2008/5/12 21:43
萩往還250キロ完踏記9−そしてまた夜がきた マラニック
とよとよさんは少しいたみが取れるようになると、なんとか飛ばそうとする。青海大橋を越えるころには真っ暗になっていて、二日目の晩がやってきた。復路のランナーのライトが次々に上がってきて、すれ違う。「がんばってください!」と声を掛け合う。
「僕らがいちばん最後だろうねえ」と話していると、後ろからはあはあと誰かが追いついてきた気配がした。先にいっていたおばちゃんランナーだった。「トイレに入っていて…」と決して体調万全ではない様子。だがこの人もがんばっているではないか。最後まで行きましょう。しばらく3人で走る。ライトを持って上ってくるランナーにお富さんを認めた。「早いね〜!でも、じき追いつきますからね!」と冗談を言う。次に、背のひょろっと高いランナーが復路を来て、うしろのおばちゃんと話している。「あ、K田さんだ」となごやんは気がついてとよとよさんに言った。「北米大陸やオーストラリア大陸を走って横断した人よ。去年の佐賀の酒蔵巡りマラニックで一緒に走ったじゃない?」といったら、とよとよさんも思い出したようだ。なんであの世界的に有名なウルトラランナーがこんなところにいるんだろうか。とっくに宗頭についているころかと思ったのに。
大日比峠を一気に下る。おばちゃんランナーはそのころまでに我々にはついてこられなくなっていて、少し距離が離れた。真っ暗な中に彼女のランプの明かりが見えないかと、しばらく振り返ってみたけれど、なかなか彼女の明かりは見えなかった。このころになると、とよとよさんは痛みを忘れようと、気持ちだけで走っていたような気がする。ただひとこと「弱気の虫がでてきたなあ〜」とぽつりと言ったが、なごやんはあえて返事をしなかった。キャンプ場に寄らずそのまま直行する。我々が鯨墓のチェックポイントに近づくほど、折り返しランナーは減ってきて、ひょっとしてチェックポイントを見落としたんじゃないかと心配になるほどだった。4連休の初日のこと、釣り客や観光客で付近の旅館は一杯なのだろう、真っ暗になったのに、結構車の行き来も多かった。ようやっと走ってきた男性ランナーに「チェックポイントはまだ先ですか?」とたずねると、道なりに行ってください、赤いランプがついているからすぐにわかりますよ、とのこと。どれだけ走ったろうか、港の先の先、赤色灯がぐるぐる回っているところが、チェックポイントだった。午後9時。受付の人は、「ご苦労様」とねぎらってくれた。先に通過したランナーたちがありったけ飲みつくし、食べつくしたのだろう、紙コップは既になく、アミノバリユーのからのペットボトルをコップの代わりにするほどだった。なごやんは近くの自動販売機でカルピスソーダを買って飲んだ。「キャンプ場によりますか?仙崎に戻っても店は開いていませんよ、残ったパンがありますから持って行きませんか」と親切である。そうか、仙崎に戻ったら11時は過ぎるな。それから宗頭か、12時半過ぎるかも知れぬ。
さすがにとよとよさんはぐったりした顔をして座っている。本人も認めたくはないだろうが、半ばあきらめの表情が見て取れた。だいたいさっきから言うことが全部ネガテイブである。なごやんはまだまだいけるぞ。「僕らが最後」ですって?瑠璃光寺じゃあ、最後のランナーが一番注目を浴びるって知ってた?みんなの拍手喝采に迎えられて、堂々と走りきりましょうよ、最終ランナーとして。かっこいいじゃない!?
