2008/10/13 16:09
米国大統領討論会第2戦 ニュース
オバマはすごいポテンシャル、マケインは昔話に頼るおじいさん。
きのう米国の自宅でテレビで見た。オバマとマケインの2回目の討論会はタウンミーティング形式。司会者がいて、会場のステージに50人くらいだろうか、選ばれた様々な民間人がいて、オバマとマケインに質問する。司会者も進行係りをしながらも質問する。国内問題と国際問題全体の範囲。
民間人の質問者は、あらかじめ質問する人が決まっていて、司会者がその人の名前を呼んだら、その人が質問を始める。90分の討論会なのであまりたくさんはこなせない。質問数は7か8くらいだった。
内容はマスコミですでに詳しく報じられていると思うので、私の印象。
まず、オバマはかなりのスピードで成長している。まだ上院議員一期目で経験不足というのが弱みだったのだが、さすがに米国のベスト・アンド・ブライテストの一人といわれるだけあって、のみこみが極めて早く成長が早い。ポテンシャルがすごい。
私自身がヒラリーを支持していたころは、オバマはただ、演説がうまいカリスマ牧師みたいなもので、オバマ支持者はたくみな言葉のマジックにたぶらかされているのではないかと思って、オバマの経験不足に不安を感じていた。
しかし、なんのなんの、たいしたものだ。経験不足なんて吹き飛ばしそうな感じで、なかなかできのよいディベートだった。オバマならあきらかにマケインよりは米国を正しい方向にリードしてくれそうだと納得。特に健康保険についての説明は具体的で説得力があった。
対してマケインは、一言でいうと、表現が良くないけれど、じいさんくさかった。外見は、歩く姿がよたよたしているし、背中もやや丸い。
記憶力も落ちているようで、紙に頼らないとしゃべれないのか、今回もオバマがしゃべっている間、自分の机の上のメモを必死で見ていた。
言うことが、昔の経験に頼りすぎ。大昔のベトナムでの捕虜生活に耐えたことが自慢なのだけど、そんな遠い昔のことを言われてもねえ。それより近年何をしたか、もっと自慢できることはないのかと逆に疑ってしまう。
マケインの健康保険の問題は健康保険料の税額控除で対応という政策はあいまいだ。税務実務・実態の観点から言って、よい案ではない(これについては後で述べる)。彼自身、税金システムの問題点を理解していないのではないか。
平均余命が残り少ないマケインが、死ぬまでになんとか一度大統領になるんだと最後の力を振り絞る姿。悲壮感がただよう。
成長過程にありどんどん力を付けていくオバマに対して、強がっていても「老人」でどんどん弱っていく感じのマケイン。
ディベートがうまくいかず、血圧が高くなって気分でも悪くなったのか(これはわたしの全くの推測だが、)マケインはディベートが終わったら会場に残らず、さっさと退場してしまった。CNNではマケインは自分の敗北がわかっていたからさっさと退場したのだろうと言っていたが・・・。
私は米国で米国の所得税には長年の経験がある税務のプロだ。
マケインは健康保険料について個人で2500ドル、所帯で5000ドルの税額控除と言っているが、なぜよくない案かというと、たとえばあまり年収が高くない層の人の税額はもともと5000ドルも無い。
税額控除というのは簡単にいうと、課税所得に税率をかけて、所得税額を求め、そこから税額控除を差し引く。所得税額が5000ドル未満のときはどうするのかマケインは今のところ何もはっきり言っていない。
たとえば、いろいろ控除できるものがすでにあって、所得税額が計算結果1000ドルという人は、1000ドルから5000ドルを引くとマイナス4000ドルだ。マイナスになる場合は通常は税額ゼロとされて、それまでに源泉徴収された所得税があれば確定申告で全額還付される。
たとえば、年収が5万ドル(約5百万円)の人でも、米国では持ち家があれば住宅ローンの支払利子や固定資産税は所得控除となるし、大学に通う子供がいれば授業料の所得控除または税額控除もある。いろいろ控除した結果、税額が1000ドル程度ということはありうる。
疑問なのは、健康保険料の税額控除をとった結果、税額がマイナスになった場合、マイナス部分を特別に国の支給金として対象者に払うのか?もし国が払うのなら支給金的なものとしてはらうということだ。
