2008/7/9 0:13
先輩がバンフにやってきた カナダ・バンフでの日々
バンフに来てから、色んな知人がここを訪れました。
親を始め、シアトル時代からの親友、高校生のときからの友人、友人の友人などなど・・。そして今年の夏始めにやってきたのは、大学時代のワンゲルの先輩!私が現役のときにすでにOBだった先輩ですが、何かと飲みに連れて行ってくれたり、山行のときにはお酒の差し入れをくれたりなど、とても世話になった、頼れる兄貴。そんな先輩が忙しい仕事の合間を縫って、バンフ、1週間の旅にやってきました。
ちょうどマーティンがチェコからバンフ入りする日とかぶっていたり、仕事がいよいよ忙しく、なのに人手が足りていなかったりと、なんだか怒涛の1週間になりましたが、うまく休日を一日合わせることができて、マーティンやいつものクライミング仲間も交えて、賑やかにレイクルイーズへのロッククライミングへと繰り出しました。
私と、先輩のトムさん、レイクルイーズの岩場にて。
登山ばりばり、キャンプや旅ばりばりのトムさんも、ロッククライミングは初めて。安全に万全を施したトップロープで、景色や岩質が最高のレイクルイーズにて、クライミングデビューです。
よく知った相手なのに、カナダのバンフで一緒にいるということ、そしてそこでクライミングをしているということ・・、ふと我に返ると、なんだかとても不思議です。
バンフに家族や友人が訪れるたびに感じること、それは、自分の大好きなフィールドに大好きな人たちを案内するしあわせさ。バンフでのアウトドアパラダイスといえるような暮らしに大満足で暮らししているとはいえ、日本の仲間と疎遠になってしまう寂しさだけは、どうしても消せません。でもこうやって私がここにいることで、きっと日本の何人かの人たちとバンフのつながりが生まれたりもしているはずです。
少しでもバンフ好きが増えるといいな。少しでも多くの人がカナディアンロッキーにぞっこんになってくれて、アウトドアを楽しんで、そして日常に帰ってもその心を大切にしてくれるといいな。大自然を楽しむ心、大自然をいつも心の中に・・、そういう人たちが増えることで、世の中が変わる気がするのです。
ちょっと長いルートにも挑戦してみました。登りきって振り返ると、レイクルイーズがこんなふうに足元に広がっています。なんてご褒美でしょう!
「うわぁ〜〜」とため息、シャッターを切って切って、また切って。
トムさんの感動と「ありがとう」の言葉が、自分一人で味わういつもの感動を何倍にも大きくしてくれます。だから私は、大切な人たちをバンフの世界に案内するのが大好きなのです・・。
そしてクライミングを終えて帰路につくと、こんな風景が私たちを見送ってくれました。パーフェクトな一日の、パーフェクトな終わり。またまたカメラのシャッター音がこだまします。私たちは、気づけば9時過ぎまで岩場にいたのでした。
たくさんの写真と、素敵な絵と、思い出とを胸に、数日後トムさんは日本へと帰りました。そして、私の小さな半地下の家には、お楽しみの日本食や、トムさんの残してくれたアウトドア道具が残りました。マーティンはトムさんからもらった、日本からのお土産のてぬぐいとアウトドア用お箸に大感激。お箸を使うのは大得意で、さっそく晩のキムチ焼きうどんに舌鼓。トムさんの来訪は新鮮な日本の息吹を、私たちの生活に吹き込んでくれました。旅の醍醐味は、こんな異文化交流や発見の中にもあります。
トムさんが日本から遊びに来て、そしてマーティンとの暮らしが始まったことで、私はなぜか最近日本をより強く意識するようになっています。日本からの仲間の訪問は、いつも私にアジアの新鮮な空気をもたらします。それに加えて、多国籍な人々が暮らし、旅するバンフの中で、ヨーロッパの人間と暮らしていることで、いっそう自分のアイデンティティーが浮き上がってきたのかもしれません。日本のことをもっとちゃんと知りたい、とも思います。ここバンフで、この大自然の中で、たくさんの色んな国からの仲間たちと・・。
英語での仕事、色んな国からのお客さん。家に帰ればチェコ人の彼とやっぱり英語の生活、そしてたまに電話にむかって話すマーティンのチェコ語が聞こえてくる、そんな生活の中で、いつも私は日本のことを思います。あ、今日は夏至か、今度は七夕か・・、日本の行事や、親しんだ場所や、仲間たちのことを思います。
日本に帰ったトムさんから、「あっという間に日常に戻ってしまったけど、サチに負けないくらい僕もいっぱい遊びます、またバンフで会いましょう。」とメールが届きました。日本から旅してきたトムさんにとっても、バンフで暮らしている私にとっても、日々の繰り返しになりがちな日常の中に、スペシャルに輝く数日たったことは間違いありません。
トムさん、次はバックカントリースキーですね!
遠い日本にいるたくさんの大切な人たちの、しあわせであたたかな日々と、いつかのバンフでの再会を願いつつ、今日も私はバンフで暮らしています・・。
