2008/5/17  23:59

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』  映画

 マイク・ニコルズ『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
 オレンジを基調とした、ほんわかムードのポスターで、トム・ハンクス主演のハートウォーミングコメディのような売り方をしているが、とんでもない映画だった。
 現代アメリカの過ちの根幹を、痛烈ブラックコメディで描ききる。
 これをプロの映画とするならば、あの『大いなる陰謀』は(優秀な)学生の作品にさえ思えてくる。

 アフガン侵攻を続けるソ連に対し、アメリカは直接手を出せない。なぜならそれは全面戦争につながるからだ。しかし民主主義の勝利は勝ち取りたい。それには、アフガンにソ連製の武器を供与することだ。では、ソ連製の武器はどこから調達できるだろうか。それはイスラエルだ。しかし弾薬がない。よし、それはエジプトから手に入れよう。
 という訳で、敵の敵は味方という論理で、巧みに外交を行うチャーリー・ウィルソン。
 かくして、「代理戦争」ならぬ「極秘戦争」という概念が生まれる

 こうして映画は、アメリカが国際的に、どこに対して頭があがらないか、その背景を鮮やかに描きだし、かつ、何に対してはびた一文出さないのか、ということを鋭く風刺する。
 すなわち武器購入にかかる予算獲得は容易だが(軽く$500万から$10億に跳ね上がる)、その後の復興予算を得るのは困難を極める($100万さえ出ない)というわけだ。
 結局、ここでアフガンへの関与が中途半端だったがために、後の911アタックを生むことになるという、およそ全世界必見の傑作だろう。そして、この映画の最も理想的な上映形態は、『ランボー3/怒りのアフガン』との2本立てだ。

 トム・ハンクスの補佐役を演じるエイミー・アダムスが、『魔法にかけられて』のときはそんなとも思わなかったが、ものすごくきれいで、急遽、胸キュン。

 その後、仲間たち4名を従えて、恒例(?)の映画鑑賞会。
 今回の必須課題作品は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を指令。
 そんなわけで、シャンテシネに集合をかけ、この世紀の傑作を見ていただき、別に私が偉いわけじゃないのに、「どんなもんだ、すごいだろう」とお門違いの自慢をする。

 鑑賞会後は、隊員Hの手配により、うまいイタリアンで食事を堪能しながら、映画についてあれこれと検討会を行う。
 検討会の中で、隊員Oから、こいつは男性だというのに「自分は男友だちと2人で海外旅行に行ったりもします」などという爆弾発言が出される。

 動顚した私は、「キミはっ・・・ゲイだったのか・・・!」と、我が部隊は同性愛を禁じているのだが、がんばって理解の眼差しを向けようとすると、「男友だちと旅行したらゲイでありますかっ!!」と反論され、言葉を失う。
 私の感覚では、男が女性以外と2人連れで旅行に行くなどということはあり得ない。改めて十人十色という言葉の意味を噛み締める。

 ともあれ、人間関係を損ねない程度に矛先をひっこめ、非常に楽しい検討会となる。召集に応じた部隊員たちには、心から感謝なのだ。



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