それに必ず確定申告をしなければこのお金を手に入れることはできない。米国には日本のように会社が従業員の所得税の年末調整をするというシステムは無いので、米国では基本的に働いてる人は(年金収入のみの人も含め)ほぼ全員に近い人が毎年確定申告をしている。
確定申告をしていないのは、その年の収入が少なくて、人的控除と定額控除だけですでに課税所得がゼロになるという所得が極めて少ない人だ。もし、健康保険の税額控除が所得税がマイナスのときでも支払われるなら、この人たちは確定申告をしなければ、このお金を手に入れることはできない。
それから、もっと問題なのは、年間に支払った健康保険料をどうやって正しく把握することができるかだ。米国では確定申告をするとき特に領収書を添付する必要は無い。税務調査に当たったとき提出を求められるだけだ。5000ドルの税額控除を受け取るために、払ってもいない健康保険料を払ったことにして確定確定申告を作る人が多発する恐れがある。
たとえ領収書添付と義務付けても偽装は簡単だ。調べるのにあまりにも多大なコストがかかりすぎてコストベネフィットにあわない。
健康保険を売った会社が年間にいくら保険料を受け取ったか、個人と米国の税務署に通知書を出すという方法は考えられるが、それでは保険会社の事務コストがかさんでよけいに保険料が高くなる。
マケインは健康保険料のための個人口座を銀行に作るということを言っているが、これも具体的なことは説明が無い。
5000ドルのお金を人は何に使うか分からない。偽装ができるなら、健康保険を買いもしないで(保険料を払いもしないで)払ったことにして、国からちゃっかり5000ドルもらって、そのお金をギャンブルや酒やドラッグに使ってしまう人もいるかもしれないということだ。
景気対策のために、何に使ってもいいからと600ドルの小切手を国がばらまいたときとは意味が違う。
こんなことは税務の実務経験のあるものならすぐわかることだ。ワシントンの議員の机上の案に過ぎない。マケインが大統領になったとして、マケイン主導で議員がいろいろ調べて検討して法案作りが始まったとしても、議会では論議の結果、廃案になるにちがいない。
きのう米国の自宅でテレビで見た。オバマとマケインの2回目の討論会はタウンミーティング形式。司会者がいて、会場のステージに50人くらいだろうか、選ばれた様々な民間人がいて、オバマとマケインに質問する。司会者も進行係りをしながらも質問する。国内問題と国際問題全体の範囲。
民間人の質問者は、あらかじめ質問する人が決まっていて、司会者がその人の名前を呼んだら、その人が質問を始める。90分の討論会なのであまりたくさんはこなせない。質問数は7か8くらいだった。
内容はマスコミですでに詳しく報じられていると思うので、私の印象。
まず、オバマはかなりのスピードで成長している。まだ上院議員一期目で経験不足というのが弱みだったのだが、さすがに米国のベスト・アンド・ブライテストの一人といわれるだけあって、のみこみが極めて早く成長が早い。ポテンシャルがすごい。
私自身がヒラリーを支持していたころは、オバマはただ、演説がうまいカリスマ牧師みたいなもので、オバマ支持者はたくみな言葉のマジックにたぶらかされているのではないかと思って、オバマの経験不足に不安を感じていた。
しかし、なんのなんの、たいしたものだ。経験不足なんて吹き飛ばしそうな感じで、なかなかできのよいディベートだった。オバマならあきらかにマケインよりは米国を正しい方向にリードしてくれそうだと納得。特に健康保険についての説明は具体的で説得力があった。
対してマケインは、一言でいうと、表現が良くないけれど、じいさんくさかった。外見は、歩く姿がよたよたしているし、背中もやや丸い。
記憶力も落ちているようで、紙に頼らないとしゃべれないのか、今回もオバマがしゃべっている間、自分の机の上のメモを必死で見ていた。
言うことが、昔の経験に頼りすぎ。大昔のベトナムでの捕虜生活に耐えたことが自慢なのだけど、そんな遠い昔のことを言われてもねえ。それより近年何をしたか、もっと自慢できることはないのかと逆に疑ってしまう。
