからなのだが。

川尻漁港に差し掛かったのはいよいよ暑くなる1時ごろ。漁港のトイレを借りて、日陰で10分だけ休憩をすることにした。昨夜から一睡もせずにここまで来ている。だいぶ離したつもりだったが、なごやんたちの後からきたおばちゃんランナーが、我々が休憩している横をひょこひょこと休みもせずに上っていった。おばちゃんを追っかけて、我々も起き上がって歩き走りを繰り返す。「執念やねえ〜」ととよとよさんが感心している。おばちゃんは強い。長門−萩地方の特徴である、みかん色のガードレールにそって、明るいみどり色のウエアがすいすいとあがってゆく。怪我をして十分に走る練習もしていない人とはとても思えないくらいの軽い足取りだった。やっぱり超長距離になると女性の持久力の強さはいかんなく発揮されると見える。制限時間を気にしてスピードを調整してはいるのだろうが、決して力の入っていない様子が見事だった。ああいうのを本当のウルトラランナーというのだろう。



2008/5/13  12:33

投稿者:まるちゃん

無理しなければ誰でも???そりゃ絶対無理ですよ。笑

そうそう、能古島に行く時、とよとよさんが渡船場までお見送りに来てくれていました。
「あ〜、この方となごやんさんは250キロを共にしたんだ〜」
と、とてもリアルに感じました。

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