再び立ちあがって復路に向う。おばちゃんランナーが走ってくる。「がんばって、あとちょっと!」と励ます。それからまだ先にもぽつぽつと、自分たちよりも遅いランナーとすれ違う。だからといって自分たちの順位が上がるわけではないだろう。けれど、一生懸命前に進もうとする姿に心を打たれた。早くはないけれど、決して歩みを止めない。自分たちもそうありたい、ね、とよとよさん。
…けれど、いくら待っても、自分たちの後を追ってくるランナーの光は見えなかった。
「僕らがいちばん最後だろうねえ」と話していると、後ろからはあはあと誰かが追いついてきた気配がした。先にいっていたおばちゃんランナーだった。「トイレに入っていて…」と決して体調万全ではない様子。だがこの人もがんばっているではないか。最後まで行きましょう。しばらく3人で走る。ライトを持って上ってくるランナーにお富さんを認めた。「早いね〜!でも、じき追いつきますからね!」と冗談を言う。次に、背のひょろっと高いランナーが復路を来て、うしろのおばちゃんと話している。「あ、K田さんだ」となごやんは気がついてとよとよさんに言った。「北米大陸やオーストラリア大陸を走って横断した人よ。去年の佐賀の酒蔵巡りマラニックで一緒に走ったじゃない?」といったら、とよとよさんも思い出したようだ。なんであの世界的に有名なウルトラランナーがこんなところにいるんだろうか。とっくに宗頭についているころかと思ったのに。
大日比峠を一気に下る。おばちゃんランナーはそのころまでに我々にはついてこられなくなっていて、少し距離が離れた。真っ暗な中に彼女のランプの明かりが見えないかと、しばらく振り返ってみたけれど、なかなか彼女の明かりは見えなかった。このころになると、とよとよさんは痛みを忘れようと、気持ちだけで走っていたような気がする。ただひとこと「弱気の虫がでてきたなあ〜」とぽつりと言ったが、なごやんはあえて返事をしなかった。キャンプ場に寄らずそのまま直行する。我々が鯨墓のチェックポイントに近づくほど、折り返しランナーは減ってきて、ひょっとしてチェックポイントを見落としたんじゃないかと心配になるほどだった。4連休の初日のこと、釣り客や観光客で付近の旅館は一杯なのだろう、真っ暗になったのに、結構車の行き来も多かった。ようやっと走ってきた男性ランナーに「チェックポイントはまだ先ですか?」とたずねると、道なりに行ってください、赤いランプがついているからすぐにわかりますよ、とのこと。どれだけ走ったろうか、港の先の先、赤色灯がぐるぐる回っているところが、チェックポイントだった。午後9時。受付の人は、「ご苦労様」とねぎらってくれた。先に通過したランナーたちがありったけ飲みつくし、食べつくしたのだろう、紙コップは既になく、アミノバリユーのからのペットボトルをコップの代わりにするほどだった。なごやんは近くの自動販売機でカルピスソーダを買って飲んだ。「キャンプ場によりますか?仙崎に戻っても店は開いていませんよ、残ったパンがありますから持って行きませんか」と親切である。そうか、仙崎に戻ったら11時は過ぎるな。それから宗頭か、12時半過ぎるかも知れぬ。
さすがにとよとよさんはぐったりした顔をして座っている。本人も認めたくはないだろうが、半ばあきらめの表情が見て取れた。だいたいさっきから言うことが全部ネガテイブである。なごやんはまだまだいけるぞ。「僕らが最後」ですって?瑠璃光寺じゃあ、最後のランナーが一番注目を浴びるって知ってた?みんなの拍手喝采に迎えられて、堂々と走りきりましょうよ、最終ランナーとして。かっこいいじゃない!?
再び立ちあがって復路に向う。おばちゃんランナーが走ってくる。「がんばって、あとちょっと!」と励ます。それからまだ先にもぽつぽつと、自分たちよりも遅いランナーとすれ違う。だからといって自分たちの順位が上がるわけではないだろう。けれど、一生懸命前に進もうとする姿に心を打たれた。早くはないけれど、決して歩みを止めない。自分たちもそうありたい、ね、とよとよさん。
…けれど、いくら待っても、自分たちの後を追ってくるランナーの光は見えなかった。
2008/5/14 12:26
投稿者:まるちゃん

後続ランナーは鯨墓のチェックポイントでリタイヤしちゃったのかな〜?
おばちゃんランナーは?!?