マケインの健康保険の問題は健康保険料の税額控除で対応という政策はあいまいだ。税務実務・実態の観点から言って、よい案ではない(これについては後で述べる)。彼自身、税金システムの問題点を理解していないのではないか。
平均余命が残り少ないマケインが、死ぬまでになんとか一度大統領になるんだと最後の力を振り絞る姿。悲壮感がただよう。
成長過程にありどんどん力を付けていくオバマに対して、強がっていても「老人」でどんどん弱っていく感じのマケイン。
ディベートがうまくいかず、血圧が高くなって気分でも悪くなったのか(これはわたしの全くの推測だが、)マケインはディベートが終わったら会場に残らず、さっさと退場してしまった。CNNではマケインは自分の敗北がわかっていたからさっさと退場したのだろうと言っていたが・・・。
私は米国で米国の所得税には長年の経験がある税務のプロだ。
マケインは健康保険料について個人で2500ドル、所帯で5000ドルの税額控除と言っているが、なぜよくない案かというと、たとえばあまり年収が高くない層の人の税額はもともと5000ドルも無い。
税額控除というのは簡単にいうと、課税所得に税率をかけて、所得税額を求め、そこから税額控除を差し引く。所得税額が5000ドル未満のときはどうするのかマケインは今のところ何もはっきり言っていない。
たとえば、いろいろ控除できるものがすでにあって、所得税額が計算結果1000ドルという人は、1000ドルから5000ドルを引くとマイナス4000ドルだ。マイナスになる場合は通常は税額ゼロとされて、それまでに源泉徴収された所得税があれば確定申告で全額還付される。
たとえば、年収が5万ドル(約5百万円)の人でも、米国では持ち家があれば住宅ローンの支払利子や固定資産税は所得控除となるし、大学に通う子供がいれば授業料の所得控除または税額控除もある。いろいろ控除した結果、税額が1000ドル程度ということはありうる。
疑問なのは、健康保険料の税額控除をとった結果、税額がマイナスになった場合、マイナス部分を特別に国の支給金として対象者に払うのか?もし国が払うのなら支給金的なものとしてはらうということだ。
それに必ず確定申告をしなければこのお金を手に入れることはできない。米国には日本のように会社が従業員の所得税の年末調整をするというシステムは無いので、米国では基本的に働いてる人は(年金収入のみの人も含め)ほぼ全員に近い人が毎年確定申告をしている。
確定申告をしていないのは、その年の収入が少なくて、人的控除と定額控除だけですでに課税所得がゼロになるという所得が極めて少ない人だ。もし、健康保険の税額控除が所得税がマイナスのときでも支払われるなら、この人たちは確定申告をしなければ、このお金を手に入れることはできない。
それから、もっと問題なのは、年間に支払った健康保険料をどうやって正しく把握することができるかだ。米国では確定申告をするとき特に領収書を添付する必要は無い。税務調査に当たったとき提出を求められるだけだ。5000ドルの税額控除を受け取るために、払ってもいない健康保険料を払ったことにして確定確定申告を作る人が多発する恐れがある。
たとえ領収書添付と義務付けても偽装は簡単だ。調べるのにあまりにも多大なコストがかかりすぎてコストベネフィットにあわない。
健康保険を売った会社が年間にいくら保険料を受け取ったか、個人と米国の税務署に通知書を出すという方法は考えられるが、それでは保険会社の事務コストがかさんでよけいに保険料が高くなる。
マケインは健康保険料のための個人口座を銀行に作るということを言っているが、これも具体的なことは説明が無い。
5000ドルのお金を人は何に使うか分からない。偽装ができるなら、健康保険を買いもしないで(保険料を払いもしないで)払ったことにして、国からちゃっかり5000ドルもらって、そのお金をギャンブルや酒やドラッグに使ってしまう人もいるかもしれないということだ。
景気対策のために、何に使ってもいいからと600ドルの小切手を国がばらまいたときとは意味が違う。
こんなことは税務の実務経験のあるものならすぐわかることだ。ワシントンの議員の机上の案に過ぎない。マケインが大統領になったとして、マケイン主導で議員がいろいろ調べて検討して法案作りが始まったとしても、議会では論議の結果、廃案になるにちがいない。
